虚ろの輪音

第三部 第二話「たったひとつの言葉」 - 06

GM
二つ目の中継塔を停止させた後、それぞれは拠点を公都へと移し、多くの者がひとまず公城を利用する事となった。
GM
戦いで疲弊し切った身体を休める時間が必要と判断され、残る中継塔攻略の為の会議は翌日以降に行われる予定だ。
GM
その一晩の休息、殆どの者は公城に部屋を借りて身を休めていたが、シャルロットだけは公城には居なかった。
GM
今、シャルロットが居るのはザイア神殿にある自室。幼い頃から、ずっと過ごして来た部屋だ。
シャルロット
「……」 静かに歩いて、そっと机や本棚を指でなぞりながら昔の思い出をめぐらす
シャルロット
「……もう、どのぐらい前でしたかね」 居た時間のほうが長いこの場所も、何故かもう懐かしい場所になってしまった 
GM
シャルロットの呟き以外には何の音もない、静寂に満たされた部屋にこんこんと小さなノック音が響く。
シャルロット
「……誰ですか?」 今日は内緒で出てきたのだから、行き先を知る人なんていないのに
#ルナティア
「……私よ」 扉を挟んだ向こうから聞こえて来たのは、先程まで矛を交えていた相手の声だ。
シャルロット
「ルナ……一体どうしたんですか? 神殿なんて、ルナには縁があまりないように思いますが」
#ルナティア
「ええ、縁は無いわ。入るわよ」 一言断ってから、取っ手に手を掛けてゆっくりと扉を開く。
シャルロット
「どうぞ。今は何も無い部屋ですけれど」 昔の勉強用の本や、稽古用の木剣があるぐらいだ
#ルナティア
「神殿にも、部屋にある物にも用は無いから」 何も無かろうが関係ないと言って、すたすたベッドまで歩み寄って勝手に座ってしまおう。
シャルロット
「……そのうち、私からお伺いするつもりでしたけど」 なんだか、同じような返しをずっとしているようなきがする
#ルナティア
「偶には私から来たっていいでしょう。約束もある事だしね」
シャルロット
「それは……そうかもしれません。約束というと?」 何のことか判らない、ではなく、いくつか交わした約束のどれのことか、という問いかけだ
#ルナティア
「またいつか、こうしてお茶でもしませんか、と言っていたでしょう」 お茶は無いけれど。
#ルナティア
「ただ会って話をする、そういうなんでもない約束がしたいだけ……だったかしら」
シャルロット
「それは、確かに。ルナから言ってくれて嬉しいですよ」 お茶、はでないけれど。と、舌を出して笑う
#ルナティア
「……まぁ、折角の機会だから。約束を反故にするというのも、気が引けるわ」
シャルロット
「お茶ぐらいお出しできたらよかったんでしょうけれど、神殿はいまほとんど不在でして」 街も混乱したままで、神殿の長はいないわけだし
#ルナティア
「でしょうね。《虚人》たちが元に戻り始めていて、とても休んでいられる状況ではないでしょうし」
シャルロット
「違いありません」 小さく笑って窓から外の景色を眺める
#ルナティア
「……割と笑い事ではないと思うわ」 私が言うのもなんだけれど。
#ルナティア
「……」 ベッドに座ったまま、外を眺めるシャルを見て小さく息を吐く。
シャルロット
「そうですかね。みんな、自分の生活を再開したというのは、それは笑顔で迎えるべきことだと思いますよ」 と、言い切った後、ルナと目を合わせて続ける
シャルロット
「それで約束を守ってくれることは素直に嬉しいのですが、本当のところはどうしていらっしゃったんですか?」 本当に話したいことは、きっと持ってきたのでしょう
#ルナティア
「……はっきり、これを話すべきだとか、そういう事は無いけど……なんだか、シャルの様子が変だな、と思ったからかしら」
シャルロット
「変……? 別段、おかしいなんてことは無いと思いますけど」 困ったように笑って頬をかく
#ルナティア
「……そうかしら。ずっと前に見せていた全然根拠の無い自信というか、強引さというか、そういうものが無いように感じられるわ」
#ルナティア
「……何かに悩んでいるのか、迷っているのか。……私の勘違いならいいの。そういう事には、私は疎いでしょうし……」 自信はない。
シャルロット
「それは……元々自覚がないので、そういわれて違うとも正しいとも言いにくいのです」
#ルナティア
「……そう」
シャルロット
「でも、そうですね。どこか違うのかといわれれば、違うのかも」
シャルロット
「でもそれは、きっと私が変わったんじゃない。ルナが、変わったんですよ」 机に立ったまま腰掛けるように寄りかかって言う
#ルナティア
「……そうね。私自身も変わったとは思うわ。……あなたの影響で」
シャルロット
いつだったかな。アカシャさんと、モニカさん。あとランベルトさんがさらわれて、私たちの前に現れたことがあったでしょう?」 ルナに、昔の思い出を語る
#ルナティア
「ええ。《呪音事変》の少し前ね」
シャルロット
「あの時……だったかな。エリカさんに“居なくなって安心したか”とか、私に“身近のことはわからない”みたいなことを言われたように覚えています」 違った場所だったかな。このあたりはうろ覚えだ
#ルナティア
「……ええ、言った」
シャルロット
「今になって思うと、エリカさんのことが判らなくて、ルナのことのほうが身近に感じていたんだな……って。そう思うようになったんです」
#ルナティア
「あの時は、そうね。きっとあなたはエリカの事は殆ど分かっていなかった」
#ルナティア
「……今はどうかは、ちょっと分からないけど」
シャルロット
「今も、多分根っこのところは判ってないですよ。今までの付き合いから、多分こうするだろう、っていう推測は立てられるようになって来ましたけれど」
#ルナティア
「……そう。まぁ、全て理解しなければならない訳じゃないでしょうし、それは構わないと思うけれど。……それで?」 私の方が身近に感じていたと思ってどうなのか、と。
シャルロット
「ルナの境遇を、本当の意味では知りません。想像するに、おぞましいほど辛い日々だったのだと思います」 どういっていいのかわからないから、頭から言おう
シャルロット
「けれどその境遇を、私は無意識に自分へ重ねてしまっていたのかもしれませんね」
#ルナティア
「……ええ、思い出したくも無い」 特にソルティアが生まれる前、どうやって耐えていたのか不思議なくらいだ。 「……自分に重ねる?」
シャルロット
この部屋、一人用にしては広いでしょう? 窓の外には、ここからすぐいける鍛錬の庭もあります」 両手を大きく広げて、見せ付けるように語る
#ルナティア
「……そうね。私では、持て余しそう」 その見せ付けるような仕草は、きっと自分に対する皮肉なのだろう。
シャルロット
「ここが、私の世界です。ジェラルドお父様と、フーロン師匠にだけお世話になっていた、小さな王国なんですよ?」 どうだ、とばかりに自慢げに笑う。
#ルナティア
「……ああ」 得心の言ったような息が漏れる。世界としては、とてつもなく狭い。
シャルロット
「他の関係を断ち切って、ただひたすら騎士神ザイアへの信仰を誓い、一体何を守るのか判らないまま過ごしてきた、私の生涯の殆どがここに詰まっています」
シャルロット
「思えば、お父様に頼み込んで冒険者になったことは、ルナが手にとったアレクサンドリアの救いの手と、いかほどの違いがあるんでしょう」 お父様から受け取った盾を脳裏によみがえらせて、静かに呟く
#ルナティア
「……どちらも、世界を広げたかった。自分の望む世界に出て見たかった、って?」
シャルロット
「……判りません。でも、そんな風に思ってしまって、簡単にその気持ちを拭い去ることもできないでいます」
シャルロット
「……ごめんなさい。ルナのほうが余程辛い戦いを生き抜いてきたのに、私はそんなくだらないことで悩んでいます」 忘れて欲しい、と言外に言って、手を横に振る
シャルロット
「それに、大丈夫ですよ。貴女にソルが手を差し伸べてくれたように、私にも手を差し伸べてくれている人が居ますから」
#ルナティア
「……私は、こういう話が苦手だから、何からどう答えればいいのか分からないけれど……」
#ルナティア
「……そうね。まず、下らない悩みでもないし、謝るような事でもない」
#ルナティア
「それと、悪いけど忘れて欲しいと言われても忘れるのは難しい」
#ルナティア
「私にとって、あなたは初めての“友達”。その悩みを忘れろというのは、少し酷いんじゃないかしら」
シャルロット
「……その物言い、自分の半身を思い出すということは、絶対私の影響受けてますよね」 自分の事はわからないけれど、見える“自分”はトレースできる
#ルナティア
「……それとね」
#ルナティア
「あたかもソルしか手を伸ばしてくれなかったみたいな言い方をしたけど……一番最初に私に手を差し伸べたのは、あなたでしょう」
#ルナティア
「あなたの半身とやらと喋った事はないけど、あなたがそう思うのならきっとそうだわ」
シャルロット
「……」 やれやれまったく、と言わんばかりに首を横に振って苦笑いすると、視線をルナへ
#ルナティア
「……何よ」
シャルロット
「どうでしょうね。私では、ルナを“その場所”から引き上げてあげることは、きっと出来なかったと思いますよ」
#ルナティア
「引き上げる、ね……」
シャルロット
「単に、私は仲間が欲しかっただけだと、思いますよ」 引き上げるという言葉との違いを、はっきりつげて
#ルナティア
「“普通”じゃない、仲間が?」
シャルロット
「そう表現すると、なんだか物々しいですけど、悪く言えばそういうことですかね」 物騒な言い方に、思わず笑って
#ルナティア
「……そんな事を言うということは、今、私はもう“普通”で、あなたの仲間じゃないと、そう思っているということかしら」
シャルロット
「仲間であることは、疑うことはないでしょう。それで言えば、私は仲間が一人も居ないことになっちゃうじゃないですか」 仲間はちゃんといますよ、と力なく笑って
#ルナティア
「そういう意味での仲間じゃないんでしょう」
#ルナティア
「ソルやエリカ、ヤンファたちと居ても、あなたは何処か彼らとは違うという疎外感を感じてしまう。仲間であるはずなのに、彼らとは根本的に何処かが違うんだ」
#ルナティア
「そういう事だと思ったけれど、違うかしら」
シャルロット
「……それに結局のところ、ルナともまた違っていたのだと感じて、多分“ここ”に独りで来たんですよ。きっとね」 ルナの言葉に肯定するように、観念してさっぱりと返した
#ルナティア
「……無責任ね」
シャルロット
「否定はしませんよ」
#ルナティア
「……それであなたは、誰とも違うから、独りで居たくて、みんなの元には居られなくて、こんな所に逃げて来たって?」
シャルロット
「いえ、そこまで卑屈では。言ったじゃないですか、手を差し伸べてくれる人はいると」 いやいや、と手をふって
シャルロット
「そこについて、気重に考えるのはやめました。あまりそこに思いつめるのでは、ヤンファに申し訳も立たない」
シャルロット
「ただ、これから戦うであろう人を思い出して、少し独りで想いをめぐらせたかっただけですよ」 父親がわりの男の面影を思い出す
#ルナティア
「…………」
#ルナティア
「……シャル、ジェラルドは」 何かを伝えようとするが、喉まで出掛かった言葉を飲み込む。 「……ジェラルドは、《インペリアル・センダー》には居ないわ」
シャルロット
「……え? だって、前の映像では……それでは今、あそこは無人なのですか?」
#ルナティア
「明日以降、皆が集まった時に話すつもりだったけれど。……あなたたちが一つ目の中継塔を停止させた後くらいにね、アレクサンドリアから通達が来たの」
#ルナティア
「……その指示で、ジェラルドは《虚空楽土》に向かった。どうしてそんな指示を出したのかは、私も知らない」
#ルナティア
「流石に無人ではないでしょうから、何かしらの守護者は配置されているでしょうけど……」
シャルロット
「……」 一瞬、彼方へと視線をめぐらせて
シャルロット
「そう……強引にでも完成させるつもりなのですかね」
#ルナティア
「……分からない」
シャルロット
「概ね、《インペリアル・センダー》は囮でしょうね。時間稼ぎ程度のものなのでしょう」
#ルナティア
「……でも、その……」 彼女の事を思えば、言うべきなのかも知れないが……彼の事を思えば、きっと今言うべきではない。
シャルロット
「そして……そうですか」 ルナの迷ったような表情を見、薄っすらと笑う
シャルロット
「構いません。多分、私にも判っていますから」 ルナの言葉を、人差し指で口を閉じさせることでやめさせて
#ルナティア
「……ごめんなさい」
シャルロット
「リベリオン……お父様は、どんな思いで私に盾を授けたのでしょうね」 半ば判っているような表情で、空の彼方にいるであろう彼を思う
#ルナティア
「……それは、きっと彼の娘のあなたにしか分からないわ」
シャルロット
「ええ……さ、戻りましょうか。ここにあまり居ては、気分ばかり沈んでしまいます」
#ルナティア
「……その、シャル」
シャルロット
「どうしました?」 ドアに手をかけた姿勢で、身体をひねってルナを見やる
#ルナティア
「……悩んでるあなたを見て、ひとつだけ、言っておきたい事があって……」 ジェラルドの話の時とは少し違った言いづらさがあるようで。
シャルロット
「心配なら、要りませんよ?」 自分は一人ではないのだから、悩んでいても壊れることはないのだし
#ルナティア
「……心配というよりも、お願い」
#ルナティア
「……私が此処に居る理由のひとつは、シャルが、此処に居るからだから。……小難しい事はいいから、あなたにも、近くに居て欲しい」 言い慣れていないセリフだからだろう、視線をあわせられないまま辿々しくそんな事を言う。
シャルロット
「……」 きょとん、と目を丸くして思わず数秒たっぷり沈黙してしまう
#ルナティア
「……な、何?」
シャルロット
行きましょ。私、ルナとなら普段できないようなことも、できると思うの」 す、と手を差し伸べて
#ルナティア
「ん……」 きっと、少しは気持ちは伝わったのだろう。まだ少し赤い顔をあげて、ゆっくりとその手を取って立ち上がる。
シャルロット
「とりあえず、お茶から、ですかね?」 城にでも戻れば、出してくれる人も居るだろう
#ルナティア
「そうね。約束だから。……その後は、あの荷物を押し付けないと」 冗談らしく笑って応える。
シャルロット
「あっちの勝負はまだなんですから、落ち着いたら決着、つけるんですからね?」 もう押し付けた気になっているルナに釘をさして
#ルナティア
「負けない、と言っているのよ」
シャルロット
「望むところです」 ふふん、と不敵に笑って、二人で部屋を出て行こう

GM
《デュークダム・ピラー》の停止後、一行は新たな拠点となる公城にて一晩の休息を取る。
GM
《虚音》停止後の街の様子など気になる事はあるが、君たちの身体はこれまで以上に限界に近い、あるいは限界を超えた状態であり、まともに戦線へ復帰するには2日以上の休息が必要だった。
GM
そこで、まずは一晩休んだ後、三つ目の中継塔攻略に備えた会議などをし、その後に街を見て回ることとなった。
GM
そして現在は、中継塔での戦いの翌日、公城内の会議室のひとつに集まった所だ。
GM
今回は全員が全員その場に揃っているという訳でもなく、会議室に姿があるのはマグダレーナ、ユリウス、フェリシア、アラン、ヴィルフリートの五名のみだった。
GM
そんな所へ、君たち四人にルナティアを加えた五名がやってきて、合計十名で会議が開かれる。
GM
君たちと共に居るルナティアは、左眼に眼帯を身に着けている。
#マグダレーナ
「来たか。皆、掛けてくれ」
ソルティア
「すみません、お待たせしました」 とやってこよう。
エリカ
「お待たせしました」 ぺこ、と頭下げつつ。
シャルロット
「時間、大丈夫ですよね?」
#マグダレーナ
「ああ、問題無い。予定にはまだ多少余裕がある」
ソルティア
「今日は……皆さんだけですか?」 とそこにいる五人を見回して。
#マグダレーナ
「そうだ。他の皆には別の仕事に当たってもらっている」
#ルナティア
「……」 若干居心地が悪そうに会釈して入るわ。
ヤンファ
「おォ」 頷き。 「アレ、俺が買ってきたキラキラの眼帯はお気に召さなかったかァ?」 くっくと笑い。デコ仕様のきらきらな眼帯渡したんだきっと
エリカ
「キラキラって……」 どんな眼帯よそれ。
ヤンファ
「最近流行ってるじゃねえか、あの若い女の子がつける光石がいっぱいついてるやつ」
エリカ
「ありますけど……眼帯にする装飾じゃないでしょうそれ……」
#ルナティア
「自分で着けたら?」
ヤンファ
「誰が得するんだよ……」
#ルナティア
「それはこっちの台詞よ」 私がつけて誰が得するんだよ。
ソルティア
きらきらなのはルナには似合わないと思います! 閑話休題。
#アラン
「早速打ち解けてやがんなァそいつ。いや、元々そんな感じだったか」
ヤンファ
「案外ノリいいぜ」
#アラン
「そりゃ結構なこって」
ソルティア
「向かい合ってたのが隣り合うようになっただけ、と言う感じです」 困ったように、かつ嬉しげに笑って。
#アラン
「ついに念願叶ったり、だな。……ま、この状況じゃまだ落ち着いて喜べはしねェだろうが」
#フェリシア
「……とりあえず、座ってくれるかしら」 こほん。
シャルロット
「ええ、失礼しますね」
シャルロット
ぺたっ、とこしをおろして
ソルティア
「あぁ、これは失礼を……」 こちらも座ろう。ルナを促しつつ。
#ルナティア
「……ん」 座ろう。
エリカ
「あ、はい」 慌てて着席。
#ユリウス
「……さて、では早速はじめるとしようか」
ヤンファ
「だなァ」
シャルロット
「ええ、お願いします」
ソルティア
「……はい」 小さく頷き。
#マグダレーナ
「まずは、昨日の《デュークダム・ピラー》の停止の任、皆ご苦労だった」
ヤンファ
「あァ。とりあえず第二関門クリアだなァ」
#マグダレーナ
「ヴィルフリート殿にも、改めて感謝を」
#ヴィルフリート
「今は礼は要らん。まだ事が済んだ訳でもない」
#ヴィルフリート
「こうして敵地の城内にまで招かれているのだしな」 収穫はそれ以上さ。
#フェリシア
「……」 何処までが本心なのやら。
シャルロット
「それでも、ここまで上手く言ったのは貴方のご協力をあってのことですよ」
#ヴィルフリート
「ふん」 鼻をならした。
ソルティア
「これで、残る中継塔は一つ……ですね」
#ユリウス
「ああ、残る中継塔は帝都にある《インペリアル・センダー》だけだ」
#マグダレーナ
「中継塔攻略の話の前に……まずは現在の公都の状況について、フェリシア、頼めるか」
#フェリシア
「はい」 マグダレーナの言葉に応じて、何枚かの紙の束を手にフェリシアが立ち上がる。彼女の目の下には、ちょっとした隈ができているようにも見える。
ソルティア
「……お疲れ様です、フェリシアさん」 思わずお辞儀しちゃうわ。
ヤンファ
「………」 皺じゃなくて隈か。寝ずに調べたなアイツ
#フェリシア
「無事、中継塔を停止させたことによって公都周辺に《虚音》が流れる事はなくなりました」 ソルティアには軽く手で大丈夫だ、と示しておこう。
#フェリシア
「そして……」 一瞬だけルナティアを見て。 「《虚音》の停止によって、公都内では多くの者がその支配下から逃れているようです」
#ルナティア
「…………」
ソルティア
「…………」 ルナの背中をぽんと叩いておこう。
#ルナティア
「……別に何も気にしてないわよ」 視線がいたいなーとか思ってないわ。
#フェリシア
「ただ……なにぶん急に戻ったものですから、記憶の混濁や状況の複雑さも相俟って、住民たちはかなり混乱した状態です」
#フェリシア
「昨日の内に議員及び各神殿には通達は済ませ、簡単な事情説明を済ませておきました」
#フェリシア
「神殿は既に混乱の収束の為に動いてくれています。議会については、今日緊急の議会が召集され、より詳しい説明と、今後の対応についての話し合いがなされる予定です」
#フェリシア
「周辺の街や村落についても、すぐに通達を出す予定です」
シャルロット
「一先ず、暴動みたいな大混乱に崩れなければ良いとしましょう。事は大きすぎますし」
#ユリウス
「……まぁ、やはり混乱は避けられないだろう。今のところ、目立った暴動などは起きていないのが幸いだな」
#フェリシア
「そうですね。多少大きな騒ぎになりかけた事は昨夜もありましたが、神殿や軍で即座に対応可能なものでした」
ヤンファ
「ちィ……」 ジェラルドがいればもっとすんなり納められたんだろうな、とか
エリカ
「……あの、『多くの者が』ってことは、まだそうでない人たちが……?」
#フェリシア
「そうなります。こちらの妨害をする程、強く支配されている様子は見られませんが」
ソルティア
「……しかし、事情を説明した、と言う事は……」 アレクサンドリア=ベアトリスが首魁、って事も伝えたんだろうな。
#マグダレーナ
「一応は、ね。彼らの中にも、その記憶が残っている者は多いようだ」
ソルティア
「……そうですね。それを伝えずに、事を収める事は難しそうですし」 ベアトリスが最終的に復帰するには難しい状況やな。
ヤンファ
「中には、自己嫌悪に陥るヤツもいるだろうなァ」
#アラン
「思った以上に反発は少ねェもんだな。結構な数の奴にとって、過ごしやすい世界だったのは間違いないはずなんだが」
#ヴィルフリート
「恐らくは単純に記憶が薄く、何が起きたか理解出来ていないのだろうな」
#ユリウス
「……人としては、彼らもやはりあの世界は望んでいなかったのだと信じたい所だな」
シャルロット
「自覚が出来ないままにあの世界に連れて行かれても、ね」 苦笑気味に
エリカ
「……あんなの、そんな簡単に受け入れられたら困ります」
ヤンファ
「まァ、やり口がやり口だったしなァ」
ソルティア
「実際の所、過ごしやすいとはいえ、自らの意思が無いと言うのは恐ろしい事だと内心気付いているのかもしれませんね」
#マグダレーナ
「事態が済んだ後の問題も山積みだが、まぁそれはゆくゆく考えていくしかないな」 今は。
シャルロット
「……」 笑顔でスルーする。考えたくもない
ヤンファ
「とりあえず、外に出歩けるようで何よりだ」
#ユリウス
「……一刻も早く帝都の様子も確認しなければならんな」
ヤンファ
「……あァ、そっちは駄目だぜ?」 ヴィルフリート見て<出歩いたら
ソルティア
「えぇ……後の事は後で頭を抱えればいいことです。今は今出来ることをしなければいけませんから」 マグ様に頷く。
#ヴィルフリート
「出歩くつもりもない」
ヤンファ
「全力で止めるわ」 死ぬけど
エリカ
「大騒ぎになっちゃいますよ……」 街中をドレイクが闊歩するとか。
#アラン
「ま、どの道帝都に向かうのも明日以降だ。まだ身体がひぃひぃ言ってんぜ」 誰かさんの目の為にPP使いまくったし。
ソルティア
「帝都はここよりも妨害が厳しいかもしれませんしね。幸い補給の目処がたったわけですし、準備は万端にしていきたいところです」
シャルロット
「あまり、時間を置くこともしたくないですがね」
エリカ
「……あ」 そういえば。 「守りの剣は……?」
ヤンファ
「……ヴィルフリートが居る時点でまだ、じゃァねえか?」
#マグダレーナ
「城内では、ザガート殿が一部の職務を手伝ってくれているがな」 既に蛮族が中に。まあ理解得られた人の手伝いだけだけど。
ソルティア
「……ザガートさんにもお礼を言わないといけませんね、それは」 苦笑して。
#ユリウス
「現状、〈守りの剣〉はまだ機能を回復させていない」
#ユリウス
「攻めて来る蛮族も居ないだろうから、な」
シャルロット
「その価値が見出せない状況にありますし、そんなところに力を裂いても、仕方ないでしょう」
エリカ
「……それもそう、ですね」
ヤンファ
「お互いそれどころじゃァねえからな」
シャルロット
「いい休養になるのでは?」 半ば冗談で言う。守りの剣もたまには休みたいだろう
#アラン
「普段儀式でかけらをバカ食いしてるんだから休養なんて要らねえ気もするけどな」
#マグダレーナ
「公都の現状についてはそんな所か」
ソルティア
「深刻な影響は無かったようで何よりですね」
#マグダレーナ
「……では、次は」
#マグダレーナ
君の処遇について、か」 ルナティアへと目を向けた。
#ルナティア
「……そうね」
ソルティア
「…………」 ちょっと身体を堅くした。
ヤンファ
「………」 ま、そりゃ真面目な話そうだわな
エリカ
「………」
#フェリシア
「……貴女の犯行だとされている事件も多くありますし、それ以外の余罪も追及すれば数しれないでしょう」
#フェリシア
「……本来であれば、相当に厳しい処分を下さなければなりません」
ソルティア
「で、ですが……」 がたっと立ち上がりかける。
#マグダレーナ
「落ち着いてくれ」
ソルティア
「は、はい」 座りなおす。
シャルロット
「どのようにいたしますか、ユリウス陛下?」 少し首をかしげて、声をかける。すこし愉快そうな声で
ヤンファ
「それユリウスに訊くトコかァ……?」 元雇い主だぞ
#ユリウス
「……しかも、此処は公都だというのに私に尋ねるとはね」 まぁわかってたように肩を竦めるけど。
シャルロット
「私どもの前に、意見をお伺いするのは良いことかと」
#ユリウス
「今、公都はこのような状況だ。《虚音》の支配から回復しつつあるとはいえ、まだ普段の法秩序によって治められた状態に戻るまでは多くの時間を要する」
#ユリウス
「国家の重要機関も、半分麻痺しているような状況で、彼女の為だけにそう人を割いている余裕が無いというのが実情だろう」
#マグダレーナ
「……ああ、そうだな」
ヤンファ
「なるほどな」 いい口実だ
ソルティア
「…………」 神妙にしてます。
#ユリウス
「となれば」 後はマグダレーナに任せよう。
シャルロット
「……」 色々悪いことは考えているものの、姉の采配にまかせておけばいいかとも思う
#マグダレーナ
超法規的措置になるが、執行猶予を設けよう」
ソルティア
「執行猶予……ですか」 ほっと安堵の表情になって
#マグダレーナ
「今の私達、人族……いや、それ以外のすべての命にとって何よりも優先すべきは、この虚ろな世界を終わらせる事だ」
#マグダレーナ
「世界を取り戻すまでの間は、君には我々の監視下についてもらう」
#ルナティア
「……本気で言ってるの?」
ソルティア
「いや、ルナ、そこは疑うんじゃなくて……」
#マグダレーナ
「無論だ。このような所で嘘を吐く理由も無いし、趣味も無い」
#マグダレーナ
「かつて、霧の街で聞いた君の言葉を、私は信じている」
#マグダレーナ
「“居心地の悪くない”場所に居れば、もうむやみに罪を犯す事も無いだろう」
ソルティア
「……寛大な処置をありがとうございます、マグダレーナ様」 ぺこりとお辞儀して。
#マグダレーナ
「私たちにとって、彼女という戦力が大きいのも紛れもない事実だ」 そういう下心もあるのさ、と。
ソルティア
「迷惑をかけた分は活躍させてもらいますよ、ルナも、僕も」 小さく笑って。
#ルナティア
「……そうね。そういう条件なら、尽力するわ」
シャルロット
「……執行猶予、と」 ふむ、とひとり顎に手を置いて
#マグダレーナ
「シャルロット」
#マグダレーナ
「ルナティアの監視は、君に一任する。構わないな」
シャルロット
「ええ、構いません。ですので自分の隊の管理についても、一任していただいても?」 ソルティアに目配せをして
ソルティア
「…………」 あ、何か悪い事考えてるわこの子。 「……え、えぇ、お任せしますよ、隊長」
#マグダレーナ
「もちろんだ。頼まれたものについても、用意してある」 後で渡そうと。
ヤンファ
「あァ、アレか」 アレ
ソルティア
「アレですね。ありがとうございます、マグダレーナ様」
シャルロット
「では、そのように」 ぺこり、と頭を下げて
エリカ
「……」 はー、と。安堵したように溜息をつく。
#フェリシア
「……ひとつ言っておくけど」
#フェリシア
「執行猶予中にはくれぐれも行動に注意すること、それとマグダレーナ様たちに不敬にならないようにすること。この二つだけはしっかりとしてくださいね」 とルナティアに
ソルティア
「も、勿論ですよ、フェリシアさん。……ルナ、いいね? ちゃんとするんだよ!」
#ルナティア
「大丈夫よ」
ソルティア
「うん、信じてるからね」 こくり頷き。
#ルナティア
「けど、お姫様に不敬を働いてるのは私より……」 ヤンファとアランじゃないの。何なのそいつらの喋り方。
ソルティア
「……まぁそれはさておこう」
ヤンファ
「なんだァ、その眼は文句あんのか」
#ルナティア
「大有りよ」 文句っていうか不服が。
シャルロット
「あれは不敬ではなく親愛ですよ、きっと」
#アラン
「そういうこった。俺たちは相応の信頼を獲得してるからこそ許されるってわけだ」
ヤンファ
「ということだぜ」 えっへん
ソルティア
「信頼と言うか諦観というか」
エリカ
「……」 ジト目。
シャルロット
「……焼いちゃっても構いませんよ?」
#マグダレーナ
「まぁ、君たちが如何に職務を怠慢していたかはフェリシアからよく聞いていたからな」
ヤンファ
「おおっとォ、不利な流れだぞコレは」
#マグダレーナ
「どの程度働いてくれるかの予測も立てられるし、縛る理由も無いと判断していたからな」
#フェリシア
「これを機によく反省しなさい」
#アラン
「へいへい」
ヤンファ
「解ったって……」
ソルティア
「ある程度さぼるのは前提にしてるんですね、マグダレーナ様……」
#ユリウス
「……っくく」 その様子を見てつい笑ってしまうわ。
ヤンファ
「……」 ユリウスが笑ったぞ
エリカ
「……」 えっ
#ユリウス
「どうした?」
エリカ
「あ、い、いえ何も」
#ユリウス
「ふむ」 ならいいが。
ソルティア
「お恥ずかしい所をと言うかなんと言うか……」 もっと恥ずかしい所を見たりもした気はするが。
ヤンファ
「お前らがユリウスの前でコントしてたのは今に始まった話じゃァねえだろ」 俺は兵士モードだったからな
ソルティア
「ヤンファさんが参加しだしたのが唯一の違いですよ」
ヤンファ
「遠慮いらねえしな」 しろよって話だが知らん
エリカ
「ちょっとはしてください」 遠慮を!もっと!
#ルナティア
「やっぱりあなたたちを不敬罪に掛けるべきだと思うわ」
ヤンファ
「へいへい……」 うるちゃい女共だな
シャルロット
「さて、場も和んだところで……ルナの処遇については問題ありませんね?」
#ユリウス
「ああ、問題はないだろう」
ヤンファ
「良さそうだな」
#ヴィルフリート
「そやつの処分についてはまとまったらしいな」
#マグダレーナ
「ああ。では次は、最後の中継塔攻略についてか」 ヴィルフリートに頷いて。
ソルティア
「えぇ、そろそろ話を戻しましょう」
#フェリシア
「帝都の中継塔《インペリアル・センダー》、守護者は……」
#マグダレーナ
「……ジェラルド・ヘリオドールだったな」
ソルティア
「…………」 小さく頷き。
シャルロット
「……」 ちらり、とルナを見る。違うという話をしていたが、いっていいのか?
#ルナティア
いいえ」 シャルの視線に頷いてから、否定の言葉を発する。
ソルティア
「……え?」 何かタイミングよくルナに割り込まれたようだ。
ヤンファ
「……あン?」 いいえ、ってどういうことだ
#ルナティア
「ジェラルドは、恐らく今は《インペリアル・センダー》には居ません」
#ユリウス
「……何?」
ヤンファ
「……マジかよ」 ルナティアが敬語使ってる
ソルティア
「え……じゃあ、一体どこに……?」
エリカ
「……? それじゃあ、今あそこは誰もいないってことなの?」
#ルナティア
「……ううん、多分別の守護者が置かれているとは思うけど」
エリカ
「別の……」 まあ、何の守りもないというのは、ありえないか。あの天使もどきだろうか。
#ルナティア
「《アストラム》が《ドラゴンズ・ジャベリン》を停止させた後、アレクサンドリアから私たち守護者に通達がありました」
ヤンファ
「っつーことは、ジェラルドのオッサンは……」
#ルナティア
「その命令で、ジェラルドは《虚空楽土》へ。……どのような理由での事かまでは、私は知りませんが」
ソルティア
「……ベアトリスさん……アレクサンドリアがいる、本拠地ですね」
#ルナティア
「ええ、あの空に浮かぶ遺跡よ」
#ユリウス
「……ジェラルド殿を、退かせる理由か……」 顎に手を当てて考える。
#ルナティア
「《インペリアル・センダー》を守護している可能性が高いのは、エリカが思っているだろう通り、《虚音》から造られた神使だと思います」
エリカ
「……」 なんか考えてること読まれたわ。
#マグダレーナ
「……そうか」
#マグダレーナ
「ありがとう、状況は分かった」
ソルティア
「……最後の中継塔を死守する理由が無い、と言う事なんでしょうか……?」
ヤンファ
「不要になった……ってワケじゃァねえだろうが、準備が整ったってトコか?」
#ユリウス
「……いや、中継塔を捨てていい理由など思い付かないな」 少なくとも今のこちら側には。
エリカ
「捨てていいなら、ルナティアだって召集されてそうですし……」 そうじゃなかったわけで。
#ルナティア
「私は、あなたたちの側に付く可能性が高いと判断されたのかもしれないわね」
#ルナティア
「中継塔攻略という観点だけで見るならば、ジェラルドが居ない事はこちらにとって大きな利になるでしょう」
シャルロット
「ですが、本拠地の攻略はより難易度を増しました」
ヤンファ
「………」 本気であのオッサンと戦うなんて未だに想像できないが
ソルティア
「本拠である《虚空楽土》を守るため、というにも動きが早すぎますから……」
ヤンファ
「……ベアトリスがジェラルド個人を必要とした、とかかねェ」 解らんわ
シャルロット
「理由を考えるのではなく結果を読み取ってみましょう」 ユリウスの捨てていい理由について、観点を変える提案を出す
#フェリシア
「……結果、ですか?」
シャルロット
「中継塔の攻略は容易になりました。気の早い話ですが、あそこも奪還できた、とします」
シャルロット
「そうなると、世界にはどのような変化が訪れるか……」
#アラン
「《虚音》が止まり、帝都も公都みたいに元に戻り始める」
ソルティア
「……《虚音》の届く範囲は、格段に狭くなるでしょうね」
#アラン
「……だな。虚ろの世界はかなり狭くなるはずだ」
エリカ
「あっちにとっては、困るだけな気がするけど……」
ヤンファ
「………まさかとは思うが、正気になった人間をそのまま手中に、なんて言わないよなァ」 そうなったらこっちの立場が本気で危ういが
シャルロット
「《虚音》が止まり範囲が狭くなるということは、その分“信仰”が減るということにも繋がります」
ソルティア
「アレクサンドリアの神としての位階が落ちる事になりますね」
ソルティア
「……すると、虚音に頼らず、信仰を集めないといけなくなる……?」
シャルロット
「ええ。彼女に必要なのは“信仰”です」
シャルロット
「そして、奪還され始めた中継塔を前に、彼女は“ジェラルド”個人を無論ルナの背景も含めて、ですが呼び出した」
シャルロット
「話は変わりますが、我が父ジェラルドは、実力を有する敬虔な“神官”です」
エリカ
「……ジェラルドさんを側においておくことで、最低限の力は確保しておこうっていうこと?」
シャルロット
「さて……まだ推測の域を出ませんが」
ヤンファ
「……だが。エリカのいうソレなら、中継塔を護らないってのは辻褄合わなくねえか?」
#ルナティア
「……ジェラルドがアレクサンドリアの傍に立っているのは、もっと単純な理由よ。きっとね」
ソルティア
「……もっと単純な?」
ヤンファ
「…………」 まさかあの二人、とか考えたが駄目だ。今は真面目な話の最中だ
シャルロット
「……ルナ?」 少し眉をひそめて目を向ける
#ルナティア
「あの人は、シャルの父親。それだけよ」
#ルナティア
「だから、私の中ではジェラルドを利用することと、アレクサンドリアが《虚空楽土》にジェラルドを呼び寄せた事は、あなたたちが言った理由ではしっくり来ない」
ソルティア
「……父親、か」 ソルやルナには重い言葉だな。
#ユリウス
「…………ふむ」
シャルロット
「……それが、一体どんなことに繋がるんですか?」 父親なのは、自分にとっては当然の事だ
エリカ
「……ジェラルドさんを、シャルロットに対する人質にしようってこと?」
#ルナティア
「……シャルは、それで止まるような人じゃないと思うわ」
エリカ
「私だってそう思うけど……」
ヤンファ
「……父親だから」
ヤンファ
「此処まで辿り着くのを信じて待ってる、ってか?」
ソルティア
「……似たようなものかもしれません、が……」
#ルナティア
「あなたが父親だったら、そう思うのかしら」
ヤンファ
「さァな。少なくともウチの馬鹿親父だったらそんなまどろっこしいことしねえが」
#ルナティア
「ジェラルドは馬鹿ではないもの」
ヤンファ
「………」 ウチの血筋馬鹿にされた気がするぞ!
#ルナティア
「……ま、いいわ。後はあなたたちが考えて」
#ルナティア
「これ以上は私の口からは言わない」
#マグダレーナ
「そうだな。皆が言った理由も含めて、後ほど個人的にも検討してみよう」 正直すぐには答えは分かりそうにない。
ソルティア
「……僕は父親になった事はありません、が……もし僕が父親だったら」
ソルティア
「……子供が成長していく事が何よりも嬉しい。その為なら……自らを犠牲にしても構わない、とすら」
#アラン
「……犠牲、なァ」
ソルティア
「……いえ。ジェラルド様は、そんな事考えはしないでしょう。自分も娘も、共に成長するような道を選ぶ……はず、です」 と首を横に振る。
シャルロット
「……」 困ったように顔をゆがめて、口を閉じる。この答えは、ずっとわかりそうにない
#ヴィルフリート
「分からん事にいつまでも拘るな。今は時間が惜しい」
#ヴィルフリート
「障害になるならば倒す。それは変わるまい」
ヤンファ
「アンタがそう言うと凄ェ頼りになるなァ……」
#ヴィルフリート
「直接対峙するのは、俺ではないだろうがな」
ヤンファ
「……ま、とりあえず今わからねえなら後にしようぜ」
ヤンファ
「今必要なのは、今後の方針と休養だろ」
エリカ
「……」  「そうですね」
#ユリウス
「……ああ、そうだな」
ソルティア
「……ひとまずは、最後の中継塔を落とさなければなりませんしね」 そこに行けば、ジェラルドの書置きみたいなメッセージが残ってるかもだし。
シャルロット
「そうですね……」
#マグダレーナ
「その為には、帝都の状況確認も必要だが……それにはもう少し時間が要るな」
#マグダレーナ
「今日は君たちは引き続き休息としてくれ。明日からはまた動いてもらうことになる」
#マグダレーナ
「……が、休息ついでに、街を回って見て来て欲しい」
ソルティア
「街を、ですか? 了解しました」
#マグダレーナ
「〈宵の明星亭〉や君たちの家に、君たちを待つ者も居るだろうからね」
ヤンファ
「オーケィ。丁度買出しも行きたかったトコだ」
ソルティア
「……はい」 アカシャもさすがに目覚めている頃だろうか。
シャルロット
「了解。……ゆっくりしてまいります」
エリカ
「……解りました」
#マグダレーナ
「ソルティアには、約束のものも渡しておこう」 立ち上がって、ソルティアの傍まで
ソルティア
「あ、はい」 こちらも立ち上がり。
#マグダレーナ
「遅れて済まなかった」 とひとつの綺麗な箱を渡そう。
#ルナティア
「……私が街を歩いて平気かしら」 何処まで人に知られちゃってるんだろう、と。
ソルティア
「……守護者の時の事をどれだけ覚えられてるか、かな……」 “死神”時代は一般人には知られてなかったわけだし。
ヤンファ
「じゃァやっぱ派手な眼帯でもつけて見た目誤魔化そうぜ」
#ルナティア
「却下」
ヤンファ
「つれねえなァ」
シャルロット
「構わないのではありませんか? 正直、全員操られていたっていえばなんでも通りますよ」 今なら
#ルナティア
「それはそれでダメな気がするんだけど」
ヤンファ
「それ堂々と言ったら駄目じゃねェ……?」
エリカ
「確かにそれで通りそうな状況ではあるけど……」
シャルロット
「世の中、優しい嘘と良くない嘘があるだけです」
ソルティア
「まぁ……言い訳はそれで利きますしね。実際、他の皆も操られていたわけですし」
#ルナティア
「……まぁ、シャルたちと離れないようにしておけば大丈夫よね」 きっと。
ソルティア
「《アストラム》も有名になっちゃったしねぇ……」
エリカ
「まあ、軽く変装くらいはしてもいいと思うけど……」
#ルナティア
「……変装、ね」
#ルナティア
「……まぁ、エリカの言う通り軽く感じは変えておくわ」
ヤンファ
「男装とか絶対バレないんじゃァねえ?」 胸ないし
ソルティア
「ばれるよ! ちゃんと女の子だよ!」 女の子(29)だけど。
ヤンファ
「お前がそんなマジになるなよ……」
エリカ
「……ヤンファさんの提案は正直どうかと思いますけど、なんでソルティアさんがそんな必死になるんですか……」
ソルティア
「いや何となく」
#ルナティア
「ヤンファはもうこれから無視するわ」
ヤンファ
「新人の割に隊員の扱いが酷ェなァ……」
#マグダレーナ
「ザガート殿については先に述べた通り城内に、アイゼル、ラーエルにハウルたちは神殿や軍の手伝いをしてもらっている」
#マグダレーナ
「もし何か彼らに用があれば、そちらを訪ねてくれ」
ヤンファ
「っていうかザガートが事務仕事って……」 なんていうの、こう。
#フェリシア
「少なくともザガート殿はあなたよりは余程しっかりしてくれてるわよ」
ヤンファ
「るっせえよ。悪かったなァ」 どうせ蛮族より仕事しませんよーだ
#アラン
「あァ、そうそう。イーヴのおっさんとカエルレウスは今どっかに行ってやがるからな。あいつらにゃ今は連絡が取れねえから注意しとけ」
#アラン
「そのうち帰ってくる、とは言ってたが」
ソルティア
「お二人が、ですか? ……なんだかこの前も秘密の話をしていましたね」
シャルロット
「あら……お二人とも、仲良かったんですねぇ」
ヤンファ
「へェ……なんかいい土産でも持って帰ってきそうだなァ」
#ヴィルフリート
「まぁ奴らにも何かしら企みがあるのだろう。気にする程でもない」
#ヴィルフリート
「観測者がいるならば、そうそう下手も打つまい」
ヤンファ
「アレが下手打ったらそれこそ世界終わるだろ……」
ソルティア
「少なくとも、悪巧みではないでしょうしね。シャルロットさん的な意味ならともかく」
ソルティア
「……まぁ、ルナは一度うちにおいで。アカシャもちゃんと紹介したいし、ね」
シャルロット
「ソレはどういう意味でしょう、ソル……?」 目元がやや暗めになった笑顔で
ソルティア
「た、他意はありまセンヨ?」
#ルナティア
「大丈夫よ、シャル」
#ルナティア
「ソルにそんな勇気は無いから」
ソルティア
「酷っ」
エリカ
「……」 わあ。ドヘタレ認定。
シャルロット
「なんだか安心の肯定ですねぇ……」 悪巧み云々への言葉だったのだが、まあ良いだろう。
ソルティア
「というか家族をうちに呼ぶのになんでこんな言われなきゃならないのさ!」
エリカ
「まあ、納得は出来ますけどね……」
ソルティア
「納得しないでエリカちゃん!」
ヤンファ
「悪ィ、俺もフォローはできねえわ」
ソルティア
「ヤンファさんからフォローが無いのは知ってた!」
シャルロット
「さ、町に繰り出しましょうか」
#ルナティア
「そうしましょうか」
ソルティア
「あぁっ、しかも微妙にスルーされた!?」
ヤンファ
「お前元気になったな」 凄い
ソルティア
「皆が弄るからですよ!?」
#ユリウス
「この調子なら、今の状況でもしっかりと休息が取れそうだな」 安心したわ。
#マグダレーナ
「では、各自解散してくれ」
#マグダレーナ
「明日、同じ時刻にまた此処に集まってもらえるよう頼む」
ヤンファ
「あいよォ」
ソルティア
「りょ、了解しました……」 ふるぼっこされたぜ。
エリカ
「……まあ、行きましょうか」 ああ、皇帝陛下が呆れてるわ……。
#ルナティア
「行きましょ、シャル、エリカ。二人は放っておいてよさそうだわ」 男連中は。
#ルナティア
立ち上がってさっさと出ていこう。
シャルロット
「そうですね。いきましょっか、エリカさん」
エリカ
「はあ……そうね」
ヤンファ
「オイオイ、お前のせいで扱いがドライだぞ」 ってなかんじでまあついていこう
ソルティア
「僕のせいだけですかぁ!?」
#フェリシア
「……城内ではお静かに」 しー。
#アラン
「じゃ、俺もぶらついてくっかねェ」 一人になれるのは丁度いい。
エリカ
「……あれ、アランさんは来ないんですか?」 街に。
#アラン
「あん? まァ行ってもいいが、他にやる事もあるしな」
#アラン
「ま、お前らは俺の分までギルのおっさんたちにもちゃんと挨拶してやってきてくれ」 と皆を見送ってアランも何処かへいこう。
エリカ
「はあ、やること、ですか」  「……ええと、まあ、無理はせずに」 PP使わせた原因が自分になくもないのでどことなく微妙な言い回しに。
#アラン
「大丈夫だ、身体はそんな使わねえよ」 ひらひら。
エリカ
「そうですか。それじゃあ、また後で」 ギルさん達には代わりに挨拶しておきます、と。言いつつシャルロットたちの後を追おう。
#アラン
「ああ、また後でな」
#ヴィルフリート
「俺も適当に休むとするか。部屋は昨日と同じ所を借りるぞ」
#フェリシア
「それでは、私も」
#マグダレーナ
「ああ、フェリシアは今日は休んでくれ。議会には私だけで大丈夫だ」
#フェリシア
「ですが……」
#マグダレーナ
「命令だ。君は昨日一睡も出来ていないだろう。倒れてしまっては、これからに支障が出る」
ソルティア
「フェリシアさんは碌に休んでいないでしょう? これからの事を考えると、休むのも義務ですよ」
#フェリシア
「……畏まりました。お心遣い、感謝致します」
#フェリシア
「……ええ、そうさせてもらいます」 ペナルティ既に発生してるわ。
ソルティア
「マグダレーナ様も、書類が溜まっているならまた呼んでください。少しは役に立ちますから」 オフィシャル技能2レベルくらいは。
#マグダレーナ
「君たちにそういう仕事を頼むのは、事が済んでからにするよ」
ヤンファ
    「……」 部屋の外で嫌な予感がした。
ソルティア
「要請が来たら、世界が元通りになった証拠ですね……では失礼します」
#マグダレーナ
「ああ」
GM
そうして、部屋からマグダレーナとユリウスを除いて全員が退出する。
#ユリウス
……」 ユリウスは少し気難しい顔をして、腕を組む。
#マグダレーナ
「さて、私たちも議会に出席する準備を……どうした?」
#ユリウス
「先程の、アレクサンドリアがジェラルド殿を退かせた理由について、少しな」
#マグダレーナ
「……何か分かったのか?」
#ユリウス
「状況だけを見るならば、シャルロット殿下たちが言ったような推測の方が可能性は高いと思う」
#ユリウス
「……が、どうにも、そうではないように思えてな」
#ユリウス
「アレクサンドリアという人物の人柄と、以前シャルロット殿下から聞いた彼女の“矛盾”……」
#マグダレーナ
「矛盾?」
#ユリウス
「ああ。アレクサンドリアという人間の意志と、〈弔鐘〉の《担い手》の使命の鬩ぎ合いによって生じる矛盾、といったところか」
#ユリウス
「彼女の行動には、細かい所を追及していくといくつか理由が不明瞭な点があった」
#ユリウス
「今まで、直接私たちを妨害しに来なかったのも、それがあったのかもしれない」
#ユリウス
「……だが、次は最後の中継塔だ。奥の手のようなものがあちらになければ、今回の戦いにおける要と言える」
#ユリウス
「彼女が私たちに与えた猶予も、そろそろ終わり。……ジェラルド殿を退かせたのは、アレクサンドリアの僅かばかりの情ではないか、などということをね」
#マグダレーナ
「……つまり、次は聖女自身が直接来うる、と」
#ユリウス
「その可能性は低くないはずだ。私が彼女の立場であったならば、私たちの行動を看過出来るか出来ないかの際がこの辺りだと判断するだろうからな」
#マグダレーナ
「ならば、私たちのすべき事は……決まりだな」
#マグダレーナ
「彼女たちは、私たちの希望だ。絶対に、失わせない」
#ユリウス
ああ。そしてこれは、〈リベラリオン〉の《担い手》である私にしか出来ないだろう」
#マグダレーナ
「……叱られてしまいそうだが、それ以外に選択は無い、か」
#マグダレーナ
私も共に行こう。嫌だとは言わせない。いい加減、ひとつくらいは我侭を聞いて貰わなければな」
#ユリウス
「……ああ、私だけの力では足りない。こちらからも頼む、マグダレーナ」
#マグダレーナ
「任せてくれ。生きる為に立ち向かうのならば、私はいくらだって戦える」
#ユリウス
「では、その前に出来る限りの職務をこなすとしようか」
#マグダレーナ
「ああ、そうしよう」

GM
会議室を出て、城内を歩いている途中。
GM
またもシャルロットの〈ファランダレス〉が主張するように光り始める。
シャルロット
「……?」 もうかなり馴染んだ仕草で剣を抜く
ソルティア
「あ……また出てくるみたいですね」 リベラさんとでも呼べばいいんだろうか。
ヤンファ
「っつーことは……」
#L=リベラ
……」 す、と光の中から現れたのは、もう見慣れた姿だ。
エリカ
「わ、っ……」 びっくりした。素で。
#ルナティア
「……これが?」 昨日くらいに言ってた分身?
ソルティア
「お久しぶりです……というのも妙な感じですが」
ヤンファ
「あァ、お前は見たことなかったもんなァ」 当たり前だが
#L=リベラ
「そんなに久しぶりでもありませんし、毎日いっしょに居るじゃないですか」
ソルティア
「まぁその通りなんですが」
#ルナティア
「……」 まじまじと見る。
エリカ
「っていうか、こんなところで……」 人目は大丈夫かしら。きょろきょろ。
シャルロット
「相変わらずですが……どうしました?」
#L=リベラ
「大丈夫ですよ、空気は読めませんけど読んでいます」
エリカ
「どっちなのよ……」
ヤンファ
「お、おォ」
ソルティア
「まさにシャルロットさんですね」
#L=リベラ
彼女(シャルロット)は読めない。(シャルロット)は読めるという意味です」
エリカ
「ああそう……」 はあ。
シャルロット
「失礼すぎません?」
#L=リベラ
「今更ですし、お互い様ではないですか?」
シャルロット
「まあそうですが……何の要件ですか?」
ヤンファ
「あァ、この前またアレが手に入ったからじゃァねえか」
#L=リベラ
「そうです。まるでそれ以外に利用価値がないみたいな目で見られるのは業腹ですが」
シャルロット
「普段から役に立っていただいているのは、重々承知ですよ。貴方のパーソナリティで帳消ししているだけです」
#L=リベラ
「相変わらず辛辣ですね」
シャルロット
「それも、お互い様でしょう?」
#L=リベラ
「そうですね」
#ルナティア
「……これ?」 結局細かい描写してなかったからルナティアが持ったままということにしておいた。
#L=リベラ
「ええ、それです」
ソルティア
「ラクスタイト、でしたか」
#ルナティア
「そんな名前なのね」 身体から勝手に出てきたけど。
#L=リベラ
「……さて、ルナ。それをシャルロットとソルティアさんに渡してくれますか?」
#ルナティア
「構わないけど、何をするの?」 シャルソルにはい、と手渡しつつ。
ソルティア
「何か防具にしてくれるみたいだよ?」 ルナから受け取りつつ。
#ルナティア
「ふぅん……」
ソルティア
「ヤンファさんやエリカちゃんが持ってるのも、これが原材料だしね」 とラクスタイトを見て。
ヤンファ
「結構、っつーかかなり高性能なモンになるみてえだなァ。コイツのお陰で前の神の使いとやらをぶった斬れたようなモンだ」
#ルナティア
「そんな良い物なら、私も欲しかったわ」
#L=リベラ
「シャルロットは鎧を脱いでください。ソルティアさんはそのまま変化させられそうなので大丈夫です」
ソルティア
「そのまま……え、変化?」
#L=リベラ
「その鎧を変化させてはダメですか?」
ソルティア
「駄目じゃないですけど、アンネリースさんが特別に組んでくれた鎧なので……」 何か変化させちゃうのも不義理かなぁ、みたいな。
#L=リベラ
「知りません」 知ってますけど。
#L=リベラ
「ああ、男性陣は向こうを向いていてくださいね。エリカさんの時と違って、鎧を作りますから」
ヤンファ
「はァ」 まあ後ろ向いておこう
シャルロット
「あの、それは場所をわきまえて声をかけていただければよかったんですが」
シャルロット
ぶつくさいいながら鎧を外していこう。
ソルティア
「鎧脱いでも鎧下とか普通にあると思うんですが……」 と言いつつ後ろを向こう。
エリカ
(別に鎧脱いだからって全裸になるわけじゃないと思うんだけど……)
#L=リベラ
「あっても気分的にいやですから」
シャルロット
「あんまり無防備な“自分”を晒すのも良くありませんしね」
#L=リベラ
「ええ、そうですね」 皮肉に心が痛いわ。
#L=リベラ
「さて、準備が出来たら〈ラクスタイト〉を片手に持ってください」
ソルティア
「まぁ、また顔を見せた時に説明しておけば大丈夫ですかね」 とラクスタイトを手に持ちつつ。
シャルロット
アーマーインナーだけの格好になって、ラクスタイトを手に取る
ヤンファ
「………」 そういや俺はついでだったんだよなァ、とか思いつつ後ろ向いてる
エリカ
「……」 人が来ないか周り気にしてるわ。そわそわ。
#L=リベラ
「では、ソルティアさんから」 ソルティアの前に膝をついて、もう片方の手を取って軽く手の甲にキスをしよう。
#L=リベラ
すると、その鎧が光に包まれてたちまち変化し始める。
ソルティア
「…………」 何か見た目シャルロットな奴に手の甲にキスされるのもアレな気分だな。隊長なのに。
#L=リベラ
光が収まると、複雑な魔動機構を仕組まれた鎧は、無骨な黒色の全身鎧に変化していた。
〈リーヴスラシル〉

基本取引価格:取引不能

知名度 23 形状 無骨な威厳のある黒き全身鎧 カテゴリ〈金属鎧〉SS
概要 生命の意義を追い求める者に力を与える 製作時期現在
効果
生命求め努める者(リーヴスラシル)
 装備者が同じ手番において複数回物理ダメージを受ける時、その度に防護点を「+2」として計算することが可能です。
 この効果は重複しますが、自身の手番の開始時に元の防護点に戻ります。
 また、あらゆる回復効果を受ける時、その回復量を+2します。

己が魔を盾に
 装備者が魔法ダメージを受ける時、使用可能な魔法をひとつ選び、MPを消費することによって「その魔法の威力の結果」点だけそのダメージを軽減することが出来ます。
 この能力は、1ラウンド(10秒)に一度だけ使用可能です。

魔が導く道
 この防具の装備中、装備者は戦闘特技《魔法誘導》を習得しているものとして扱います。
必筋回避防護
備考
30 -1 15
由来と逸話
 ルナティアから発生した〈ラクスタイト〉から生成された堅牢な鎧です。
 迷いながらも、心を折る事なく進む者に対して大きな力を与えると同時に、その道を照らす手助けをします。
ソルティア
「……確かに、これは……インペリアルよりも頑強そうな鎧ですね」
#L=リベラ
「……では、次は」 今度はシャルの前に膝をつこう。
シャルロット
「……何も言いませんよ」 ジト目で 
#L=リベラ
「言われたくもありませんよ」
#L=リベラ
同じように片手を取って、その手の甲にキスを。
#L=リベラ
〈ラクスタイト〉が光の粒となり、シャルロットの身体を覆うように包み込んでいく。
#L=リベラ
その光によって形成されたのは、白と青の糸によって紡がれたドレスのような衣装だった。
〈クロト=ムネモシュネ〉

基本取引価格:取引不能

知名度 23 形状 白と青で紡がれたドレスの様な戦闘衣装 カテゴリ〈非金属鎧〉SS
概要 運命と記憶を紡ぎ、それを背負う者に力を与える 製作時期現在
効果
運命を紡ぐ者(クロト)
[剣の加護/運命変転]を使用した時、種族特徴の強化による「結果の+1+2」の効果を「2dの出目+1+2」に変更する事ができます。これによって出目が12以上となった場合は、自動成功となります。

○▽記憶を司る者(ムネモシュネ)
 装備者が戦闘特技、秘伝またはCAの使用を宣言する時、次の手番の開始時まで近接攻撃及び射撃攻撃の命中力判定に+1のボーナス修正を得ます。
 また、戦闘特技《武器習熟/ソード》及び《武器習熟Ⅱ/ソード》を習得しているものとして扱います。

▽父の剣の記憶
《活人撃》を宣言した時、その対象を同じ乱戦エリア内の任意の対象5体までとする事が出来ます。これには自分を含めても構いません。
 また、例外的にこの防具を装備している際に《両手利き》などを利用して複数回回復効果を発生させても、一度の宣言で消費されるPPは「1」点となります。
必筋回避防護
備考
15 +1 8
由来と逸話
《虚音》の残滓である〈ラクスタイト〉を利用してリベラトール=リベラによって作り出されたシャルロットの為の戦闘衣装です。
 かつてシャルロットが出会って来た者たちの記憶を集約し、それを己の力として発揮し、新たな運命を紡いでいく為の力を与えます。
#L=リベラ
「……ふう」
#ルナティア
「……すごいものね」
シャルロット
「……鎧……?」 少し訝しげに、纏った鎧を自分で眺める
#L=リベラ
「不服ですか?」
シャルロット
「いえ、目立つなあ、と」 すごいドレス形状って
エリカ
「……あんまり鎧には見えないわね」 ていうか派手っていうか。
エリカ
「……」 隣の無骨な鎧との落差が。
ソルティア
「……えぇと、そろそろいいですよね」 振り返りつつ。
#ルナティア
「ええ、大丈夫よ」
シャルロット
「どうです、ヤンファ?」 こんな格好、と、くるりとスカートを翻して見せよう
#L=リベラ
「冒険を始めたばかりの頃の衣装だって似たようなものだったじゃないですか」
シャルロット
「判っていると思いますが、あの時はあまり判っていませんでしたしね」
ヤンファ
「なんつーか、シャルらしい格好になったんじゃァねえ?」
#L=リベラ
「ええ、知っています」
ソルティア
「へぇ……鎧と言うより、ドレスと言う感じですね。でもよく似合ってますよ」
ヤンファ
「似合ってると思うぜ」
エリカ
「まあ、確かに“らしい”感じはするかも」
#L=リベラ
「さて……」 真面目な表情になって。
#L=リベラ
「その2つもやはり、貴方たちを大切に想う人たちの心があってこそ現れたものです」
#L=リベラ
「彼らの為にも、その意味を、噛み締めてあげてください」
ソルティア
「……勿論です。ありがとうございます」 小さく頭を下げて。
シャルロット
「大切な人の……ね」
シャルロット
「礼は要りませんね」
ヤンファ
「自分に礼言ってもアレだしなァ」 苦笑して
#L=リベラ
「はい、不要です」
#L=リベラ
「それでは、今回はこれで」
シャルロット
「またお会いしましょう」
ソルティア
「えぇ、また」
ヤンファ
「じゃァな」
#L=リベラ
「次にいつ出てくるかは分かりませんが……まぁ、居る間は呼べば出て来ましょう」
#L=リベラ
そう言って、また〈ファランダレス〉へと戻っていく。
シャルロット
「……なんというか、疲れますよね」 自分と本当に対話できるっていうのは
エリカ
「……ふう」 良かった、誰も来なかった。
#ルナティア
「私としては、割と面白いものを見られたと思うわ」
ヤンファ
「………」 消えていく彼女の姿を見てから  「……すっげえどうでもいいことを考えたんだが」
ソルティア
「ははは……」 シャルロットに苦笑を返して。 「何ですか、ヤンファさん?」
ヤンファ
「戦ってる最中に今のヤツが呼べて戦えたら、楽そうだよなァ」 無理だろうけどさ
ソルティア
「シャルロットさんが二人……みたいになるんでしょうか……?」
シャルロット
「ま、両手に花をしたいのは判りますが、彼女が動いていると私が満足に動けるかどうかわかりませんし」
ヤンファ
「誰もそんなこと言ってねえだろ……!」 そういう言い方やめろよ!
シャルロット
「最近、ヤンファをからかうのはこのあたりのネタがいいのだと判りました」 キリリ。
ヤンファ
「変なことばっかり学習しやがって……」 厄介な娘だなホント
エリカ
「正直、出て来るのはもうちょっと場所考えて欲しいんだけど……」
シャルロット
「彼女なりのタイミングは考えていると思いますよ。単純に、人と遭遇しないのがここだったんでしょう」
エリカ
「そうは言われても安心しきれないっていうか……」
#ルナティア
「……シャルだからね」
ヤンファ
「お前も遠慮なくなったな」
#ルナティア
「元々遠慮をしていた覚えはないわ」
ソルティア
「ですよねー」
ヤンファ
「そうかィ」
#ルナティア
「それとも、シャルにもちゃんと敬語を使った方がいい?」
#ルナティア
「貴方たちよりは、ちゃんと使えると思うわ」
ソルティア
「シャルロットさんだと気にしない気はしますけども……」
シャルロット
「お断りします。というか、エリカさんにもされていないことをされると背中が痒くなりそうです」
#ルナティア
「でしょうね」 だから使ってなかった。
エリカ
「……何でそこで私が出てくるの?」
ヤンファ
「オイオイ、一応俺は公共の場に対応した態度は取れるんだぜェ? なァ皆?」 見たことあるよなって顔で
ソルティア
「対応しすぎて周りの人が大変ですよ、ギャップに」
#ルナティア
「拒否反応が出そうだわ」
シャルロット
「エリカさん、使い分けがしっかりしていらっしゃいますから。そうしなくていい相手だって、思ってもらえてるってことでしょう?」
エリカ
「……まあそうだけど」 ある種の意地みたいなもんなんだけど。
#ルナティア
「使い分け出来てないって」 とヤンファへ。
ヤンファ
「なんでそこで俺に振んの?」
#ルナティア
「振って欲しいのかと思って」
ヤンファ
「お前から見た俺の扱いは一体どうなってんだよ……」
#ルナティア
「……言って欲しい?」
ヤンファ
「……いや、いいわ」 ききたくない
シャルロット
「さ、ちょっと道草を食べてしまいましたが、町へ繰り出しましょう」
ソルティア
「そうですね、まずはどこから行きましょうか?」
#ルナティア
「そう。じゃあ行きましょうか」
ヤンファ
「みんなで世話になったトコから行こうじゃァねえか」
シャルロット
「とりあえず、ヤンファさんの仰るところで言いと思いますよ?」
#ルナティア
「行き先や順番は任せるわ」
ソルティア
「〈宵の明星亭〉、ですね」
ヤンファ
「そういうこった」
エリカ
「……まあ、今なら皆……アランさんはいないけど、大体揃ってますし。いいと思います」
ヤンファ
「なんだァ、アランいねえと寂しいか」
エリカ
「別にそういうんじゃないですよ。どうせならと思っただけです」
#ルナティア
「今度一緒に行けばいいわ」
ヤンファ
「そうか。ま、決まったし行こうぜ」
#ルナティア
「そう」