虚ろの輪音

第三部 序話「始動-虚ろなる世界-」 - 02

GM
一方、残されたシャルロットたちは、周囲を散策しながら、休むのに適した場所を探していた。
GM
その間にマグダレーナはバルクマンへと連絡を試みる。
GM
バルクマンは予想通りに無事だったようで、異変を察し、人の殆ど居なくなったインミスティの近くで、イーヴと共に行動方針を考えていた所だったようだ。
GM
それぞれのすることを終えて合流した君たちは、乗ってきた飛空船へと乗り込み、レーゼルドーン大陸へと向かう。
GM
そうして、数時間後。
#バルクマン
「お待ちしておりました、姫様」
GM
君たちは、インミスティの外れにある簡易兵舎のひとつへとやってきていた。
GM
そこでは、バルクマンが君たちを迎え入れる態勢を整えて待っていた。
ソルティア
「お久しぶりです、バルクマンさん」 礼儀正しく挨拶。まぁ多分お久しぶりだろう、直接会うのは。
#マグダレーナ
「無事で何よりだ」
シャルロット
「ご無事で」 と言うのが正しいのか一瞬困って 「なによりです」
#イーヴ
「……どうやら、尋常ならざる事態に陥ったようだな」 眼鏡のブリッジを持ち上げながら
#イーヴ
「ともあれ、無事の再会を喜ぶとしよう」
エリカ
「……」 ぺこり、と。無言で頭下げ。
ヤンファ
「よォ、活躍してたみてェだなァ」 バルクマン久しぶりじゃん
#バルクマン
「……本心と違う事を言うな」 じろっ。
ヤンファ
「なんのことだかなァ」 カッカッカ
ヤンファ
「そっちさんも、無事で何よりだ」 識者は多いと助かる、とイーヴに
ソルティア
「イーヴさんも。この状況で会えるとさすがにほっとしますね」 数時間前の激昂が無かったように。
#アイゼル
「そうね。頼もしくないとは言えないわ」
#ラーエル
「久しぶりだね、イーヴさん」
#イーヴ
「ああ、君たちも壮健そうで何よりだ」
ヤンファ
「……ホント、今更ながら奇妙なモンだな」 《黄金戦役》の面々がこうやって顔を合わして、ザガードまでいるってのも
#ザガート
「そちらの騎士殿は初めまして。経緯は後で話すとして、こうして場を準備してくれていた事には感謝する」
#バルクマン
「礼には及ばん。ただ、護っている事しか出来なかったのだからな」 事態を止められた訳じゃあない。
シャルロット
「状況の説明から入りましょう」 と、二人に今までの経緯を話す。それから、他のみんなに何が会ったか教えてもらいたいのだけどいいかな
#アラン
「……ま、とりあえず紹介と経緯からだわな」
シャルロット
「そうですね……」 その辺はぱぱっとすませてしまっていいのだろうか
GM
ぱぱっと済むよ。
ソルティア
「一気に事態が進行しましたからね。情報の共有も兼ねて、一つずつ整理していきましょうか」
#フェリシア
「そうね。ハウル殿、落ち着いて話を出来る場へ案内してもらえますか?」
#バルクマン
「分かった。ではこちらへ」
GM
ということで。
GM
兵舎内の会議室に集合した全員は、これまでの状況と公都で起きた出来事をまずは話した、でいいかな。
シャルロット
OK。かくかくしかじかあれあれうまうま
ソルティア
OKです。アカシャとお別れしてきたとかそういうプライベートなとこはともかく。
シャルロット
ああ、ユリウスについてはオブラートに包んで話をしよう。
#マグダレーナ
「……成程」
#マグダレーナ
「次に考えるべきは、我々の行動だが……」
ヤンファ
「予想以上に、っつーか、味方と思えるのは此処にいるだけらしいなァ」
#イーヴ
「残念ながらそのようだ」
#アラン
「……ま、本物の〈胡弓〉……いや、〈弔鐘〉か。その力が発動したのなら、当然の事だ」
ソルティア
「最終目的となるのは、浮かび上がった海底遺跡にいるベア……アレクサンドリアでしょうが」 腕を組んで。
#フェリシア
「今のままで近づけるとはとても思えませんね……」
ソルティア
「えぇ……となると、各地の封印であるあの塔、と言う事になるのでしょうが……」 そっちもきつそうだな。
シャルロット
「後、一人ご協力いただける方が」 なんて呟いて。多分彼は平気な顔をしていることだろう
#ラーエル
「ヴィルフリートさん?」
シャルロット
「ええ。無事であれば、何かの形でご協力いただけるのではないかと」
#ユリウス
「…………」
エリカ
「……どうして」 ふと、疑問が思い浮かんで。
#ザガート
「……どうかしたのか?」
シャルロット
「……エリカさん?」
エリカ
「どうして、私達、平気なんでしょう」
#アラン
……」
#バルクマン
「……む。それは、確かに」 腕を組んで難しそうな顔をする。
ヤンファ
「………。まァ、シャルは分かる」
ソルティア
「そうですよね……シャルロットさんはまだ分かりますが、他の皆が何故か、と言うのは……」
シャルロット
「あの、分かられても困るというか……」 当たり前に話されると困る
#アラン
「シャルロット、姫サン、ユリウスに俺が平気な理由は分かる」
シャルロット
「分かるんですか!?」
#アラン
「むしろ何でお前が分かってねえんだよ」
シャルロット
「い、いえ……そんな理由で影響が無い、と言い切っていいのかと」
ヤンファ
……」 さらりと自分を含めたか
ソルティア
「前のお三方は家系の関係ですか?」
#アラン
いいや」 ソルティアに首を横に振り。 「全員、だ」
#ユリウス
「…………」 その言葉に、僅かに顔を上げ。
エリカ
「……はじめの三人は、分かりますけど……全員……?」
ソルティア
「全員……と言う事は、アランさん、も?」 首をかしげて
ヤンファ
「イエイツ、そして……クラウゼ」
ヤンファ
「名前はアランであってんのか」
シャルロット
「……?」 どういうことだろう
ヤンファ
「いちいち、普通は知らない情報まで知ってやがって結構引っかかってたんだがな」
#アラン
「……」 ヤンファにも首を横に振る。
#アラン
「この際だ。まとめて言っちまうぜ」
シャルロット
「は、はい」 居住まいを正してアランへと身体を向ける
#アラン
セフィリア神聖王国の聖戦士(パラディン)、マリウス・ベレスフォード。それが俺の本当の名前だ」
シャルロット
……? はい?」 なんだって?
ソルティア
「……セフィリア! と言う事は、アレクサンドリアの“本体”が封じられている……」
#アラン
「そして……セフィリアに移り住む前の名は、マリウス・クラウゼだ」
#フェリシア
「……は?」
エリカ
「…………え……?」
#マグダレーナ
「……マリウス・クラウゼ?」
シャルロット
「それって……」 呆然としてアランの顔を見やる
ヤンファ
……」 どことなく驚きは少ない。予想してなかったワケじゃないが、突拍子すぎて口に出せなかった
ソルティア
「クラウゼ、と言う事は、陛下の家系……ん?」 首をかしげて
#ユリウス
「…………」
エリカ
「それって……確か、亡くなったっていう……」 ちらりと、ユリウスの方見て
ソルティア
「………」 くるっとユリウスへ顔を向けて。
ヤンファ
「……そうだな。ユリウスの……流されたと言われた」
#アラン
「そうだ。そこで馬鹿面晒してるユリウス・クラウゼの弟だよ」
#ユリウス
「……何故、こんな所に居る」
#アラン
「……アンタ、アレクサンドリアにも言われてたよな。自分の力を過信しすぎて、眼が曇ってるってよ」
#アラン
「アイツの言う事にゃ賛同できねェが、アレだけは的を射てると思うぜ」
#アラン
「アンタの用意した監視の目なんざ、とうの昔に全部ぶっ潰してるっての」
#ユリウス
「…………」
#アラン
「……ま、今は細かい経緯はいいだろ」
ヤンファ
「ま、兄弟話は追々ってトコだな」
#アラン
「俺はセフィリアの聖戦士として、喪失した〈弔鐘〉の行方を追ってこのザルツ地方へ来ていた」
#アラン
「今まで黙ってて悪かったな。嘘はつきたくねェんだが、職務上仕方ない部分もあった訳だ」
#アラン
「こうなっちまったらセフィリアの体面も何もあったもんじゃねェし、ぶっちゃけちまったけどよ」
ヤンファ
「そんなモン追ってきてホイホイ言えるワケねえだろ。気にすんな」
ソルティア
「ま、まぁ、確かに話されても困りましたね……」
#フェリシア
「……信じられない……」 これがセフィリアのパラディンで尚且つユリウスの弟なんて。
エリカ
「……」 正直リアクションのとり方に困っている。
シャルロット
「セフィリアの聖戦士なら、まあ、仕方の無いこと、ですよね」
#アイゼル
「それはともかく、大事なのはそこじゃないでしょ?」
#マグダレーナ
「……あ、ああ、そうだな」
#マグダレーナ
「何故、侵されていないのか、だったな」
ヤンファ
「………」 まあ呆気にとられるわな、アレの弟だし
ソルティア
「あ、アランさんの理由も、家系という事でしたね……いや、マリウスさん……様……?」 意外と動揺しているようだ。
#アラン
「今まで通り、“アラン”でいいぜ? 堅苦しくなくて個人的にゃこっちのが気に入ってるくらいだ」
ソルティア
「わ、分かりました、アランさん」 こくこく
シャルロット
「立場的には、私と似たような……ああいえ。私とも違いますよね」
#アラン
「いやァ……俺ァもう完全にクラウゼとの関係は絶ってるようなもんだからなァ」
シャルロット
「この際、仲良く兄弟でお話なりをすればいいですのに……」 まあ、それはさておき、だ
#アラン
「後でな」 手をひらひら。
#バルクマン
「……では、姫様たち四名については置いておくとして」
#バルクマン
「何故、我々が無事なのか、か」
ヤンファ
「その四人以外、一応共通点はあるみたいだなァ」 面々を見て
ソルティア
「共通点……ですか?」 首を傾げて
エリカ
「……?」
シャルロット
「うーん……?」
#ラーエル
「……共通点、っていうと?」
ヤンファ
「関係あるか知らねえが……此処にいる人間ユリウス以外、帝国のモンじゃねえ」
ソルティア
「僕の出身はレーゼルドーンですね。詳しい地名までは分かりませんが……」
ヤンファ
「公国軍で何らかの職についた奴か、部外者ってトコか」
#ザガート
「彼ら四名以外の者が平気な理由が、ひとつとも限らないが……」
ヤンファ
「ま、アイゼル達は元々帝国側だろうが……暫くあっちには行ってなかっだろ」
#ユリウス
「………………いや」
#ユリウス
「……君たちの一部が平気な理由には、ひとつ思い当たるものがある」
ヤンファ
「ン?」
シャルロット
「ヤンファさんの仮説では……逆に、ダーレスブルグにも影響が出ているのに理由がつかなくありませんか?」
#ユリウス
「……そうだ。……今の君の説明では、その点の説明が付かない」
ヤンファ
「……それもそうだな」
#ユリウス
「……《虚音》に侵されない人間の分類は、基本的には2つだ」
#アラン
「……へェ?」
#ユリウス
「……まずは、先程言った血筋」
#ユリウス
「……イエイツとクラウゼの血を継ぐ者は、自ら望まない限り、アレに心を蝕まれる事は無い」
シャルロット
「……」 それは、そうかもしれないとは思っていたけれど
#ユリウス
「そしてもうひとつ……これはベアトリスいや、アレクサンドリアから聞いただけのこと故、正しいのかは分からないが……」
#ユリウス
「……極端に恵まれた才能と強い意志、所謂“英雄の資質”を持っているような者は、完全ではないにせよ、《虚音》に耐性を持つらしい」
エリカ
「……」 ちらちら。アイゼルとかラーエルとか見た。
ソルティア
「………はぁ」 よくわかんない顔。
シャルロット
「……」 ちらり、と周りを見回して 「傑出した才能などはわからなくもないですが、それなら他にも無事な者がいてもおかしくないのでは?」 街、全滅らしいけれど
ヤンファ
「………なんつーか」
エリカ
「それで、納得できる人はいますけど……」
ヤンファ
「結構アバウト過ぎねえか」 いや無事だからいいけど
#ユリウス
「……それで無事なのは、本当に一握りの人間らしい。今のルキスラやザルツには、予想外に多かったようだが」
ソルティア
「英雄の資質と言われましても、と言う感じなんですが……」 自分が英雄? 嘘だろー、と言う顔
シャルロット
「それも、都合よく四人、私たちパーティーメンバーが平気だったりするものですかね……」
#フェリシア
「……正直、全員とは考えがたいですね」
#フェリシア
「《黄金戦役》を乗り越えたアイゼルさんやラーエルさん、イーヴさんならわかりますが……」
エリカ
「……流石に、自分がそうだとは」 到底思えない。
ヤンファ
「ンー……別に、最初ッから持ってたとは限らないんじゃァねえの?」
#ラーエル
「まぁ確かに、最初っからは持ってなかっただろうけど」 自分の昔の姿を思い出すと絶対違う。
ソルティア
「……まぁ、軍属の頃と比べれば段違いの実力になってはいますが……」
エリカ
「……フェリシアさんが言ったような人たちは、解りますけど……」 ちょっとね。
ヤンファ
「………」 っつーか、ザガードは……いや、蛮族側の英雄と思えばそれでいいのか
#ザガート
「……ふむ、私も正直英雄でも何でもないのだが。ヴィルフリートが無事だった事を考えると、信憑性は0でもない、か」
#バルクマン
「……となると」
#バルクマン
「……クラウゼとイエイツの血を継ぐ方々と、彼ら《黄金戦役》に関わりのある四名を除いた者たちについて考察すべきか」
#マグダレーナ
「……フェリシアにハウル、ヤンファにエリカにソルティアか」
シャルロット
「そう、ですね……」 低く唸って、腕を組む
エリカ
「……英雄の、該当者がいないとは思わないですけど」
#アラン
「全員が英雄って言われたら鼻で笑うレベルだよなァ」
エリカ
「《アストラム》の全員が平気っていうのは、何か、できすぎてるような……」
ソルティア
「ヤンファさんは、イエイツの血が扱うファランダレス、それに対応したヴァイケリオンの使い手、と派生して考えれば分からなくもない気はしますね」
ヤンファ
「俺は……そうだなァ。ソルティアの言う通り、シャンリークの血が多少あるかもしれねえが」
#イーヴ
「その五名に共通する事を考えてみようか」
#イーヴ
「シャンリークの血を考慮するのならば、君はさておくとして、だ」
ソルティア
「僕は出自も知れぬ身ですし、そもそも人間ですらありませんし……」 ナイトメアって事はここにいる全員が知ってるだろうし。
#アイゼル
「私も人間ではないし、ノスフェラトゥすら居るのよ。種族の問題ではないでしょう」
ヤンファ
「……今回の件に関わった、ってだけだと例外がいるしなァ」 バルトとか様子見に言ってないけど調子悪くしてたし
シャルロット
「あー……」 んー、と唸る。ひっかかるような、かからないような
#ラーエル
「何か思いついたの?」
シャルロット
「い、いえ。良く判らないので……イーヴさん、続きお願いします」
#イーヴ
「君たちの事は、君たち自身が一番よく知っているだろう」
#イーヴ
「ゆっくりと思い出してみたまえ。これまで君たちが歩んできた道を」
#イーヴ
「その中に、今名前を挙げた者に共通する何かは無いか」
シャルロット
「共通する、こと……?」
エリカ
「シャルロットの奇跡……は、受けてない人も、いますよね」 あのなんとかうぇぽんとかのことだよ。
GM
バルクマンは受けてません。
ソルティア
「……僕とエリカちゃんだと、ベアト……アレクサンドリアと普段接する機会が多かった、と言うくらいの覚えはありますが」
#アラン
「それは理由にはならないだろうな。……アレクサンドリアがこの状況で、わざわざ侵せるはずの人間を残しておく理由もねェ」
#アラン
「モニカちゃんやアカシャちゃんの様子を見る限り、アレクサンドリアとの接触は耐性が付く理由にゃならねえぜ」
ソルティア
「ファランダレスの影響を受けた、と言うのも違う気がしますし……」
#フェリシア
「……うーん……」
ヤンファ
「………」 出会ったのは《宵の明星亭》、そこから小さな仕事をこなして…
ヤンファ
「出会い、《呪音事変》、ヴァルクレア城攻略作戦……現在。俺らが全て共通を持つ可能性があるのは何処だ」
#イーヴ
「出来事だけではない、ソルティアが言ったように人の可能性もあれば、物が原因である可能性もある」
エリカ
「……さっきも言いましたけど、全員、《アストラム》の所属ですよね」  「……だからどう、って言われると、困りますけど」
#アラン
「ああ、そうなるな」
ヤンファ
「なら、軍属か? ……つっても、なァ」
シャルロット
「……あ。 ン?」 おや、と首を傾げ
エリカ
「……」 何変な挙動してるんだろう。
#マグダレーナ
「軍属……ではないだろうな」 他は皆侵されてるし。 「手掛かりは《アストラム》か……ん?」
シャルロット
チラ、とバルクマンを見る。襟元とか
#バルクマン
「……む」 釣られて自分の襟元を見る。そこには赤色に輝く宝石の填められたあの“印”があるはずだ。
#フェリシア
「……あ……」 同じくフェリシアも、胸元を確認してみる。
シャルロット
」 やっぱり持っていた。
ソルティア
「……それは、マグダレーナ様から拝領した?」 こちらも自分の襟元に目を向け。
エリカ
「……?」 つられて、自分も身に着けているそれに視線を。
#マグダレーナ
「……そうか……」
シャルロット
「お姉様。アレ、一体何でできているんです?」
#マグダレーナ
「……」 シャルロットに頷いて。
#マグダレーナ
「……この宝石の中には、私のイエイツの血が含まれている」
シャルロット
はい?」 噴きそうになった
ソルティア
「血……それは純粋に血液、と言う意味で……?」
#マグダレーナ
「父から伝えられていたんだ。……自分の本当に信頼の出来る者が出来たら、そうして作ったものを使いなさいって。……まだ、10にも満たない頃に聞いたおまじないだったかな」
シャルロット
「……そうだったのですか」 そんな話があったとは
エリカ
「……じゃあ、もしかしてこれのお陰で……?」
ヤンファ
「へェ……」 これ戦ってる時に外れたらやばかったんじゃねえの
#マグダレーナ
「……少し気恥ずかしかったから、あの時は黙っておいたんだが」
#アラン
「……こいつが、ねェ」 アランも自分の身につけた星辰徽章をつまんで。
ソルティア
「……家系が、すなわち血を表すのであれば、これほど《虚音》避けになるものもありませんね」
シャルロット
「……」 そうか。父が。なんとなく、自分の親と認識できないが故に、複雑そうにバッジを眺めて
#マグダレーナ
「まさかこんな形で役に立つとは、あまり思っていなかったが……コレのお陰だとすると、正しい選択だったようだ」
ヤンファ
「ふゥん……そこまでに強いものなんだな、血ってのは」
シャルロット
「理由は掴めましたね……案外判り易くて安心しました」
#フェリシア
「……そうですね」
ヤンファ
「っつーか、それなら戦ってる時にコレが外されないようにしねえとなァ」
ソルティア
「ありがたい話です。これが無ければ、今頃は……」 ここまで言って口を閉ざした。
エリカ
「……」 つまり。これが今後の生命線、ということ、だろうか。
#アラン
「接着剤で頭に貼り付けといてやろうか」
ヤンファ
「お前の奪って効果倍にするわ」 お前クラウゼだからいいだろ
#アラン
「キャーヤメテー」
#バルクマン
「……何をふざけている」
#アラン
「相変わらず頭かってェなァ」
ヤンファ
「絶対アイツ老けるの早いよなァ」 ヒソヒソ
#アラン
「むしろもう老けてるわアレ」
#フェリシア
「……こほん」
エリカ
「…………」
ヤンファ
「はい」 真面目に話します
#アイゼル
「それじゃ、解決したところで次かしら?」
ヤンファ
「次、っつーと行動だな」
シャルロット
「と、いっても……侵食が完了した人に渡しても手遅れでしょうから、新たに増やしても使用がなさそうですね」 あくまで予防措置っぽいし
#マグダレーナ
「ああ。用意にも時間が掛かってしまう。現実的ではないだろう」
ソルティア
「そうですね。一度はずしてみれば分かりますが、試す気にもなれませんね」
ヤンファ
「ま、さっきちょいと話に出たが、直接本拠地ってワケにもいかなさそうだなァ」
#ザガート
「まず無理、だろうな」
#ザガート
「となると、近づける手段を模索しなければならないが」
ソルティア
「空に浮かんでいるだけならいいんですが、恐らく《虚音》の影響も強いでしょうしね……」
ソルティア
「飛空船で近づいて撃ち落されないか、と言う心配もありますし」
シャルロット
「本丸が難しいなら、先ずは周辺から陥落させましょう」 と提案する
#イーヴ
「どうやら、シャルロット殿下も同じ結論に至ったようだな」
ヤンファ
「俺らがベアトリスらと対峙した時だが」
ヤンファ
「どうもある三箇所から力を集めてたらしい」
ソルティア
「それぞれの封印のある場所……ヴァルクレア城、公都、帝都の三つでしたっけ」 遺跡のある場所とニアイコールならそんな感じだろう。
エリカ
「三つの、中継塔……」
シャルロット
「ええ。あれら三つを押さえている人物を叩きます。場所は、もうわかっているのですから」
#フェリシア
「……ヤンファ」 さっき公都で話していた話、と。
ヤンファ
「あァ」 フェリシアに頷き
ヤンファ
「俺とフェリシア……まァソルティアたちも言われたと思うが」
ヤンファ
「どうも侵されてる奴らは“女神様”とやらを信仰してる」
ソルティア
「……えぇ……そのよう、ですね」 途端に苦虫を噛み潰したような顔になって。
ヤンファ
「シャル、エリカ、ソルティア、アラン、ユリウス、姫さん……覚えてるか。あの時ベアトリスが言ってた言葉」
ヤンファ
「『信仰が集まった』って言ってただろ」
#アラン
「たりめーだ。忘れられねェよ」
シャルロット
「……」 ヤンファに頷いてかえす
#ユリウス
「……ああ、確かにそう言っていた」
ソルティア
「忘れるはずが」 頷いて。
シャルロット
多分、ヤンファの言いたいことは判っている。先を促そう
ヤンファ
「フェリシアと言ってたんだがな。恐らくだが、これまでのやり口を考えると……“信仰”が媒体になってる」
ソルティア
「“女神様”への信仰が、…アレクサンドリアを“神”にしている、と言うところでしょうか」
ヤンファ
「そんなトコだと思う。っつーことは、それを掻き集めた場所……さっき言ってた中継点だな」
#アラン
「知っての通り、神ってのはその信仰に比例して力を強めるもんだ」
ヤンファ
「あァ。その力を弱めるなら、それを掻き集めた場所を潰していけばいいんじゃァねえか」
ソルティア
「祠を壊していくようなものですね」 小神の消費MP増えちゃうぜ。
シャルロット
「そして、その信仰状態からの解放にも繋がるかもしれない」
#アイゼル
「……成程ね」
#ユリウス
「……ひとつ、訂正しよう」
ヤンファ
「ン、訂正……?」
#ユリウス
「……順序が逆だ。やるべき事は変わらないが」
ソルティア
「……? 逆、と言うと、まず信仰を失わせてから、と……?」
#ユリウス
「……アレクサンドリアは、三つの《中継塔》を統べて、それらを介して《虚音》を周辺域に発している」
#ユリウス
「そして、《虚人》たちによって彼女を信仰させ、その信仰を彼女自身の元へ集めている」
#ユリウス
「……これまで私が見てきた事から考えて、そう考えた方が辻褄が合うはずだ」
ヤンファ
「……成程」 そういうことか
シャルロット
「なるほど」 ぎゃくとはそういうことか
#ユリウス
「……君たちが戦った蛮族たちは、尽く《虚音》に侵されていただろう」
#ユリウス
「……その経緯を、話そう」
エリカ
「……」
ヤンファ
「………」
シャルロット
「はい」 辛いだろうが、彼の意志だ。耳を傾けて待つ
ソルティア
「………」 頷いて。
#ユリウス
「……アレクサンドリアは、次代の〈胡弓〉の《担い手》にそれを託す為、私の前に現れた、と言った」
#ユリウス
「……そして、セフィリアと三つの遺跡……四つの封印を開く事でその力を解放し、承継の儀は成るのだ、と」
#ユリウス
「……正確には、封印は五つ。……鍵の《担い手》などには力は降りて来なかったが」 自嘲するように。
#ユリウス
「……私の前に現れたアレクサンドリアは、まず私を〈リベラリオン〉の《担い手》として覚醒させた。……元々、私に適性があったのは確かのようで、それ自体は滞り無く行ったよ」
#ユリウス
「そして、私はまず《調の神殿》の封印を解放した」
#ユリウス
「それによって、彼女は力の一部を取り戻したのだろう。……それから、〈胡弓〉いや、〈弔鐘〉と呼ぼう。その力の一端を使えるようになった」
#ユリウス
「……ごく一部の限られた者を操る事が出来るようになった彼女は、それからいくらかの人間を操りながら、私と共にルキスラを導いていった」
GM
ごく一部っていうのは、直接目の前で力を発揮したら侵される、とかそんな程度だと思ってください。
ヤンファ
ギアスみたいなもんね。把握
#ユリウス
「……それから、様々な事があったのだが、今は蛮族の話だけに留めておくとしよう」 すべて話すと長すぎる、と。
シャルロット
「……」 頷く。もとより、蛮族のところは気になっていたんだ
#ユリウス
「……レーゼルドーンの蛮族たちを侵す事が出来たのは、《蒼き北伐》の後だ」
エリカ
「……」
#ユリウス
「……君たちも見ただろう三つ目の《中継塔》。……名を《ドラゴンズ・ジャベリン》という」
#ユリウス
「……《蒼き北伐》の最後に、アレを建てた」
#ユリウス
「……建てたのは、最後に送られた調査隊。……君たちの父、オトフリート・イエイツが率いていた部隊だ」
シャルロット
「……父が?」 それを立てた、というのが信じられない
ヤンファ
「ってことは……」 エリカの父もそれに含まれるじゃないか
#ユリウス
「……」 シャルロットに首を横に振り。 「……オトフリート殿は、計画の障害になる事から、そこで殺害が図られただけだ。体よく本軍から引き離した上で、ね」
#ユリウス
「彼らを送り出す前、密かにアレクサンドリアは部隊の者たちを《虚音》に侵していた」
#マグダレーナ
「…………」
#マグダレーナ
「……そして、《虚人》たちによってまずは父を殺害し、残りの者たちで《ドラゴンズ・ジャベリン》を建てたのか?」
エリカ
「……」 ぐ、と。拳握り。
#ユリウス
「……元々、その基礎となる建物は存在していた。……後は、送り出した部隊の者たちに細工をさせるくらいで良かった、というのが本当の所だが」
#ユリウス
「そして、建設された《ドラゴンズ・ジャベリン》からは私たちの計画通り《虚音》が発されるようになった」
#ユリウス
「……アレクサンドリアの力が完全ではなかったから、その影響はまだ今に比べればずっと弱いものだったようだが」
ヤンファ
「………」 腑に落ちないことがいくつかある。といった表情だ
#ユリウス
「それでも、レーゼルドーン南部を時間を掛けて侵していく事は容易い事だった」
#ユリウス
「それから一年も掛からぬ内に、《ドラゴンズ・ジャベリン》の近辺から霧の街辺りまでの蛮族は操る事が出来るようになった。そういう経緯だ」
#アラン
「……ってこたァ、それから先の蛮族軍の動きは全部お前らが掌握してたってことか」
ヤンファ
「……なァ」
#ユリウス
「……ああ」 とアランに頷いて。 「……何だ?」 とヤンファへ。
ヤンファ
「その時、操られてた部隊の奴らは死んだのか?」 殺す必要があったのか、という意味を含めて
#ユリウス
「……我々の計画を周囲に悟られない為に、帰還はさせなかった。……道半ばで部隊は全滅した、というのが一番自然だった」
#ユリウス
「……だが、部隊の全員が命を落とした訳ではない」
ヤンファ
「……何?」
#ユリウス
「……一人だけ、《虚人》と化して生き残った者が居る」
エリカ
「……生き、残り?」
ソルティア
「……それは」
ヤンファ
「ンなこと出来るのかよ……」
#ユリウス
「…………ドゥラージュを見ただろう。……彼女の力は、死者さえも《虚人》と化して利用することが出来る」
シャルロット
「だ、誰ですか?」 思わず聞いてしまった
ソルティア
「………」 ちらっとエリカを見て。
シャルロット
「まさか」 はっとして息を呑む
#ユリウス
「…………」 ユリウスも、逡巡しながらエリカへと視線を向けた。
#アラン
「…………」
ヤンファ
「……不自然に思ってた点がある」 エリカが持っているであろう形見に視線をやり
エリカ
「……」 知らず、ペンダントを握り。
ヤンファ
「ベアトリス……もといアレクサンドリアは、何で“ソレ”を渡した?」 経緯からしてどこか納得がいかないんだ
#ユリウス
「……それは、私にも分からない」
ヤンファ
「………気にしすぎか」 ただの虚ろな慈愛かもしれない
#ユリウス
「……だが、その理由はともかく……君たちの予想は、正しい」
ソルティア
「……アレクサンドリアのいつもすぐ傍にいた、あの黒騎士……」
#ユリウス
アロイス・ケイ。……彼は、“黒き騎士”として、その後私たちの護衛として活動してきた」
シャルロット
「こんなところに」 いただなんて
ヤンファ
……」 最低じゃねえか
ソルティア
「……少し違和感を覚えていました。霧の街に再突入した時、敵に接近されたエリカちゃんを真っ先に助けたのは……」
#アラン
「…………ため息も出ねェな」
エリカ
「……なんで」
エリカ
「なんで、こんな……」 父が生きていたという嬉しさなど、感じられるはずもなく。
エリカ
「私達が、何したって言うのよ……」
ヤンファ
「………」 エリカも、妹も、あまつさえその父親も……
ソルティア
「………」
#アラン
「……何にせよ、経緯は分かった」
#アラン
「……これから俺たちがするべき事もな」
ヤンファ
「……あァ」 静かに頷き
#アラン
「……隊長さんよ、これからの方針を宣言してくれや」
ソルティア
「………」 両手を組んだままシャルロットを見る。
シャルロット
「……」 ソルに視線を返して
シャルロット
「先ず、《ドラゴンズ・ジャベリン》を抑えに行きましょう」
ヤンファ
「おォよ」 エリカにこれ以上悲しい目を負わせるわけにはいかない
#アラン
「任せとけ」
ソルティア
「了解です、隊長」
シャルロット
「その後の状況次第ですが……そこから《デュークダム・ピラー》、《インペリアル・センダー》と抑えに行きます」
#フェリシア
「……そうですね。人々が操られている以上、市民を巻き込む可能性が一番少ない場所から当たるべきでしょう」
#マグダレーナ
「それによって、少しでも多くの者の洗脳が解かれれば……と願いたいところだ」
#マグダレーナ
「……だが、エリカには考える時間がもっと必要だろう」
ヤンファ
「……」 エリカの様子を見。
ソルティア
「……立て続けですからね」 エリカを気遣うように見て。
エリカ
「……」
#マグダレーナ
「今日は、休息も兼ねて、各自ゆっくりと休む事にしよう」
シャルロット
「……とりあえず、目標は決まりました」 猶予としては、一晩が限度かな。
GM
そうね。一晩くらい。
シャルロット
「明日……向かいます。今日はゆっくり休んで、英気を養ってください」
ヤンファ
「エリカ」 声を掛け。
エリカ
「……」 顔上げる。
ヤンファ
「生きてる。モニカちゃんも、エリカも……そして親父も」
ヤンファ
「生きてるんだ。終わったわけじゃァない」
ヤンファ
「どうか、諦めないでくれ」
ヤンファ
「俺から言えるのは、それだけだ」
ソルティア
「……今は、辛い。それでも、これを乗り越えれば……本当に、平穏な時間が手に入るはずだから」 エリカに頷いて。
ソルティア
「月並みな言葉で申し訳ないけど……頑張ろう。後、もう少しだけ」
#マグダレーナ
「……飛空船の問題もある。全員で向かう事になる訳ではないだろうし、難しいなら、無理に前線へ出なくてもいい」
#マグダレーナ
「……今は、ひとまずゆっくりと考えてくれ」
エリカ
「…………はい」 返事は、少し心もとない声音だったが。
#マグダレーナ
では、この場は解散としよう」
#マグダレーナ
「各自、一晩と短い間ではあるが、英気を養ってくれ」
ヤンファ
「了解」
GM
一同は各々に返事をして、席を立つ。