リプレイ

第二部「待降への序曲編」


目次

序話「始動-次なる舞台へ-」

 送っていたのは、ごく普通の日常。
 何の変哲もない、自分にとっては"当たり前"の日々。
 そんな日々は唐突に破壊され、私たちは小さな世界の異変に立ち向かった。

 結果、私たちはどうにか自分たちの小さな世界を護ることは出来た。
 けれど、その爪痕は大きく、至る所にその傷が残されていた。
 私たちは、解決の立役者として持て囃されるけれど、事件はいくつもの謎を残したままで、心が晴れきる事はない。

 ――そんな私たちに構うことなく、世界は、次の舞台を目指して動き始めていた。

幕間

第一話「開戦の烽火」

 次なる舞台へと進んだ世界。
 その世界で、僕らも新しい位置に立っていた。

 明星から、星辰へ。
 より大きな道導となり、僕らは舞台の最前線に立つ。
 そして僕らがまず向かうのは、因縁の地ネベール。公国を歪ませる原因となった戦いが起きた場所。

 ――世界を取り戻す為の長い戦いが、今、幕を開けようとしていた。

幕間

第二話前編「太陽と月の出づる場所」

 道程は順調だ。私たちは次々と北へ、北へと向かっていく。
 そして私たちはついに霧の領域へと到達する。

 私たちの世界に立ち込める霧を晴らす為には、その大本を絶たなければならない。
 そしてその為の第一歩として、私たちにとある任務が課せられる。
 向かうは、霧の街。みんなの道を切り開く為に。

 その途中、私たちは“そこ”に立ち寄ることになる。
 澱む空気に、眠れぬ魂、晴れぬ血臭の漂うその場所で、私たちはひとつ過去を知る。
 ――そこは、太陽と月の出づる場所。終わってしまった、けれど終わらぬ呪いの地。

幕間

第二話後編「紅き霧に煙る街」

 呪われた地を後にして、僕らは霧の街へ向けて進んでいく。
 皆に先立って、その道を切り開く役目。
 重い責任だが、今の僕たちならば不可能な事ではないはずだ。

 そして、門が開く。
 長らく踏み入る事が出来なかった領域に、人族が踏み込む。
 じきに、この街も取り戻す事が出来る。

 ――はずだった。
 この、紅い霧さえ無ければ。

第三話「継ぎし刃は誰が為に」

 彼は、最期の時まで己の護るべき者を護り続けた。
 彼は、最期の時まで愛すべき者を愛し続けた。
 如何なる時も折れず、毅然と、飄々と立ち続けた。
 そして尚、己が一人の人間である事を忘れず、最期まで己の為に生きた。

 霧を払う為に必要な力、それが何かは明らかだった。
 そして、それを扱う為に、何をすべきなのかも。

 ――俺たちは今、未来の為に《刃狼(かこ)》を超える。

幕間

第四話「解き放たれる楔」

 剣に隠された過去と、託された思い。
 それらを得て、私たちは再び霧に挑む。

 霧は重く、私たちの心と身体に伸し掛かる。
 それでも、私たちは逃げはしない。
 私たちの手の中には、それを払う手段があり、私たち以外は、それを持たないのだから。

 そして霧は払われ、街には月の光が降り注ぐ。
 ――それがどんな事を意味するのかも知らずに。

第五話「蒼の叡智、灰白の花」

 霧の街の首魁は、最後の最後に大きな謎を残して死んだ。
 僕らには、ゆっくりと考えられる時間は与えられず、それでも、世界は回る。

 最後の目標へと向かうその前に、僕たちにはやるべき事があった。
 それは、大切な仲間の身体を治す事。

 その為に、蒼き叡智を求めて、僕らは進む。
 そこは、灰白の花の咲き誇る、美しく、そして儚い幻夢の空間。
 ――そして、この幽玄の花こそ、世界が変わる予兆に他ならなかった。

第六話「運命の袋小路」

 誰かの敷いたレールの上、私たちはずっと、その上を歩んで来た。
 たくさんの人々の下した決断も、すべては、予め定められていたものだったのだろう。

 ならば、私たちは選ぶ。
 敷かれたレールが見えて来た今だからこそ取る事の出来る選択を。

 私たちは進んで行く。
 ――“運命の袋小路”と呼ぶべき、敷かれたレールの終着点へと。

幕間

最終話「決戦、そして」

 長い戦いの中で、僕らはこの地に課せられた運命を知った。
 多くの人の想いが、その運命に踏み躙られ、空虚に消えていった。

 きっと、僕らが立ち向かわなければ、全てのものがそうして消えていくのだろう。
 だから、僕らは武器を取る。
 先が見えずとも、共に進む仲間が居る。皆で居れば、どんな壁も乗り越えられるだろうと信じられるから。

 ――そして、二つの鍵がぶつかり合う時、全ての争いは、終わりを告げる。