リプレイ
第三部「虚ろの輪音編」
目次
序話「始動-虚ろなる世界-」
送られていたのは、ごく普通の日常。
何の変哲もない、彼らにとっては"当たり前"の日々。
誰もが与えられる幸福を、何の不満もなく受け入れている、小さな諍いさえ存在し得ない平和な世界。
そんな中に出現した"異物"。
それは、今まで誰かの為に必死に力を振るっていた私たちに他ならなくて、私たちはただ、呆然と立ち尽くす。
世界は、私の意志とは無関係に変わっていく。
――新しい世界で、私たちは"世界の敵"だった。
第一話「時を繋ぐ絆」
望んでいるのは、ほんの一つの小さな幸せ。
ただ、大好きな家族と共に平穏な生活を送る。
一人の少女がごく当たり前に抱く、それだけの想い。
世界は灰色の絶望に包まれている。
それでも私たちは立ち向かう。
決して、強くなんてないけれど。
――過去と今、そして未来を繋ぐ為に、ちっぽけな私たちは小さな想いだけを胸に、世界に挑む。
第二話「たったひとつの言葉」
世界をひとつ取り戻し、僕らは次の目的地へと向かう。
そこで待つのは、僕らの大事な家族と、紫の月の断罪者。
今度こそ、彼らの手を掴む為に僕らは剣を取る。
今の僕たちになら、彼らの手を取る事はきっと出来るから。
――さぁ行こう。たったひとつの、大事な言葉を伝える為に。
第三話「虚ろなる御稜威」
幾人もの新しい仲間を迎えて、私たちは世界をまたひとつ取り戻す。
私たちの眼前に広がるのは、慣れ親しんだ公都の情景。そして、大事な人たちの姿。
私たちの行いは、確実に実を結び始めていた。
世界を取り戻す為に必要な鍵は、あとひとつ。
向かうは帝都。虚ろな世界に終止符を打つ為に。
意気込む私たちの前に齎されたのは、絶望と、決別。
――世界の神は、何処までも慈悲深く、何処までも無情だった。
第四話「心持つ者へ」
世界を取り戻すには、僕たちの力は、あまりに不足していた。
けれど、絶対に諦めない。
僕たちには、共に歩む仲間が居て、家族が居て、大切な人が居る。
どれだけ辛くても、苦しくても、手を繋ぎ、顔を上げ、立ち向かう。
そんな僕たちの眼前に吊るされた選択肢。
僕たちの全てを否定し、未来を得るか。僕たちの全てを肯定し、未来を閉ざすか。
示された選択肢は、かつてない程に、辛く、苦しいものだった。
それでも、僕らは――
最終話「再動-私たちの世界-」
歩いて来たのは、途方も無い困難の道。
幸福や喜びより、苦しみや悲しみの多い日々。
ただ自分と、仲間を信じる事だけが唯一歩む方法だった。
その旅路の先に訪れた最果ての地。
この虚ろな世界に終止符を打ち、私たちの世界を再び動かす為の、決戦の場所。
道を選ぶのは、自分自身の意志だ。
どれだけ辛くても、何度転ぼうとも、私たちは立ち上がり、足を踏み出していく。
そんな強さと弱さを、私たちは手に入れたから。
私たちは、手を伸ばす。
無数の星々が輝く、色鮮やかな世界に――