虚ろの輪音

第二部 第五話「蒼の叡智、灰白の花」 - 03

GM
翌日
GM
霧の街を抜けてルナティアと合流し、君たちは一路竜槍山脈の南部を目指す。
GM
ルナティアの様子は、いつもと変わらぬ状態になっていたようで、昨日の様子を見たのはヤンファだけだ。
GM
道中、君たちは所々である光景を目にする。
GM
それは、あちらこちらに咲き誇る、灰白色の花。
GM
もう何度も話に出て来た、〈ヴァニタス〉。
GM
思えば君たちの出会いの最初の頃から、水面下で関わり続けて来た花だ。
GM
その花は、見た目はとても美しく、淡く輝いているが、何処か儚げなものを感じさせる。

GM
さらに進み、スーラ湖とシェス湖の間を繋ぐ水路が細くなっている箇所に橋が渡されていた。
GM
それを渡り、湖の西側へ。目的の竜槍山脈はもうすぐだ。
GM
いつもの4人にルナティアを加えた奇妙ないや、もうそう奇怪な組み合わせではないか一行は、順調に道を進んでいた。
GM
だが、思えば順調過ぎる程だ。
GM
確かに報告では蛮族の姿を見掛けることは少なかったとあったが、此処まで君たちは蛮族とまったく遭遇していない。
GM
いくら蛮族同士で大きな争いがあったとはいえ、この様子は不思議に感じられるだろう。
GM
何らかの理由が存在している事は、疑いようがない。
GM
それが何なのか、はっきりとしないのがさらに君たちの不安を増長させる。
GM
そんな思いとは裏腹に、道程はそのまま順調な状態が続く。
GM
そのまま、障害らしい障害と遭遇することもなく、君たちは竜槍山脈の麓に辿り着く。
GM
そこには、今まで以上に多くの灰白の花が群生していた。
GM
基本的に温暖な気候であるザルツ以北は、山岳地帯であっても余程の高さまで登らなければ肌寒い程度で済む。
GM
竜槍山脈も例外ではなく、丁度過ごしやすいくらいの気温だ。
GM
ただ、それでも何処か薄ら寒さを感じてしまうのはこの灰白の花が発している、冷たく淡い光のせいだろうか。
GM
砂漠の傍であるというのに、この山脈にはその花以外にも植物が多く生えている。
GM
青々とした豊かさを感じさせるのではなく、どれもこの〈ヴァニタス〉に通じるような雰囲気を感じさせるものだ。
GM
風景は、一貫して灰色と白色で構成されていた。
ヤンファ
「……当初は奇跡の花だったってのに、今見ると気色悪ィなァ」
エリカ
「……」 否定もしないが、同意もしない。
#ルナティア
「……綺麗な光景ではあるけれど」
ソルティア
「ここまでの規模ですと、薄ら寒いものを感じますね……」
シャルロット
「そうですね……希少なものがあたりまえにある、というだけで違和感がつきまとうのではないでしょうか」
ソルティア
「……結局のところ、この花が一体何であるか、と言うのはほとんど分からないも同然なんですよね……」
#ルナティア
「それは、普通の花だって一緒よ。……興味が無ければ、誰も見向きすらしないわ」
ソルティア
「無知の上に存在している、か。それを思うと、恐ろしいね……」
ヤンファ
「……その“蒼き観測者”、大丈夫なのかァ?」 この先にいるんだろ?
#ルナティア
「ええ、まだもう少し先だとは思うけど」 と言いながら、空を見上げる。
ヤンファ
「ン?」 つられて上を見る
GM
見上げた先にあったのは、雲に覆われた灰色の空に浮かぶ、巨大な蒼い影。
GM
サイズや形からして、まず鳥ではない。
ソルティア
「あ……」
シャルロット
「おや……」
エリカ
「……」 思わず ひっ と口から出かけた。
ヤンファ
「オイオイ……誰だよあんなの鳥って言い始めたやつ」
#ルナティア
「それは知らないわ。……でも、姿を見せる気はあったみたいね」
GM
その首がふと、君たちの方を向くと、竜はそのまま標高の高い所へ向けて飛んでいく。
エリカ
「………びっくりした………」 はぁ。
ソルティア
「当然、僕らがここに来たことは分かっているんでしょうね……」
#ルナティア
「観測者というくらいだから、ね。そのくらい把握していなければ、お笑い種よね」
ヤンファ
「来い、ってかァ」
シャルロット
「住処に潜り込んできた邪魔者を排除しようとしているとか、そういう展開じゃない事を祈りますよ……」
#ルナティア
「……今更そんな事にこだわるような相手にも思えないわ」
ヤンファ
「俺ら人間なんぞ、ちっぽけな存在にしか過ぎないだろうしなァ」
シャルロット
「さ、行きましょうか。行き先は示していただけましたし」
ソルティア
「……えぇ、行きましょう」 いつもの隊列でれっつごーだ

GM
先程見えた影を追って、君たちはそのまま山を登り続ける。
GM
北上しつつ、山の高い所へ向かえば向かう程、灰白の花の数は増えていく。
シャルロット
「これ……増えてる。どうして……?」
#ルナティア
「……群生に適した環境になっているんでしょう。私たちの向かっている先が」
ソルティア
「……生息の仕方に特徴があるようですね、この花は」
ヤンファ
「にしても異常、だがな」
エリカ
「……そういえば、最初に見たところも山頂だった……」

GM
そして、辺り一面が〈ヴァニタス〉で覆われ始めた辺りで、視界が開ける。
GM
どうやら、この辺りで一番高い所までやってきたようだ。
GM
山林が大きく開き、灰白の花が生い茂る場の中央に、それは居た。
GM
君たちよりもずっと大きい、神を除けばこの世界で最も強大な力を持つといっても良い種族。
GM
蒼く、鈍く輝く鱗に覆われた巨体、力強い一対の翼と強靭な爪を持つ手足、ぎょろりとした大きな眼。眼前の生物は、お伽話に聞く竜に相違なかった。
エリカ
「………」 う、わあ。
#蒼竜
何用か、人の子よ」
#蒼竜
静かに首を動かし、瞳を君たちに向けながら問う。
エリカ
「っ」 びくぅっ。
ヤンファ
「………」 流石に目の前にすると、圧倒されるな
#ルナティア
「……」 ひとまず、話すのは私じゃない。
シャルロット
「……知恵をお借りしたく、参りました」
シャルロット
一歩前に出て、高い位置にある目を見て語る
ソルティア
「………」 圧倒されるが、一礼だけはしておこう。礼は欠かしてはならぬ。
#蒼竜
「知恵、か。人の子が、知恵を求めてやって来るのは……どのくらい振りだったか」
ヤンファ
「そもそも此処まで登ってこようと思わねェしなァ……ま、それはともかく」
ヤンファ
「まずは、名乗っておくトコか」
シャルロット
「そうですね……私は、シャルロット=イエイツ=ヘリオドール。宜しくお願いします」 ぺこ、と頭を下げ
ヤンファ
「俺はヤンファ。ヤンファ・シャンリーク。ソイツのお供だ」 シャルを顎で指し
#蒼竜
「……成程。レナ・イエイツの子孫か」
#蒼竜
「そしてそちらは、シャンリーク……懐かしい名だ」
ソルティア
「ソルティア、と申します」 ぺこりなう
エリカ
「……え、エリカ・ケイです」 ぺこっと頭下げ。
#ルナティア
「ルナティアよ」
#蒼竜
「……うむ」
#蒼竜
「我が名は、カエルレウス。世界を観測する者だ」
エリカ
「……」 レナっていうと、過去の映像で見たあの人か。
シャルロット
ご存知なのですか?」 レナとシャンリークを
ヤンファ
「こっちも聞いたことある、か」  どの代かが会ったのだろうか。やはり初代か
#カエルレウス
「然様。汝らの祖先には、知恵を貸した事がある」
シャルロット
「……!」 ここに立ち寄っていた、ということに驚きを隠せない
#カエルレウス
「それももう、300年程前の話か」
ソルティア
300年前……」
ヤンファ
「……やはり初代、ロウファ・シャンリーク」
#カエルレウス
「……して、汝らはどのような知恵を求める」
シャルロット
「聞きたいこと、知りたいことそれが、数多あります。どうかお答えいただきたい」 一歩、さらに前に出て
シャルロット
「何よりも必要なのは、私の身体のことです」 ええっと、全部言ったほうがいいのか?
#カエルレウス
「我は、人にも蛮徒にも、必要以上の干渉はせぬ」
#カエルレウス
「与えられる知恵は、限られたものと心得よ」
#カエルレウス
「汝らの始祖たちも、最後は己たちで道を作り、選んでいったのだ」
ヤンファ
「……オーケィ」 そう言われたら首を横に振ることもできまい
シャルロット
はい」 そこの点は、しっかりと胸に刻まなければならない
エリカ
「……」 あくまでヒントを出すだけ、ということだろうか。
#ルナティア
「……偉そうね」
エリカ
「……ちょ、ちょっと」 思っても言わなかったのに!
シャルロット
「こ、こら、ルナ……」 酷い発言が聞こえてくる
ソルティア
「ちょ、ルナッ、しぃっ」 あわわ
#ルナティア
「……だって偉そうじゃない」
エリカ
「そ、そうだけど……あっ、いや」 同意しちゃった!
ヤンファ
「お前らなァ……」 別にいいけど
#カエルレウス
「良い」
エリカ
「す、すいません……」 許された……。
シャルロット
「そうですよ、良いっていってるんですから、口を慎まないとえええ!?」
#カエルレウス
「その程度で腹を立てていては、この世界を中立の立場で観測する事など出来はせぬ」
#ルナティア
「だそうよ」
ソルティア
「も、申し訳ありません……」 竜にぺこりしつつ。 「思ってても言っていい事と悪い事があるの……!」 めっ
ヤンファ
「ま、そんなことで気を悪くする程短い人生いきてきたワケじゃァねえだろ……いや、竜生?」
シャルロット
「な、なんとも心の広い……いえ、まあ……そうかもしれません」 なんだか肩肘張ってたのが馬鹿みたいになってきた
#ルナティア
「……結局みんな思ってるんじゃない」
エリカ
「う、うるさい」
ソルティア
「いや、僕は思ってないけど……」 思ったのは君だよ><
ヤンファ
「俺もなんも言ってねえだろ」 巻き添え食わすなよ
シャルロット
「偉そう、というか、気が遠くなるほど先達なのですから、私は自然に受け止めてましたけど」
ヤンファ
「で、脱線しちまったな」
#ルナティア
「前」 話を逸らした本人が顎で竜を示しながら言う。
ソルティア
「……… はぁ」 駄目だこりゃ。ため息ついて竜に向き直る。
エリカ
「……」 くっ。
#カエルレウス
「……うむ」
シャルロット
「そ、そうでした」 こほん
ヤンファ
「とりあえず、さっきシャルが言ったとおりだ」
シャルロット
「私は」 ファランダレスを使ってぴゃーして弱っていて、もりもり元気になる方法を知りたいのだと説明しよう

#カエルレウス
ふむ」
#カエルレウス
「常時ならば、それはとてつもなく困難な事であったろう」
シャルロット
「……常時であれば……まさか、ヴァニタスに関わることでも?」
ヤンファ
……」 む、と一瞬顔を顰める
#カエルレウス
「然様。今この時であれば、それは実に容易い」
エリカ
「……え?」 どういうことだ。
シャルロット
「……どうして。いえ、そもそもあれは一体何なのですか?」
#カエルレウス
「汝の身体の異常、ひいては〈ファランダレス〉は、この〈ヴァニタス〉の成り立ちや性質とも深く関わっている」
ソルティア
「え……」
エリカ
「〈ファランダレス〉と、〈ヴァニタス〉が、関わってる……?」
ヤンファ
「………」 可能性はどこか頭の隅に置いていたが……
シャルロット
「お伺いしても良いことでしょうか」
#カエルレウス
〈ヴァニタス〉の本質は、その根や茎、葉や花といったような部分ではない」
#カエルレウス
「この世に存在する総ての植物いや、それ以外の物も、〈ヴァニタス〉に成りうる」
ソルティア
「……全ての物が、ですか?」 眉をひそめたまま
シャルロット
「……それは」 とんでもない話だ
エリカ
「成り、うる……?」
ヤンファ
「生えている、ではなく、侵食してる、とでも言うのかァ?」
#カエルレウス
「存外に聡いな」
ヤンファ
「るせェ」 一言多いなオイ
ソルティア
「と言う事は、ここまで来るときに見たヴァニタスも……」 それ以外の花は変化する前の奴か
#カエルレウス
「その本質は……娘、一輪、手に取ってみよ」 とルナティアを顎で使うわ。
シャルロット
「……」 ルナティアに白羽の矢が
#ルナティア
「……嫌だ、と言いたい所だけど」 一輪取ったった。
エリカ
「……」 とりあえずルナティアの方見た。
ソルティア
「………」 ルナの手の中のヴァニタスに目を
#カエルレウス
「ヴァニタスのどの部分でも良い。指を強く擦りつけてみるが良い」
#ルナティア
「……」 やる? とみんなにヴァニタスを差し出して
エリカ
「……」 どうぞどうぞ
ヤンファ
「………」 ルナのちっさい手に握られた花を見つめ
ヤンファ
「いや、いいから早くやろうぜ」 はりーはりー
ソルティア
「……じゃあ、僕が」 と手甲を外して。
ヤンファ
「お、おォ」 意外な目でソルティアを見る
#ルナティア
「……ん」 ソルティアにつきだした。
ソルティア
「うん」 じゃあそのまま親指を強く擦り付けてみよう。何、抵抗力は一番高いさ。
GM
ソルティアが指を擦りつけてから、その指を見てみれば
ソルティア
「………」 見てみれば
GM
その指先には、薄い灰色の小さな無数の粒が付着している。
#カエルレウス
「それが、〈ヴァニタス〉の本質だ」
ソルティア
「……灰色の粒……少なくとも、植物的なものじゃないみたいだけど……」 セージはありません。
ヤンファ
「あン?」 よく見えねえ、とソルティアの手を目凝らしてじーっと見てる
エリカ
「粒……?」 なんだろう。見識してみればいいのか。
#ルナティア
「……花粉、ではないわね」
シャルロット
「本質……」
ヤンファ
見識2D6 → 6 + 3 + (7) = 16
エリカ
見識2D6 → 5 + 3 + (15) = 23
GM
本来は、目に見えるはずの無いものが濃縮されまくって、可視化したものだ、というのは分かる。
シャルロット
「もしかして、マナですか?」
#カエルレウス
「否」
エリカ
「……私も一瞬そう思ったけど」
エリカ
「でも、それなら魔晶石みたいな感じになるはずだし……」
シャルロット
「じゃあ生命力とか……魂、みたいな」
ヤンファ
「………」 顎に手を当て
ヤンファ
「……侵食する、薬になる、なら」
ヤンファ
「そのままシャルの言うとおり、生命力みたいなモンじゃァねえのか?」
GM
では、マナ以外で、本来目に見えず、他の器官で捉えるはずのもので、君たちに関わりの強いものと云えば、何があるだろうか。
エリカ
「………音?」
#カエルレウス
然様(いかにも)
ヤンファ
「音ォ……?」 まじで、といった顔で
ソルティア
「……え」
シャルロット
「お、音?」
エリカ
「……」 ふと思いついたのを言ってみただけだったんだけど。
#ルナティア
「……」 自分でも指にこすり付けて、耳に近づけて見た。
#ルナティア
「……何も聞こえない気もするけど」
ソルティア
「ま、まさか……音が視覚化するなんて、聞いた事が……」
#カエルレウス
「音そのものでは無い」
#カエルレウス
「それは、〈胡弓〉の力の残滓だ」
シャルロット
「……!」 思わず一歩引く
ソルティア
「ッ……ここでもまたその名前ですか」
エリカ
「……!? 胡弓って、ライフォスの……ううん、〈救世の胡弓〉……?」
#カエルレウス
「……然様」 より正確には、また違うのだが、と付け加えて。
ヤンファ
「………」 目を細め、シャルの様子と共に観測者に鋭い視線をやる
ソルティア
「力の残滓……魔力を乗せた音の塊、みたいなものなんでしょうか……?」
#カエルレウス
「その認識で構うまい」
#カエルレウス
「《大破局》の後から、ザルツ地方とエイギア地方の一部に存在し、漂い続ける〈胡弓〉の残り香」
#カエルレウス
「それが誰も気付かぬ内に降り注ぎ、堆積し、植物などを変容させたものが〈ヴァニタス〉。故に、常時であれば数十年に一度しかその姿を現さぬ」
ソルティア
「音に乗って拡散したマナの塊……それと、ファランダレスが関係する、とは……」
エリカ
「……植物なのに、群生もせずに数十年に一度なんて、変だとは思ったけど……」 そういう理由なら納得がいく。
ヤンファ
「………」 言いたくはないが、引き金は間違いなく……
シャルロット
「そんなものが……じゃあ、今〈胡弓〉は力を取り戻しつつあるということなのですか」
#カエルレウス
「正確には、〈胡弓〉ではなく〈救世の弔鐘〉と云う」
シャルロット
「〈救世の弔鐘〉……か、鐘? 弓ではなく?」
エリカ
「鐘……」 確かにそっちの方が、音は遠くまで届きそうだけど、なんて思いつつ。
#カエルレウス
「……少々、昔話をするとしよう」
#カエルレウス
かつて、アレクサンドリア・クラウゼと呼ばれる人族の娘が居た」
ソルティア
「アレクサンドリア……」
ヤンファ
「クラウゼ!」
#カエルレウス
「後に建国王となるアレウス・クラウゼの実の妹であり、アレクサンドリア自身も、後に“救世の聖女”として崇め奉られる事になるのは、汝らも知る所だ」
#カエルレウス
「アレクサンドリアは、生まれた時から、その身に穢れという名の咎を背負っていた」
シャルロット
「……」 ナイトメアだったのか
エリカ
「穢れ……? それって、ナイトメアだったって……こと、ですよね」 ちら、とソルティアとかの方見つつ。
#カエルレウス
「然様」
ソルティア
「………」 ナイトメアとしては複雑な気分になるな。
エリカ
「……」 知らなかった。いや、当たり前か。聖女様が穢れ持ちだなんて、英雄譚にするには都合が悪い。
#カエルレウス
「クラウゼの血筋の特徴である、美しい金色の髪を持たず、それとは正反対の、白銀の髪を持った、儚い雰囲気の娘だった」
#ルナティア
「…………」
ヤンファ
「……白銀?」
#カエルレウス
「だが、娘は自分の生まれを卑下する事なく、人々の為に尽くし、始祖神の声を聞く事となった」
ソルティア
「………」 どこかで聞いたような話だな
#カエルレウス
「そして後に、《大破局》が起こる」
#カエルレウス
「人族は劣勢に追い込まれ、状況を打開する為の最終手段として、〈ライフォス胡弓〉に目が向けられた」
#カエルレウス
「〈胡弓〉は当時、クラウゼとイエイツ二つの家の者たちによって管理されていた」
#カエルレウス
「その力は、あまりに危険。故に、両家は長きに渡り、誰にも使用される事の無いよう、厳重に管理を続けて来た」
#カエルレウス
「だが、《大破局》に際して、彼らはついにその封印を解き放つ事となる」
#カエルレウス
「忌み子であったアレクサンドリアを贄と捧げ、自らの手に勝利を呼び込む為に」
#カエルレウス
「結果、アレクサンドリアと〈胡弓〉は一体化し、〈救世の弔鐘〉と呼ばれる新たな神器が誕生した」
#カエルレウス
「汝らの世界では、〈救世の胡弓〉として伝わっているものだ」
#カエルレウス
「鐘の音によって、意志を統一され、身体能力をも大幅に強化された人族軍は、そのまま蛮族軍を押し返し、《大破局》は思いの外容易く終わりを迎える」
#カエルレウス
だが、〈弔鐘〉とアレクサンドリアは存在し続けた」
#カエルレウス
「そこに彼女の意志はあったのか、彼女がそれを制御できていたのか、いなかったのか、そこまでは、我も与り知らぬ」
#カエルレウス
「だが、クラウゼとイエイツの者たちは、それがそのまま存在している事を良しとはしなかった」
#カエルレウス
「そして、両家の者たちは〈弔鐘〉とアレクサンドリアを再び封じる事を決めた」
#カエルレウス
「その為の手段が〈ファランダレス〉と〈リベラリオン〉という二つの魔剣だ」
#カエルレウス
「だが、神器と合一したアレクサンドリアを完全に封じる事は、容易い事ではなかった」
#カエルレウス
「故に、両家の者……此処からは《護り手》と呼ぼう。彼らは、アレクサンドリアの力を五つに分散させ、それぞれを別の場所に封じ込めた」
#カエルレウス
「一つ、《響の楽園》。二つ、《調の神殿》。三つ、《奏の城》」
#カエルレウス
「四つ、《ヴァニタートゥム海底遺跡》」
#カエルレウス
「そして、最後に残った最も強力な部分アレクサンドリアの肉体と〈弔鐘〉の主要部分は、遠く離れた始祖神と縁深い地の者たちに管理が託された」
#カエルレウス
「これが、“救世の聖女”の話だ」
エリカ
「……遠く離れた地っていうのは、セフィリア神聖王国、ですね」 アランの話と繋がった。
#カエルレウス
「然様」
#ルナティア
「…………」 静かに、皆の反応を眺める。
ヤンファ
「……『アレクサンドリア様は、変わってしまっている』」
ヤンファ
「『そうするしかなかった』、みたいなことは言っていたが……」 これはあまりにも
シャルロット
「……ん? セフィリア神聖王国がこんなところで絡んでくる、ん?」
エリカ
「……元が始祖神の神器なんだし、あの国に預けられるっていうのは、そう変な話じゃないと思うけど」
シャルロット
「それはそうなのですが……」
ヤンファ
「……成程な。それでセフィリアの《虚音事変》か」
ソルティア
「………」 やっぱりたどり着くのはそこか。
ソルティア
「……世間的には、危険なので破壊した、と説明されてますが……」
エリカ
「……どういう理由でかは解らないけど、何かの弾みで神器の力が働いちゃった……ってことみたいですね」
シャルロット
「興味深いお話でした……というか、知りたくても知りえぬ史実でした」
#カエルレウス
「人の世には、伝わっておらぬ話であろう」
#カエルレウス
「他ならぬ、クラウゼとイエイツの始祖たちによって秘匿され、汝らにさえ伝えられる事の無い話なのだから」
シャルロット
「……でも、どうして」
シャルロット
「その事実を、私たち末代に伝えていかなかったのでしょうか」
#カエルレウス
「……人の子らの心は、我よりも人の子らの方が理解出来るだろう」
シャルロット
「……」 人の心、というところについては目を伏せ
ヤンファ
「伝えれなかったんだろうよ」
ヤンファ
「アレクサンドリアという救世主が、実はいいように使われ」
ヤンファ
「そしていいように俺らの先祖が封じた」
ヤンファ
「そんなこと、伝えたら今の俺たちに立場なんてあったもんじゃァねえ」
ヤンファ
「……消されたんだよ、真実は」
ヤンファ
「そして……」 下を向き  「……アレクサンドリアがそれを恨まない、なんてことはない」
エリカ
「……」 都合が悪いことは秘密にしておく。よくある、ことだ。
エリカ
「けど……」
エリカ
「本当に子孫にも誰にも伝わってないんでしょうか」
#ルナティア
「……どういうこと」
ソルティア
「………」
ヤンファ
「少なくとも、イエイツ、シャンリークには伝えられてねェみたいだな」
エリカ
「いや……なんていうか、皇帝陛下(あのひと)は……何となく知ってそうな気がしただけ」
シャルロット
「……そうか。知っている可能性もあるんですね」 色んな事を聞きすぎて、そっちに頭がまだまわってない
エリカ
「少なくとも、一部始終は知ってるって思った方が色々納得するっていうか……」
ヤンファ
「〈ヴァイケリオン〉の試練に記憶の継承があった」
ヤンファ
「〈リベラリオン〉にも同じような継承があってもおかしくはねェが……」
#ルナティア
「……今度、直接問い質してみればいいわ。きっと、そう出来る機会が近い内に来るでしょうから」
エリカ
「え……い、いや、直接とかちょっと……」 皇帝陛下っすよ。
#ルナティア
「気にせず問い質せるような機会が来る、と言ったのよ。きっとね」
シャルロット
「あのカエルレウス様」 さま? さんのほうがいいのかしら。わかんないけど
#カエルレウス
「どうした」
シャルロット
「その、性急で申し訳ないのですが残滓のことは理解しました。では、それらをどうすれば力を取り戻せるのでしょうか?」
#カエルレウス
目には目を、毒には毒を、《虚音》には《虚音》と同質の力を」
ヤンファ
「……相殺しろってか」 あの凄まじい力を秘めたモノと
#カエルレウス
「汝の身体は、〈ファランダレス〉の解放により、《虚音》に侵されたのと同様の状態になっている。……尤も、《担い手》たる汝であれば、同様と気付くには難しい程影響が軽くなっているが」
シャルロット
「ファランダレスの解放で、そんな影響が……」
#カエルレウス
「公王アルフレートⅢ世を思い出すが良い」
#カエルレウス
「彼の者の置かれた状況は、《虚音》に侵された者と酷似しているのではないか」
シャルロット
「……」 後ろでも興味深い会話が展開されているが 「……なるほど」 とカエルレウスに頷く
ヤンファ
「……となると」
#カエルレウス
「汝が望むのであれば、〈ヴァニタス〉を利用し、我が儀式を行おう。その前に、ひとつ覚悟を問わねばならぬが」
ヤンファ
「………」 ヴァニタスを利用しての儀式、か
シャルロット
「覚悟……?」
#カエルレウス
「然様。具体的にどのような覚悟かは、汝らの話が全て済んでからが良かろう」
ソルティア
「……白銀の髪……ナイトメア……始祖神の神官……」
エリカ
「……ソルティアさん?」 なんか呟いてるけど。どうしたんだろう。
ソルティア
「……いや……」 首を横に振り。 「突飛な……本当に突飛な事なんだけど……」
ソルティア
「“救世の聖女”の生まれとか……ベアトリスさんに、妙に似てない……?」
ヤンファ
「はァ……?」 って顔をする
エリカ
「それは私も少し思いましたけど……」 と。 「……まさか、ソルティアさん」
ヤンファ
300年前の話だぜ……?」
エリカ
「……確かに、ナイトメアに寿命は確認されてないって言うし……いや、けど、まさかそんなわけ」
ソルティア
「分かってる、分かってます……でも、アレクサンドリアもベアトリスさんも、同じように皇帝の補佐をする神官で……」
ソルティア
「いや、考えすぎで……考えすぎだと思います、けど……封印された“アレクサンドリアの肉体”って言うのが、妙に引っかかって……」
エリカ
「でも聖女様は神器と一体になっちゃったっていう話で……」
#カエルレウス
「人としての身体を失った訳ではない」
エリカ
「………」
ヤンファ
「あァ、〈ヴァイケリオン〉の試練でも言ってたぜ。アレクサンドリア様がどうこうってな」 ちゃんと儀式の後にも存在してたことがわかる
ソルティア
「うん……そうやって神器と一体した後でも、生きていて、意志がある、って言うなら……」
エリカ
「後に伝えられなかったこと、皇帝陛下が知ってても、おかしく、ない……?」 当事者が、直ぐ傍にいたのなら。
#ルナティア
「…………」
シャルロット
「……では、何故?」 一つの疑問だ
ソルティア
「……何故、と言うと……?」
シャルロット
「そんなジョーカーを抱えた状態で、何で“普通に”進軍なんかしてるんですか?」
エリカ
「……?」
ヤンファ
「そもそも、目的が一致してないんじゃァねえのか」
ソルティア
「それは……分かりません。ですが……恐らく、ファランダレスに関係しているだろう事は……」 困ったように眉を顰めて。
#カエルレウス
「…………」 話し合いの間、カエルレウスは地面に首を横たわらせて休んでいよう。
ソルティア
「……そもそも、僕の言った事自体、極めて突飛な事ですし……もしそうだとしても、ベアトリスさんが、イコール、アレクサンドリアであるとは限りませんから……」 首を横に振って。
ヤンファ
「まァ、仮にそうだったとしよう」
シャルロット
「ユリウス陛下にしても、アレクサンドリア……ベアトリスさんにしても」
シャルロット
「関わりが無いのならそれでもいいですが……何か、今の史実と現状がかみ合わない」
ヤンファ
「それは、〈胡弓〉を集めるのが目的だと思ってるからじゃァねえのか」
エリカ
「咬み合わないって……具体的に、どう?」
シャルロット
「仮に、その史実をユリウス陛下が知っていたとして……」
シャルロット
「……普通に進軍するより、ジョーカーを完成させて殲滅戦をするほうが早いのは、間違いないでしょう?」
エリカ
「……そのジョーカーを完成させるための進軍じゃ、ないの?」
ヤンファ
「お前の言っているジョーカーはどれだ。アレクサンドリアか」
シャルロット
「まあ、〈胡弓〉、ですね」
ヤンファ
「ならエリカの言うとおりだろ」
シャルロット
「でも、このままなら順当にヴァルクレア城を攻略なんていうことも夢ではないのでは?」
シャルロット
「事実、私たちは〈胡弓〉の力を利用して勝利してはいないはずです」
エリカ
「……」 うん?
エリカ
「あれ、いや……確かに変……?」 そうなれば、目標であるエイギアの攻略が済んだも同然だ。コトが終わってしまう。
ヤンファ
「むしろ、ヴァルクレア城は〈胡弓〉の為に行くんだろ」
シャルロット
「では……その先の目的は?」
ヤンファ
「仮定がすべて正しいなら」
ヤンファ
「ユリウスが世界の為に〈胡弓〉を」
ヤンファ
「アレクサンドリアは……」
ヤンファ
「……復讐の為に〈胡弓〉を」
ヤンファ
「だから、その〈胡弓〉を完成させるために動いている……と俺は思ったが」
ヤンファ
「……ま、流石に大仰な話だから信じろとは言わないが」
シャルロット
「……」 つまり、蛮族殲滅なんていうのは前段階でしかないということだ
ソルティア
「一つは《響の楽園》、一つは《調の神殿》、一つは《ヴァニタートゥム海底遺跡》、一つはセフィリア……所在が分からないのは《奏の城》だけ……」
ソルティア
「その《奏の城》がヴァルクレア城であるなら……欠片を集める為に動いている、と言う理由は成り立ちます、ね……」
#ルナティア
「……〈ファランダレス〉と〈リベラリオン〉は、鍵」
#ルナティア
「……そうよね、カエルレウス」
#カエルレウス
「然様。封印を開閉する為の鍵に他ならぬ」
シャルロット
「〈ファランダレス〉自体は、手にありますし判りますが……〈リベラリオン〉は誰が使い、どこへいったのでしょう?」
#ルナティア
「〈ファランダレス〉がダーレスブルグなら、〈リベラリオン〉が何処に伝えられているかは、分かるでしょう」
ソルティア
「……ルキスラ帝国……」
ヤンファ
「その〈鍵〉を持ってるから、あの男は動いてるんじゃァねえのか」
シャルロット
「……その魔剣の所在を探し出すところから、ですかねえ……」
#ルナティア
「……二つ共が機能して、初めて意味を為すのなら?」
ヤンファ
「……二つを同時に使わせなければならない。今、片方を失くしては困る、か」
ヤンファ
「意味を成すには自分も動かないといけないしなァ……あの野郎、それで前線に来てるってのか」
ソルティア
「リベラリオンにせよファランダレスにせよ、担い手がいなければ機能しないって言うなら……」
シャルロット
「リベラリオンの担い手も存在するわけですよね……はぁ」 気が重い
エリカ
「皇帝陛下自身が担い手……なんじゃないの?」
シャルロット
「その線で調べてみましょうか。……封印、解かせるのはよろしくないように思いますし」
ソルティア
「……そうすると、皇帝の目的は、戦争の勝利でも人族の解放でもなく……胡弓を完全な状態で復活させる、為?」
エリカ
「問題は、胡弓を使って何する気なのかってところだと思いますけど……」
ソルティア
「胡弓を使って何かする、と言うのが目的じゃなく……胡弓自体が目的、と言うのはあるかもしれないけど……」 うーん
エリカ
「……使わない道具に意味は無いと思います」
エリカ
「少なくとも、あの人はモノをコレクションして満足するタイプじゃなさそうですし」
ソルティア
「……道具は何も、そのままの使用用途に使わなくてもいいんだ。存在するだけで……象徴として価値がある、と言うなら……」
ソルティア
「……もっとも、本当にそんな理由だったら、僕らがそれを止める理由は見当たらないわけだけど……」
エリカ
「……そんなのなら、わざわざ古い本物を完成させる必要なんてないです。適当にでっち上げちゃえばいいんですから」
エリカ
「だから、何か使う理由があると……思うんですけど」 象徴にするにしたって、そうして何をするというのか、という話だ。
ソルティア
「ん……そう……かもね」 否定するだけの根拠も無かった。
#ルナティア
「……ふぅ」
#ルナティア
「肝心な所で、まとまらないのね」
#ルナティア
「少し、話を飛躍させすぎよ」
ヤンファ
「……ま」
ヤンファ
「どっちにしろコレ、仮定の話でしかないしな」
エリカ
「……」 むー。
エリカ
「……まあ、そうですね」
ヤンファ
「まだ彼女がそうであると決まってもねぇし」
ソルティア
「……そうだね。これ以上考えても、糸口が見つかりそうも無い」 首を横に振って。
シャルロット
「……とりあえず、頭に入れて置きましょうか」
ソルティア
「……いっそ、陛下に問いただしてみるのもいいかもしれませんね」 はは、と無理に冗談にするように笑う。
ソルティア
「……ま、その可能性があると言う事だけは覚えておこうと言うことで」 いつもの結論でした
ヤンファ
「割と収集つかねえトコまで来たのを止めなかった俺も俺だが」
ヤンファ
「シャルの身体の為に元々来たんだしなァ」
シャルロット
「あまり、ヴァルクレア城を攻略したくなくなってきましたね……」
エリカ
「……しないわけにも、いかないでしょう」
ヤンファ
「既に引き下がれない、ってのは何回も言ってる筈だぜ」
シャルロット
「良い結果にはなりそうにありませんが。……さて」
#ルナティア
「……どんな結果を引き寄せるかは、あなたたち次第、よ」
シャルロット
聞きたいことは他にもあるのだが、さっきの話をすべきか
#カエルレウス
「話は済んだか」
シャルロット
「はい」 てくてくもどってくる
ヤンファ
「悪ィな。寝てたか」
エリカ
「……」 はふ。とりあえず、この話はここまでか。
#カエルレウス
「流石に、竜と云えども歳を感じる事はあるのでな」
エリカ
「…………」 これはジョークと受け取っていいんだろうか。
#カエルレウス
「……さて」
#カエルレウス
「何の話であったか」
エリカ
「……」 素なんだろうか。反応に困る……。
ヤンファ
「おォ……」 歳感じてるな
ソルティア
「えーと、シャルロットさんの体調を治す儀式と、覚悟うんぬんでしたか」
#カエルレウス
「然様であったな」
#カエルレウス
「……先程、汝らがしていた話にも関わる事になるが」
シャルロット
「……?」 関わるの
ソルティア
「はい?」 かかわるんですか?
#カエルレウス
「汝が儀式を行えば、その身に〈ヴァニタス〉……つまりは《虚音》の力を更に強く宿す事になる」
#カエルレウス
「汝は〈ファランダレス〉の《担い手》として、より適性を得、待降の時がまたひとつ近付く事になる」
シャルロット
「……待降の時?」 聞いた覚えのある単語だ
ソルティア
「待降の時……」 一部終了時に出てきたブツが言ってた何かか。
#カエルレウス
「汝らは、それにより、より困難な道に挑む事となるだろう」
ヤンファ
「……代償、と考えていいんだなァ?」
シャルロット
「適正を得る、というのはわかります。ですが、待降の時とは……?」
#カエルレウス
「恐らくは」 何処か遠く、北の方向を見て。 「先程言っていた封印も、解かざるを得ぬ状況に追い込まれるであろう」
#カエルレウス
「……いや、あるいは既にそうなのやも知れぬ」
ソルティア
「……胡弓の封印、ですか」
シャルロット
「……とかざるを、えない?」
#カエルレウス
「待降とは、神の降臨する時の事。言葉通りの意味だ」
ソルティア
「神の降臨……始祖神、ではないですよねぇ……」
ヤンファ
「もっと違う、神……か」
エリカ
「神…… でも、古代神の降臨なんてそんな簡単には……あ、いや」 ちがう。
エリカ
「……」 じー、とシャルを見る。
シャルロット
「………」 判っているからそんな目でみないでください
シャルロット
「重ねて聞いてもよろしいでしょうか?」 この流れだ、関係があるだろう
#カエルレウス
「何か」
シャルロット
「私は、名の知れぬ存在からの加護の力を行使することができるようになりました。恐らく担い手としての力です。これは」 いったい、何の加護なのか
#カエルレウス
「……汝から感じる力は、神のそれではない」
#カエルレウス
「汝自身、つまりは“人”の力だと、我は感じている」
シャルロット
「人の……?」
エリカ
「……シャルロット本人の力だって、言うんですか?」
#カエルレウス
「然様。これは我の知識を持ってしても、推測でしかないが」
シャルロット
「いえ、私にそんなたいそれた力は……え、そうかもしれないのですか?」
ソルティア
「神が力を持つように、人が力を持つ……と言う事なんでしょうか」
#カエルレウス
「未だかつて、誰も観測した事のない力、あるいはそれが、道を切り開くものと成りうるのやも知れぬ」
エリカ
「……でも、神でもないのに奇跡を起こすなんて」 何処まで出鱈目なのよあんた。
ヤンファ
「……観測者ですら、推測の域を抜けないってか」
ソルティア
「……それはつまり、数千年に及ぶ人の歴史の中で初めての事、と言うことですね……」 勿論人類自体の歴史はもっと長いんだが
エリカ
「……竜すら認める出鱈目さってことね」
シャルロット
「……いや、その……ええ? じゃあこれ、力を借りてるって言うか、力を自分で引き出しているだけってことですか?」
#カエルレウス
「恐らくは」
シャルロット
「……」 恥ずかしくなって丸くなる。あの、力貸してくださいって自分に頼んでたの私馬鹿なの?
ソルティア
「シャルロットさんが面白い事になってます」
シャルロット
「ちょっとショッキングすぎて! だってそうじゃないですか!?」
ソルティア
「そうですね、面白いですね」 はっはっはー
ヤンファ
「まァ良いじゃァねえか。自分の中の神ってことでよ」
ヤンファ
「今度からもしっかり祈れよォ?」 カッカッカ
シャルロット
「わ、わかった以上そんなことしません。普通に自分の力として引き出しますモン」
ソルティア
「まぁ、結局はいつも通りって事ですねぇ」
#カエルレウス
「虚ろなる力と、確たる信念の同居……さて、天秤はどちらに傾くか」
シャルロット
「さ、カエルレウス様。それではその儀式を執り行っていただけますか?」 やるかやらないかなんて、答えは決まってるんだ
シャルロット
立ち直って、竜に向き直ると力強く言う
#カエルレウス
良いのか」
シャルロット
「物事はそういうふうに流れているようです。今更、それを根から変えるのは難しいかもしれない」
シャルロット
「ですが、私が、私の手で戦えなければ、変える事さえ適わない。でも、戦えるのであれば、私はどんなことだってできる」
シャルロット
「踏み外してしまいそうになったら、助けてくれる仲間だっている。恐れることなど、何一つないのです」
#カエルレウス
「良かろう」
ヤンファ
「シャル……」
エリカ
「……」 なんだってそういつも自信に満ち溢れているのか。
ソルティア
「まぁ後はいつも通り、冒険者奥義『気合で頑張る』ってことですか」 やれやれ、とどこか明るいため息をつく。
#カエルレウス
「なれば、周囲の〈ヴァニタス〉を集めて来るが良い。汝の身体が埋まる程にな」
シャルロット
「そ、そんなにですか? なんだか、お花に埋もれて横になるのは女の子っぽいですが、ヴァニタスだと絵になるのかなあ……」
エリカ
「………」 こんもりヴァニタスの小山が出来てる図を想像した私って一体。女子力で負けた気分。
#カエルレウス
「……ああ、この周辺の物はならぬ。此処は私の寝所であるからな」
エリカ
「……そ、そうですか」 適当にその辺のをかき集めるかと思ったところで止められた。
ヤンファ
「なんだァ、気に入ってんのか?」
#カエルレウス
「古くより、此処を寝所としているからな。寝心地が良いのだ」
ソルティア
「少し降りた場所で集めてこないと駄目って事ですか……」 シャルロットのおっぱいを隠す量だと凄い量だな。
シャルロット
「じゃあ、ちょっと下まで降りていきましょう」
#ルナティア
「……別にいいじゃない。此処で集めても」
ヤンファ
「……おっとォ」 反抗しだしたぞコイツ
ソルティア
「まぁまぁ、人の寝床を荒らすのもよくないからさ……ルナはここで待ってる?」
シャルロット
「ほーら、ルナ、一緒にいこう。お花摘みだと思えば、ちょっとしたピクニックですよ」
シャルロット
腕を組むようにして、引きずって下に行こう。力はでないけど
#ルナティア
「……行くわ。手伝わなければ、来た意味もなちょっと……引っ張らないで……」
ソルティア
「待ってる隙も無かったみたいだね……」
ヤンファ
「………」 ふう、と息を吐き
エリカ
「はあ……」 シャルロットみたいに女の子っぽい発想が出てこなかった自分に溜息つきつつ。
エリカ
とぼとぼ集めにいくわ……。
ヤンファ
「………」 しかし、あの様子じゃ見当は外れてたのか
ソルティア
「本当に仲良くなったねぇ……う~ん、ちょっとジェラしぃ」 とか口に出してる辺り本気ではないのは見え見えである
#ルナティア
「……ソル、キャラがおかしいわよ」
#ルナティア
そんな事を言いながらシャルに引きずられて行きました。
ソルティア
「ちょっとさっきのシリアスモードを飛ばしておかないといけないから……」 てくてく後をついていこう。
エリカ
「別に変に空気軽くしようとしなくていいですから……」
シャルロット
というわけで、わっさわっさと集めようかと思います

#カエルレウス
「戻ったか」 君たちがそれぞれ大量のヴァニタスを持って戻ると、蒼竜は欠伸をしながら君たちを迎える。
シャルロット
「はい、これだけあれば大丈夫かと思います」 もっさり抱えて戻ってくる。あ、カエルレウスにはちょっと聞いてみたいことがあったのだ
#ルナティア
「……ずるいわ」 人が花をせっせか集めてたのにこいつ寝てやがった。
ソルティア
「まぁまぁ……」 宥めるのは僕の仕事、多分
ヤンファ
「まァ、身体包むとなればなァ」
#カエルレウス
「……どれ」 皆の抱えた量を改めて見て。 「うむ、十分であろう」
エリカ
「じゃ、これでシャルロットを埋めればいいのね」
#ルナティア
「埋める……」 って表現はどうなの
エリカ
「……な、なによ」 何も間違ってないぞ!
ソルティア
「そんな埋葬みたいな……」
ヤンファ
」 エリカちゃん、埋めたいんだな
シャルロット
「時に……このヴァニタスに薬効があるのは、単純に力がこめられているからなのでしょうか?」 っていうところを聞いていなかったようなきがするのだ
エリカ
「別にそういうつもりで言ったわけじゃ……」 と。シャルロットの質問が気になった。
#カエルレウス
「……ふむ」
ヤンファ
「あァ、確かに言われてみりゃ気になるな」
#カエルレウス
「……汝らの世界の格言に、“毒を以て毒を制す”という言葉があるな」
ソルティア
「えぇ……」 こくり頷き
シャルロット
「というか、これから私に施術する儀式も似たような概念からではなかったでしょうか」
#カエルレウス
「云うなれば、それに近いものであろう」
エリカ
「……どういうことですか?」
#カエルレウス
「〈ヴァニタス〉は、良い意味でも悪い意味でも、強い影響力を持つ」
ヤンファ
「………」 とすると、過度の服用はモニカちゃんに良くないんじゃァないのかね
#カエルレウス
「生物の身体に存在するあらゆるものを“塗り替える”のだ」
エリカ
「塗り……替える……?」
ソルティア
「………」 眉を顰める。どうも良い効果ではなさそうだ。
ヤンファ
「消す、ではない。存在したまま別のモンに変えてしまう」
ヤンファ
「そういうことかよ?」
#カエルレウス
「その認識で大きな問題はなかろう」
シャルロット
「……」 正直、あまり嬉しくない情報のようだ。顔をしかめる
エリカ
「……あの、じゃあ。その。仮に、定期的に長く摂取し続けると、どうなるんですか」
#カエルレウス
「怪我や病の塗り替え……それが、〈ヴァニタス〉が霊薬や神薬として使われている理由であり」
#カエルレウス
「長期的に投与を続ければ記憶や思考、人格を形成する分野にまで侵食を始める」
ヤンファ
「……オイオイ」
#ルナティア
「…………」
エリカ
「……」 ばささ、と持っていたヴァニタスを取り落とす。
ヤンファ
「……エリカ!」 気をしっかり保て、と
エリカ
「あ……、す、すいません」 わたわたと、落としたヴァニタス拾い。
ソルティア
「な……そこまでの効果、が?」
#カエルレウス
「……然様」 エリカの様子に目を細めて。
ソルティア
「それは……その……」 何か言おうとするが言葉にならない。絶句のようなものだ。
シャルロット
「……それは、恒久的に?」 元には戻らない浸食なのだろうか
ヤンファ
「待て待て……別にそれをまた相殺させることも出来るんじゃァねえのか。なァ、観測者さんよォ?」 そう言ってくれ
#カエルレウス
「分からぬ。世界には未だ、それを為した例が無い」
#カエルレウス
「だが、可能性は0ではあるまい」
ヤンファ
「……っつーと?」
#カエルレウス
300年程前に、ザルツ地方にこの〈ヴァニタス〉が咲き乱れた事もあった」
エリカ
300……」 大破局の時、か。
シャルロット
300年前そうか」 実際に力を振るわれたときはそれはもうすごかったことだろう
ヤンファ
「初代が生きてた頃、か」 またロウファが居た時代なんだな
#カエルレウス
「そして、ある時を境にそれらの〈ヴァニタス〉の殆どが散っていった」
ソルティア
「……散った……」 と言う事は、その影響を同じように消滅させることも可能かもしれない、、とゆーことか。
#カエルレウス
「……その後、後遺症に苦しんだ者も多かったが、すべての者が侵食の影響を受け続けた訳ではないはずだ」
シャルロット
「……なるほど」 思案した顔のまま、小さく頷く
エリカ
「……どうして散ったんですか、その時は」
#カエルレウス
「……分からぬか?」
シャルロット
「〈胡弓〉が封印されたから、ですよ」
#カエルレウス
「然様」 シャルロットに頷いて。 「振るわれた時は、〈ヴァニタス〉が咲き乱れる時。そして、それが封じられた時に、それらは散った」
エリカ
「封印……」
シャルロット
「今、封印は解放されつつある」
ヤンファ
「なら、再び封じられた時……戻るかもしれない、と」
シャルロット
「封印と同種の力を用いれば、或いはということですか」
#カエルレウス
「……あくまで、可能性があるに過ぎぬがな」 確証は無い、と。
ソルティア
「………」 ただ、それにしたってヴァニタスの影響を除けるだけで、モニカ自身の病気についてはどうにもならんのだよな。
エリカ
「……」 あまり、あてにできる話じゃない。
#ルナティア
「……」 腕を組み、難しそうな表情で黙っている。
ヤンファ
「それで、エリカ……モニカちゃんの様子はこの前どうだったんだ?」
エリカ
「え……いや、それは」 しどろもどろ。 「……その、私が会ったときは、普通だったんですけど」
エリカ
「本人がいうには、時々、ひどく物忘れすることがあるって……」
ヤンファ
「……物忘れ……か」 影響が既に出てる可能性があるな
#ルナティア
「記憶への侵食、ね」
ソルティア
「………」 既に影響が出てるんだろうが、口に出すことが出来ない
エリカ
「……体の調子はずっと良くなってるみたいなんです」 このまま完治するんじゃないかと、そう思うくらいには。
ヤンファ
「……マズいな」 調子が良くなってるのに服用を止めろ、だなんて言っても理由がつけれない
シャルロット
「……ヴァニタスを利用するようになるまでは、どうやって過ごしてきたんですか?」
シャルロット
ふと気になったことをエリカへ
エリカ
「どうやって、って……ヴァニタスじゃない、普通の薬を使ってたけど」
シャルロット
「途中で、悪化されてから……ですよね」
エリカ
「……そう。今までの薬じゃ、駄目だからって」
ヤンファ
「……ン?」
シャルロット
「……その診察は」 進めてきた人物が、と言う話を思い浮かべながら 
ヤンファ
「………」 待てよ。悪化したのってどれぐらいの時期だった
ヤンファ
(……シャルも同じこと考えてるな)
シャルロット
「いや、穿ちすぎかな……とにかく、色々医者や識者に聞いてまわって、別の手段がないか調べるべきです」
ソルティア
「………」 二人の顔色を見れば、何を考えてるかくらいは分かる。
ヤンファ
「……兎に角、だ」
エリカ
「……実際、元の薬が効きづらくなってきたのは間違いないわよ」 別に、うたがうようなところは。
ヤンファ
「何かしら理由を考えて、服用を今すぐやめさせなきゃならねえだろ」
#ルナティア
「エリカの妹が、〈ヴァニタス〉のお陰で生き長らえているのは事実でしょう」
ヤンファ
「つってもよ……!」
ソルティア
「……服用を今止めてしまっては……」
#ルナティア
「そうしたら、すぐにまた症状が悪化するわ」
ヤンファ
「………ちィ」 決めるのは俺じゃない。エリカだな
ソルティア
「分かってますよ!……ひとまずは、シャルロットさんの言うように、他の手段が無いか探してみるべきではあるでしょう」
ヤンファ
「まァ、そうだが………悪ィな、エリカ。変に口出しちまったわ」
エリカ
「…………いえ」
ヤンファ
「どうするかは俺らが決めることじゃァなかったな……今はやることやるか」
#ルナティア
「…………」 くるくると、人差し指の先で髪の一部を弄び始めて。
エリカ
「……とりあえず、ヴァニタスの副作用のことは解りました、から」
エリカ
「本題、進めてください」
シャルロット
「……そうですね」 コレに関しては、また別口で考えなきゃいけない、と思いつつ
#ルナティア
「……その前に、ついでよ」
ヤンファ
「あン?」
ソルティア
「……? ついで?」
#ルナティア
「ひとつ、補足をしておいてあげるわ」 ヴァニタスを一輪右手に持って
エリカ
「……?」 補足?
#ルナティア
「〈ヴァニタス〉に侵された記憶や思考は、完全な侵食が果たされればいずれすべて元の状態に戻るわ」
#ルナティア
「怪我や病気も、ね」
エリカ
「……元の、って……」
ヤンファ
「……オイオイ」 全部戻ったら意味ねえが……
#ルナティア
「だから、エリカの妹は、このまま行けば病気も何もかも治る」
#ルナティア
「あの子は“何の障害も持たない、元気なあなたの妹”になるのよ、エリカ」
ソルティア
「………」 良さそうにも聞こえるが、多分そうではないんだろう。
シャルロット
元の状態に、っていうのは、病気も何も無いリセット状態って意味か
#ルナティア
記憶はそれまで積み重ねて来た状態に、怪我や病気は全部完治するような状態ってこと。
エリカ
「本当にそうだったら、何も問題は……」 ないんじゃ、ないのか。
#ルナティア
「〈ヴァニタス〉は、奇跡の花だもの。それが、それの効果のひとつ」
ヤンファ
「……それだけか?」 本当に
#ルナティア
「……とある一点を除いて、ね」
シャルロット
「概ね、予想はつきますが」 続けてください、とルナに頼む
ソルティア
「やっぱり、何かあるんだね」
#ルナティア
「〈ヴァニタス〉によって侵食された思考や記憶の帰属先よ」
エリカ
「……記憶の帰属?」
#ルナティア
「ええ」
ソルティア
「……どういうこと?」 ぱっと単語を聞いただけではよく分からぬ
エリカ
「……」 いまいち話しの要点がつかめない。
#ルナティア
「……〈ヴァニタス〉は、デバイスのひとつなの」
#ルナティア
「遠隔的に他人を操る為の、ね」
ソルティア
「他者を遠隔的に操る為の……」
エリカ
「遠隔……あ」
エリカ
「〈胡弓〉の力の残滓って、そういう、こと」
ヤンファ
「………」 どの道ロクな選択にならないな
#ルナティア
「…………」 エリカの言葉には頷かず。 「……私に言えるのは、此処まで。〈ヴァニタス〉に関しては、もうこれ以上は言えないわ」
シャルロット
「出来上がるのは、快活な虚人というところなんでしょうかね」 沈んだ声音で
ヤンファ
「……何処でそんな知識仕入れたんだかなァ」
ソルティア
「……HRユニットを思い出しますね。全く……」 アレにもこの花が関わっていたんだろうか
#ルナティア
「……もう、いいわね」 エリカやシャルの言葉に満足したように話を区切って
ヤンファ
「良くはないが、そうだなァ」 頷き
エリカ
「………」 特に頷きもせず。
#カエルレウス
「……さて、汝らにはまだやるべき事も多数あるようだ」
ヤンファ
「多すぎて目が回るわ」 肩を竦め
シャルロット
「あまり、足踏みをしている暇はなさそうですね」
ソルティア
「……今まで関わってきた事件が、どんどんつながってきてるようですしね……」
#カエルレウス
「今すぐに行える事は、済ませてしまうとしよう」
シャルロット
「はい。お願いします」
ヤンファ
「ま、始めるかァ」 ログ読まずに人ひとりの記憶でやってる俺
#カエルレウス
「手頃な場所を探し、そこに横になるが良い。他の者は、彼女の身体を〈ヴァニタス〉で包むのだ」
ソルティア
「……分かりました」 懸念は多いが、今は指示通りに動こう。
シャルロット
それじゃあ、横になれそうな場所へ移動して埋めてもらおう……
#カエルレウス
「それと一人汝は我の指示通りに陣を描け」 ルナティアを顎で使います。
#ルナティア
「……自分で描けばいいのに」 ぶつくさ言いつつ描きましょう。
ソルティア
「か、変わろうか……?」
#ルナティア
「……いい、やるわ」
ヤンファ
「………」 さっきまでエリカ埋めるか?とか言おうと思ってたが、そんなこと言えやしないな
エリカ
「……」 とりあえず黙って待機中。
#カエルレウス
「さて、急がねば日が暮れるぞ」
ソルティア
「ん」 じゃあとにかくシャルロットを埋めよう。胸のとこが一番大変だな。
#ルナティア
「…………」 もくもくとシャルの周りに陣を描き始めました。
エリカ
ばさばさと若干ぞんざいに埋めるか……
#ルナティア
酷いやつだ。
GM
さて、では。

GM
開けた場所にシャルは仰向けになり、その身体をヴァニタスに包まれている。
GM
シャルの周囲には、複雑な紋様の描かれた魔法陣が展開されている。
GM
シャルロット以外は、その陣の外で待機しているという状況だ。
#カエルレウス
うむ、ご苦労であった」
シャルロット
「……」 なんだか気が気じゃないこの状況。
ヤンファ
……」 本当に葬儀みたいで、嫌な感じがするな
ソルティア
「………」 ヴァニタスの話を聞いてるとこの状況も不安だな
ヤンファ
「……失敗しねえだろうなァ」
ヤンファ
と、竜に少し不安げな様子で
エリカ
「……そういうの、思っても言わないほうがいいと思いますけど」
ヤンファ
「いやだってよォ……」 怖いだろこれ
シャルロット
「こ、こう、なれない状態で注目を浴びるとなんだか照れますね」
ヤンファ
「お前……」 またのんきなことを
#カエルレウス
「……《護り手》の血を継ぐ者たちは、決して《虚音》に心を侵される事は無い」
#カエルレウス
「その中でも特別に秀でた力を持つ《担い手》ならば、尚更だ」
#カエルレウス
「汝自身が心を折る事が無ければ、汝は《虚人》とはなりえぬ」
ヤンファ
「……なら良いが」
ソルティア
「この状況で照れれる人の心が折れるって想像できません」
エリカ
「………」 心配する要素がまるでないな。
シャルロット
「……」 体調不良を起こしていない人たちは、その血を継ぐ人たちなのだろうか。ふと首を傾げつつ
#カエルレウス
「だが、我が先に言った覚悟だけは持っておかねばならぬ」
#ルナティア
「……そろそろ始めたら?」
#カエルレウス
「うむ、そうしよう」
シャルロット
「ええ、問題ありません。やってください」
#カエルレウス
では」
ヤンファ
「………」 ふう、と一息ついて見守る。片手は柄頭に置いて、だ
#カエルレウス
魔法陣の傍に立つカエルレウスが、目を閉じて詠唱を始める。恐らくは、魔動機文明語であろうか。発音が独特でなかなか聞き取りづらい。
#カエルレウス
呪文を唱え始めて間もなく、シャルロットの周りの陣とヴァニタスが発光を始める。
#カエルレウス
次第にその光は強くなって行き、シャルロットの身体は光に包まれて見えなくなる。
ソルティア
「ッ……」 光に目を細めて
#カエルレウス
“観測者”カエルレウスの名において命ず“鍵”たる剣にてその身に“虚”を負いし者に再び“解放”を
#カエルレウス
そこまで云うと、シャルロットの周りの〈ヴァニタス〉が一斉に天に向けて光の柱を発し、シャルロットの身体はその光に包まれる。
#カエルレウス
そして、天から光が返って来て、シャルロットへと降り注ぐ。
#カエルレウス
それとほぼ同時に、シャルロットの身体が内部から軽くなっていく感覚。
#カエルレウス
光がすべてその体内へと入ると、すべての花が静かに枯れていく。
ヤンファ
」 今の詠唱は……
エリカ
「……」 ヴァニタスを体に取り込んだ……んだろうか、今のは。
#カエルレウス
儀式は成った」
#カエルレウス
「もう、汝の身体は動くはずだ」
シャルロット
ン」 ゆっくりと半身を起こして軽く頭を振る
#カエルレウス
身体を持ち上げると、身体はもう完全に元通りになっていた。
#カエルレウス
それどころか、〈ファランダレス〉を今までより負荷が少ない状態で扱えるという確信も持てる程だ。
#カエルレウス
当然、また紅い霧を払うような事をすれば〈ヴァイケリオン〉の補助は必要だろうが。
シャルロット
これは」 すげえや! ばっちりだ
ソルティア
「……どうですか?」
#ルナティア
「治ったみたいね」
ヤンファ
「空元気じゃァねえだろうなァ」
シャルロット
「ばっちり……どころか、気持ち悪いぐらい好調ですしホントに力も増してますね」
エリカ
「……みたいね」 なんかテンション上がってそうな顔してるわ。
シャルロット
「やたら強くなる分にはいいのですが……本当に人間から離れていくような感じ……ですね」
ソルティア
「ひとまず、体調は元通り……以上のようですね」 それもやっぱり不安ではあるんだが
#カエルレウス
「否、汝は正真正銘の人間だ。案ずる事は無い」
#ルナティア
「……それじゃあ、私の出番も此処までね」
エリカ
「……ああ」 そうか。シャルロットの身体のために協力しろって話だっけ。
シャルロット
「ルナ……行くんですね」 身体の具合を確かめるように動かしていた手を止めて
#ルナティア
「あなたの身体が治るまで、という約束だったでしょう」
ヤンファ
「あ、あァ……行くんだな」 あの時の様子が気になるのであまり一人にはしたくなかったが
ソルティア
「………」 ルナに行くのか?と言う目線を向けて。
ヤンファ
「……ま、無事に終わって何よりだ」
#ルナティア
「その前にもうひとつ、話をしておこうかし」 ルナティアが、北の空へ目を向ける。
シャルロット
「約束、覚えてますよね……“次”は、いつお会いできますか?」 多分、次の再会はそういうことだと思う
#ルナティア
「……覚えてる。でも、その話も後ね」
シャルロット
「……?」 北の空?
ソルティア
「……ルナ、何か?」 同じように北を見て。
エリカ
「……何?」 どこ見てんの、とルナティアの向いた方をこちらも。
ヤンファ
」 柄に手を置いたままなのは変わらず、空を見上げる