虚ろの輪音

第三部 最終話「再動-私たちの世界-」 - 05

GM
煌めく無数の星々たちの想いが、女神に届く。
#“虚の女神”
『馬鹿な……こんな、事、が……ぁああああああああああああああああああああああああああああ!』
GM
彼女が信仰を集めるべき“人”により否定され、その存在基盤を完全に失った虚ろな女神は、跡形もなく消えていく。
GM
そして、それと同時に、〈救世の弔鐘〉もまた、人の力によって消滅する。
GM
役目を終えるのは、それだけではない。
シャルロット
「……おつかれさま」
シャルロット
ファランダレスをそっと掲げて、別れを告げる
GM
〈弔鐘〉を封じる為に造られ、イエイツとクラウゼの血筋を縛る鎖となってしまった〈ファランダレス〉と〈リベラリオン〉も、〈弔鐘〉と同じく消えていく。
GM
そして、それらを護る為に造られた〈ヴァイケリオン〉にもまた、みしと亀裂が走り、粉々となってその場に崩れ去る。
ヤンファ
「永い間、よく遣えてくれた。ありがとうよ」 ヴァイケリオンを地に突き立て、その瞬間に砕け散った
ソルティア
「…………」 崩れていく鐘を見上げて、人の姿を探す。
GM
掻き消えた女神の体内からは、ゆっくりと、一人のヒトが降りて来る。
ソルティア
「……!」
シャルロット
「……」 崩れ去るファランダレスを見送り、そして新たにやってくる彼女を出迎える
エリカ
「……ベアトリスさん!」 思わず駆け出し。
ソルティア
「……ベアトリス、さん……」 どこか夢でも見ているような顔でゆっくりと近づいていく。
#アレクサンドリア
「………………」 君たちの前に降り立った彼女は、片膝をつきながら、顔をあげる。
#アレクサンドリア
「…………見事です、シャルロット、ヤンファ、エリカ、ソルティア」
ヤンファ
「…………」 ゆっくりと歩きながら、彼女の元へ寄り
シャルロット
「立てますか?」 微笑んで、そっと手を差し伸べる
#アレクサンドリア
「……いいえ」 シャルロットには、首を横に振る。 「私には、その手を取る資格はありません」
#アレクサンドリア
そう言うと、ぐっと身体に力を込め、立ち上がる。
#アレクサンドリア
貴方がたは、強くなった」
#アレクサンドリア
「私の救世は妨げられ、貴方がたは、自分たちの世界を護り切りました」
#アレクサンドリア
「きっと、これからも貴方がたは、世界を彩りながら、強く、生きていけるでしょう」
エリカ
「……」
シャルロット
「……」 む、っとした顔で腕を組んでアレクサンドリアをにらみつける
#アレクサンドリア
ですが、貴方がたのように強くなれる人間だけではない事だけは、覚えておいてください」
ソルティア
「…………」
#アレクサンドリア
「……〈弔鐘〉が消え、救世の術を失った私は、最早だたの過去の幻影です」
#アレクサンドリア
「帰りなさい、貴方がたの世界へ」
ソルティア
「……ベアトリスさん」 すっ、と立ち上がったベアトリスの前に出て。
#アレクサンドリア
「……」
ソルティア
「何言ってんだこの大馬鹿野郎が」 いっそにこやかとも言える笑顔と共に言い放った。
#アレクサンドリア
「…………」 その言葉に、唖然とする。
ソルティア
「勝手に人を強者に祭り上げて、自分は弱いから何も出来ない、しないって、言い訳ですか? 甘ったれんじゃないですよ」
ソルティア
「誰だって弱いのは当たり前です。当然です。強くなれないのも。それでも、皆足掻いてます。もがいてます。この悲しみと辛さが有り余ってる世界で生きてます」
ソルティア
「ここまで来て、今更逃げさせやしませんよ。貴女も生きるんです。この世界で。悲しくて泣いて、辛くて打ちひしがれて、それでも仲間たちと一緒に、生きていくんです」
ソルティア
「弱いから、その弱さが悲しくて辛いから、生きていくんです」
ソルティア
「生きていくんですよ……貴女だって」 ベアトリスの身体の横で垂れ下がって手を強引に掴んで。
#アレクサンドリア
「……私が、貴方がたと共に……ですか」
ソルティア
「はい。一緒に生きるのに、資格なんて、要りませんから」
#アレクサンドリア
……」 他の者の考えを伺うように、視線を巡らせる。
エリカ
「皆、“ベアトリス先生”のこと待ってますよ。……モニカも、アカシャちゃんも」 反対側の手をとって。
#アレクサンドリア
「エリカ……」
エリカ
「合わせる顔がない、とか、言わないで下さいね。嫌でも会って貰いますから」 と、笑って。
#アレクサンドリア
「……二人共、強引に、なりましたね」 ふ、と和らぐ表情に、皮肉は微塵も無い。
ソルティア
「もう少し、優しい言葉が欲しかったですか?」 にっこりと笑うその顔は、優柔不断の皮をかぶった優しさだけだった昔のものではない。
#アレクサンドリア
「……いえ、この方が、今の私には丁度良い」
エリカ
「……今までみたいに、子供たちにいろんなこと教えてあげて下さい。それで、救われる人だって沢山いるはずです」
エリカ
「そりゃあ、世界規模でのことに比べたら、小さいことかもしれないですけど……でも、それでも」
エリカ
「無駄なことじゃ、ないはずです。ベアトリスさんも……そう思うから、今までそうしてきたんでしょう?」
ソルティア
「ま、世間の風当たりは多少きついかもしれませんけど、その辺は誤魔化していきましょう。幸い、国のトップクラスが揃ってる事ですしね」 しれっ
#アレクサンドリア
「…………そう、ですね」 誰かを救いたかったからこそ、〈弔鐘〉に使われる存在としてだけではなく、現代を生きて来た。
#アレクサンドリア
「……ですが……」 それでも、気掛かりはある。 「私は、最も大事な友たちを……私の手で殺したようなものです」
#アレクサンドリア
「……そんな私が……また、陽溜まりの中で生きる事を、彼らはレナとロウファは、赦して……くれるのでしょうか」
ソルティア
「…………」 それは、自分達が言うより、彼女達が言った方がいいだろう。そう思って、間近に立つ男女二人を見やる。
シャルロット
「……ヤンファ。あたし、また悪い癖が出そうなんだけど……まあ、いつもどおり付き合ってくれますよね?」 なんて、後ろで手を組みながらちらり、とヤンファの顔をうかがう
ヤンファ
「何言ってやがる。見ろよコイツが答えだろォ?」 顎で示したのは、後ろで砕け散った剣の破片たち
シャルロット
「それもそうでした」  くすっと笑って、アレクサンドリアの前へ歩み出る
ヤンファ
「くく、覚悟すんのは俺じゃァないからな。存分にやっちまえよ」 笑いながら
#アレクサンドリア
「…………?」 どうやら、二人の真意を察する事が出来ないらしい。
シャルロット
「改めてご挨拶を、アレクサンドリア様。私はシャルロット。シャルロット=イエイツ=ヘリオドールです」 ぺこり、と頭を下げて、茶目っ気いっぱいの笑みを浮かべる
ヤンファ
「あァーと、どうも。ヤンファ・シャンリークだ」 あの時と同じような口振りで
#アレクサンドリア
「……え、ああ、はい」 突然の演技のような態度に、しどろもどろになる。
シャルロット
「……あの、ひどくなってるんじゃない?」 そんな態度に、まゆをひそめて唇を尖らせる
ヤンファ
「いやいやいや、ンなことねえだろ」 手を横に振り
#アレクサンドリア
「……一体、何を」
エリカ
「……」 そっとベアトリスの手を離す。
ソルティア
「…………」 エリカに頷いて、こちらもベアトリスの手を離し。
シャルロット
「ま、いっか……あたしも、割と砕けてはなせるようになってきましたし」 うむ、とうなずいて
ヤンファ
「……思い出さないか?」 アレクサンドリアの記憶を訪ねるように
シャルロット
「もう、ちょっと早い」 ヤンファにひじをいれながら
ヤンファ
「え、あァ、すまん。打ち合わせ無しなんだから勘弁してくれよ」 頭ぼりぼり搔いて
#アレクサンドリア
……」 脳裏に過るのは、数百年も前の記憶。
#アレクサンドリア
あの時と同じ、何処かの建物の屋上で、陽溜まりのような二人に出逢った時の事。
シャルロット
「それで、ね。アレクサンドリア様。それとも、ベアトリス様かな」 手を差し伸べながら
シャルロット
「過去をやり直すわけじゃない。あの出来事は、あったことだから。でも、もう一度始めることも、それはいけないことじゃあないんだよ」
シャルロット
「だから、ね。あたしと、お友達になりましょう」 そうして、“今”をはじめよう。陽だまりを連想するような笑みを浮かべて、彼女に手を差し伸べた
ヤンファ
「…………」 此処は確か、見守っておくところだったな、とか思いつつ差し伸べている手を見つめ
#アレクサンドリア
…………」 その笑顔を、誰かと重ねる。
#アレクサンドリア
記憶の中の二人は確かに、微笑んだ。
#アレクサンドリア
はい」 今にも泣き出しそうな顔で、必死に笑顔を作って、シャルロットの手をしっかりと掴んだ。
エリカ
」 自分も手を添えて。 「……やっぱりシャルロットだけずるいわ」
シャルロット
「エリカさん……?」
ヤンファ
「おっとォ」 自分も一歩前へ出て  「そういうことなら、俺も仲間に入れて貰わないとなァ」 そういいながら、その三人の手の上に、自分の手をそっと置いた
ソルティア
「じゃ、折角なので僕も」 何が折角なのかは知らないが、一番上から手を重ねる。
シャルロット
「ヤンファ……ソル……」 順に、視線をめぐらせて
#ルナティア
そうね。後ろで見ているだけって、やっぱり納得いかないわ」 つかつかと歩いて来て、皆の手に手を重ねる。
#マグダレーナ
「これからを共に生きる仲間が増えるというのなら、私も歓迎しない訳にはいかないな」
シャルロット
「ルナ、お姉さまも」 暖かい手が、どんどん重なっていく
#ユリウス
「……ふふ、なんだかマリウスをセフィリアに送った時を思い出すな」
#アラン
「小っ恥ずかしいが、悪い記憶じゃねェからなァ。乗ってやるのも、良いモンだ」 す、と三人も手を重ね。
シャルロット
「ユリウス……アラン」 妙にうれしくなって、わずかに涙声が混じる
ソルティア
「円陣組んでるんじゃないんですから」 ふふ、と小さく笑い。
ヤンファ
「っくく……とんだ大所帯になっちまったなァ」
#アラン
「まだ、そこにも、下にもいっぱい居るがな」
エリカ
「いいじゃないですか。友達なんて、多くて困るものじゃないです」
シャルロット
「みんな、みんな友達だよ。あなたは、独りじゃない」 微笑んで、アレクサンドリアに語りかける
#アレクサンドリア
「……ええ、どうやら、そのようです」 震える涙声で微笑み。
シャルロット
「……はい。嫌がったって、誰も手なんか離してくれませんから、覚悟してください」 ぎゅっと、彼女のてを確かな力で握って 
シャルロット
さあ、帰りましょう! あたしたちの《世界》に! 派手に凱旋としゃれ込んじゃおう!」 今までには見せなかったような、言ってしまえば吹っ切れたような声で高らかに宣言する
GM
一同の「おおっ!」という明るい声が、空に木霊する。
GM
《虚音》ではなく、皆の声が響き渡る空は、いつの間にか……

GM
君たちがアレクサンドリアを迎え入れ、彼女と会話していると、不意に辺りが小さく揺れ始める。
#アラン
「……おォ?」
ヤンファ
「……なんだァ?」
ソルティア
「あ……」
エリカ
「な、何……?」
シャルロット
「……これは、マズい……かな?」
ヤンファ
「まさかとは思うが……いやァ、そんなベタなワケが」
#ユリウス
「残念ながら、そのベタな展開になりそうだな」
#アレクサンドリア
「……急ぎ、脱出しなければならないようですね」
#マグダレーナ
「物語では、こういう場所は最後に崩落するのが決まり事だが……」
ソルティア
「……浮上させている魔力が尽きましたか?」
#ルナティア
「……」 これが浮上していた原因はと〈弔鐘〉があった場所を見つめる。
#ルナティア
当然、何も無い。
エリカ
「お、落ちるんですか……!?」
シャルロット
「まあ、そうなりますよね。動力がないわけですし
#アレクサンドリア
「〈救世の弔鐘〉が失われ、この地を支える神力が失われた今、この遺跡は再び海底に沈もうとしています」
ヤンファ
「現実でもお約束事に従うってかァ……難儀なこった」
ソルティア
「……【飛行】の呪文で脱出しますか、ベアトリスさん?」
#アレクサンドリア
「……」 ソルティアには首を横に振る。
ヤンファ
「他の奴らも待機してんだ。俺らだけ勝手に行くわけにはいかねえ」
#ユリウス
「彼らを置いていく訳にはいかないだろう」
シャルロット
「ここはひとつだよ」 魔法なんて面倒な真似やってられない
ソルティア
「シャルロットさん?」 怪訝な顔をして。
エリカ
「じゃあ、急いで来た道を戻らないと」
ヤンファ
「飛空船まで間に合うとは思えないんだが」 シャルの意見を待ち
#アラン
「今から急げば間に合うんじゃねェ?」
シャルロット
「ふふ……っ。総員、全速前進! 走って飛行船へ飛び乗れっ!! 動けない人が居たら、抱えたげて!」 ゴー! とばかりに、笑いをこらえながら叫ぶ
#アラン
「だ、そうだ」 ジェラルドに歩み寄って、その身体を担ぎあげよう。 「……うお、重ッ」
#アラン
「おら男ども、手伝え」
エリカ
「……別に具体的な策があるわけじゃないのね」 がくり。
ヤンファ
「全員が走れるワケじゃァねえってのにえェい、考えるより行動だ!」
ソルティア
「わ、分かりました!」 シャルロットに答えて、アランと一緒にジェラルドを抱え上げよう。
#ルナティア
「その命令、了解よ」 ジェラルドは男どもに任せて、昇降機へとダッシュしよう。
#ユリウス
「では、全速で帰ろうか」 ジェラルドを担ぐのを手伝いつつ、男連中といこう。
ヤンファ
「アラン、ジェラルドは俺とソルティアで持つからお前はエリカ抱えてけ!」 遅いだろ!
エリカ
「あ、いや、わ、私は自分で走れます!」 むしろソルティアさんのが遅いですから!
シャルロット
「や。ヤンファ、お父様を」 ちょいちょい、と手招きして
ヤンファ
「ン?」
シャルロット
「えい」 ポン、と呼び出す、オートモビル
#アラン
「なら任せるが、二人で大丈夫……おォ?」 なんか妙なものを。
ヤンファ
「うお……流石だなァお前」 そんなもの出すか
シャルロット
「私がお父様を! さ、みんな走って走って!」
ヤンファ
「おォよ、任せた!」
#マグダレーナ
「だ、そうだ。任せて良さそうだな」
ソルティア
「お、落ちませんか!?」 とジェラルドをオートモビルにのっけて
#アラン
「自分で走れるなら、こっちでいいな。ほら」 エリカの手を引いて、昇降機まで走っていこう。
エリカ
「わっ、と、と……」 手引かれて、わたわたとついていく。
#アレクサンドリア
「皆、昇降機へ急いでください」 二度も起動したりしてる時間の余裕はない。
シャルロット
「へーきへーき、お任せください!」
ヤンファ
「これ重量に制限ねえの?」 大丈夫か昇降機
GM
大きいから余裕さ。
#ルナティア
「壊れたらその時ね」
ヤンファ
「怖いこと言うなよ……!」
ソルティア
「ちょ、ちょっと勘弁してよルナ……!」
ヤンファ
「っし、全員乗ったな」
ソルティア
「はい……ちゃんと下まで行ってくれればいいんですが」 不安そうに見てる。
GM
そんなこんなで、皆が昇降機へと乗り込むと、昇降機は下降を始める。
GM
来た時に見えた光の球は現れず、建物内の壁がすーっと素早く流れていくだけだ。
ヤンファ
「まァ、昇降機(コイツ)の速度はどう足掻いても変わんねえし少し休むか」 ふー
エリカ
「それより、降りてからが長いですよ……」
#アラン
「階段もあったが、それ大丈夫なのかよ」 バイクみつつ。
シャルロット
「ずっと走ってるよりは楽ですよ。多分」
シャルロット
「階段ぐらい勢いですよ」 悪路なんてメじゃないぜ
ヤンファ
「シャルならバイクで階段降りるぐらいの度胸ありそうだし良いんじゃねェ?」
ソルティア
「振動がきつそうですね、それ……」
#マグダレーナ
「要らない怪我だけはしないでくれ」
GM
やがて、思ったよりも早く昇降機は下へと辿り着く。
GM
階下では、フェリシア、アイゼル、ラーエル、ザガート、ヴィルフリートが君たちを待っていた。
ヤンファ
「っと、降りるのは早いな」
#フェリシア
「マグダレーナ様! シャルロット様!」
#フェリシア
君たちの姿を認めると、すぐにフェリシアが駆け寄ってくる。
シャルロット
「フェリシアさん! お待たせ!」
ヤンファ
「よォ。ちゃんと土産も連れてきたぜェ」
#マグダレーナ
「待たせたな、フェリシア」
#フェリシア
「……はい。よくご無事で」
ソルティア
「お待たせしました! こちらは皆無事です!」 割とこっぴどい怪我な気はするが。
ヤンファ
「とりあえず細かい話は後だ。どうも落ちるらしいからさっさと飛空船に行くぜ」
#フェリシア
皆さんも、ご無事のようで何よりです」 指で少しだけ涙を拭うと皆を向き。
#アイゼル
「どうやら、そのようね」
ヤンファ
「カッカッカ、大袈裟だなァ」 涙を拭う彼女を見て
エリカ
「挨拶もいいですけど、今は急いで戻らないと……!」
シャルロット
「ン。泣くのは後にしよう。涙が落ちる前に足元がおちちゃうよ!」 フェリシアの肩を優しくたたいて
ソルティア
「割と冗談になってませんよシャルロットさん!」
#フェリシア
「は、はい……そうですね」
#ラーエル
「話は全部後だね」
#ザガート
「急ぎたまえ。空を飛ぶ事を叶わぬ君たちには死活問題だろう」
ヤンファ
「自分だけ飛べますよみたいな言い方しやがるな!」
#ザガート
「事実は事実さ」
#ヴィルフリート
「ご自慢の軍用飛空艇を失いたくないのならば、貴様もさっさと艦の元へ戻った方が良いのではないか?」 とユリウスに。
#ユリウス
「そうだな。流石にあの規模の飛空艇を失うのは痛手だ」  割と洒落にならないお値段だ。
#ヴィルフリート
「さて、さっさと行くぞ」 今飛ぶのは面倒だからな。いち早く外に向けて出ていく。
#ヴィルフリート
「荷物も、増えたようだしな」 背を向けてから、アレクサンドリアを一瞥して。
#マグダレーナ
「……ああ、そうだな」
ヤンファ
「荷物って言うなよ荷物って」 俺も土産つったけど
シャルロット
「いや、みんな仲よさそうで嬉しくなるね」 周りの会話を嬉しそうに眺めて笑う
エリカ
「そんなこと言ってる場合じゃないと思うんだけど!」
ヤンファ
「まァ、ランベルト達も待ってる。急ごうぜ」
ソルティア
「そ、そうですね。行きましょう!」 僕は移動速度遅いから前の方に出ますね。
#アラン
「全くだ。揺れもだんだん酷くなってやがる。急ぐぞ」
ソルティア
「ベアトリスさん、大丈夫ですか?」 一番体力削られてそうな人だし。
#アレクサンドリア
「平気です。むしろ、先程より元気になった気さえしますよ」 と控えめに走っていこう。
#ルナティア
「早く来ないと置いていくわよ」 もう通路の端までいってるわ。
ソルティア
「ちょ、早いよルナ! 待ってってば!」
ヤンファ
「あいよォ」 しゅびんと移動しよう
#ラーエル
「って……ずるい。何か僕も一番乗りしたい……!」 全力ダッシュを開始する。
シャルロット
「しんがりは任せて、みんな早くー! 遅い人はひき逃げしちゃうよ!」
エリカ
「ちょ、なに物騒なこと言ってるのよ!?」
#フェリシア
「シャルロット様、冗談でもそのような事は仰らないでください……!」 走るけど。
ヤンファ
「おォし、足に自信ある奴は一番競って行くぜェ!」
ソルティア
「じゃ、急ぎましょう! 本当に急がないとバイクが……」 シャルロットさん怖いです><
GM
そうして、君たちは神殿の入り口へ向けて走り抜ける。
GM
途中、シャルロットが半ば階段で走るというより跳ねる状態になっていた事は気にしない方がいいだろう。
GM
やがて、神殿を出て《虚空楽土》の屋外へと出る。
GM
その前の広場では、既に飛空船のひとつが稼動音を立てていた。
ヤンファ
「くそッ、ルナティアに追いつけねェ……!」 ぜーはーぜーはー
エリカ
「や、やっと外……」 ぜーはー。
#ルナティア
「息、切れてるわよ」
#マグダレーナ
「ああ。私もそちらへ行こう」
ヤンファ
「限界以上に走ったからなァ……ふぃー」
ソルティア
「ルナはタフだねぇ……」 スピードは遅いけど体力はあるので息は切れません。
シャルロット
「もうちょっと、がんばってください!」 ふぁい、おー
エリカ
「自分はバイクだからって……!」
ヤンファ
「さて、ランベルト達も既に飛ぶ準備が整ってるらしいし、ちゃっちゃと乗り込むかァ」 起動音を聞きながら
#ユリウス
「……さて、こちらも急ぎ起動させなければな」 もう一機の巨大な飛空艇を見て。
#アイゼル
「仕方ないわね。一人でも魔動機師は欲しいでしょう。わたしもそちらへ行くわ」
#アラン
「ま、飛空船はすぐそこだ。さっさと乗り込もうぜ」
#ユリウス
「それでは、またあちらでな」
エリカ
「あ、はい、また後で……」
ヤンファ
「墜落すんなよォ」 ひらっと手を振り中へ
#ヴィルフリート
「無駄口が好きな奴らだ」 俺はさっさとユリウスの乗ってきた方に乗り込む。
シャルロット
「貨物ハッチひらいてくださいね!」 飛び乗る気満々の顔で後方から声をかける
#フェリシア
「ふ、普通に乗るのではダメなんですか?」
ソルティア
「貨物ハッチ……? え、えぇと、ルナ開けておいて!」 僕分かんないのでそのまま飛空船に乗り込みます。
エリカ
「なんでわざわざそっちから……」
#ルナティア
「やっぱり、馬鹿よね」 シャルは。そう言いつつ乗り込もう。
#アラン
「俺たちは普通に行こうぜ。まァなんとかするだろ」 シャルロットなら。
エリカ
「全くもう……」
ヤンファ
「仕方ねえなァ」 ハッチの方へ移動して、もしもの為に待機
ヤンファ
そうは言いつつ愉しそうである
シャルロット
「なんか、せっかくですし!」
ヤンファ
「ジェラルドだけ落とすなよお前!」 ハッチ開いて、そこから叫ぶ
シャルロット
「だいじょーぶ! 絶対、離したりしませんから!」
#エドゥアルト
「おら! 何ぎゃーぎゃー騒いでんだ! さっさと全員乗りやがれ! ああ? ハッチ……!?」 とか中から声が聞こえます。
ヤンファ
「シャルがバイクで貨物ハッチに飛び乗りたいって……」
シャルロット
「シャルロット、いっきまーす!」 ゴウンゴウン、とマナの蒸気をうならせて
#アンネリース
「……かっこいい」
ソルティア
「と、とにかくハッチを開けてください! シャルロットさんが飛び込んでくるらしいので!」
#ランベルト
「……仕方ない。時間は無いぞ」
#エドゥアルト
「ああもう面倒くせェ……!」 ハッチを開けて、同時に発進の為に浮上を始めよう。
#アンネリース
「行くよ、念のため衝撃に備えて!」
ソルティア
「は、はい!」
#エドゥアルト
「《ロンギヌス》発進だ!」
GM
《ロンギヌス》の機体が、一気に浮き上がり始める。
シャルロット
「よいっ……しょおおー!!」 ダンッ! と悪路を走り抜けるためのバイク全体のバネを駆使して、豪快に飛び上がって貨物ハッチへと飛翔する
GM
後部の貨物ハッチは開かれ、ばたばたと風が吹き付ける中でヤンファはシャルロットを待つ。
GM
そこへバイクとジェラルド、そしてシャルロットが飛び込んで来る。
シャルロット
「あはははは……ッ! 到着っ!」 ぎゃりぎゃりと地面をならしながら、横滑りしてバイクが飛び込んできた
ヤンファ
「お帰り、ってかァ?」 冗談めいたように笑い
GM
シャルロットたちが入り込んだ瞬間、ハッチは閉められ、《ロンギヌス》は前進を開始する。
#アンネリース
「……後で、傷、直しとかないとね」
#ランベルト
「ああ……」 操縦席ではそんな哀愁ただよう会話が繰り広げられる。
ヤンファ
「しっかし、どこでそんな技術学んだんだよお前」 相変わらずの才っていうか、もう呆れるレベルっていうか
シャルロット
「インスピレーションですっ」 ぐ、と拳握り締めて
エリカ
「もう、滅茶苦茶すぎ……」
ソルティア
「あ、相変わらずとんでもない……」 この状況で面白さを優先するシャルロットにぼーぜんです
ヤンファ
「インスピレーションより、この状況でぶっつけ本番やろうなんて度胸の方が凄ェわ」 笑いながら
#アレクサンドリア
「……」 流石に呆れざるを得ないわ。
ヤンファ
「あァ、毎度こんなんだからな?」
#アレクサンドリア
「……血とは、濃いものですね」
GM
とりあえず、みんな操縦室とかの近くへ戻ってくるといい。
GM
主に後ろの二人だけど。
シャルロット
「せっかくの凱旋に、ただわらわら乗り込むなんて、なんだかつまらないじゃない?」 ジェラルドをそっと安定した座席へおろしてあげてから移動しよう
ヤンファ
「くくっ、まァ良い思い出話にはなったな」
エリカ
「そんな理由で落っこちたら洒落になんないと思うんだけど……」 はあ、と溜息。
ソルティア
「……そ、それで遺跡は……?」 とりあえず窓から元海底遺跡(現になりつつある)を覗こう。
GM
窓を見れば、ややあってユリウスたちの乗った飛空艇も浮上し、君たちと並走を始める。
ソルティア
「あ……あちらも浮上しましたね。こっちに来ますよ」 並走するって意味で。
#フェリシア
「どうやら、間一髪だったようですね」 ぴ、ぴ、と操作をすると、船内のモニタに後方の映像が映し出される。
GM
映し出された映像では、今まさに《虚空楽土》が崩落を開始するところだった。
エリカ
「うわ……」
ヤンファ
「うわァ……」 この崩落を前にコイツはあんなことしたんだなマジで
#アラン
「……ひゅぅ」
シャルロット
「壮観、ですね……」 どこか感慨深くその様を眺める
#ルナティア
「……やっぱりシャルは馬鹿だわ」
#エドゥアルト
「馬鹿どころじゃねェよ……」
シャルロット
「ほら、見てください」 皆に呼びかけて、崩落する《虚空楽土》の上空空を指差す
#アラン
「……あん?」
ヤンファ
「適切に表す言葉が……ン?」
#アレクサンドリア
「空?」
ソルティア
「……はい? 何でしょう、シャルロットさん」
エリカ
「なんか、一層酷くなっていってる気が……と」
シャルロット
これまで、灰色に染まっていた世界が、まるで雲が割れるかのように開いていく。崩落する《虚空楽土》を見送るように、優しい日差しが差し込み始めていた。
ソルティア
「あ……空が」
#アラン
「久々に見た気がすんなァ……」
#ルナティア
「……眩し」
ヤンファ
「永遠の灰色、破られたり……ってか」
ソルティア
「……公都の皆も帝都の皆も、これを見れば終わったって事が分かりそうですね」 目を細めて空を見上げる。
エリカ
「……やっぱり、空は青い方が落ち着きますね」
#アラン
「偶には曇り空も悪くないが、やっぱこれが一番だな」
シャルロット
「ええ。……これで、やっと色んなことが始まりますね」
#ルナティア
「……そうね」
ヤンファ
「だなァ」 頷き  「こっから、また新しいことが一杯待ってるだろォよ」
ソルティア
「……ここからが本当の始まり、ですね」
#アレクサンドリア
……」 映像ではなく、窓の無い後方を見つめ。
ソルティア
「……ベアトリスさん?」
#アレクサンドリア
ありがとう、レナ、ロウファ」 誰にも聞こえぬような大きさで、そう呟いてから、前を向き直した。
ソルティア
「?」 声は聞こえなかったので不思議そうな顔だ。
#アレクサンドリア
「……いえ、なんでもありません」 ふっと笑みを浮かべて、ソルティアに答え。 「さぁ、行きましょう」
シャルロット
」 アレクサンドリアを見て笑い。 「さ、帰還しましょう。おもかじいっぱいー!」 エドゥアルトの座席をぽんぽんたたこう
#エドゥアルト
「あっぶねェなオイ……!」 誰かこいつ座らせとけよ。
ヤンファ
「おい操縦は流石にインスピレーションで弄んなよォ?」
ソルティア
「ほら、シャルロットさんは座ってましょうね。疲れてないわけないんですから……」
シャルロット
「疲れてる以上に、なんだかわくわくしてしまって。だって、これからはじまるんですよ、いっぱい!」 わぃわぃ
GM
公都へと進んでいく君たちの前方を、大きな竜の影が横切る。
#エドゥアルト
「だからって騒がれて事故ったらどうすん……うお」
ヤンファ
「まァ、じっとしてられねェんだろ……って」
エリカ
「うわ」 びっくりした。
GM
“観測”を終えた彼は、君たちを一瞥すると、君たちが帰る方向とは逆レーゼルドーン大陸の方角へと飛び去っていった。
#アラン
「カエルレウスも役目を終えた、ってか」
ソルティア
「……カエルレウス様にも、お世話になりましたね」 飛んでいく竜を見送って。
ヤンファ
「俺らも、立派に“観測”されたらしいぜ」
#フェリシア
「これからも、彼に観測られても恥ずかしくないようにしていかないといけませんね」
エリカ
「……そうですね」
シャルロット
「楽しいですね。何年も未来、私たちの居ない世界で、私たちのことが語られるかもしれないんですよ?」
ヤンファ
「カッカッカ、そりゃァ照れくさいなァ」
ソルティア
「ははは……想像もつきませんね、それは」
#アレクサンドリア
「……既に経験している身としては、気恥ずかしさが倍になってしまいますね」
ソルティア
「……下手すると僕もそうなるのか……」 無限に生きるナイトメアです
エリカ
「私にはなんていうか、途方も無い話ですけど……」
ヤンファ
「こうやって隣に居ると、全然そういう気ィしねえんだけどな」 ベアトリスさん普通の宰相だと思ってたし
#アレクサンドリア
「私も、元は一人のヒトに過ぎませんから」
ヤンファ
「ま、そういうこったな」 彼女の言葉に頷いて
シャルロット
「さて。改めて」 周囲の顔ぶれをぐるりと見回して 
ソルティア
「あ、はい」 シャルロットに向き直る。
エリカ
と、シャルロットの方向こう。
GM
一同も、続いてシャルロットの方を向く。
シャルロット
「帰りましょう、皆で揃って。進路、“私たちの世界”! 発進してください!」 進路方向を指差して、皆へ届くように声を上げて言った
GM
その指示で、飛空船はグンと加速する。
GM
眼前には、無限の世界が広がる。
GM
向かうは、公都ダーレスブルグ。以前よりも多くの仲間に囲まれながら、君たちはついに君たちの世界へと帰還を果たす。
GM
広がる空は、君たちの前途を祝福するかのように、何処までも澄んでいる。
GM
さぁ、帰ろう。再び動き出す、私たちの世界へ

後編 「掴む未来は」 了

最終話 「再動-私たちの世界-」 了