虚ろの輪音

第二部 第六話「運命の袋小路」 - 02

シャルロット・ヘリオドール
器用度 33+2
敏捷度 30+2+2
筋力  20
生命力 24
知力  27+2+2
精神力 25

HP 69+2  MP 70
ファイター     10
プリースト:ザイア  7
エンハンサー     6
マギテック      4
ソーサラー      2
コンジャラー     2
レンジャー      2
戦闘特技
1.《魔力撃》
3.《防具習熟/盾》
5.《防具習熟Ⅱ/盾》
7.《マルチアクション》
9.《両手利き》
ex.《魔法拡大/数》
《タフネス》
秘伝/CA
《地這刃》
《活人撃》
《閃電二撃ち》
《ストレイフレイド》
《不動堰》

《咬破魔刃撃》
《瞬閃哮》
《黎光閃》
練技・賦術
【ガゼルフット】
【キャッツアイ】
【ビートルスキン】
【メディテーション】
【スフィンクスノレッジ】
【ケンタウロスレッグ】
装備
〈ファランダレス=リベラトール〉
〈ファランダレス=リベラ〉
〈イスカイアの魔導鎧〉
〈女神のヴェール〉
〈ウェポンホルダー〉
〈信念のリング〉
〈ガンベルト〉
〈跳躍の羽〉
〈フルオプション・マギスフィア〉
ほか
ヤンファ・シャンリーク
器用度 35+1
敏捷度 37+1
筋力  30+2
生命力 23+6
知力  13
精神力 14

HP 59+2  MP 29+2
フェンサー     10
スカウト       9
エンハンサー     6
プリースト:ヒューレ 5
アルケミスト     5
戦闘特技
1.《武器習熟/ソード》
2.《防具習熟/非金属鎧》
3.《武器習熟Ⅱ/ソード》
7.《マルチアクション》
9.《防具習熟Ⅱ/非金属鎧》
ex.《必殺攻撃》
《トレジャーハント》
《ファストアクション》
《影走り》
秘伝/CA
《瞬刃》
《天趨刃》
《刃狼哮》

《瞬閃哮》
《風の導き》
練技・賦術
【キャッツアイ】
【ガゼルフット】
【アンチボディ】
【ビートルスキン】
【ケンタウロスレッグ】
【デーモンフィンガー】
【クリティカルレイ】
【パラライズミスト】
【ヴォーパルウェポン】
【バークメイル】
【アーマーラスト】
装備
〈ヴァイケリオン〉
〈アラミドコート〉
〈籠手〉
〈男神のキッパー〉※1
〈ウサギのピアス〉
〈多機能ブラックベルト〉
〈軽業のブーツ〉
ほか

※1 … 〈女神のヴェール〉と同効果の男性専用代替品。ハウスルールで規定。
エリカ・ケイ
器用度 13
敏捷度 17
筋力  14
生命力 23
知力  30+6+2
精神力 42

HP 53+2  MP 72+2
フェアリーテイマー10
セージ        9
アルケミスト     6
エンハンサー     5
戦闘特技
1.《魔法誘導》
3.《魔法収束》
5.《魔法制御》
7.《魔法拡大/数》
9.《MP軽減/フェアリーテイマー》
ex.《魔法拡大/時間》
《鋭い目》
《弱点看破》
《マナセーブ》
秘伝/CA
《宴は終わらず》
《我らが舞は唯一人の為に》
《魔法圧縮/数》

《風の導き》
練技・賦術
【メディテーション】
【アンチボディ】
【ストロングブラッド】
【チックチック】
【スフィンクスノレッジ】
【パラライズミスト】
【バークメイル】
【クラッシュファング】
【ヴォーパルウェポン】
【エンサイクロペディア】
【イニシアティブブースト】
装備
魔銃【シックザール】
〈ソフトレザー〉
〈カトレアの花冠〉
〈ノドゥス・セクンドゥス〉
〈祈りのアミュレット〉
〈ガンベルト:活性弾×12〉
〈韋駄天ブーツ〉
ほか
ソルティア
器用度 30+1
敏捷度 16
筋力  30+2
生命力 25+3
知力  31
精神力 31+3

HP 73+2  MP 67+2
ファイター     10
ソーサラー      9
エンハンサー     5
レンジャー      3
コンジャラー     2

戦闘特技
1.《魔力撃》
3.《防具習熟/金属鎧》
5.《防具習熟Ⅱ/金属鎧》
7.《武器習熟/ソード》
9.《武器習熟Ⅱ/ソード》
ex.《マルチアクション》
《タフネス》
秘伝/CA
《剛魔撃》
《閃電二撃ち》

《咬破魔刃撃》
練技・賦術
【ビートルスキン】
【キャッツアイ】
【メディテーション】
【ストロングブラッド】
【デーモンフィンガー】
装備
〈ディ・ゾンネ〉
〈スパイクシールド〉
〈イスカイアの魔動鎧〉
〈決死の鉢巻き〉
〈赤の眼鏡〉
〈黄鉄鉱のお守り〉
〈野伏の威風堂々たる炎武帝のマント〉
〈ウェポンホルダー〉
〈ブラックベルト〉
〈韋駄天ブーツ〉
〈信念のリング〉
ほか


第六話 「運命の袋小路」
誰かの敷いたレールの上、私たちはずっと、その上を歩んで来た。
たくさんの人々の下した決断も、すべては、予め定められていたものだったのだろう。

ならば、私たちは選ぶ。
敷かれたレールが見えて来た今だからこそ取る事の出来る選択を。

私たちは進んで行く。
“運命の袋小路”と呼ぶべき、敷かれたレールの終着点へと。


GM
アランからの連絡があった後、君たちはただ走っていた。
GM
彼の言っていた通りに、東に戻る道はすべて虚ろな蛮族たちに塞がれ、竜槍山脈を北上せざるを得ない状況に追い込まれていた。
シャルロット
「……蛮族も最早敵ではない、といった様相ですね」 操られた蛮族を見て、ひとりごちる
GM
そして数日の間北上を続け、いよいよヴァルクレア城が近づいて来る。
GM
丁度、此処から西に向かえばヴァルクレア城に辿り着くだろうという所で、君たちは北の方角にとある建造物を見つける。
GM
それは、30m程の高さを持つであろう大きな塔だった。
GM
灰色の壁の、特にこれといった装飾も施されていないシンプルな造りの建物だが……何故このような所にそんな建物が存在しているのだろう。
GM
蛮族の領域ではあるが、辺りには他に建造物らしい建造物など見掛けはしなかった。それに、あの建物は明らかに蛮族の技術によって造られたそれではない。
ヤンファ
「……なんだァ?」
ソルティア
「……蛮族のもの、ではなさそうですね」
エリカ
「……これ、もしかして中継塔……?」
ヤンファ
「あァ、形状からして可能性は高いか」
ヤンファ
遠めから、造られた時期とかわかるのかな。劣化してるかどうか、とか。
GM
遠目からはちょっと判断つかないかな。酷い劣化はしてないが。
ソルティア
「事前に作られていた、と言う事ですか? こんなもの、持ってくる事は出来ないでしょうし……」
ヤンファ
「そこまで時間が経ったモンでもなさそうだしなァ」
エリカ
「こんな目立つものが昔からあるなら、知られてそうなものですし……そうじゃない、ってことは……」 やっぱり最近のものってことだ。
ヤンファ
「その時から、蛮族は手中だった……ってかァ」
シャルロット
「もしかすると、私たちが保守派だの解放派だのと騒いでる頃蛮族が静かだったのは、そういう事情なのかもしれませんね」
ヤンファ
「だなァ。後、《呪音事変》が起きる直前に蛮族が攻めて来た時、とかな」 ルナ戦の直後だ
シャルロット
「……行ってみますか?」
ソルティア
「そうですね……」 距離はどんくらいかな
ヤンファ
「ン。まァ少し寄るぐらいなら時間はあるんじゃァねえか」
GM
距離は行けない事もない距離だ。見える範囲にあるんだし、1日はかからないだろう。
ソルティア
「あそこまで行くとなると、一日余分に見ないといけなくなりますね……」 食料とか体力的には問題なかろうか。
エリカ
向かうとどれくらいロスになるだろう
GM
1日半くらいじゃないかな。
GM
妨害が入るかどうかは現時点では分からない。
ソルティア
「往復だと、まぁ、一日半というところですかね。妨害がなければ、ですが」
シャルロット
「……ン……いえ、先を急ぎませんか? あそこへいって得られるのは、新しいことではなく確信を得るためだけの材料になりそうです」
ソルティア
「僕としても、先にヴァルクレア城へ行きたいところですね。あまり長く時間を取りたくありませんから……」
エリカ
「……急ぐべきだけど、でも関係ないとも思えないし……」 ウーン。
ヤンファ
「迷ってるぐらいなら行っちまえばいいんじゃァねえの」
ヤンファ
「それに、仮にだが」
ヤンファ
「あの中継塔の機能を止めたら何か利点があるなら、行く価値はある」
ソルティア
「中継塔を止める利点ですか……」
ヤンファ
「多分、機能止めるとこの距離だとアラン達から通信が来なくなるけどなァ」
エリカ
「……」 思案顔。
ソルティア
「強いて言うなら、ヴァニタスの力に関係してるかも、と言うくらいでしょうか……どちらも音に関するものですし」
シャルロット
「ですが、ヤンファさん」 止める様な仕草で呼びかけ
ヤンファ
「ン?」
シャルロット
「もし、中継塔をとめることに利点があるなら、私たちは虚の蛮族と交戦することは必至です。逆に、問題なくいけてしまったらそこには利用価値がないということになる」
ヤンファ
「あァ。そりゃな。……となるとまァ、時間は予定以上に食う、か」
シャルロット
「あの軍勢……突破してでも行くべきでしょうか」
ソルティア
「……今の状況では、不安ですね」 少なくともベアトリスさんが黒幕だろうって予想なんだし、軍の皆が危なそう。
ヤンファ
「俺だけの足ならなんとかなるかもしれねェが、そうはいかねえしなァ」
エリカ
「……ヴァルクレア城に向かいましょう。多分、アランさんたちも、私達がまっすぐ城へ向かう想定……だと思うし」 多分。
ヤンファ
「ま、迎えの準備には通信も入れときたいトコだし、どっちにしろ機能止めるのも危険だな」
エリカ
「はい。連絡取れなくなるっていうのも、ちょっと」 困るっちゃ困る。
ソルティア
「アランさんが、その……ベアトリスさんに気付いたのなら、フェリシアさんやマグダレーナ様も疑っているかもしれませんし、そうするとその疑いに気付かれる可能性もあります。余計な時間はかけたくありませんね」」
シャルロット
「一応、場所は覚えて置けますか? 何かあれば、調査に誰か使わすか私たちでいくとしましょう」
ヤンファ
「既に頭に入れてるから安心しとけ」
ソルティア
「帰りに寄っていく時間もあるかもしれませんしね」
シャルロット
「流石です」 ぽん、と嬉しそうに笑って手を合わせる 「それじゃ、先を急ぎましょう」
ヤンファ
「おォよ」
エリカ
こく、とシャルロットに頷く。
GM
では。
GM
君たちはそのまま、灰色の塔に向かう事なく、素直にヴァルクレア城へと向かう。
GM
蛮族たちは、君たちの退路を塞ぐように、ある程度の距離を保った状態で追ってくる、そんな居心地の悪い状態がしばらく続く。
GM
そして、君たちの眼前にいよいよその城が姿を現す。
GM
険しい山の開けた場所にその威容を示すかのように聳える、鈍い銀色に輝く巨大な城。
GM
本来であれば、この辺りから既に蛮族軍との激しい攻防が行われていたはずだ。しかし、今は蛮族は後方に存するのみで、目の前には一匹たりともその姿は見当たらない。
GM
君たちの行く手を阻む者は現れず、そのまま素直に城門前に到達する。
GM
この門を開けば、いよいよ、進軍の攻略目的であったはずのヴァルクレア城内だ。
ヤンファ
「………はァ」 腰に手を当て、溜息一つ
エリカ
「……本当に、全く邪魔が入らないなんて」
ヤンファ
「さっきのシャルの言葉を裏返せば、此処は妨害が全く無ェなァ」
シャルロット
「ここは価値がない、ではなく、とっとと進んで欲しいところなんでしょうけれど」 ここは苦笑いだ
ヤンファ
「敵本陣だってのに、ゾッとするわ」
エリカ
「……」 後方にはあれだけいるのに。
ソルティア
「ん……」 外側から開けれるのか、と開閉装置的なものを目で探す。
GM
お馬鹿な蛮族の為にあるよ。
GM
魔動機文明の技術だからきっと誰かがいじればあく。
ソルティア
「お待ちかねのようですからね……」 苦々しい声で。 「開閉装置はあちらですね」 と指をさす。
シャルロット
「全く……さ、早く行きましょう」 開閉装置をいじりにいく
ヤンファ
「ン、シャル頼むわ」 開いた瞬間の時、万一の為に柄頭に手を置き
ソルティア
「内部にも蛮族はいなさそうですね……通常の、と言う意味ですが」 同じく城門前で待機。
GM
開閉装置を弄れば、大きな門はゆっくりとその口を開く。
GM
その先にはただただ巨大な空間が広がるのみだった。
GM
此処も霧の街と同じく、元は人族の手によって造られたものだったのだろうか。外観にも内観にも、蛮族らしさは感じられない。
GM
そして、中はやはりもぬけの殻。人の姿も、蛮族の姿も、エントランスから見渡した範囲では存在しない。
GM
ホールの正面には、上階へと繋がる階段が伸びる。
シャルロット
「……呆れてモノもいえませんね」 静けさの塊のような城に、ため息
エリカ
「……気持ち悪い」 静かすぎる。
ヤンファ
「……」 おそらく何かは居る
ソルティア
「レールから外れる為にレールを進まなければならない、と言うのは業腹ですね、全く」 ふーっと息をついて
シャルロット
「こういうものは、上へ行くのが定石ですよね」
エリカ
「……仮に城主がいるなら、上階だと思うけど」 普通に考えたら。
ソルティア
「下への道は見当たりませんから、まずは上からでいいと思いますよ」
ヤンファ
念のため斥候による警戒は解かないが、そこまで念入りせずさっさと進む
GM
君たちがそんな話をしていると、こつこつと階段の方から靴音が聞こえる。
ヤンファ
……っとォ」
ソルティア
「………」 靴音の方へ視線を向ける。
エリカ
「……っ」 びくり。
ヤンファ
さっと腕を横に伸ばして進行を止め
GM
現れたのは、意外な人物だ。
#アイゼル
「……あら、貴方たちだったのね」
シャルロット
「……」 すぐさま抜刀できる構えにうつって、視線を向ける
エリカ
「……え?」
ヤンファ
」 一瞬目を細め  「……なんだ、お前か」
ソルティア
「貴女は……」 負けイベントの時の。
#アイゼル
「てっきり、あの蛮族たちがもう来たのかと思ったけれど」
ヤンファ
「いや、此処には蛮族は来ねえ」
エリカ
「な、なんで貴女が……」
シャルロット
「……どうしてここに?」
ヤンファ
「調査、だろ」
シャルロット
「他の二人も?」
#アイゼル
「付いて来なさい」 君たちの質問に答える事なく、身を翻す。
エリカ
「あ、ちょ」 行っちゃったよ。
ソルティア
「………」 皆と顔を見合わせる。
ヤンファ
「へいへい」 何か解っている風だし、素直についていく
エリカ
「……ああ、もう」 ついてくしかないのか。
ヤンファ
「とりあえず行くぜ。どっちにしろ行かねえとならねえんだ」
ソルティア
「……ん、はい、分かりました」 こくりと頷いてついていこう。
GM
彼女について上階へ向かうと、彼女は「こっちよ」と短く告げて、荘厳な扉を開いてその中へと消えていく。
GM
続けてその中に入れば、そこはどうやら玉座の間だったようだ。
GM
趣はほぼ人族の世界の建造物のそれと変わらない。
#ラーエル
「あ、おかえりアイゼルさん、どうだった?」 部屋の中には、アイゼルと同じく、以前君たちを助けたラーエルとザガートの姿もあった。
ヤンファ
「………」 目線だけで辺りを見回しつつ
シャルロット
「玉座の間、到着ー……」 なんともいえない表情でコメントひとつ
エリカ
「あ……」 この前の二人も。
#ザガート
「……ふむ、彼らが来たのか」
ヤンファ
「よォ、久しいな」
エリカ
「……ええと、どうも」 なんとも言えない挨拶。
#ラーエル
「あ、うん、久しぶり。……なんだろう、この何とも言えない感」
ソルティア
「あぁ、こんにちは、お二人とも……すみません、お三方、でしたね」 アイゼルにも挨拶してなかったわ。
#男の声
何を見ている、4人だ」
エリカ
「え、あ」 だ、誰ぞ。
ソルティア
「よん……え?」 きょろきょろ
ヤンファ
」 声の方向に目線をやり
GM
部屋の奥、玉座には見たことのない男の姿があった。
GM
長い銀色の髪に、鋭い緑色の双眸。頭部に生える2本の角と背中の皮膜の翼が、ドレイクであることを象徴している。
#銀髪のドレイク
「無礼な客人だが、まぁいい。よく来たな、客人よ」
#銀髪のドレイク
玉座に片肘をつけ頬杖をついたまま、男は静かに言う。
シャルロット
貴方は」 もしかして城主さんですか
ソルティア
「あ、これは失礼しま……した……」 目的の人物を見つけて挨拶したものの途中で言葉がにごった。
#銀髪のドレイク
「さて、お互い色々と尋ねたい事はあるだろうが、何をするにせよ、まずは互いの名を告げねばなるまい」
ヤンファ
「おォ、気が合うな」 同じこと思っていた
シャルロット
「流石に、出迎えもない城では普段の礼儀も失念すると言うものです」 言いながら、前に出よう
シャルロット
「シャルロット=イエイツ=ヘリオドール。立場の上では、私は貴方の“敵”ということにいえ、敵“だった”でしょうか」
#銀髪のドレイク
「……クク、俺たちと貴様ら人族が味方となる日は、来る事は無いだろうがな」
#銀髪のドレイク
「俺はヴィルフリート・クラウゼヴィッツ。察しの通り、この城の主だ。貴様ら人族の中には、“不滅の銀竜”などと無粋な二つ名で呼ぶ者も居るらしいな」

“不滅の銀竜”ヴィルフリート・クラウゼヴィッツ

[ドレイク/男/300歳以上]
《大破局》の際とその後に幾度かその姿を人族の前に現したというヴァルクレア城の城主です。
 美しい銀髪を持つ美丈夫で、少なくとも伯爵級のドレイクを軽く凌駕する実力を備えていると言われています。
《大破局》の終わり際、人族によって討たれましたが、その後レーゼルドーン大陸にて特徴の一致するドレイクの目撃例がいくつもあり、今も尚ヴァルクレア城に潜み、人族の世界を狙っているのではないかと噂されます。
 そのエピソードから彼は「不滅」という二つ名を冠することとなり、彼を倒し、ヴァルクレア城を陥落させれば、レーゼルドーン大陸の南方を奪還することが出来るでしょう。
ソルティア
「……ソルティアと申します」 先に名乗ろう、としたら名乗られてたぜ。
ヤンファ
「ヤンファ・シャンリーク。横にいる姫君の護衛やってるモンだ」
エリカ
「……」 え、ええと。
エリカ
「……エリカ・ケイ……です」 なんか。流れで名乗ってしまった。
シャルロット
「まるで諦めてしまうのもどうかと思いますよ。種としてでなく、“個”としてなら結べる絆もあるように思いますが」
#ヴィルフリート
「味方となる事はないが、協力関係を結ぶ事はある。今のは、種としての話に過ぎぬ」
エリカ
(な、何この状況……) 正直対応に困る。
ヤンファ
「……ふゥん」 なるほど  「その言い方だと、お前は“大丈夫”らしいなァ」
#ヴィルフリート
「ああ。俺以外の者は皆、侵されたがな」
エリカ
「……一人以外、全く、皆……?」
#ヴィルフリート
「さて……丁度いい。貴様らの問いに応じてやらんこともないが、先に貴様らが此処へ来た理由を問うとしよう」
#ザガート
「……詳しい話は、ゆっくりとしていくとしよう。まずは、彼の問いに答えてやってくれ」
#アイゼル
「そういう自分勝手な性格なのよ、この城主は」
エリカ
「……」 理由と言われても。
ソルティア
「……その理由は、ある意味僕らの上にはないのでなんとも言いがたいのですが」 シャルロットを見て。
シャルロット
「一応、貴方を討ち城を落としにと、そういう名目でしたっけ?」 苦笑いで、仲間に問いかけて
ヤンファ
「名目は、な」
ソルティア
「そうですね、人族の多くはそう思っている事でしょう」
エリカ
「……まあ、何だかもう何しに来たのかって感じだけど」
シャルロット
「正直なところ、私たちも侵食された貴方の同胞の阻害……いえ、“誘導”でやむなくこちらへ踏み入った次第です」
ヤンファ
「が、目的の半分は既に達せられた」
ヤンファ
「俺たちが“此処に来ること”そのもの、と言えばいいか」
#ヴィルフリート
「成程」
シャルロット
「交戦の意思があるのか、と問われるならば、はっきりもうしまして“微妙”の一言かと」 やれやれです、と笑って言う
#ヴィルフリート
「そんな物は、貴様たちを見れば瞬時に理解出来る」
#ヴィルフリート
「似たような目をした者たちを、かつて見たことがあるのでな」
シャルロット
「……」 似たような目、と言う言葉に、ひとつピンとくるものを感じて
#ヴィルフリート
「ともあれ、良かろう。今度は貴様たちに質問の許可を与えよう」
シャルロット
山ほど聞きたいことがありますが、今の状況を教えていただけませんか?」 アイゼルとか、4人全員を見回してから聞く
#ラーエル
「……そーだね。まずはそこからか」
ヤンファ
「……」 ふむ、と周りの者を見て状況を訊こうとおもったがシャルが先に言った
#ラーエル
「《黄金戦役》の結果に疑いを持った、っていうのは前に話した事があったよね」
ヤンファ
「………」 《黄金戦役》、つまりドゥラージュの一件だ
#アイゼル
「その後、私たちがドゥラージュの足跡を辿って訪れたのが、此処だった」
ヤンファ
「へェ?」
#ザガート
「……彼、ヴィルフリートとドゥラージュ様は多少ではあるが、親交があったようでね」
#ラーエル
「……で、ドゥラージュとか、彼女が気付いていた事について何か教えて貰えないかって頼んだんだけど」
ヤンファ
「……侵食されてた、か?」
#ヴィルフリート
「いや、当時、ドゥラージュはまだ健常な状態なままだった」
エリカ
「……まだ?」
#ヴィルフリート
「今は既に死しているからな」 健常とは呼べまい、と含みを持たせて云う。
エリカ
「……」 そういう意味か。
ヤンファ
「……ふゥん」 てっきり、イーヴの話と照らし合わせるとそうなのかと思っていたが
#アイゼル
「……ま、コレの知る情報が欲しいなら、それ以上に魅力的な情報を提供しろ、っていう条件を付されてね」
#ラーエル
「力尽く……なんてしたくないし、意味もないから、〈ファランダレス〉っていうヒントだけもらって、それからずっと僕らはその秘密を追っていたっていう訳」
エリカ
「……ええと、じゃあ、つまり今は改めて此処に来てた、と……?」 お三方は。
#アイゼル
「そういう事。貴方たちの活動によって浮き彫りになった真実もあるし、私たちの活動によって判った事を報せる為にね」
ヤンファ
「ま、此処まできて無用な争いなんてするモンじゃァねえ」
#ザガート
「元々、ヴィルフリートも何者かと戦うつもりは無かったらしい」
エリカ
「……戦うつもりはなかったって」
#ヴィルフリート
「何かおかしな点があるか?」
エリカ
「……だって、それなら、何のために、戦争なんて……」
#ヴィルフリート
「……クク、娘」
#ヴィルフリート
「《大破局》以降、俺自身は一度も軍を動かしてはいない」
エリカ
#ヴィルフリート
「……まぁ、元々レーゼルドーンはいくつもの蛮族が割拠する土地だ」
#ヴィルフリート
「この城付近以外は、好き好きに戦を繰り返していたがな」
シャルロット
「蛮族は人族以上に、一枚岩ではないと聞きますから、それも理解できます」
#ヴィルフリート
「馬鹿共を一々細部に至るまで管理する程、俺は物好きでも無いのでな」
エリカ
「……」 俯き、黙りこくっている。
ヤンファ
「……成程、それで《呪音事変》でもこっちに張り付いてたワケか」 俺以外知らないよなそういえば
#アイゼル
「そういう事ね」
ヤンファ
「二度目に会った時、ルナティアを追っていたのは何かの尻尾を掴んだからか?」
#アイゼル
「あの死神の裏に、ルキスラの影があると見ていたからよ」
#アイゼル
「……途中からは、貴方たちと彼女、随分状況が変わったみたいだし、無粋な横槍は止しておいてあげたけれど」
ヤンファ
「へェ、勘が鋭いモンだな」 
シャルロット
「あれ……もしかして一部始終見られていたんですか?」 ルナティアとの仲良しシーン
#ラーエル
「ちょっとだけね。別にストーカーみたいな事はしてないから……」
#ザガート
「まぁ、私たちが此処に居る理由はそんな所だ」
#ヴィルフリート
「さて、他には何かあるか」
シャルロット
「さしあたり二点」 指を立ててピースサインを見せる
ヤンファ
「で、結局」 人差し指を出して
#ヴィルフリート
「言ってみろ」 どっちからでもいい。まとめてでもいい。

 シャルロットが譲って先にヤンファの問いから。

ヤンファ
「ドゥラージュについての情報交換はどうなったんだ」 結論を聞かされていない
#ヴィルフリート
「まだしていない。それをしようと思っていた矢先に、貴様たちが来た所だ」
ヤンファ
「っとォ、ソイツは失礼」 邪魔をしたようだな
シャルロット
「あら。でしたらそれは一緒にお聞かせいただいても?」
#ヴィルフリート
「丁度、《担い手》も来た。俺が話をするには良いタイミングだろう」
#ラーエル
「……っていうか、さっきから無駄に引き延ばそうとして、結局シャルロットさんたちが来るまで僕らに話す気はなかったとか言わない?」
#ヴィルフリート
「さあな」
ヤンファ
「ま、〈ファランダレス〉については俺らの方が詳しいしなァ」
ヤンファ
ってか、よく解ったな」 担い手って
シャルロット
「……私の事を知っているのですか?」
#ヴィルフリート
「イエイツの名も、シャンリークの名もな」
ヤンファ
「へェ。ま、ともあれ説明が省けて助かるぜ」
シャルロット
「父からオトフリート・イエイツから聞いた、のでしょうか?」
#ヴィルフリート
「いいや、オトフリート・イエイツはこのヴァルクレア城までやってきていない」
シャルロット
」 来るだけは来ていたと思っていたけれど、思い違いか
#ヴィルフリート
「その辺りは昔話も含めてした方が早かろう。先に、貴様の問いを言ってみろ」
ヤンファ
「とりあえず、シャル」 お前の質問からだ
シャルロット
「失礼しました。……質問でしたね」 こほん、と自分を取り戻す
シャルロット
「伺いたいのは、貴方の意思です。これからの行動について問いたい」
#ヴィルフリート
「俺の意志、か」
#ヴィルフリート
「何にも、深く干渉する気は無い。人族同士の争いにも、人と蛮族との争いにも興味は無いのでな」
シャルロット
「……貴方の配下すら操られているのですよ?」
#ヴィルフリート
「直接俺の支配下にあった者たちについては、もうこの手で全て始末を付けた。奴らが操られた矢先にな」
シャルロット
「人との争いという部分があるとしても、報復を考えても良いのではないのですか」
#ヴィルフリート
「報復、か。……下らんな」
シャルロット
「私も、あまり好きな発想ではありませんがそうした感情が発露するのもやむない状況のように思えましたので」
#ヴィルフリート
「戦には、300年以上も前に飽いている。報復、復讐、戦の連鎖を続けるだけの無為な行為には、もう微塵の興味も湧かん」
シャルロット
「……」 はふ、と。声にならないような小さなため息を洩らす
#ヴィルフリート
「貴様らの足掻く姿を見るのは、悪くないがな」
ヤンファ
「『人は見てて飽きない』、ってかァ?」
ヤンファ
「どこぞの観測者も言ってたが、ご長寿になるとそうも俺らが面白く見えるらしいなァ」
#ヴィルフリート
「ごく限られた一部の者たちだけだが、な」
ソルティア
「……せめてお眼鏡に適うようならよいのですがね」 少し苦笑した。
シャルロット
「……では、無為ではない話をしましょう。一つ目の質問の続きになってしまいますが……」
シャルロット
「貴方は今配下も持たず人族と事を構えぬ立場だからこそ問いかけます。私たちいえ、私個人に対してでも結構です。協力を頂けませんか?」
シャルロット
「無為でない行為を築きましょう。私たちは、結び合える手を繋ぐことから始めればいい」
ヤンファ
「………」 コイツはまた……
ソルティア
「シャルロットさん、それはまた……」 彼女らしいと笑うべきかとんでもない提案をと苦笑するべきか
エリカ
「……」 もう今更だ。突っ込む気にもならない。
#ヴィルフリート
「……クク、今し方戦いには興味が湧かぬと云ったばかりだが?」 姿勢を変えず、喉を鳴らして笑いながらシャルロットに
ヤンファ
「戦い、じゃァなければ良いのか?」
シャルロット
「別に、戦いたくない者を借り出す真似はしません。ただ、そこに立って戦うことが総てではない」
#ヴィルフリート
「……ック、クク……イエイツの血は、余程能天気なもののようだな」
ヤンファ
「……っつーと」 まさか
ソルティア
300年前も、とか……?」 後を次いで言う
シャルロット
「……い、いちおう、腹黒いといいますか、色々考えはあるんですよ?」 うぐ、と唸って、高い玉座にいるであろうヴィルフリートを上目遣いに睨む
ヤンファ
「いや、腹黒いは違うだろ……」
エリカ
「……自分で腹黒いって言ってどうすんのよ」
ヤンファ
「お前に腹黒い考えが出来たら世の中終わるわ……」
シャルロット
「な、なんですかその……私だってちゃんと色々考えてですね」
ソルティア
「考えがあるのは分かりますがお腹は白そうです……」
#ヴィルフリート
「答える前に、昔話からまとめてしてやろう」
ヤンファ
「……ン」 昔話とな
#ヴィルフリート
「奴ら確か名をレナとロウファと云ったか。いけ好かん奴らだったが、人間にしては見所のある者だった」
シャルロット
「……」 ご先祖様だー
ヤンファ
……」 またここでも、初代の名を聞くとは……
#ヴィルフリート
「奴ら二人は、《大破局》が一段落ついた後、尚も蛮族たちが支配していたレーゼルドーン大陸を抜けて、ごく少人数でこのヴァルクレア城までやってきた」
#ヴィルフリート
「勢いに乗じて俺に戦いでも挑むのかと思ったが、奴らは俺にこう云った。『頼み事をしたい』と」
#ヴィルフリート
「……クク、滑稽な話だとは思わんか。《大破局》において人族を追い詰めた蛮族軍の首魁の一人に頼み事などと」
ソルティア
「………」 シャルロットをみました。
ヤンファ
「ウチの初代どんだけ苦労してんだよ……」 ちらりとシャルを横目で見て
シャルロット
「……いえ、その、ええ」 こっけいといわれました
#ヴィルフリート
「無論、一笑に付してやった。が、奴らは一歩も引かずに語りかけて来た」
#ヴィルフリート
「一見、馬鹿な奴らにも思えたが、話を聞いていれば意外な事に奴らはそれなりの慧眼の持ち主だった。俺自身が語らぬ内に俺が戦いに飽いている事を見抜いたのは、奴らとドゥラージュだけだったな」
#ヴィルフリート
「それなりに奴らに興味も湧いたのでな。その頼み事とやらを聞いてやる事にした」
エリカ
「……あ」 そうか。
#ヴィルフリート
「その内容は……『此処に鍵を施す許可を出して欲しい事と、〈ファランダレス〉の真の《担い手》が現れるまで、この城を護っていて欲しい』というものだった」
ヤンファ
「……真の、《担い手》……」
エリカ
「……」 やっぱり。よくよく考えたら、昔から蛮族の居城になってるのにこんなところに封印されてるのはおかしな話だった。
#ヴィルフリート
「元々、この城は人族の手によって造られたものだったというのに、取り返すのではなく、敵であるはずの俺にそのような申し出をするなど……クク、思い出せば思い出す程笑いがこみ上げて来る」
シャルロット
「……いえ、判りますよ、それ」 ヴィルフリートに否定の言葉を投げ
#ヴィルフリート
「判る?」
シャルロット
「もし私が同じ立場なら、きっと同じ事をしたでしょう。封印は、人族だけではなく蛮族つまり第三者にも託したかったんだと思います」
#ヴィルフリート
「……ほう、それは何故だ」
シャルロット
「それが、人族や蛮族の壁を越えてすら世界を侵すモノつまり、私たちの共通の敵ともなりうる存在の封印、なので」
#ヴィルフリート
「人と蛮族の垣根など不要、か。奴がいいそうな言葉だ」
#ヴィルフリート
真の《担い手》とやらについては、詳しい事は聞いていない」
#ヴィルフリート
「が、レナ・イエイツは、〈ファランダレス〉の最も優れた適格者では無かったようだ。そう、奴自身が言っていた。奴に出来るのは、分散しての封印が限度だとな」
シャルロット
「……そう、なのですか?」 初代が一番すっげえんだと適当に思っていたわ
ヤンファ
「ソイツは意外だな」
#ヴィルフリート
「あくまで、奴自身の言だがな」
ソルティア
「……と言う事は、〈ファランダレス〉の最も優れた適格者を真の《担い手》と呼ぶんでしょうね」 心当たりはとてもあるが。
#ヴィルフリート
「……“頼み事”については、義理も無かったが、城を手放す理由も無かったのでな。了承してやった。約束を守る保証はしなかったが」
#ヴィルフリート
「そして奴らは“聖女”の封印のひとつを此処に施し、何事も無いまま長い時が経った」
ヤンファ
「それでも信じちまうトコがイエイツっつーか何つーか……」
エリカ
「……無茶苦茶よ」 先祖代々。
シャルロット
「な、なんですか。私を非難してませんか、ヤンファさん」
ヤンファ
「いやァ?」 少しニヤニヤしつつ否定した
#ヴィルフリート
「この地域が大きく動いたのは、5年半程前の事か」
エリカ
5年、半」
ヤンファ
「っつーと……」
ソルティア
「《蒼き北伐》ですね」
#ヴィルフリート
「そうだ」
#ヴィルフリート
「ルキスラとダーレスブルグの者たちがこの大陸を取り戻さんと押し寄せ、ごく一部の者がこのヴァルクレア城へ向かおうとしていたようだが奴らはその際、小さな“塔”を建てた」
#ヴィルフリート
「ヴァルクレア城に至る途中、竜槍山脈にな」
エリカ
「……え?」
シャルロット
」 ピンときた
ソルティア
「塔……」
エリカ
「……」 もしかしなくても、来るとき見たあれじゃない。
#ヴィルフリート
「人族はそれ以上こちらへやってくる事は無く、塔の周辺に灰白の花が咲き始め、それは瞬く間に群生域を広げていった」
#ヴィルフリート
「そして、その影響は蛮族どもにも及ぶ事となった。塔か、あるいは花が原因か、皆が皆自らの意志を失い、このエイギア地方南部は一瞬にして全てが狂った」
#ヴィルフリート
「貴様らにも、色々と思い当たる節があるのではないか?」
#ヴィルフリート
「……俺の下に付き従っていた者たちも、例外では無かった。先程云った通り、それらは、せめてもの救いとしてこの手で葬ってやった故に、もうこの世界には居らんがな」
ヤンファ
「オイオイ……それじゃァ《蒼き北伐》の本来の目的はもしかして……」
ソルティア
「……あの塔を建てて、ヴァニタスを……?」
シャルロット
「厳密には」 とソルティアへ 「あの通信塔から、あの“力”を発信していた、ということではないでしょうか」
シャルロット
「アランさんの通信が届いたのも、アレが中継をしたからでしょう」 確信できる材料が、直接行かずに揃ったのはいいことだ。
#ラーエル
「……確か、その……マグダレーナ様やシャルロットさんのお父さんが亡くなったのも、その時なんだよね」
ヤンファ
「………」 それと、と。ちらりとエリカを見る
ソルティア
「………」 同じくエリカを見て。
エリカ
「……」
#ザガート
「……色々と繋がって来たようだな」
シャルロット
「ええ……この城の近くまで来て、そこからの消息はわからないまま、骸で発見されたと聞いています」
シャルロット
「父は、恐らくその時点でユリウス陛下いえ。ユリウスの企みに気付いたのでしょう」
#ザガート
「脅威と認定されたお父上は、その時に真っ先に排除されたと」
ヤンファ
「邪魔だった……か」
ヤンファ
「おそらく、ウチの馬鹿親父も勘付いてたなァ」
エリカ
「……自作自演じゃない」
エリカ
「自分で、殺しておいて……、勝手に英雄に祭り上げて……っ」
ソルティア
「……エリカちゃん……」
#アイゼル
「……その下らない自作自演すらも経る必要があった、と」
シャルロット
「ファランダレスを持っていかなかったのは、そのあたりの思惑があったのかもしれませんね」
#ラーエル
「…………」
ヤンファ
「……此処まで来ると、全ての“戦”が何かしら別の目的を帯びているようにしか見えねえなァ」
#アイゼル
「実際、その通りでしょうね」 横目でちらりとエリカを見ながらヤンファに。
#ヴィルフリート
「《黄金戦役》にて、大きく動きを起こす前に、ドゥラージュは俺に警告をした」
#ヴィルフリート
「『得体の知れない異物が、ルキスラ帝国の裏には存在している可能性がある。貴方においても十分に警戒をしておくべきでしょう』とな」
#ヴィルフリート
「それだけ告げる辺り、奴は何も言わずとも俺が何かしらを知っている事、そしてそれを語るつもりがない事を見抜いていたのだろう」
シャルロット
「でも、アレ……ぶっ壊してしまえばよかったのでは?」 ヴィルフリートは理由がわかんないけど平気みたいだったし
#ヴィルフリート
「離れているから平気なだけだ」
シャルロット
こう、遠くから めておー って
#ヴィルフリート
俺のデータ(;x;
▶データを新規タブで表示
【蛮族】
20“不滅の銀竜”ヴィルフリート・クラウゼヴィッツ(ドレイクマーキス 人間形態)
知能:高い 知覚:五感(暗視) 反応:中立
言語:交易共通語、ドレイク語、汎用蛮族語、魔法文明語、魔動機文明語 生息地:ヴァルクレア城
知名度/弱点値:22/27 弱点:魔法ダメージ+2点
先制値:27 移動速度:30/60(飛行)
生命抵抗力:27(34) 精神抵抗力:27(34)
攻撃方法命中力打撃点回避力防護点HPMP
〈白銀の穢光〉27(34)2d+2724(31)26250120
特殊能力
操霊魔法15レベル/魔力23(30)

◯☑〆魔法適性
 戦闘特技《マルチアクション》《魔法誘導》《魔法収束》《魔法制御》《鷹の目》《魔法拡大/範囲》《ワードブレイク》を習得しています。

複数宣言=2回

飛行

練技
 練技【ビートルスキン】【キャッツアイ】【リカバリィ(9点回復)】【デーモンフィンガー】【ジャイアントアーム】【スフィンクスノレッジ】が使用可能です。

瞬時竜化

強化魔力撃=+8命中・+23ダメージ

薙ぎ払い

剣尊神速/命中力判定の達成値(下記参照)/回避力/消滅
 一度の主動作で、近接攻撃が可能な対象に対して5回攻撃できます。
 対象はそれぞれの攻撃ごとに自由に選ぶことができ、ダメージは打撃点と同様です。
 この能力を使った攻撃では、命中力判定に-2、-4、-6、-8、-10とペナルティを受けます。

白銀のフレア/使用時の命中力判定達成値/回避力/消滅
 自らを中心に半径100m以内の任意のキャラクターすべてへ、白銀の衝撃波で攻撃を行います。
 命中力判定、ダメージの算出は近接攻撃と同様に行い、ダメージは衝撃属性となります。またその時、MPにも「2d+20」点の衝撃属性の物理ダメージを与えます。
 この能力は連続した手番には使用できず、一日に2回までしか使用できません。

不滅の銀竜
 ヴィルフリートは、倒れてもその後何らかの原因によって一定時間が経つと完全な状態で復活します。
 これを防ぐ手段は今のところ伝わっていません。
戦利品
自動 〈白銀の穢光〉
2~7 美しい竜人の角(4,200G/赤S)
8~12高貴な竜人の角(12,600G/赤SS)
13~ 竜王の角(50,000G/赤SS)
解説
 ヴァルクレア城に座し、レーゼルドーン南方の蛮族たちを統べるドレイクの王です。
 圧倒的な武力と蛮王の十の魔剣のひとつに匹敵すると言われる程の魔剣を持ち、また明晰な頭脳によって蛮族たちを統治しています。

《大破局》の終わり際、人族に討たれたという逸話が残っていますが、倒した瞬間に魔剣と共にその姿を消してしまい、その後も幾度と無く彼の特徴と一致するドレイクの目撃報告が挙がっており、何らかの手段で復活したのではないかと目されています。
 このデータは、僅かに残る《大破局》時の資料や口伝によって伝えられている不確かなものです。
シャルロット
ソーサラー……ッ、ねえ……ッ
エリカ
ドレイクはコンジャラーがデフォだから。
#ヴィルフリート
「一度、破壊を試みた事はある。だが、一定以上近付く事は出来なかった」 強烈な違和感とか頭痛に襲われて。
ソルティア
「……ヴァルクレア城の主すら近づけない程のものなのですね、アレは」 末恐ろしい話だ。
シャルロット
「私たち、近寄らなくて良かったですね」
#ヴィルフリート
「侵食されるか否かについては、個人差はあるのだろう」
#ヴィルフリート
「侵されるのは、実力の低い者の方が圧倒的に早かった」
ソルティア
「僕らは比較的侵食が遅いようですが、それでも近づけばどうなるかは分かりませんからね……」 シャルはそれでも無事だろうけど
シャルロット
「……そうだったんですね」
#ヴィルフリート
「こやつらも、恐らく貴様らと同じ類だろう」 侵食が遅い。こやつら=アイゼルラーエルザガート
ヤンファ
「ま、実際強ェしな」 その三人は
#ラーエル
「今はもう、そこまで君たちとの差も無いと思うけどね」
#ヴィルフリート
「……ま、そうして《黄金戦役》は終結し、後は貴様らの知る通りの展開だ」
ソルティア
「ラーエルさんたちはあの塔へは……?」 一番親しくなれそうな人をチョイス
シャルロット
したしくなれそうなの、ザガートに目が行く私は多分病気
#ラーエル
「……いや、僕らも近付こうとはしたんだけどね。やっぱり、ヴィルフリートさんと同じだった」
ソルティア
「と言う事は、僕らもやはり無理そうですね……」
シャルロット
「私ならといったところでしょうか」
#ザガート
「少なくとも、イエイツの血を継ぐ君ならば大丈夫だろう。……が、他の三人については分からないな」
エリカ
「……」 出来る事なら叩き壊してやりたいが。
ヤンファ
「ま、近づかねえに越したことはないな」
#アイゼル
「腹立たしい限りね。あそこを破壊すれば、多少なりとも状況は変わるでしょうに」
ソルティア
「最高位の真語魔術師でも連れてこないと駄目でしょうねぇ……」
#ヴィルフリート
「それですら、破壊出来るかは怪しいな」 もっと超常的な何かの影響があるかも知れない、と。
シャルロット
「なんでしたら、私がちょっといって壊してきますけど」
#ラーエル
「……いやいや……」
ヤンファ
「そう簡単に壊せるようにしないだろうよ」
ヤンファ
「何せ、此処まで計画を立ててきた奴らなんだしなァ。そう無用心じゃァない筈だ」
ソルティア
「シャルロットさんを一人で赴かせるほど危なっかしい事もないですし」
シャルロット
「ぅー……壊せそうな気はするんですが」
シャルロット
カチャリ、とファランダレスを見せて
ヤンファ
「お前それ使うなよ」 ちょっと厳しい目で見る。易々と使うな
ソルティア
「ファランダレスはノーですよシャルロットさん……」
シャルロット
「い、いえ。軽々(けいけい)には使いませんよ?」
ヤンファ
「えェ……?」 信じきれませんな
ソルティア
「壊すにしても、敷かれたレールを外れないと駄目なんでしょうね……」
#ヴィルフリート
「……さて、昔話はそんな所だが、他に聞いておきたい事はあるか」
ヤンファ
「俺は特にナシだ」 情報交換は今から?今ので終わり?
エリカ
「……」 別段こっちも質問はない。
#ラーエル
「……僕らが聞きたい事も、大体聞いちゃった感じだよね」
ソルティア
「強いて聞くのなら、封印と言うのがどんなものなのかと言うのをお伺いしたいですが……」 一つ知れば他の封印のことも何か分かるかもしれないし。
#ヴィルフリート
「俺は当事者ではない。細かい事は知らんが、“聖女”の力を分散し、その一部を此処の遺跡としての機能を使用して封じ、〈ファランダレス〉の使用を条件として開閉するシステムだ、と聞いた」
ソルティア
「遺跡としての機能を使ったのですか」 だからどこの封印も大体遺跡なんだな。
#ヴィルフリート
「だ、そうだ。各地に封印した後は、最後の封印の為に残った“聖女”の力との決戦に挑む、ともな」
ソルティア
「最後の封印はセフィリアとの事でしたね……ありがとうございます、ヴィルフリート様」
シャルロット
「ンそれで、ヴィルフリート……様? 敬称を使うのもへんなお話ですが」
#ヴィルフリート
「好きに呼べ。興味も無い」
シャルロット
「私への回答は如何なものでしょう」 手を貸して欲しいっていう話だ。
ヤンファ
「お前……」 まだその話続いてるつもりだったのか
シャルロット
「え、だってその前に昔話って……」
ヤンファ
「回答は最初に言われてたじゃァねえか」
ヤンファ
「………」 はァ。初代もこんな感じで振り回されてたんだろうなァ
#ヴィルフリート
答えは否だ。レナ・イエイツとロウファ・シャンリークとの約束も果たした。これ以上、奴らにも、貴様らにも果たしてやる義理はあるまい」
シャルロット
「ですが、私はイエイツの血のものですが、レナ様ではありません。私は、レナ様に続くものとしてではなく、私が貴方と手を取りたいと言っているのです」 ずい、と一歩前に出て
シャルロット
「前の約束は前の約束ですし、大体前の約束だって義理もなにもなかったではありませんか。だったら私と約束のひとつぐらいしてくれたっていいはずです!」
#ヴィルフリート
「……」 やれやれ、と云った表情で。 「具体的には、俺に何を求めている」
シャルロット
すべてにケリがついた後、一時的で良いです。人族と蛮族が争いあわないよう、手を回して欲しい」 
#ヴィルフリート
「……ほう。貴様は、この状況を打破出来るつもりで居るのか」
ヤンファ
……はッ。オイオイ」 ヴィルフリートのその言葉に反応し
ヤンファ
「打破出来ねえと思うなら此処まで食い下がらないことも無いだろうよ」
#ヴィルフリート
「ふむ、それもそうか」
#ヴィルフリート
「良かろう。貴様たちが、この地を元の姿に戻す事に成功したならば、そのように手を回してやろう」
シャルロット
「……っ、ありがとうございます! 人族側は暫く混迷しそうですが、ええ。争いあうより状況を立て直すほうが重要視されるでしょうし、こちらも手を回しますので!」
エリカ
「……」 驚いた。了承するなんて。
#ヴィルフリート
「その際に戦が伴う場合には、途中で飽いて投げ捨てん保証は無いがな」
シャルロット
「いえ。ヴィルフリート様は約束を果たしていただけるものと信じております」
#ヴィルフリート
「……クク、根拠の無い自信、何処までも奴と姿が被るな」
ヤンファ
「正直俺も驚いたがな。今回ばっかりは諦めるとばかり思ってたぜ」
ヤンファ
「この諦めの悪さもイエイツ、ってか」 笑えてくる
ソルティア
「……少しヴィルフリート様の気持ちも分かる気がしますね……」 人は(一部の奴らは)飽きん、というの。
#ヴィルフリート
して、シャルロット・イエイツよ」
シャルロット
「はい? なんでしょう」
#ヴィルフリート
「貴様は、このヴァルクレア城の封印を解くのか、解かぬのか。どちらを選ぶ」
シャルロット
「その問いに、問いを返すようで申し訳ないのですが……なんで、真の《担い手》が来たら、なんて条件がついてきたか聞かれてますか?」
#ヴィルフリート
「聞いてはいない。が、推測は出来る」
#ヴィルフリート
「封印を解く必要が無ければ、そんな条件は付さぬだろう」
#ヴィルフリート
「だが、奴らはそのように条件を付けた。つまり真の《担い手》は、封印を解いた上で、何かしらを為す事が出来る」
#ヴィルフリート
「そういう事だろう」
シャルロット
「……つまり、自分を超える適性のあるものに、封印よりも良い結末を結べると」
#ヴィルフリート
「ああ。奴は馬鹿だが、まったくの考え無しでも無かった。何の意味もない条件など付しはしない」
シャルロット
「……んんー……自分が真の《担い手》か、なんて自分がわかるわけないですし」 どうしたもんか
ヤンファ
「違うぜ、シャル」
ヤンファ
「お前が今、封印を解いてこの先に為すべき事を見出しているか」
ヤンファ
「それを達せられるか……試されるのはソコだろォよ」
シャルロット
「……い、意外と難しいことを言いますね」
ヤンファ
「大体、お前さっきヴィルフリートと約束結んだんだろうが」
ヤンファ
「その時点で答えはお前の中で決まってるハズだ」 ずびしとシャルに人差し指を向け
ヤンファ
「やっぱ無理だったから約束もナシで、なんてタマじゃァねえだろお前」
シャルロット
「いやまあそれはそうなのですが」
エリカ
「……なんでそこで急に勢い落ちてるのよ」
シャルロット
「さっきも言いましたが軽々に力を使ったり封印をといたりするより、次代に託すという選択もひとつの決断ではあるとひっそり思ってまして」 小声で
ソルティア
「確かに、それも一つの決断ではありますが……シャルロットさんは、それで納得出来るんですか?」
ヤンファ
「………」 頭ぼりぼり搔いて
シャルロット
「ヴィルフリート様は長生きだから、まあ100200年待たせても大丈夫かなー、とかいう考えもあったり、とか」 まあ、決意はあるのだけれど目をちょっとそらして
#ヴィルフリート
「俺の寿命も、そう遠からぬ内に尽きる気もするがな」 面倒だから年齢数えてないけど
ソルティア
「言いだしっぺがその調子でどうするんですか……」
ヤンファ
「……呆れたモンだ」
ヤンファ
「じゃァ別の事を訊くが」
ヤンファ
「お前は、今この国……いや、この大陸がこうある中」
ヤンファ
「このままで良いのかよ?」
ヤンファ
「帰りを待つ奴もいて、友達になってくれる奴もいて、お前を信じていてくれる奴もいる」
ヤンファ
「ソイツらがずっとこんな状況の中で消えていっちまうかもしれねえ。俺の親父や、お前の親父みたいに」
ヤンファ
「そんな状況、放っといてもいいのかよ」
エリカ
「……」 シャルロットに向き直り。
エリカ
「そりゃあ、迂闊なことは私もしたくないけど」
エリカ
「次代にどうとか言うけど、危ないのは、“今”なのよ」
エリカ
「私は、嫌。“今”が、なんとかならなきゃ、困る」
ソルティア
「まぁ、僕としてもここで立ち止まるわけにはいきませんしね。待ってる人がいることですし」
ソルティア
「そもそも、このまま城を出て素直に帰してくれるかという問題もありますしね……」
シャルロット
「……」 封印それ自体は、直接見てから決めようと思っていた節もあるので、考え込んでしまう
ソルティア
「……では、ひとまず封印を見てみますか?」 と提案しつつ。 「ヴィルフリート様、封印と言うのは遺跡を踏破しなければならないのでしょうか」 と尋ねる。
#ヴィルフリート
「いや、言っただろう。〈ファランダレス〉を使用……解放するだけで良い、とな」
ソルティア
「と言う事は、この場でも構わない……?」 封印自体を目にする、とかは出来ないのか。
#ヴィルフリート
「封印の間は、此処だ。玉座の下に位置する場所に、その機構が施されている」
#ヴィルフリート
「どうせ、見た所で奇怪な魔動機と儀式の為の紋様しか見る事はできん」
ソルティア
「解析してどうこう、と言う事は無理そうなわけですね……」
シャルロット
「……」 色々、聞いて。色んなことを考える
ヤンファ
「………」 考え込むシャルの姿を見
シャルロット
「……この封印を解く、というのが……どれだけ重いか、これまでの話でイヤと言うほど理解出来ました」 ぽつ、と洩らし
シャルロット
「私はこれまで、色々……無茶、というか、無理というかをしてきたように思いますが、それらは全部、私が“やれる”と思えたからの行動です」
シャルロット
「でも今は、“先”が見えない。……わからないんですよ。事が大きすぎて、私には」 今まではどんなことだってやれる、と思えたからこそ踏み切ってきた
ヤンファ
「………」 腕を組みながら、シャルの正面まで歩み寄る
ヤンファ
「あのなァ」
ヤンファ
「何でさっきから聞いてりゃァ」 シャルのデコに指をトン、と突きつけ
ヤンファ
「“私”なんだよてめェ」
シャルロット
「ぁう」 でこが
ヤンファ
「封印を解くのはそりゃァてめェだけかもしれねえ」
ヤンファ
「だが、その先を歩くのは“私たち”だろうが……!!」
ヤンファ
「今までてめェは一人で事を成してきたってのかよ」
ヤンファ
「先代だってそれ以降だってそんなの同じだ。僅かな可能性に賭けて、今へと繋げる為に必死こいてもがいてきた」
シャルロット
「でも……! だから、だからこそ、皆がちゃんと笑っていける未来になれるように、頑張って、失敗しないようにしなきゃいけないじゃないですか!」
シャルロット
「“私たち”は、一緒に戦ってきました。私一人ではできないことを、いくらだって為してきた。“やれる”っていう思いは、私が一人じゃないからこそ思えたことなんです!」
シャルロット
「だけど! あんな“おおきなもの”に、手を取り合えば勝てる、なんて、どんな顔して言えばいいんですか! 何のアテもなく、はっきりしないままで!」
シャルロット
「少しでも判れば、僅かでも勝機が見えれば私は、“私たち”はねじこんででも勝ってみせる、勝たせて見せる! でもでも、“わからない”ですよ!」 初めてのことだ。今まで“わかってきた”ことばかりだったからこそ。
エリカ
「……」
ヤンファ
「誰だってンなモン、不安に決まってんだろうが」
ヤンファ
「わからない、不安だ。そんなの解ってる」
ヤンファ
「俺らが選択して、道を得られなかったら、未来は潰えるかもしれねえ」
ヤンファ
「……でもな」
ヤンファ
「俺は、嫌だぜ?」 シャルの眼を見て、ゆっくりと
ヤンファ
「わからないから引き下がれば、俺たちがどうなるかだって“わからない”。生きているかも、死んでいるかも、利用されているだけかも」
ヤンファ
「きっと、俺らは皆離れ離れになる」
ヤンファ
「そんなワケが“わからない”未来の方が、俺は嫌だ」
ヤンファ
「エリカ、ソルティア、マグダレーナやフェリシア、アラン……他の奴らだって」
ヤンファ
「何より、俺も親父と同じように消されてシャルと居れなくなる」
ヤンファ
「次の世代になろうと、なるまいと」
ヤンファ
「俺はそんなの、そんな本当に判らない未来なんて………嫌なんだよ」
シャルロット
「……わたしだって、そんなのはいやです」 ぐ、と両手を握り締めて
シャルロット
「……あの」 消え入るような声で、うつむいたまま
ヤンファ
「……なんだ」
シャルロット
「ヤンファさんは、私と一緒に居たいと、思ってくれているんでしょうか……?」 ヤンファへ、おず、と視線を向けて
ヤンファ
」 その視線を受け止め、先の不安を抑え込み 「……あァ」 ふっと笑う
ヤンファ
「ちゃんと、護ってきた。今まで、あの事変が起きる直前から」
ヤンファ
「それはシャンリークの使命だったから。それが最初だった」
ヤンファ
「でも、コレでもずっと他のトコ見てきたんだぜ?」
シャルロット
「他のトコ……?」
ヤンファ
「馬鹿なこと言ったり、無茶したりってずっと言われ続けてる一方で」
ヤンファ
「自分の無力さに嘆いてみたり、何かを学んで成長してきたり」
ヤンファ
「こうやって、壁に悩んでいるトコを……そんな“シャルロット”を見てきた」
ヤンファ
「護るべき“イエイツ”じゃァない。一人の“シャルロット”として、な」
ヤンファ
「こうやって手を取り合うことだって、別に使命だからってワケじゃァないんだよ」 そっとシャルの手を取り
ヤンファ
「拓くべき道を切り拓き、共に歩いていきたい……一緒に居たい」
ヤンファ
「だから、俺は……此処に居る」
シャルロット
「………」 ぽんっ、と赤くなって
ヤンファ
………」 その様相を見て、自分も俯く。軽々しく声をかけていた今までとは、違うのだから
シャルロット
「……私、頑張ります」 恥ずかしさを我慢した小さい声で、だから、と続ける
ヤンファ
「あァ」 静かに頷き、続きを待つ
シャルロット
「わたしが、くじけちゃったら……たすけてください」 初めて、だと思う。本心からの助けの願い
ヤンファ
「任せとけ」 迷い無く返事して 「傍に居て、助ける」
ヤンファ
「どんな事があっても、絶対にな」 そっと抱き寄せ、頭を撫でてやった
シャルロット
「……はい」 目を閉じて、静かにぬくもりを確かめる
#ヴィルフリート
さて、心は決まったか」
シャルロット
ン! もう大丈夫です!」 そっとヤンファから離れると、両頬をパァン、と手で叩く
ヤンファ
……恥っず」 ぼっそり小さく呟く
ソルティア
「ヤンファさんも見せ付けてくれますねぇ……」 さすがのおにーさんも恥ずかしいわ
シャルロット
「解きましょう封印。きっと何とかなります!」
#ヴィルフリート
「結構だ。が、どうやら無粋な横槍が入るようだな」
エリカ
「……横槍?」
#アイゼル
「……ええ。どうやら、一仕事増えるみたいね」
#ラーエル
「……うん、結構な数が来たみたいだ」
GM
アイゼルとラーエルがそう声を発した瞬間、多数の気配が下からせり上がって来る。
ヤンファ
「……オイオイ、待ちきれないってかァ?」
#ヴィルフリート
「念押し、だろうな」
エリカ
「……そんなことしなくても、もう決まったわよ」 念押しとか、要らないっての。
ヤンファ
「はッ。結局“使わせたい”のが見え見えだぜ」
GM
そして勢いよく、玉座の間の扉が開け放たれる。
GM
大挙して押し寄せて来たのは、当然ながら蛮族軍だ。それら全てが、虚ろな目をしている。
#ザガート
「やれやれ……見えている限りではなさそうだし、これは骨が折れそうだな」
シャルロット
「上等です。丁寧にお帰りいただいてから事を済ませるとしましょう」
#ヴィルフリート
「どうやら、黒幕は余程人の心とやらが理解出来ていないと見える」 その声が、怒りを孕んだそれに変わる。
GM
同時に、蛮族たちは道を開くように左右に分かれだす。
#ラーエル
「……?」
ヤンファ
「あン……?」 何のフォーメーションだ
エリカ
「……何?」
GM
その行動を不審がっていると、蛮族たちの後方から優雅な足音がゆっくりと近付いて来る。
ソルティア
「……… 一体誰が来るのでしょうね」 剣に手をかけて。
GM
蛮族たちによって開かれた道を通って姿を現したのは、金色に輝く長髪を揺らし、皮膜の翼を背中に持った美しい女だった。

#アイゼル
「……な……」
#ラーエル
ドゥラー……ジュ……?」
#ザガート
「……どうして貴女が今このような所で現れるのですか」
GM
そう、現れたのは《黄金戦役》を引き起こし、目の前のアイゼルやラーエルらによって討たれたはずの“黄金”ドゥラージュに他ならなかった。
エリカ
「え……? で、でも、死んだ筈じゃ……」
ヤンファ
「……まさか……嘘だろ?」 見た目は文献の通りだ。そして他の者たちの反応いわく偽者ではない
#ラーエル
「……どうして……あの時、ドゥラージュは確かに僕が……」
ソルティア
「……しかし、この反応は……」 嘘じゃないのだろう。ドゥラージュがここにいる事は
シャルロット
「……」 剣を腰に構えて無言で睨む
#ドゥラージュ
「……ええ、そうです。私は確かにあの時、貴方方ルキスラの英雄たちによって命を落としました」
#ドゥラージュ
「ですが、私はこうして今此処に立っている。その事実は受け止めなければなりませんよ」
#ドゥラージュ
「さて……お久しぶりですね。ザガート、ラーエル・ファルケンハイン、アイゼル・バーガンディス、それに、ヴィルフリートも」
#ドゥラージュ
「そして貴方方は初めまして。ソルティア、エリカ・ケイ、ヤンファ・シャンリーク、シャルロット・イエイツ」
エリカ
「……な、何で」 私達のことを。
ヤンファ
「………ちィ、吹き込み済み、ってか」
#ドゥラージュ
「私はドゥラージュ。かつては素っ気なく“黄金”と呼ぶ者も居ました」
#ドゥラージュ
「そして今は偉大なる"女神"と共に、争いの無い世界を目指す者。実現の為に貴方方にも、協力していただかねばなりません」
ソルティア
「……“女神”……ですか」 目つきを鋭くして
エリカ
「争いのない、世界……?」 胡乱なものを見たような表情だ。
ヤンファ
「死人使って来るとはとんでもねえ女神だなァ、オイ」
シャルロット
「……貴女が彼女を偉大と呼ぶのは、いささか歪んだ忠誠だとお気づきになられませんか」
#ドゥラージュ
「私の望みは、この世から争いの種を取り除く事。それを実現出来るのは、彼女の力以外には存在しません」
シャルロット
「……ドゥラージュは、生前もそのような意志で活動していたのですか?」 怪訝な顔で
#ラーエル
「……ふざけないでよ」 ラーエルはうつむき、拳を握りしめて震わせながら呟く。
#ラーエル
「……あなたは、ドゥラージュなんかじゃない……! あの人の言葉には、もっと違う、確かな意志があった。……でも、今のあなたからはそんなものは微塵も感じられない」
ソルティア
「………」 もしかすると、これがヴァニタスを摂取し続けた最後の姿なのだろうか。
ヤンファ
「侵食、か」  「だが侵食には死人を蘇らせる力があるなんて知らなかったなァ?」
#ドゥラージュ
「神は、万能ですから」
ヤンファ
「はッ、汚ェ神様だ」
#ラーエル
「……確かに、ドゥラージュの目的は、この世界から欺瞞や裏切り、争いの種を取り除く事だった」
#ラーエル
「だけど……あの人は、こんな中身の感じられない抜け殻のような人じゃなかった」
#ラーエル
「敵ではあったけど、それでも、僕が変わる切欠を与えてくれた……そんな人だった」
#ラーエル
「だからそれ以上、ドゥラージュの身体で彼女を騙るなら、僕が倒す……!」
GM
云うやいなや、ラーエルはドゥラージュへ向けて一直線に駆け出す。
ヤンファ
「って、オイ……!!」
#アイゼル
「待ちなさい、ラーエル!」
GM
アイゼルの制止も聞かず、ラーエルは足に魔力を込め、全力の打撃をドゥラージュに叩きこむ。
シャルロット
「……ッ、まって、ラーエルさん!」 庇いに行きたい
GM
ドゥラージュはそれを避ける素振りすら見せず、まともにその蹴りを喰らう。
GM
が、彼女の身体はぴくりともせず、そのままラーエルに片手を向け、魔力を集中させて彼に向け
シャルロット
だめッ!」 ッザ、と地面を蹴ってラーエルのもとへ駆けつけ、弾き飛ばすようにして盾を構える
ヤンファ
ちィ!」  シャルが動いたとほぼ同時に駆ける
ソルティア
「くっ……!」 周辺の虚ろな蛮族を牽制しつつ、ラーエルとシャルロットを追って前進する。
GM
直後、シャルロットへ向けて放たれる、あまりに強大で異質な力。
シャルロット
「この……ッ!」 《不動堰》の要領で割り込んだまではいいが、これは
GM
〈ファランダレス〉を以て受け止めても、受け止めきれぬ程の力。
GM
間違いなく、〈ファランダレス〉と根源を一にするもので、その力を持たぬ者が受ければ、ひとたまりもないだろう。
シャルロット
ッ、ッ!」 声にならない悲鳴を上げて、吹き飛ぶ
#ラーエル
「っ……シャルロットさん!」
エリカ
「、ちょ……っ、シャルロット!」
ヤンファ
「シャルッ!!」 バッと跳び、吹き飛んだシャルをダイブしつつ受け止める
ソルティア
「ヤンファさんっ……!」 シャルロットはそちらが受け止めるだろう。こっちは追撃を警戒してドゥラージュの正面に立つ。
#ドゥラージュ
「丁度、一人始末出来る好機だったのですが……」
#ヴィルフリート
「愚か者が。奴が今どんな状態に置かれているか、見抜けぬ貴様ではあるまい」 玉座から立ち上がり、ラーエルに告げる。
シャルロット
「その力ッ、どれだけ力を注がれているんですか!」
#ドゥラージュ
私は、直接女神からその天啓を授かっていますから、今まで貴方方が戦って来た者たちとは、違います」
#ドゥラージュ
「理解できませんか? 今、私の身体に満ちる力が。これに対応し得るのは」 す、と視線をシャルロットに向けて。 「〈ファランダレス〉の力、それ以外にはあり得ません」
ソルティア
「……… ッ」 剣と盾を構えてドゥラージュの前に立つ。が、そのプレッシャーにそれ以上前に進む事が出来ない。
ヤンファ
「……ったく、馬鹿野郎が」 ざっと着地し、シャルを下ろしてから彼女の前に立つ
シャルロット
「す、すみません……ヤンファさあー、ヤンファ?」 けほ、と咳き込みながら、ひっそり言い直すあたり、まだ余裕がある
ヤンファ
」 シャルの言葉にちょっと固まったけど気を取り直して前を向く
エリカ
「……」 割と大丈夫そうでホッとする。
#ザガート
「……〈ファランダレス〉を用いねば、傷ひとつ付ける事も能わない、か」
ソルティア
「……何があっても〈ファランダレス〉を使わせ、封印を解かせるつもり……と言う事でしょうか」
シャルロット
「私が、ファランダレスだけの女だと思わないことです」 まだ、もう一つ“自身”の力がある
#アイゼル
「……仕方ないわね」
#アイゼル
「貴方たち、ドゥラージュは譲るわ」
#アイゼル
「代わりに、周りの雑魚は全てわたしたちが引き付けておく。そのドゥラージュ(ばかおんな)の鎖を壊してやりなさい」
ヤンファ
「任せとけ。お前らの分までブン殴ってやるよ」
エリカ
「あ……ええと、お願いします……っ?」
ソルティア
「……分かりました。ラーエルさん、アイゼルさん……この場はお預かりします」
シャルロット
「いい機会です。“剣”を試してみましょう」 アイゼルに頷く。“鎖”か
#ラーエル
「……ごめん。そうだよね、冷静にならなきゃ」
#ラーエル
「……四人とも、お願い。そっちは、任せるよ」
シャルロット
「ラーエルさんも。私はえらそうなこといえませんけど、単身突撃はよくありませんよ?」
#ラーエル
「……あはは、うん、ちょっと熱くなっちゃった。もう、大丈夫」 頬を叩いて、気を取り直す。
#ヴィルフリート
俺も、少々気が変わった」
ヤンファ
へェ?」 ヴィルフリートの方を興味ありげに振り向き
シャルロット
「……ヴィルフリート様?」 おや、やる気だ。
ヤンファ
「いいのか?戦に関与しないっつってたじゃァねえか」
#ヴィルフリート
「自らの認めた相手を此処まで虚仮(こけ)にされて腹を立てぬ程、枯れ果てた覚えも無い」
#ヴィルフリート
そう言って、蠱惑的な銀の輝きを放つ剣を抜き放つ。
#ヴィルフリート
「雑魚は、貴様らには指一本たりとも触れさせはせぬ」
#ヴィルフリート
「全力で、ドゥラージュを討て」
ヤンファ
「そうかィ。なら頼りにさせてもらうぜェ!」
シャルロット
「ぅわ……これ、正直直接対決とかにならなくてよかったのでは……?」 その剣の迫力に、ちょっと引き気味に
エリカ
「……」 敵だったら正直勝てる気はしなかったな。
ソルティア
「お願いします、ヴィルフリート様。あの相手で、他ごとにかかわってる余裕は全くありませんからね……!」
#ドゥラージュ
さぁ、シャルロット・イエイツ。〈ファランダレス〉を解放なさい」
シャルロット
「わざわざおいでいただかなくてもそのつもりでしたが、その縛られた身を解放できるのであれば、あなたがここに来たことは良かったといえるでしょう!」
ソルティア
「頼みましたよ、シャルロットさん。そればっかりは僕らでは代われませんから」
シャルロット
「ドゥラージュ、訂正をいたします」 剣をゆっくりと抜き放ちながら言おう
ヤンファ
」 シャルが剣を抜いたのに合わせ、己もヴァイケリオンを抜く
#ドゥラージュ
「訂正?」
シャルロット
「私はシャルロット=イエイツ=“ヘリオドール”。貴方がたが固執する“イエイツ”それだけの存在ではありません!」
#ドゥラージュ
私には、関係の無い事です」 そう言って引き抜くのは、黒く染まりかけた、金色であったろう剣。
シャルロット
「騎士神ザイアが使徒として、《担い手》シャルロットとして、私として、貴方がたに反旗を翻させていただきます!」 剣を抜ききり、戦いの火蓋を気って落とす
ヤンファ
「九代目当主にして《刃狼》ヤンファ・シャンリーク……同じく、ただ己を貫く者として我が力を此処に示さん」 ヴァイケリオンの剣先をドゥラージュに向けて構え
シャルロット
いきましょう、ヤンファ!」 轟、と吹き荒れる嵐は、以前霧の城で見せたあの力の奔流だ
ヤンファ
あァ!」 刀身を重ね合わせ、力を篭める
GM
二つの剣を中心に巻き起こる力の渦。
シャルロット
「応えてください〈ファランダレス〉!」 そして、力を望む形へ、限界まで解放する!
ヤンファ
「我が意志の下に〈ヴァイケリオン〉!」 その大きな力を受け止めるように、刀身を離さず力を篭める
GM
〈ファランダレス〉に力を込めると、大きな光が、刀身から放たれる。
GM
同時に、君たち4人の心の内から湧き上がる、“人”としての力。
GM
この戦闘では、君たちには達成値「50」の【コンヴィクション・ウェポン】と【コンヴィクション・シールド】が付与される。
#ドゥラージュ
よろしい。では、始めましょう。貴方方の現在の力を見せてみなさい」