虚ろの輪音

第二部 第三話「継ぎし刃は誰が為に」 - 02

GM
各々が準備に向かった後、ヤンファは一人、アランの天幕を訪れた。
GM
彼に話しておくべき事、確認しておくべき事があったのだ。
#アラン
「おう、入れよ。文句ならちょっとくらいは受け付けるぜ?」 けらけらと軽い調子で笑いつつ、天幕が開かれる前に声を発する。
ヤンファ
「よォ」 さっきとは180度違う、軽い態度で手をひらりと上げて入ってくる 「せめて入ってから声かけろよ」
#アラン
「大体の奴は足音で分かるんでね」 軽く手をあげて答える。小さなテーブルの前に備えられた椅子に座って、何かを読んでいるようだ。
ヤンファ
「何だァ、読書とは似合わねえ趣味持ってンなお前」
ヤンファ
足音とかねーわー、とか添えつつ
#アラン
「これでも俺は地元じゃ知的なクールガイとして通ってんだぜ?」
#アラン
「ま、座れよ。立ち話もなんだ」 と椅子を勧めます。
ヤンファ
「そんな地元が存在するなら見てみたいわ」 肩竦め 「……ま、そんなこと話しに来たんじゃァなかったか」 言われて座るよ
#アラン
「その内見せる機会が来るかも知れねえなァ……」
#アラン
「で、何だよ」
ヤンファ
「あァーと、まずは《呪音事変》辺りでお前が調査してた事だ。人族と蛮族が繋がってるっつー話なんだけどよ」
#アラン
「あー、アレな」
ヤンファ
「アレは結局、詳しいこと解ったのか?」 どことどこが繋がってて、とか
#アラン
「分からずじまい、だな。結局、双方がどういう狙いで関わってたのかも分かってねえ」
#アラン
「〈クルルラガン〉の調査の時に、そっちも探りを入れてみたが目ぼしい情報は無しだ」
ヤンファ
「ふゥん……」 収穫はナシ、か  「で、そこで一つ話しておきたいことがあってだなァ」
#アラン
「おう」
ヤンファ
「………」 一瞬、耳を澄まして周囲の気配を探り、無を認識してから口を開く 「俺らが霧の街へ突入した時の話だ」
#アラン
「……あー、あん時なァ。お前ら、よく無事で出て来られたな」
ヤンファ
「助っ人が無けりゃァ、命は無かっただろうよ」
#アラン
「へェ? あの状況で助っ人ね」
ヤンファ
「そう。あの中で“まともに動ける”助っ人が来たワケだ。3人、その中にはお前も一度だけお目に掛かった奴が居る」
#アラン
「一度だけお目にかかった相手なんて一杯居るからなァ……」 なんてわざとらしく言いつつ。
ヤンファ
「カッカッカ、そりゃァな」 律儀にそれにも応えてやり 「覚えてるかねェ。イーヴの処に薬草取りに行った時、診療所前ですれ違ったゴシックな姿をした女」
#アラン
「記憶力の良さにはまァまァ自信があるんでね」 当然覚えている、と。
ヤンファ
「名前はアイゼル・バーガンディス。彼の《黄金戦役》で活躍した冒険者だ」 ここら辺からはしょっていくか
#アラン
「おう、流石に俺も知ってるぜ」 ぶっちゃけ顔もな。
ヤンファ
「なんだァ、それなら話は早え」 こっから地の文
ヤンファ
アイゼルとその仲間、そしてザガートが助けにきたこと。そこで逃げ隠れて情報交換したことを全て話す。
ヤンファ
その中には勿論、今回のヴァルクレア城がユリウスの本当の目的と合致するかもしれないということが含まれている
#アラン
「……成程、ねェ」 話を進めるにつれて、珍しくアランの表情が真剣になっていく。
ヤンファ
「……ま、大分雲行きが怪しいことになってるワケだ」
#アラン
「ま、ルキスラのユリウス・クラウゼが関わってるんだ。きな臭くならねェ方が不自然なくらいだろ」
ヤンファ
「まァ、な」 頷き
#アラン
「自分が帝位に就くために、父親と兄貴を嵌めたっつー話まであるんだぜ? その上、実の弟まで島流しにしちまうと来た」
ヤンファ
「ン、島流しか」 そういえばそういった話も色々ベアトリスから聞いたな。後で話しておこう
ヤンファ
「んでどうだ、一応此処までで何かお前の知ってることと刷り合わせて解ることはあるかァ?」
#アラン
「あー、んー……そうだなァ。多少は」
ヤンファ
「何だ?」 多少はって
#アラン
「まず、何だったか。“救世の聖女”の顛末の話か」
#アラン
「その3人組が言うには、〈胡弓〉は失われてないんじゃないか、っつーことだったな」
ヤンファ
「あァ、その通りだな」
#アラン
「そりゃ多分事実だ」
ヤンファ
「っつーと、他に根拠があったのか」
#アラン
「……15年前の《虚音事変》、名前だけはお前らも何度も聞いた事があんだろう」
ヤンファ
「あァ、シャルが何だか嫌な顔するからあんま話題には出ねえが」
#アラン
「あの事変を起こした原因は何だったかは聞いたことあるか?」
ヤンファ
「アーティファクトの暴走、じゃァなかったのか」
#アラン
「そ。世間じゃ、魔法文明時代のアーティファクトの暴走だって言われてる」
#アラン
「が、アレはそんな生優しいモンのせいなんかじゃァねェ」
#アラン
「もっと凶悪な、“神器の一部”が引き起こしたモンだ」
ヤンファ
「……まさか」 話の流れからして……
#アラン
「それが、〈救世の胡弓〉だって言われてる。流石に、俺も実際にゃ見たことねェけどよ」
ヤンファ
「……オイ、待てよ。確かそれってどっかの誰かが破壊したんじゃァなかったか?」
#アラン
「残念ながら、原因のものが破壊されたっつーのは世間様を安心させる為の嘘だ」
#アラン
「問題のブツは、その《虚音事変》の時から今まで、ずっと失われたままだ」
ヤンファ
「嫌な予感しかしねえなァ」
#アラン
「それがもし、このザルツ地方に戻って来てるってんなら、色々と繋がりそうで怖ェ話だな」
ヤンファ
「失われたまま、じゃァなくて隠されたまま、ってかァ?」 肩竦めて、やれやれといった表情だ
#アラン
「そういうこったな」
ヤンファ
「着々と〈救世の胡弓〉に(まつ)わるモノが集まってるんだとしたら勘弁願いたいわ」
#アラン
「……ま、へーかが何かしらやろうとしてんのは十中八九間違いないだろう」
#アラン
「お前らが言ったヴァルクレア城云々って読みも、的外れってこたないと思うぜ」
ヤンファ
「だなァ」 何かしようとしてる、に頷き  「やっぱりお前もそう感じるわな」
ヤンファ
「で、それに関してだが」 人差し指を立て
#アラン
「あん?」
ヤンファ
「今回、俺らは公にしてこなかった剣を使うって作戦になっちまっただろ?」 ファランとヴァイケリ
#アラン
「ああ」
ヤンファ
「アレを使わせてヴァルクレア城を攻略するってのも陛下の読みのウチ……そう思えたりはしねえか?」
#アラン
……そうだなァ。それが目的だとすりゃ、二国会談でのあのあまりに公国に有利な提案にも、多少納得の行く理由が出てくる」
ヤンファ
「ならよォ……失われたと確定されてた筈の〈穢れの剣〉」
ヤンファ
「アレを与えたのが実は……」 その先はとても言葉に出来ない  「……なんてのは考えすぎか?」
#アラン
「……オイオイ、そりゃ流石に無茶が過ぎるぜ」
ヤンファ
「……だよな」 少しほっとしたように
ヤンファ
「圧倒的な力を見せ付けるために、それより前に敵側の圧倒的な力を見せ付ける」
ヤンファ
「まさかそんなとこまで仕込んでたら……なんて考えちまってなァ」
#アラン
「いくらあのへーかといえど、そこまでの芸当は出来ねえと思うぜ」
#アラン
「……ただ、見てる限りじゃァ、〈クルルラガン〉の発動についても織り込み済みな感じはあるがな」
ヤンファ
「やっぱりそう思ったかァ。あの野郎の平然としたツラ見た瞬間ぶっとばそうかと思ったんだわ」
#アラン
「おいおいやめろよ、流石にとっ捕まっちまうぜ」
#アラン
「〈クルルラガン〉に関して妙だ、と思ったのは……そうだなァ」
#アラン
「俺の調査以外でも、直接霧の街の幹部クラスの蛮族をとっ捕まえて吐かせたっつー奴は居たんだ」
#アラン
「だが、そいつらはどれだけ厳しく追及してやっても、一様に〈クルルラガン〉は霧の街に存在しないとしか答えなかった」
#アラン
「余程の忠誠心を持ってねェと出来ねえ芸当だ。人族でも難しいのに、まして蛮族がそんだけの忠誠を揃って誓うなんて考え難い」
#アラン
「蛮族内部での小競り合いの話もあんだしな。そこまで求心力のある奴じゃァねェだろう、ヤーハッカゼッシュってのは」
ヤンファ
「……なら、さっきの通り〈クルルラガン〉以外が存在するか、それからこの戦いの間までに手に入れたか、か」
#アラン
「いや……」
ヤンファ
「……他にあるか?」
#アラン
「こんな可能性もあるぜ」 ぴ、と人差し指を立てて
#アラン
「蛮族側が全員、“そう言うように操られている”なんてな」
ヤンファ
……」 その言葉に目を細め 「……あながちゼロじゃァねえな」
#アラン
「《呪音》を操っていたのはギルモアだったが、そのギルモアも正気には見えなかったんだろ? ……なら、アイツの裏には何かが居る」
#アラン
「ザルツとエイギアは、橋を挟むだけの距離だ。ザルツで起こった事と似たような事がエイギアで起こる可能性は、決してゼロじゃァない」
ヤンファ
「……蛮族と裏があるっていう話をこっちから持ちかけるつもりだったが、そう捉えたか」
ヤンファ
「確かに、そういう見方をすれば繋がるなァ」
#アラン
「お互いが繋がる理由が何処を考えても見えねェからな。……なら、繋がる事、あるいは繋がらせる事で利益を得る第三者が居るんじゃねェのかってな」
#アラン
「まァ、例えそうだとしてもそんなチートに近い手段を何処のどいつが持って使ってんだって話だが」
ヤンファ
「………」 顎に手を当てながら考えるが  「……流石にこれ以上はただの推測になるかァ」
#アラン
「ま、これからの推移次第だァな」
#アラン
「ヴァルクレア城に何があって、そこにどういう理由で辿り着こうとしてるのか」
ヤンファ
「それらをきちんと見極める必要が、俺らにはある」
#アラン
「こりゃ、直接ヴァルクレア城主に訊いた方が早ェかもしれねェなァ」 はっと冗談らしく笑いながら言って。
ヤンファ
「まァ、それが出来ればいいんだがなァ」 同じようにへらっと笑い
#アラン
「とりあえず、お前から聞いた話で俺がぴんと来たのはそんくらいだ」
ヤンファ
「あァ、参考になったぜ。もうちょい幅広く事を見れそうだ」
#アラン
「ま、シャルロットが〈ファランダレス〉を使ってもくだばっちまわないようにしっかり見てやってくれよ」
#アラン
「アイツが駄目になっちまったら、俺らが追いたいモンも追えなくなっちまいそうだしな」
ヤンファ
「しっかり見ててもアイツ何もないトコから剣出したんだぜェ?」 肩を竦めて  「どんだけ目がついてりゃァ良いんだか」
ヤンファ
「ま、それでもやらせてもらうが、な」
#アラン
「お転婆っぷりが半端ねェからなァ。とはいえ、〈ヴァイケリオン〉を使うのも、お前にしか出来ねえ事なんだ」
#アラン
「お前とシャルロット、どっちが欠けても、俺たちは真実を掴めなくなる。そう思いながら行動してくれや」
ヤンファ
「オーケィ。その辺は胆に命じとくわ」
#アラン
「おう。んじゃ、まずは〈ヴァイケリオン〉の回収、しっかり頼むぜ」
ヤンファ
「おォよ、自分家のことだし任せとけ」 頷き 「ま、話はこんぐらいだ。何か解ったらまた話に来るわ」
#アラン
「頼むぜ。俺もお前らの情報は頼りにさせてもらうとするわ」
ヤンファ
「せいぜい首突っ込みすぎて死なないようになァ」 カッカと笑いながら踵を返した

#アラン
成程、ねェ……。こりゃいよいよ、本格的に此処にあるって見て良さそうだ」
#アラン
「……が、不明瞭な点はまだまだ山積みだな。あいつらにゃァ、そろそろ言ってもいいのかもなァ」 ぎし、と椅子の背もたれに体重を掛けながら、天井を仰いでそうつぶやいた。

GM
準備を終えてから、1日程かけて君たちはマグダレーナ、ランベルトと共にインミスティへとやってくる。
GM
しばらく離れている間に街はさらに活気づき、街の外れには小型の飛空船が数隻離着陸出来るであろう発着場が見えるようになっている。

GM
発着場では、多くの魔動機師たちが飛空船の整備に当たっている。一般市民たちも興味深そうに、立入禁止区域外からそれを覗き込んでいる。
GM
飛空船の内、特に小型の一隻の前に辿り着く。
GM
そこでは君たちも見知った少女が整備に参加していた。
GM
鼻歌交じりに工具を手に、各部の状態をチェックしていたのはアンネリースだ。
#ランベルト
「アンネリース、待たせたな」 ランベルトが、少女に声を掛ける。
#アンネリース
「あ、パパ。それにみんなも。ちょっと久しぶり?」 整備服を油まみれにしながら、額の汗を拭いつつ応える。
エリカ
「うん。久しぶり」 軽く手振りつつ。
ソルティア
「こんにちは、アンネリースさん」 いつもの笑顔で
シャルロット
「お久しぶりです、アンネリースさん。お元気そうでなによりです」 楽しそうだわ
#アンネリース
「みんなこそ、元気そうでよかった」 元気ではない気もするが。
ヤンファ
「なんだァ、相変わらずそうだなァ」
#アンネリース
「そんなに短期間じゃ変わらない」
ヤンファ
「ソイツは失敬」 カッカッカ
#マグダレーナ
「私はこうやってしっかりと話すのは初めてだったかな。ダーレスブルグ第四将軍マグダレーナ・イエイツだ。よろしく頼む」
#アンネリース
「……ん、よろしくお願いします」 頭を小さく下げながら答えて。
シャルロット
「……」 なんだろう。お前が言うな的な雰囲気だが、マグ姉さま姫ってかんじじゃないわ。
#マグダレーナ
「シャルロット、どうかしたか?」 私のキャラは君に引っ張られてこうなったんだぞ。
シャルロット
「え?」 私のせいですか? 「いえ、なんでもないです。お姉様と一緒にこういうことできるなんて、思ってませんでしたから」
#マグダレーナ
「ふふ、不謹慎だが、念願が叶ったという所だな」
シャルロット
「お姉様のことは、ばっちり私がお守りいたします!」 ぐーで拳を握り締めて
#マグダレーナ
「それは頼もしい。だが、無茶はいけないぞ」
ヤンファ
「………やれやれ」 相変わらずなのはこの姉妹もだな
#ランベルト
「飛空船の準備は既に出来ているか?」
#アンネリース
「うん。ばっちり。船長もいつでも出発出来るって言ってた」
ソルティア
「もう出発出来るんですか?」 つまりアカシャに顔を見せる時間は無い、か…。
#アンネリース
「うん。みんなの準備が良ければ。あと10分くらいは貰いたいけど」
エリカ
「私は、いつでもいいけど……」 ちら。そるてぃあ見た。
ソルティア
「……いや、まぁ、優先事項はこちらですから……」 寂しそうに答えた。
#マグダレーナ
「……本軍の立て直しにも時間が掛かる。顔を見せるくらいならば問題ないと思うが、どうする?」
ソルティア
「時間があるならありがたく」 キリッ
#マグダレーナ
「……ふむ、そうだな。戻って来た後にでも、ゆっくり時間を取ろう。その分我々が手早く済ませれば良いだけの事だ」
ソルティア
「なるほど……それは気合が入りそうです。とても」 真顔で。
#ランベルト
「……さて、私はこれから本軍の魔動機の調整の為、あちらへ戻らなければなりません」
#ランベルト
「後の事は、この船の船長があちらに居ます。彼に尋ねてください」 モブが。 「それと、エドゥアルトとアンネリースにでも尋ねてくだされば、分かる範囲なら答えてくれるでしょう」
#ランベルト
「そういえばアンネリース、エドゥアルトはどうした」
#アンネリース
「昼寝。操縦席」 人差し指を船内へと向けて。
ヤンファ
「何だァ、サボリか」
#アンネリース
「うん、サボり」
#ランベルト
「……まったく。まぁいい、あまりサボり過ぎないようにとお前からも言っておいてくれ」
#アンネリース
「うん」
シャルロット
ック、この自キャラリスペクト半端ねえ (※エドゥアルトはシャルロットPLの元PC)
ヤンファ
「将来有望だなァ」 けらけら
エリカ
「有望って……」 それダメな方にでしょう。
ヤンファ
「俺みたいなのが増えると思ったら有望だろォ?」どやぁ
エリカ
「増えなくて結構です」
ヤンファ
「そうか……」
#アンネリース
「既に成人済み」 もう将来じゃなくて今アレだわ。
シャルロット
「ヤンファさんも、フェリシアさんにお小言頂かないように頑張ってくださいよ?」
#マグダレーナ
「……フェリシアにあまり苦労をかけないでやってくれ」
ヤンファ
「やることはちゃんとやってるって」 なんだよ皆して
#マグダレーナ
「……そうだ。ソルティアだけでなく、エリカ」
エリカ
「は、はい」
#マグダレーナ
「君も、会いたければ公都で妹に顔を見せてやってくるといい」
#マグダレーナ
「通信はしていても、しばらく顔は見ていないだろうし、お互い心配だろう」
エリカ
「あ……。そう、ですね」
ヤンファ
「……あァ、それは良いんじゃァねえか」
エリカ
「……いえ、でも、あまり時間を取るのも良くないですし……」
ヤンファ
「構わねえよ。しっかり自分が護るべき存在があることを自覚してこい、エリカ」
ソルティア
「そうだね、エリカちゃん。僕も久しぶりにモニカちゃんに会いたいからねぇ」 アカシャも連れて行きたいくらいだ。
#マグダレーナ
「大丈夫だ。飛空船というのは、我々の想像を遥かに超える速さらしいから」
#アンネリース
「これは特に速い」 小型で乗り心地良くないけど。
エリカ
「……解りました。それなら、向こうについたら、少し時間を貰いますね」
#マグダレーナ
「ああ、そうするといい」
#ランベルト
「……さて、それでは私はこれで。ご武運を」
#マグダレーナ
「ランベルト教授、ありがとうございました。本軍の方は、よろしくお願い致します」 と頭を下げてランベルトを見送って。
シャルロット
「さ、とりあえず乗り込んで待ちましょう! 私、コレ大好きなんですよ!」 きゃっきゃ
エリカ
「……」 舌打ちしかけた危ない。
ソルティア
「ご機嫌ですねシャルロットさん……僕は飛行船って乗った覚えが無いんですけど……」
ヤンファ
「まァ、空飛ぶってのは悪くなさそうだなァ」
シャルロット
「早く行けば、それだけ向こうでゆっくりできますしね」 エリカちゃんのマイナスフラグがそろそろ天元突破(下方向に
ソルティア
「僕としてはこんな鉄の塊が空を飛ぶ時点で戦々恐々なわけで」 フライト覚えれば空飛ぶ鉄甲冑になる奴が言う台詞ではないが
#アンネリース
「物語では必ず落ちる」
ソルティア
「なん……だと……」 ブリーチ顔になる
ヤンファ
「おいばかやめろ」
エリカ
「……あの、不吉なことを言わないで欲しいんだけど……」
#アンネリース
「大丈夫。これは現実。落ちない」 
エリカ
「冗談でも整備してる人が言っていいセリフじゃないと思うの……」 はあ。
#アンネリース
「緊張を和らげる為の云々」
エリカ
「逆に緊張してる人がいるから……」 そこに。
#アンネリース
「落ちないってフォローしたのに……」
ソルティア
「……マグダレーナ様、高速馬車みたいなものは……」
#マグダレーナ
「……」 首を横に振った。
ソルティア
「ですよねー」 カクカク
シャルロット
「大丈夫ですよ、ソルティアさん。あ、手を繋いでおきましょうか?」 こわくないよー? ひこうきでテンション上がってる私です
ソルティア
「……手を繋げば落ちなくなるジンクスとかありませんか……?」 マジ顔だ
#アンネリース
「男なら覚悟を決めるべき」
ソルティア
「せめてフライトの呪文を覚えてから乗りたかったッ……」
ヤンファ
「ったく……遊びに行くんじゃァねえんだぞ」
ヤンファ
「ま、さっさと回収してさっさと戻ってきてソルティアも時間取れるように頑張ってくるわ」
#アンネリース
「それじゃ、準備が良い人から中に入って待ってて」
シャルロット
「大丈夫ですから、ね?」 ずるずるとソルティアを引きずっていこう
エリカ
「ソルティアさん、いいから早く乗りましょう」
ソルティア
「ちょ、ちょっと待ってくださいシャルロットさん。僕唐突に頭痛と腹痛が」 ずるずるずるずる
#アンネリース
「いざとなったらパラシュート」 b
シャルロット
「はいはい、怖くないですからねー」 ひきずっていく
ソルティア
         「ま、魔動機はイヤァァァァ……」 引き摺られて飛行船の中に連れて行かれた。
エリカ
「はあ……」 引き摺られるソルティアを横目に自分も乗り込もう。
ヤンファ
「時代に乗り切れないのも難儀なモンだなァ」 第三者的に見ながら最後尾で入っていく
ソルティア
飛行船に乗る段階になって魔動機アレルギーな事に気付いたのであった
シャルロット
皆知ってた
ソルティア
これもガンが悪いんや!
#マグダレーナ
「私も最初は少し怖く思ったものだ。仕方ないだろう」
シャルロット
「そうですか? このシルエットとか、内部構造とか見てるだけでワクワクしません?」
ヤンファ
「姫さんももうちょい自覚っつーモンをだなァ」 うんぬん
#マグダレーナ
さて、そうして君たちは小型飛空船の内部へ。
#マグダレーナ
収容可能人数は10人程度といったところか。完全に少人数の移動用らしい。
#エドゥアルト
「よォ、元気だったか」 欠伸を噛み殺して、扉を一枚挟んだ向こう側の操縦席から、エドゥアルトが姿を現す。
ヤンファ
「ボチボチだな」
シャルロット
「おはようございます、エドゥアルトさん」 お久しぶりです。
#エドゥアルト
「おう、おはようさん」
ヤンファ
「寝ぼけて墜落させんなよォ?」
#エドゥアルト
「失敗すると面倒くせえからなァ」 面倒臭くなることはしないよ。
ソルティア
「あわわわわ」 床に手をついて動けずにあたふたしてるソルティアの情けない姿である。
#エドゥアルト
「……で、何だソレ」 ソレティア。
ソルティア
「こ、コンニチハ、エドゥあるトさん」 笑顔が引きつっております
エリカ
「ソルティアさん、しっかりしてください……」 ほら立って!
ヤンファ
「あァ、残念ながらちょっと紅い霧に頭やられちゃってなァ……」
#エドゥアルト
「そうか……」 よく分からんけど。
エリカ
「ヤンファさんはヤンファさんで適当な出鱈目を吹聴しないで下さい」
ソルティア
「だ、誰が頭をやられてるって証拠デスカ!」
エリカ
「……」 あれ、これはマジで頭やられちゃったかなー
ヤンファ
「ちょっと頭やられちゃったんじゃねェ? みたいな顔したろ今」
エリカ
「し、してません」
#マグダレーナ
「……意外と顔に出るタイプなんだな」
エリカ
「で、出てません!」
#マグダレーナ
「すまない、つい」 ヤンファと同じ事を思ってしまって。
エリカ
「く……」
ヤンファ
「良いんだよ、それが正しい弄り方だ」 カッカッカ
エリカ
「弄るのを推奨するようなことを言わないでください」
シャルロット
「まあ、ソルティアさんのことはお気になさらず。ちょっと緊張しているだけですので」
シャルロット
もう、引きずっていってイスに座らせて隣でイイ子イイ子しとこう
ソルティア
「な、何か椅子が不安定な気がァー」
#アンネリース
「それじゃあ、ソルティアはそこのシートベルトでぐるぐる巻きにしておいて」
ヤンファ
「へいへい」 悪かったって
#エドゥアルト
「この船は速度は結構なモンだが、その分多少揺れるんでな。離陸の時とかはしっかり座っといてくれよ」
シャルロット
「はーい」 ぐるぐる
ソルティア
「ひぃぃ」 ぐるぐる巻きにされました。
#アンネリース
「完璧。それじゃ、兄さん、お願いね」
シャルロット
「♪~」 ソルティアのフォローに、横に座って鼻歌交じりにニコニコしてるわ
#エドゥアルト
「ああ、お前も近くに居ろよ。万が一何かおかしくなった時に困る」 俺直せないし。
#アンネリース
「うん、分かった。それじゃあ、また後で」 といってすぐそこの操縦室に。
シャルロット
「はい、宜しくお願いします」 ぺこ、と頭を下げて
ヤンファ
「なんだァ、アンネちゃんも来るのか」 さっきバイバイしちゃったよ
#アンネリース
「だって整備士だし」 一応。
ヤンファ
「まァそりゃそうか」 <整備し
ソルティア
「そ、外が見えたりしないですよね、ですよね」 兜までがぽーんと被って完全装備
#マグダレーナ
「何を言っているんだ? 窓があるじゃないか」
シャルロット
ああ、窓に、窓に!
#エドゥアルト
「折角の空の旅なんだから景色を愉しまねェとな」 ということで、ひらひら肩越しに手を振りながら操縦席に消えていった。
ソルティア
「ぐええぇぇぇぇ」 蛙が絞め殺されるような声が出た
エリカ
「はあ……」
エリカ
「ソルティアさん、もう自分に【スリープ】でもしたらどうですか……?」
ソルティア
「それはそれで嫌ぁ!?」
ヤンファ
「なんか見るに耐えない絵面になってきたなァ」
#マグダレーナ
「ここまで怖がる者は初めて見たな……」
シャルロット
「……若干かわいそうになってきました。ソルティアさん。ちょっといいですか? 気を楽にしてください」
ソルティア
「え、え、なんですかシャルロットさん、気を楽にとかそんな無茶な」 おぶぶぶ
シャルロット
「騎士神ザイアが名の下に、彼の者に安らぎを。【ホーリー・クレイドル】」
シャルロット
(>ω・) ☆
ソルティア
「ぐぅ」 きりきりばたーん
エリカ
「……」 あ、シャルがかましたわ。
ヤンファ
「よォし静かになったなァ」 シャルにサムズアップ
#マグダレーナ
「……この解決法は正しいのだろうか」
エリカ
「……まあいいんじゃないでしょうか」 適当に着席するわ……。
ヤンファ
「応急処置、ってトコかねェ」 こっちも窓側の席に座る
シャルロット
「今度、高速艇ではない、乗り心地のよい船で慣らしましょう。この小型艇ではちょっと刺激が強すぎると思いますし」
ソルティア
「ううううう゛う゛う゛う゛ぅ……」 早くも悪夢を見ているようです。
GM
安眠出来てねえ。
シャルロット
安眠魔法がああwwww
シャルロット
スリープより寝心地抜群ですよ!
ヤンファ
「オイ魔法効いてねえぞ」
シャルロット
「ざ、ざいあさまー?」 あれえ
#マグダレーナ
「……うむ。きっとまだ寝ていた方がよさそうだな」 安眠魔法でこれやで。
ソルティア
いつもにこにこ貴方の頭上で飛んでる混沌に襲われる悪夢
エリカ
「……」 もうほっとこう……。
シャルロット
そして着陸してから、彼はこういうのだ。っは、夢か……と。
GM
さて……そんなこんなしていると
GM
『離陸する。揺れに注意しろよ』 というアナウンスが入りまして
シャルロット
「はーい」
ソルティア
「うーんうーん」 ZZZzzz
GM
船が緩やかに震動を始めて、少しずつ船体が浮き上がっていく。
GM
一度上昇を始めれば、震動は次第に弱くなっていって、あれよあれよという間に地面が遠く離れてしまう。
ヤンファ
「ほォー」 こんな感じなんだな
シャルロット
「窓から外を見るとびっくりしますよー。景色は良好です」
GM
街の建物が小粒のような大きさにまでなった所で、すうっと前方へ向けて発進する。
GM
ファンタジー世界の飛空船は間違いなく反重力の何か。
ヤンファ
「………」 揺れてんのは二人か……と女性陣を横目で見て思ったり
エリカ
チッ
GM
マグダレーナ様は胸甲が厚いから揺れないよ。
ヤンファ
そうか…
シャルロット
いいえ、三人です。私の座席の隣でビクンビクンしてます。
ソルティア
それ揺れてるんじゃない、震えてるんや
GM
揺れる、と言っていたはずでも、実際にはそう揺れを感じる事なく、景色は次々に流れていく。
GM
ソルティアが眠っている中、途中で席を立つ事も許可され、窓に張り付いて景色を眺めたり、ソルティアをつついたり、雑談している内に、1時間半程の時間が過ぎ
GM
2時間も経たぬ内に、遠くに公都が見えて来る。
シャルロット
「空の旅も良いですよねえ……移動手段じゃなくて、観光に一台あれば集客も良さそうですのに」
#マグダレーナ
「飛空船のコアはまだまだ貴重だからな……」
#マグダレーナ
「ロシレッタ辺りから、フェイダン地方までだったか? 一応、定期的に飛空船が出ているそうだが」
エリカ
「あれは……公都……?」 もう見えるのか、と。
#マグダレーナ
「……おや」 エリカに促されて見てみれば。 「本当だ。もう到着したのか」
ヤンファ
「速いなァ」
シャルロット
「流石ですね……ゆっくり楽しむ間もありませんでした」
ソルティア
「ぐぐぐぐ……」 確かに楽しむ暇も無い様子だ
エリカ
「……上からだと、こんな風に見えるんですね」
ヤンファ
「なんつーか、オモチャみてえだなァ」 シルバニアファミリー的な
#マグダレーナ
「ああ。普段は俯瞰して見る事など出来ないから、同じ街でも新鮮だろう?」
エリカ
「そう……ですね」 うちはどこだろう。小さすぎてわからないわ。
#マグダレーナ
「此処からでは、公城や大会議場くらいしか判断がつかないな」 とか苦笑しつつ。
#アンネリース
『もうじき着陸するから、席に戻ってシートベルトを着けておいてね』 とアナウンスが入りまして。
シャルロット
「おとと。そうでした」 ちゃくよう
GM
では、そのまま公都の外れにある仮設発着場に降りていく。
GM
まぁ、ヘリコプターみたいに降りていくだけだからそんなに揺れはなかろう。
シャルロット
「ン……到着、ですね」 ソルティアさんのベルトを、着陸してから外しにかかろう
GM
あれよあれよという間に小さく見えた公都が大きくなって行き、地面に飛空船の足が達すると、そのまま運転を停止する。
#エドゥアルト
「到着だ、待たせたな」 飛空船が停止すると、ひょっこりと操縦席から顔を出して。 「……起こしてやれよ」 それ。
シャルロット
「ソルティアさん、ソルティアさん」 ゆっさゆっさ
ソルティア
「……ッハ!」 がばっ 「……何だ夢か」 ふー
エリカ
「……」 呆れ顔で見ている!
シャルロット
「到着しましたよ。肩貸しましょうか?」 立てる?
#マグダレーナ
「大丈夫か?」 サニティとかいらない? 
ソルティア
「……あ、ついたんですか……大丈夫です、地面についてるなら歩けます……」 うむ
エリカ
「一応、大丈夫そう……ですね」
GM
ソルティアを起こした辺りで、飛空船のハッチが開かれる。
ソルティア
「左右計10門の大砲がついた飛行船に一方的に爆撃された夢を見た時にはどうなるかと思いましたが……」 危ないところだったぜ。
シャルロット
「え、そんな恐ろしいことになってたんですか、ホーリークレイドル……」
ヤンファ
「それ死ぬじゃァねえか」 とか言いつつ一番に降りた。
ソルティア
「スリープだったらもう起きてこなかったかもしれません」
エリカ
「そんな大袈裟な……」
ソルティア
多分ソルティア的には謎の巨大魔界生物に飲み込まれた気分だったんだろう。
#アンネリース
「私たちも公都に居るから、用事が全部済んだら通信してもらっていい?」
シャルロット
「あ、はい。なんだか、面倒かけてすみません」
ソルティア
「分かりました。お手数をおかけします」 ぺこり
#エドゥアルト
「時間が無いっつっても、久々の機会なんだろ。少しくらい何かしてったりサボったりしてもバチは当たらねえだろ」
シャルロット
「適度な休息は、戦士に必要なものですよね」 うむうむ
ヤンファ
「じゃ、また後でなァ」
#アンネリース
「うん、また後で。頑張ってね」
エリカ
「分かった。それじゃあ、またあとで」
GM
飛空船から出ると、そこには久しぶりに見る公都の変わらぬ景色が広がっていた。
GM
エドゥアルトの言う通り、何かしたいことがあるならば〈ヴァイケリオン〉の元に行く前か、あるいは行った後にでも向かうと良いだろう。
ソルティア
「……昔の同僚に会いに行っても、仕事を押し付けられるだけですしね。モニカちゃんの顔でも見に行きましょうか」
ヤンファ
「あァ、エリカ。モニカちゃんとは剣の回収の前と後、どっちが良いんだァ?」 久々の公都を眺めながら
エリカ
「ごめんなさい、ソルティアさん。……先に、やるべきことを済ませてからにしたいと思います」
ヤンファ
「っつーと、後でいいんだな?」
エリカ
「はい」
ソルティア
「そう?……それじゃ、そうしようか」 笑顔になってこくりと頷く。
ソルティア
だがさっき醜態を晒していた奴だと思うと途端にヘタレに見える
ヤンファ
「オーケィ。とりあえず買出しが必要な奴もいるだろうから、ちゃっちゃと行く奴は行ってこい」
#マグダレーナ
「ふむ、そうか。では手早く準備だけ済ませてしまおう。シャルロットは、確か補充したいものがあるんだったな」
シャルロット
「あ、はい。魔晶石をいくつか……ご一緒していただけますか?」
#マグダレーナ
「勿論だ。エリカも、不足している物があるなら一緒に買いに行こう」
エリカ
「あ。ええと、その、ほ、方向が違うので……」
#マグダレーナ
「そうか……では終わった後に合流しよう」 ちょっと残念そうだ。
エリカ
「は、はい……すいません」 残念そうな顔された。でも姫×2と往来を並んで歩くとか死んでしまいます。
ソルティア
「僕も、ギルさんに頼んでいたアイテムがあるんです。それだけ受け取りに行ってきますね」 まぁ炎武マントですが。
シャルロット
え、えんぶていマントだと……!?
ソルティア
ふふふ……〈ディ・ゾンネ〉のお陰で炎武マントが更に使いやすくなったのだ
ヤンファ
「俺はちょいと先に家に行かせて貰うぜ。姫さんとシャルは後の二人をウチまで案内してくれねェか」
#マグダレーナ
「ああ、分かった」
シャルロット
「わかりました。おまかせください、ヤンファさん」
ソルティア
「じゃあ、僕も後から合流しますね」

GM
ギルに大歓迎されそのまま世間話に付き合わされそうになりながらもどうにか炎武帝のマントを引き取ったソルティアと、買い物を済ませた女性陣が合流し、上流階級区にあるヤンファの家へ向かうことに。
GM
ヤンファは、一足先に長らく足を踏み入れていない実家を訪れていた。
GM
シャンリークの家は、上流階級区の旧市街側の端にある。
GM
高級な住宅が立ち並ぶ中では異質な雰囲気を持つ建物だったが、どことなく異国の高級感が漂い、かつそれを主張しすぎないだけの見栄えの良いものだった。
GM
今ではもう、シャンリークの姓を持つ者でヤンファ以外にこの家へ帰ってくる者は居ない。
GM
庭代わりに小さめの訓練場なども置かれた広い敷地は、一人で生活するにはあまりに広すぎるくらいだ。
ヤンファ
「………」 屋敷の入り口に立ち、改めて大きく構える我が家を見据える
ヤンファ
「……何だかんだ言って、こうなる時が来ちまったんだなァ」 ぽつりと、親父の背中を思い出しながら呟く
ヤンファ
「………」 ゆっくりとした足取りで門のような入り口をくぐり、戸を開く
GM
内装も、公都の他の建築物とは大きく趣が異なる。
GM
中には、多少使用人が居て、誰も使う事の無くなった家を律儀に掃除しているはずだ。
GM
生活感のあまり感じられなくなってしまった家。時が完全に止まったのは、2年前からだ。
ヤンファ
「……結局、冒険者やって遊びまわって、こうなることなんて考えてなかった、か」
ヤンファ
「………」 まだベルタおばさんとかいんのかな。それすら知らないとは
GM
戸を開けて少しすると、ぱたぱたぱたと誰かが小走りで走ってくる音がする。
ヤンファ
「……」 久々に見る家は、なんとなく以前と違うように思える 「ン」 誰か来る
GM
姿を現したのは、君もよく知る中年の女性の使用人だ。君の記憶より、一回り老けているような気がするが。
#ベルタ
「……あら、ヤンファぼっちゃん?」 ヤンファを見て、目を瞠って驚く。
ヤンファ
「……ぁ」 そんなこと思ってたら 「あァ、えェと、お久しぶり、です」 何となく余所余所しい態度になってしまった
ヤンファ
「帰って……きました」 はい
#ベルタ
「あはは、どうしたんですかぼっちゃん。敬語なんてあんまり似合いませんよ」 くすくすと笑って。
ヤンファ
「いやァ、なんつーか。当主がこんだけ帰ってこないっつーのも、な」 頭ガシガシと掻きながら
#ベルタ
「いいんですよ。坊ちゃんには坊ちゃんの事情があるんですから。……って今坊ちゃんとお呼びしちゃいけませんね」
ヤンファ
「気にすんなよ。まだ俺も大して昔と変わらねえって」
ヤンファ
きっとこの使用人は幾度と無く迷惑をかけた人なんだ。それだけ頭が上がらない
#ベルタ
「ところで、今日はどうしたんですか? ずっとレーゼルドーンの方にいらっしゃるというお話でしたが」
ヤンファ
「あァ」 頷き
#ベルタ
「何だか随分お変わりになったように見えますけどねぇ……」
ヤンファ
「………」 ふー、と一旦息を吐き
ヤンファ
「……シャンリーク九代目当主として、正式に試練を受けに帰ってきた」 顔を上げ、ベルタにまっすぐな視線で応える
ヤンファ
試練がどんなものか、などは知らないだろうが。それが何を意味するのかは解るだろう
#ベルタ
「……そうですか」 ふぅ、と息を吐いて。 「例の剣は、2年前と変わらず、刃狼の間に安置してあります」
ヤンファ
「変わりないか。家の面倒見て貰いっぱなしだな。助かるぜ」
#ベルタ
「ふふ、それがあたしたちの仕事ですからね。それに、フーロン様がご存命だった頃が大変過ぎて、今は逆に物足りないくらいですよ」
ヤンファ
「親父は無茶ばっかり仕出かしてたからなァ……ま、俺もやんちゃしまくって迷惑かけてたが」 くくっと笑ってから
#ベルタ
「いえいえ、坊ちゃんはもっと我侭になってもいいくらいですよ。さて……それでは頑張ってくださいね」
ヤンファ
「じゃァ、刃狼の間に行ってる。後で4人ほど客人が来るんでな。俺のトコまで通してやってくれ」
#ベルタ
「ええ、畏まりました」