虚ろの輪音

第二部 第二話後編「紅き霧に煙る街」 - 04

GM
施設を戻り、進入したのとは別の出入口から霧の街へと出ていく。
GM
深い霧に覆われた街は、剣戟の音と人族蛮族問わぬ叫び声で溢れている。
シャルロット
「……もう本格的に始まってますね。遅れを取ってはいけません」
ソルティア
「忙しくなりそうですね、これは……」 と周囲を見回して。
GM
そんな中で、君たちは動きの鈍った蛮族たちを打ち倒しつつ、周辺の施設から人々の確保の為に確認していこうとする。
ヤンファ
「巻き込まれんなよォ」
#フェリシア
「はい、私達も参りましょう」
エリカ
「……はい」
GM
手近な施設を確認すべく歩を進める君たちだったが
GM
施設を出て、ものの5分程だ。
GM
まずはエリカが、その身体に強烈な違和感を感じるようになる。
エリカ
?」 なん……
GM
《呪音事変》の時とはまた違うが、感覚としては似通っている所もあるだろうか。身体が、異常な程に重い。
GM
ただの気のせいかもしれないと思って確かめてみれば、力を入れてみても緩慢な動きしか出来ず、素早く身体を動かす為には恐ろしい程の体力を必要とするようになっていた。
シャルロット
「どうしました、エリカさん……?」
ソルティア
「……? エリカちゃん?」 シャルロットの声に後ろを振り向く。
エリカ
「……なに、これ……」 のろのろと、動きが緩慢に。
#フェリシア
「……え?」 エリカがそう言うと、フェリシアもその場で軽く身体を動かしてみる。
ソルティア
「……動きが……? エ、エリカちゃん、大丈夫!?」 たたっと駆け寄ろうと
#フェリシア
「あれ……?」 エリカ程ではないが、フェリシアも確かな違和感を感じたようだ。
エリカ
「急に身体が、重くなって……」
シャルロット
「……? どうしたんですか」 かけよって様子を見よう
#フェリシア
駆け寄ろうとしたソルティアも、同じような違和感を覚える、
#フェリシア
勿論、シャルロットもだ。
シャルロット
ぅおお。
ソルティア
「ッ……これは……!?」
シャルロット
……っ」 顔を顰めて
エリカ
「まるで、全身が鉛の塊にでもなったみたい……」
#フェリシア
「どういう、事……?」 顔をあげて、周囲を見渡す。
シャルロット
「全員……? なんですか、これ!」
ソルティア
「僕らにも……? これは一体……」
GM
違和感に苛まれながらも周囲を確認していくと、他の兵士たちも同様のようで、武器を振るう腕も大雑把で緩慢な動きになっている。
シャルロット
「ク……何かの相手の兵器ですか」 アンチ守りの剣みたいな
ソルティア
「なんでしょうか……? 蛮族の街なんですから、何らかの仕掛けがあってもおかしくは……」
#フェリシア
「しかし……兵器となると、厄介ですね……。〈守りの剣〉の影響が相手に残っていたとしても、容易には行かなくなります……」
シャルロット
「余り……悠長に構える時間は無い、ですよ! 急がないと!」
#フェリシア
「……はい、承知しました……!」
ヤンファ
「くそ、どうなってんだよ……ッ」
エリカ
「って、言っても……」 私マトモに動けるの?
GM
走る為に水の中を走るくらいの体力が必要なレベル。>エリカ
エリカ
ペナルティでいうと-4の上に移動力1/5くらいじゃないですか!
ソルティア
「これで五分五分、と言う事ですか……!」
ヤンファ
「周りは、どうなって、やがる……!」
GM
五分五分、そう思って周囲を見てみれば
GM
霧に陰っては居るが、人族に相対する蛮族たちは皆、緩慢どころか、恐ろしい程の速度と怪力を発揮しているようにも見える。
GM
聞こえて来るのは、蛮族たちの怒号。
GM
人族たちの声は、次第に勢いが失われていく。
ソルティア
「……!? あの動きは……!?」
ヤンファ
「こ、れは……!」
エリカ
「嘘、なんで、こんな……!? 守りの剣が、効いてるはずじゃ」
#フェリシア
「そのはずなのに……どうして……!」
GM
そんな折、すぅっと君たちの眼前を“紅い風”が通り抜けていった。
ソルティア
「……紅い……?」
ヤンファ
ッ」 腕で目を覆うようにしつつその風を目視する
シャルロット
GM
いや、よく見てみれば今のは風ではなかった。
GM
次々と紅い靄が目の前を通り過ぎて行き、溜まり、街中を覆っていく。
GM
それに呼応するかのように身体は重く、辺りからは人々の悲鳴と蛮族たちの雄叫びが轟くようになる。
ソルティア
「……風……いや、違う!」
エリカ
「……な、に……、これ……靄……紅い……霧……?」
GM
明らかに、この紅色の霧が身体の重さの原因のようだ。
ヤンファ
「っ……オイオイ……手薄だったのはそのせいかよ」
シャルロット
「……ッ、発生源は!」 霧が流れてきた方角をとっさに見る
GM
流れて来るのは、街の中心。《ミストキャッスル》と呼ばれる、この街の中心施設だ。
#フェリシア
「くっ……発生源を断つにしても、この状態では……」
エリカ
「こんな、状態じゃ、中央に向かうのだって……」
ソルティア
「……まずいですね、この状況は……外の軍はどうなってます?」
ソルティア
「この霧の範囲が広いようなら、撤退も視野にいれないといけませんね……」
ヤンファ
「俺らは撤退できても、他の奴らは、逃げることすら……!」
ソルティア
「かと言って、ここに残っていても……!」
GM
そんな時に、再びシャルロットの通信機が着信を告げる。
シャルロット
ッ」 咄嗟に通信を取る
#マグダレーナ
……ロット! 聞こえ……か! シャルロット!』
シャルロット
「お姉様! 聞こえますか!?」
#マグダレーナ
『……良かった、無事か!』
シャルロット
「私たちはまだですが、これでは!」
#マグダレーナ
『……ああ。この霧は、〈守りの剣〉すら無効化して尚余りある力を持っているようだ』
#マグダレーナ
『……そのため、本軍は、被害が拡大する前に撤退を決定した』
#マグダレーナ
『私たちは、正面より霧の街を脱する』
シャルロット
「ク……ッ、了解! 私たちは撤退する部隊の援護ですか!」
#マグダレーナ
『いや、その必要はない。君たちとて、この状態で他の者たちのフォローをするのは辛いだろう』
#マグダレーナ
『まずは、自身たちの安全を最優先にし、霧の街から脱出するんだ』
シャルロット
「ですが……」 ちらり、と周辺の兵士たちを見て
#マグダレーナ
『……出来る限り援護して欲しいのは確かだ。だが、君たちが生き残れなければ元も子もない』
エリカ
、」 立っているだけで体力を使うような状態だ。少なくとも、自分は人の援護なんて出来る状態じゃない。
シャルロット
「……、判りました。撤退します」
#マグダレーナ
『自分たちの安全を最優先にしろ、いいな……!』
シャルロット
ッ、了解、お姉さまもご無事で」 ッギ、と唇を噛んで
#マグダレーナ
『……ああ、武運を!』 先程の通信の終わりとは打って変わった声音でそう告げて、ぶつっと乱暴に通信は途切れる。
シャルロット
「ヤンファさん! 離脱します、脱出路を探してください!」 通信が切れてから、すぐさま声をあげる
ヤンファ
「……撤退か、オーケィ」
ソルティア
「……分かりました。撤退の途中、助けられる人だけ助けていきましょう」
GM
通信が切れると同時に、今度はどこからともなく、別の声が響く。
#フェリシア
「……撤退ですか。りょうか……?」
ヤンファ
と思ったが……」
#
ようこそ、人族諸君。我が街の洗礼は如何だろうか』
エリカ
「っ……!? なにこの、声……?」
シャルロット
「この声……」
#
『姿を見せる事なく挨拶を述べる無礼は許してもらおう。何、諸君も無断でこの街へ侵入して来たのだ。おあいこと言うものだろう』
#
落ち着いた成人男性の声。だが、低く響くその声には確かな威圧感があった。
#
『私はヤーハッカゼッシュ。この霧の街を統べる者だ』
ソルティア
「ヤーハッカゼッシュ……霧の街の王……!」
ヤンファ
「なんだァ、用件は短めに済ませよ。俺らは今そんな余裕じゃァないんでなァ……!」
#ヤーハッカゼッシュ
『〈守りの剣〉を効力そのままに持ち込むという発想は素晴らしい。だが、こちらにも対抗する手段は無い訳ではなくてね』
#ヤーハッカゼッシュ
『その力を()って、君たちの動きを抑制し、我々バルバロスの力を増幅させてもらった』
#ヤーハッカゼッシュ
『それでは、紅き霧に諸君らの血を混ぜながら舞踏を楽しんでくれたまえ』
GM
そこでヤーハッカゼッシュの声は途切れ、一瞬の静寂。
GM
その後に、連合軍たちは声をあげて撤退を開始する。
ソルティア
「……僕らも行きましょう。軍の撤退に合わせないと、逃げ切れなくなります!」
GM
蛮族たちがそれを逃がすはずもなく、逃げる連合軍を追い立て、武器を振り下ろしていく。
#フェリシア
「っ……」 その様子を見ながらフェリシアは歯噛みする。
ヤンファ
「……ちィ……!」
シャルロット
「ッチ……最悪な展開です」
GM
だが、君たちにも落ち着いている暇は無く
GM
あちらこちらから、大量の蛮族が湧いて出てくる。
ヤンファ
「何人無事で帰れるってんだよ……!」
エリカ
「っ、急がないと……っ」
ヤンファ
「くそ、囲まれる……右だ!」
GM
「オォォオオオオオオオオオオオオ!」 と瞳に狂気を宿したような状態で、恐ろしい程の速さで君たちに突撃してくる。
ソルティア
フォーデルカ!』 ファイアボールで蛮族をふっとばしつつ。 「後ろは僕が! シャルロットさん、先に!」
#フェリシア
「……了解……!」 指示通りに、身体に鞭を打って走る。
GM
ソルティアの魔力を以ってすら、下級の妖魔でさえ一撃では吹き飛ばせない。
エリカ
「っ……」 腰が引ける。ただでさえ体が重いというのに。
シャルロット
「急いで! 逃げられるうちに!」
GM
一瞬怯む程度で、蛮族たちはすぐに武器を振りかざし、再び追い立てて来る。
ソルティア
「エリカちゃん、走って! それだけに集中して!」 追加で更にファイアボールを打ち込みつつ
ヤンファ
「頼むから全員ついてこいよォ……!」 枷がかかったような身体で走り続ける
#フェリシア
「……散弾発射……!」 隙を見て、フェリシアも銃を打ち込むが、それすらも有効打にはなりえない。
シャルロット
ッ、失礼します!」 ッガ、とエリカの身体を掴んで乱暴に掴みあげよう
エリカ
「っ、きゃ……!?」
シャルロット
「乗り心地はご容赦ください!」 盾を片手に、エリカを抱き上げて走る。戦いは他に任せた
エリカ
「な、なにす……、」 抵抗しようにも身体が重くて暴れようもない。
#フェリシア
「……エリカさん、今は我慢してください!」
エリカ
「~~」 酷い足手まといだ。援護どころか、逃げることすらできずに担がれるだけなんて。
ヤンファ
「くそ、聴覚まで狂ってきやがった……ッ」 次はどっちだ、という判断が鈍っていく
ソルティア
「フェリシアさん、敵を牽制しながら下がります! あの建物の陰に入ったら、建物を崩して壁に……!」
#フェリシア
「了解しまし」 と答えた矢先に、ソルティアの指定した建物の壁は、一足先に崩壊する。
#フェリシア
そしてその中からは、蛮族たちが姿を現す。
シャルロット
「こっちも……ッ」
ソルティア
「ッ……こっちは駄目ですか!」
ヤンファ
「駄目だ、このまま正面を……ッ」
GM
一方から二方、二方から四方、果ては八方。何処へ逃げても、続々と蛮族たちが現れる。
GM
普段ならば、数に入れる必要がないような妖魔だが、それすらも脅威となると、相手の戦力は一気に跳ね上がる。
ソルティア
「フェリシアさん、先に! 僕はいざとなれば不可視の呪文でなんとか……!」
#フェリシア
「……すみません、分かりました……!」
シャルロット
「く……」 あの加護の力ではダメか。或いは、現状を打破できるかもしれないのに 
ソルティア
「……マナと魔晶石……どれだけ持ちますかね」 ごろっと手の中に魔晶石を持って。
GM
どうにかその中で脱出口を探ろうとするが、今の状態では、何処に向かおうとも追いつかれ、囲まれるのがオチだ。
GM
やがて、君たちは十数体もの蛮族に囲まれてしまう。
GM
脱出するには、その包囲網を突破する他ない。
エリカ
「あ……」
シャルロット
早すぎる、どうして……!」 アレだけ居た味方は、瞬く間に駆逐されたということか
ヤンファ
「……悪ィ、囲まれたみてえだなァ……」
GM
妖魔が数体、オーガやリザードマンなどの中級蛮族が数体、そして少数ではあるが、先程の狂戦士がそれらを率いているようだ。
ソルティア
「……どこにも抜け道は無さそうですね……」
#フェリシア
「……くっ、戦うしかないの……!?」
ヤンファ
「くそ……」 刀をゆっくりと抜き、前に一人出る
ソルティア
「建物の中に入り込めれば、多少は持つんですが……」 辺りを見回し
シャルロット
「正面切って戦っては勝ち目がありません……なんとか切り崩さないと」
#フェリシア
「……こういう時は」 今までの経験を思い出し、どうにか突破口を探ろうとする。
#フェリシア
「駄目……、こっちも駄目……!」 頭を振りながら。
GM
君たちが侵入してきた建物が、視界の端にある。
GM
が、そこに辿り着くまでには、この状態ではまだ数分は掛かるだろう。
ソルティア
「……ひとまず、あそこまで逃げ切れれば。扉は魔法で閉めれますから、多少の時間は……」
ヤンファ
「……一瞬だけ道を開ければ逃げれるなァ?どれだけ時間が要る?」
#フェリシア
「ちょっと待って、それじゃあヤンファが遅れちゃうじゃない……!」
ヤンファ
「馬鹿言ってるんじゃァねえ……このままじゃ共倒れだ」
エリカ
「……」 これじゃもう駄目だ。
#フェリシア
「馬鹿はどっちよ……!」
ヤンファ
「俺が道を開けたら全員で抜けろ。フェリシア、ソルティアは抜けた後に魔法でその道を塞ぐようにして逃げろ」
#フェリシア
「っ……! そんなこと」 出来る訳がない。だが、他に道もない。
#蛮族
蛮族たちは荒い呼吸を発し、血走った目で今にも君たちに突撃しそうだ。
ソルティア
「……分かりました。シャルロットさん、エリカちゃん、いいですね?」
シャルロット
「やるしかありませんか……」 そっとエリカを優しくおろして、剣を抜く
エリカ
降ろされたら、へたりと座り込み。
シャルロット
「判りました、ヤンファさん。ですが、生き汚くでもいい。死なずに逃げ延びてください」
ヤンファ
「シャンリーク舐めンじゃァねえよ……後で逃げれるに決まってるだろォ?」 重く引きつった笑みで
#フェリシア
「……分かった。生きて帰らなかったら絶対に許さないから……!」
エリカ
「……もうダメよ……」 泣きそうな声で。
ソルティア
「……エリカちゃん……」
エリカ
「無理……、私じゃ、間に合わない。走れない」
#フェリシア
「……エリカさん!?」
ソルティア
「……フェリシアさん、エリカちゃんを頼みます。後ろは僕がフォローしますから」
ヤンファ
」 その様子を見て思わずエリカの胸倉を掴む
#フェリシア
「は」 い、と答えようとするよりも早くヤンファが。
ヤンファ
「諦めるんじゃねえ!此処でてめえが死んだら誰がモニカ守るってんだよ!!」
エリカ
「っ……」
ソルティア
「………」 ヤンファの代わりに前に出て、蛮族達を牽制する。
エリカ
「だって……っ、私なんか庇ってたら……!」
#フェリシア
「……っ!」 エリカはひとまずヤンファに任せて、ソルティアと同様に前に立って蛮族たちを牽制する。
ヤンファ
「ごちゃごちゃ考えてる暇があったら足動かせ!ここで諦めて死んだら妹が何て思う!」
ヤンファ
「妹がてめえを心配してるのに、てめえは此処で諦めるのかよッ!!」
エリカ
「っだって、そんなこと、言ったって……!」
シャルロット
本当に、逃げ延びる手段は無いのか。本当に……?
GM
この状況を打開する力は、シャルロットの中には確信を持って“ある”と言える。だが、今は無理だ。その物が無いのだから。
シャルロット
「……そうか……あの剣が」 思わず漏れ出る言葉
#フェリシア
「シャルロット様……どうかされましたか? ッ……!」 蛮族の攻撃を捌きながら、シャルロットに。
シャルロット
「ック…… あの剣……あれが、あれば……」
#フェリシア
「剣……〈ファランダレス〉ですか……!?」
ソルティア
「シャルロットさん、何を……ぐっ」 きっと寄ってきたリザードマンとかに一発くらいどすっとやられる!
#フェリシア
「っ……ソルティアさん! 今回復を……!」 デリンジャーをしまう余裕もない。弾の切れたものを放り出して、別の銃にヒーリング・バレットを装填する。
ヤンファ
「ソルティア、クソ……!」 構ってる場合じゃないとエリカをバッと放す
エリカ
「っぁ……!」 放されて尻もちついて。
ソルティア
「無いものを語ったって……どうしようも、無いでしょうっ!」 リザードマンを剣で切り倒して、脇に刺さったシミターを引っこ抜く。
シャルロット
「あの剣、あれは何処に」 舌打ちする。何故アレを携帯しなかったのか。機能する切り札であったのに
GM
あの事件以後、ファランダレスは厳重な警備の下で公城の地下で管理されたままだ。
ソルティア
「回復より、今はここを抜けないと……大丈夫、鎧の強度は霧で無くなるようなものじゃありません」 最前線で蛮族達の剣撃にさらされつつ
#フェリシア
「エリカさん……、どうか、立ってください……! 私たちが、あなたの道は開きますから……!」 言葉を考えている余裕も、相手の気持ちを考えている余裕もない。
ヤンファ
ふッ!」 ソルティアの横に並び、前方のオーガに一閃放つ
#蛮族
数発叩きこんで切り伏せる事は出来るが、倒れた分あるいはそれ以上がすぐに別の場所からやってくる。
ヤンファ
「ぐ……ッ」 >その力も及ばず、剣戟の音を兼ねる度にヤンファの傷も増えていく 「シャル! 何ボサっとしてやがる……!」
シャルロット
喚べれば或いは」 蛮族との交戦を維持しながら、思い浮かべるのは唯一の切り札だが。絵空事なのは重々承知だ
GM
シャルロットの脳裏に、強く〈ファランダレス〉の姿がイメージされる。
GM
確かに、それは可能かも知れない。シャルロットが、自らの意志でそれを完璧に操る事が出来たのならば、だが。
シャルロット
「アレは“私”だった。なら」 浮かべるのはあの剣の映像ではなく、戦いあった自分そのもの
ソルティア
「ヤンファさん、僕の陰からお願いしますッ……この場では僕が前に立つ方が有利なはずです!」
ヤンファ
「ソルティアばっかり格好つけさせねえぜェ……」 余裕の無い表情でソルティアの背中を守る
エリカ
「っ……やめて……! 私はもういいから……!」 私の道なんて開かなくていい。こんな足手まといの為に。
#フェリシア
「ヤンファ……! ぁぐっ……!」 ヤンファを心配するが、その隙に手痛い一撃を受けてしまう。
ヤンファ
「フェリシアッ!」
#フェリシア
「私はっ……いいから……! エリカ、さん……を……!」 傷口を押さえながら体勢を立てなおして。
ソルティア
「エリカちゃん、諦めないでッ……まだ諦めるには、早すぎるッ……!」 既に数本の剣が鎧を抜けて身体を刺し貫いている。
エリカ
「無理、もう、無理……」 身体が重くて動かないのだ。
ヤンファ
「くそ、駄目だ!ソルティア、フェリシア!俺中心に魔法をぶちこめ!そこに道を!!」
#フェリシア
「馬鹿を言わないでって何度言わせれば気が済むのよ……!」
ソルティア
「それをするなら……自分でやりますよ。抵抗力も生命力も、僕の方に分があります!」
ヤンファ
「俺じゃァ大した範囲の魔法使えねえ!」
エリカ
「ああ……」 自分の身体が自分のものじゃないように重い。霧のせいだけでなく、きっと戦意が折れているからなんだろう。
シャルロット
どうにか」 傷を負い追い詰められる仲間を前に、一人浮いた存在かのように想いを描く
GM
シャルロットがイメージを強くしていくと、その手の中に光が集束していく。
GM
集まる光は、次第に思い描いた剣の形を成していき
シャルロット
「今このときだけで構わない応えろ! お前は、“私”だ!」 自分自身が、自分自身を扱えない道理など、無い!
GM
カッ! と、シャルロットの手から閃光が放たれる。
#フェリシア
「……エリカさん! ……!?」 二人に任せて、エリカの腕を掴む。が、その意識をすぐにシャルロットの手に奪われて。
ソルティア
「ヤンファさん! 二人がかりの魔法じゃ、ヤンファさんでは……!」
ヤンファ
「そんなこと言ってる場合じゃァ!?」
エリカ
、っ」 閃光の眩しさに、目細め。
ソルティア
「ッ……!?」
GM
そして、その手の中に現れたのは、《呪音事変》の時に、城の中で見た〈ファランダレス〉がある。
GM
シャルロットには、確信が持てる。『この力を解放すれば、この窮地を脱出出来る』と。
GM
だが当然、同じように理解出来るだろう。
GM
『この力を解放すれば、自分は無事では済まない』と。
シャルロット
今の私では不服でしょう、ファランダレス(リベラトール=リベラ)。ですが応えて貰います……我が身をもってしても、友を護る為に!」
エリカ
「……え……?」 あの剣は。いつかの……
ヤンファ
「馬鹿な……アレは今……」 あの手にある筈が
ソルティア
「あの剣……ファランダレス……?」
GM
〈ファランダレス〉は、歓喜に震えるかのようにカタカタとその手の中で震え出す。
GM
その力を振るうか、振るわないか。選択の時だ。
シャルロット
「我が剣閃、耐えられるならば耐えてみよ!」 上段に大きく振りかぶって構え、脱出路までの道へと
ヤンファ
ッ」 はッと我に返る  「シャル、ソイツの力は!!」 この手に対の剣はない。あれを解放すれば……!
ソルティア
「そんなっ……それを使っては、シャルロットさん!」
シャルロット
応えろ!」 今、このとき選べる選択肢など一つしかない。
シャルロット
「でやぁぁぁぁあッ!」  一思いに、振り下ろす!
GM
ゴッと、とても剣閃の音とは思えぬ強烈な音が響く。
GM
ファランダレスから放たれた剣圧は、一瞬にして囲んでいた蛮族たちの一部を両断した。
ソルティア
「ッ……!」 その衝撃に思わず顔を手で庇う
GM
数体を吹き飛ばし、どうにか道を作ることには成功した。
シャルロット
」 その景色を見て、うっすらと笑みを浮かべる
GM
だが、それだけでもシャルロットの両腕には、今にも砕けんばかりの反動がやってくる。
GM
みし……! とシャルロットの腕が悲鳴を上げ始める。
GM
しかも、すべての蛮族が倒せた訳ではない。まだ、君たちを取り囲む蛮族は多数だ。
シャルロット
ッ」 この身ではやはり足りない。悲鳴を上げる腕に、自身ながら情け無いと嘆く
ヤンファ
「くッ……馬鹿が……!!」
ソルティア
「で、ですが、今ならッ……エリカちゃん、さぁ立って!」 強引に引っ張り上げよう。
エリカ
「……、ぁ」 あまりの事に呆けている。無理やり引っ張られればふらつきながら立ち上がり。
ヤンファ
即座にシャルへ駆け寄り 「ソルティア! エリカを運べ! フェリシアは援護を!」
ソルティア
「分かってます……ヤンファさんも、しっかりお願いしますよ!」
ヤンファ
指示を一通りして身体が思うように動いてないシャルを抱える
#フェリシア
「……分かった……!」
シャルロット
「いそ、いで! 離脱! ヤンファさん、私の援護を! もう、剣は振れない!」
ヤンファ
「馬鹿なことやりやがって……!!」
ソルティア
「強引に抜けますッ……! フェリシアさん、頼みますよ!」 エリカちゃんを抱えて、片手で剣を振りながら蛮族の包囲網を抜けよう
ヤンファ
「行くぞ! ちゃんと俺の上乗っとけ!」 シャルも抱えよう。口うるさくいいたいが、それどころではないと駆け出す
GM
一瞬驚いたように後ずさるが、再び武器を構える蛮族たち。
GM
わかっていたはずだ。〈ファランダレス〉の力を完全に解放出来たのならば、突破出来る、と。
GM
それが出来ていなければ、どんな行動もただ無意味であるのみ。
GM
出来た道は、再び蛮族によって塞がれてしまう。
シャルロット
私の力が、足り無すぎる……ッ」 この程度で終わるわけがないのだ。本当に使いこなせたら
ヤンファ
「ソルティア!」 前方がまた塞がれてしまった
ソルティア
「ッ……!」 道は塞がれてしまった。それでも、少しでも数が減ったこのタイミングを逃せば、後は増えていく相手に押し潰されるだけだ。
シャルロット
「く……ッ」 もう一撃、できないのか。持ち上げることもできない剣に叱咤する
#蛮族
「オォォォオオオオオオ!」 通さぬとばかりに、数体の蛮族が、シャルとエリカを抱えて動きの鈍るソルティアとヤンファへと武器を振り下ろす。
#フェリシア
「二人共……!」
ヤンファ
「ぐッ……!!」 シャルを庇うように受ける。防ぐことは適わない
ソルティア
「こうなったら、エリカちゃんだけでも……!」 エリカを抱え込んで、そのまま蛮族達に突撃をかける。
ヤンファ
「こうなりゃァ片腕の一つくらい……!!」
エリカ
」 やっぱり駄目だ。無理なんだ。自分はここで終わるんだ。ああこれならもっと早く置いていって貰えれば。
GM
その刃が、二人に到達するその直前。
GM
いくつもの細い筋が、君たちの後方から蛮族を貫くように突き抜けていく。
シャルロット
、後、ろ……?」
#蛮族
「ガ?」 蛮族たちは何が起きたかも分からないと言ったような表情で呆けてから、血を噴き出して倒れる。
#???
伏せてッ!」 何処かから声が響く。
シャルロット
「……ッ」 ヤンファにのしかかるように地面へ転がり込む
ヤンファ
「く……!」 咄嗟に身体を伏せる
ソルティア
「ッ……これは?」 呆然と周りを見るが、後ろからの声に咄嗟にエリカごとその場に倒れこむ。
#???
次の瞬間、君たちの目の前にひとつの人影が下り、凄まじい勢いで周囲の蛮族たちに蹴りを放つ。
ヤンファ
」 閃光を目で追って気づく。さっきの筋は見たことがある
エリカ
「っけほ……」 抱えられたまま倒れこんで咳き込み。
シャルロット
「……っ」 この中でまともに動けている! 衝撃で眼が見開かれる
ヤンファ
……良い所取りが過ぎるって」 ぼそっと呟く
#金髪の少年
アイゼルさん、ザガートさん!」 蹴りを放った少年が叫ぶ。
#アイゼル
「言われなくても分かってるわよッ!」 先程弾丸が打ち込まれた方向から声。それと同時に跳躍し、蛮族たちの上から弾丸の雨を降り注がせる。
#???
さて、僅かな時間ではあるが」 別の男の声が聞こえると、蛮族たちを魔力の網が縛り、その動きを抑制する。
ソルティア
「……あの人、は……?」 エリカを庇うように伏せつつ、顔だけを上げて蛮族を屠っていく人影を呆然と眺める。
シャルロット
「……ッ」 好機。最高のタイミングで誰か知らないが助けが来た。
#マントの男
「今だ、あちらまで逃げたまえ」 眼前に降り立ったマントの男が、君たちのやってきた建物を示す。
#金髪の少年
「後ろは僕達に任せて先に!」
シャルロット
「貴方方は!?」
#アイゼル
「後でいいでしょ。さっさと行きなさい」
ソルティア
「ッ……助かります!」 既に剣が何本も突き立ってる状態だが、それでも立ち上がってエリカを引っ張りつつ建物の方へ。
エリカ
「……っぁ……」 引っ張られるまま建物へ。
ヤンファ
「マジで借りばっか作ってくれるなァ!」 後ろは向かないが、一人だけにそう言ってやった
ヤンファ
振り向くこともなくシャルを抱えて走り出す
シャルロット
「わ、ちょ……ッ」 抱えられたまま駆け出し始める
ヤンファ
「ほれ、喋ってると舌噛むぞ馬鹿」
#フェリシア
「状況はよく分かりませんが……することはひとつですね……!」 頼れるものは頼るべきだ。
#金髪の少年
「せぇ、のッ!」 気合の一声と共に蛮族に蹴りがぶち込まれ。
GM
君たちは彼らを背にかけ出していく。
GM
この霧の中でも、彼ら3名はほぼ問題なく動けるようで
GM
君たちを追ってくる蛮族は易々と対処してしまったようだ。
GM
君たちはあの地下通路へと戻り、例の蛮族避けの範囲の向こう側まで戻ったといったところまで進めよう。

GM
どうにか地下通路まで撤退することに成功した君たち。そこまで戻れば、霧の影響も少しずつ身体から抜けていっている。
#フェリシア
「はぁ……」 ぐったりと、壁にもたれかかりながら大きく息を吐く。
ヤンファ
「はァ、はァ……シャル、怪我……はァッ、ねえか……」 シャルを下ろし
ソルティア
「ハッ、ハッ……ゴホッ……」 ドン、と壁に背をついて、そのままずるずると滑り落ちる。
シャルロット
「怪我、っていうか……ぁ、ぐぅ……」 おろされたらそのまま崩れ落ちよう。腕、腕は。まだ付いてる
ヤンファ
「……馬鹿、が……力を、下手に使いやがって……」
エリカ
「っ、は……、ぁ……、…」 守られて、走っていただけなのに、酷く息切れして、へたりこんでしまっている。
#フェリシア
「シャルロット様……あの状況とはいえ、いきなり〈ファランダレス〉を使うなんて……。それどころか、一体どこから……」
シャルロット
「………なんていうか、無駄撃ちでしたが……ぁ、づあ……」 壁に背中を預けてうずくまってから、ファランダレスから手を離しそう。ガラン、と剣が落ちる
ソルティア
「……全く……好き放題やってくれましたねぇ……ぐぅっ」 ずっ、と刺さりっぱなしだった剣を引っこ抜いて。
ヤンファ
「おま、え……よく、生きてるなァ……」 こっちも切り傷ばかりで血がぼたぼた垂れているが、ソルティアはそれ以上だ
ヤンファ
エリカには声をかけない。かけようと思わない。
ソルティア
「はは……この剣のお陰、ですかね」 生命力・精神力+3の凄い剣だからな
シャルロット
両腕を投げだして、痺れたそれを休める。使い物には……ならないだろうか
GM
今すぐには無理そうだ。まぁ、極度の疲労感という感覚だから、時間を置けば、かな。と思う>シャル
シャルロット
それは行幸だ
シャルロット
つぁあ……」 天を仰いで声を洩らす。流石に堪えた
#フェリシア
「エリカさん……大丈夫ですか?」
エリカ
「っごめん、なさ……、……大丈夫、です……」 酷く情けない気分で、俯向いてしまう。
#フェリシア
「……いえ、今生きているのだから謝る必要はありません。……ですが、次にあのような状況に陥った場合は」 と、説教臭い事を始めようとしたところで
GM
ざっざっと足音が聞こえて来て、先程の3人が姿を現す。

ヤンファ
「くそ、あの女タイミング計ったようにきやがって
エリカ
「……」 緩慢な動作でやってきた3人の方見た。
#金髪の少年
「……ええっと、大丈夫?」 ヤンファとソルティアより少し背が低いくらいだろうか。白い武衣に身を包んだ金髪碧眼の少年だ。
ソルティア
「あぁ……お陰様で、こうして生きてますよ」 血まみれの状態でぐったり壁際に座って手を振る。
ヤンファ
「生きてるって意味じゃァ大丈夫だぜェ」
#アイゼル
「もう少し大人しくしてれば助けに入ったのに、お転婆なお姫様ね」
ヤンファ
「お前さんはもうちょっとタイミング考えてくれねェか」 いいとこどりめ
シャルロット
「居るのであれば……早く伝えていただかないと……そりゃあ、皆を助ける為ならやれることをするのが当たり前じゃないですか……」 不満げに抗議の声をあげる
#マントの男
「……まったくだ。まぁ、我々がもう少し早ければという事もあるが」 落ち着いた声を発するのは、マントに身体を包んだ男。その顔は非常に端正だが青白く、一目見れば明らかに人間でないのはよく分かる。
#アイゼル
「注文が多いわね」 肩を竦めて。
ヤンファ
「……まァ、それはいい」 男の言うことにも頷きつつ、それはどうでもいいというように
#マントの男
「ともあれ、ここまで来れば蛮族たちは追って来るまい」
シャルロット
「貴方方は? お一人は、一度……二度ですか? お会いしているかと思いますが」
#アイゼル
「そうね。あの人の家で一度会ったかしら」 それ以外でも姿は見てるけど、と付け加えて。
#フェリシア
「……助けていただいた事には感謝します。が、色々と話を聞かせていただきましょうか」 フェリシアの3人を見る目は険しい。
ヤンファ
「見たところ“あの店”の冒険者だなァ?」
#マントの男
「残念ながら、私は違う」
#金髪の少年
「僕はその通りなんだけどね」
ヤンファ
「おっと、ソイツは失礼」
ソルティア
「……えぇと、ご同胞、でしょうか?」 >マントの男
#マントの男
「いや」 首を横に振る。 「それ以上の穢れを持つ者さ。此処に侵入出来ているのは、ちょっとしたアイテムのおかげでね」
ソルティア
「便利なアイテムがあるんですねぇ……治療しながらで失礼しますが……」 とりあえず鎧を引っぺがして血止めしつつ
シャルロット
「ああ、そうでした……はっぱまだありますよ」
シャルロット
「ああ……でもちょっと私は指先が動きそうに無いです」
ソルティア
「ちょっと救命草使ってると意識が飛びそうで……」 はは、と乾いた笑い。
エリカ
「……あ」  「あの、治療なら、私が」
#マントの男
「無理をするのは良くない。必要であれば、我々がしよう」
エリカ
「あの……いえ、楽には、なってきました、から」
#マントの男
「そうか。ならば手は出すまい」
ソルティア
「お願いするよ。マナは大丈夫?」 傷だらけで口の端から血が流れているが、それでもいつも変わらないような笑顔で。
エリカ
「……はい、マナはほとんど、消耗しませんでしたから」 少しバツの悪そうに。
#金髪の少年
「……とりあえず、そっちのお姉さんの目も恐いし、自己紹介から、でいいかな?」 ちらっとフェリシアの様子を見つつ。
#フェリシア
「……お願いします」
シャルロット
「もう肩から先に言うこと聞かせるのが億劫というか……と。自己紹介お願いします」 私はシャルロットです
#金髪の少年
「それじゃあ、みんなの治療をしながら、かな」
シャルロット
「えぇ……それで」 ええと? 少年君を見よう
#金髪の少年
「じゃあ、こほん」 と咳払いをひとつしてから
#金髪の少年
「僕はラーエル。ラーエル・ファルケンハイン。よろしくね」 にこっと笑顔を作って。
#金髪の少年
「……で、こっちの女の人は知ってる人も居るみたいだけどアイゼルさん」
#金髪の少年
「こっちの背の高い男の人はザガートさん……ね」 ちょっと言いづらそうな表情になって。
#フェリシア
……」 フェリシアは相変わらず厳しい目を3人に向けたままで。
シャルロット
「ラーエルさんに、ザカートさん? それに、アイゼルさんですか」
ソルティア
「ラーエルさん、アイゼルさんにザガートさんですね。初めまして……」 座ったままだけどぺこり
#アイゼル
「ええ。ザガート(このひと)はともかく、わたしたちの名前は聞いたことくらいはあるんじゃないかしら」
エリカ
「……エリカ・ケイです」 名乗られたのでとりあえず名乗り返します。ソルティアとかの治療しつつ。
ソルティア
「あ、申し遅れました……ソルティアと申します」 ぐったりなう
シャルロット
「と。……シャルロット=イエイツ=ヘリオドール……と、名乗るのも今さらでしょうか」 苦笑しながら
#フェリシア
「……フェリシア・エアハートです」
ヤンファ
「そう警戒し過ぎなくていいぜ、フェリシア」
#フェリシア
「警戒するななんて無茶を言わないでよ」
ヤンファ
「こっちの女は少なくとも、何度か助けてくれてる奴だ」
#フェリシア
「……そうだとしてもね」 納得のいかないようだ。
ソルティア
「……公国で聞く名前ではないようですが……」
シャルロット
「まあまあ……助けられた恩もありますし。こういう場合、あれこれ聞くのも失礼というものです」
ヤンファ
「罠だ、ってかァ?」 警戒してるフェリシアに。 「罠だったとして、それを抜ける力が今の俺らにあるかよ」
ヤンファ
「ここは大人しくしとこうぜ」
#フェリシア
「そうは言ってないわよ。けど、アイゼル・バーガンディスとラーエル・ファルケンハインって言ったら……〈蒼き雷の剣亭〉の冒険者じゃない」
ヤンファ
「あァ。彼の《黄金戦役》で活躍した、な」 フェリシアに頷き
ソルティア
「蒼き……黄金戦役の、ですか?」 話に聞いただけだろうが
#フェリシア
「そんな彼らが、《黄金戦役》の“黄金”の軍勢の残党と行動をしている疑いの目を向けない方がおかしいわ」
エリカ
「……」 正直、状況が掴めなくて何を言っていいか解らない。
#ザガート
「……まぁ、私は見ての通り人族ではないし、それどころかノスフェラトゥだ」
ヤンファ
「は?」 ナイトメアじゃないの?
ソルティア
「………」 笑顔のまま固まった。 「えっ」
シャルロット
の、ノスフェラトゥ?」
#ザガート
「ああ」 皆の反応に表情を変えずに頷いて。
#アイゼル
「悪いけど、本物よ」
#ラーエル
「あはは……言っちゃっていいのかはすごく迷ったんだけどねぇ」
シャルロット
「……わぁ。ノスフェラトゥと人族って、手を取り合えるんですね……」 しみじみしながら、ある種嬉しそうに言う
#ザガート
「種族として手を取り合えるとは、思わないがね」
シャルロット
「あんまり面と向かって否定されると寂しいものが」
#ザガート
「私は理想論者でも無いのでね」
ソルティア
「……えぇと、シャルロットさんかエリカちゃんかフェリシアさんが気に入って、血を貰いにきたとかそういう……?」 違うに決まってます
#ザガート
「いや、違う」 真面目に返した。
ソルティア
「で、ですよね……」 どういう反応すればいいの!?とラーエル君を見る
エリカ
「……」 エリカは反応に困っている!
#ラーエル
「まぁ……うん、ザガートさんも普通の人とそんなに変わらないから、ね?」 かわります。
エリカ
「は、はあ……」 変わらんと言われましても!
ヤンファ
「……あァ、そうか。そういうことかァ」
ヤンファ
「《黄金戦役》の“真実”を探ってるのは片方だけじゃァないってトコか」
#ザガート
「察しがいいな」
ヤンファ
「ちょいと調べたんでな、あの戦役は」
シャルロット
「そんなところ、気にかけてたんですか? ……私はネベール会戦ばかりに気を取られてしまって」 申し訳ないとばかりに
ソルティア
「……何か意識飛びそうです……」 話の流れと貧血でくらくら
ヤンファ
「ルナティアを追っていたこの女の存在が大分引っかかってたんでなァ」
#アイゼル
そうね、《黄金戦役》の事から、貴方たちに多少は話してもいいかしら」
シャルロット
「……よろしいので? あの、申し訳ないですがあまり公開したくない情報であれば、私の居ないところでお話いただけると」
ヤンファ
「いや、この際警戒を解くのにも丁度いいだろ」
#アイゼル
「ごく限られた者たち以外には伝えない、と約束するのならね」
シャルロット
「それは中々、機密が護りにくい誓いですね……お姉様ぐらいにはなす程度でしょうが……それでよければ」
#ラーエル
「……まぁ、マグダレーナ様くらいになら話して貰っても大丈夫、なのかな」
#アイゼル
「……ま、あのお姫様くらいならいいでしょう」 お人好しだし、と。
#ラーエル
「一応面識がない訳じゃないし、今までなんにも伝えずにいたのは申し訳ないんだけどね……」
#ザガート
「むしろ、君は聞くべき立場にあるだろう、〈ファランダレス〉の《担い手》なのだから」
ヤンファ
「……博識なモンで」 肩を竦める
エリカ
「……」 ちら、と。話に上がった剣に目を向け。今はシャルロットの足元に転がってるか。
シャルロット
「……〈ファランダレス〉の。何故? 黄金戦役にも関係があるのですか?」
ヤンファ
「それを探っている途中、なんだろォ?」
#ザガート
「はっきりと、関連があると分かっている訳ではない」
#ザガート
「《黄金戦役》は、疑問を抱く切欠に過ぎないのでね」
シャルロット
「疑問、を?」
#フェリシア
「……」 聞くまで動かぬ、と言わんばかりだ。
#ラーエル
「……そう。直接ドゥラージュと接した僕らだから抱いた疑問」
ヤンファ
「“ドゥラージュ”の人格、腕前からその敗北に疑問を抱いた」
ヤンファ
「そういうことだと俺は思ってたが?」
#ラーエル
「……分かるんだ?」
ヤンファ
「言ったろォ?色々調べ回ったってな」
ヤンファ
「ま、この発言はイーヴから貰ったモンだがな」
#ラーエル
「あー、イーヴさんから……」 成程成程、と頷いて。
#ラーエル
「その通り、僕たちは《黄金戦役》の結果に疑問を抱いた。もっと言えば、“ドゥラージュが事を起こしたタイミング”に」
ヤンファ
「……事を起こした、」
#フェリシア
「……タイミング?」
#ラーエル
そう。……っと、その前に、黄金戦役について知らせておいた方がいいって人は居る?」
ヤンファ
近年の出来事だし大体知ってそうだけどね
#ラーエル
おとなりの国の出来事ですしね。
ソルティア
「……そうですね……ルキスラ帝国が、“黄金”のドゥラージュとその11人の配下と争った、と言う事くらいは……存じていますが……」
エリカ
「……ええと、それくらいなら私も」 きちんと把握したのは軍属にブチ込まれてからな気がしますが。
#ラーエル
「うん、それで最終的にルキスラが勝った、っていう事を知ってれば十分だよ」
ヤンファ
「そ、勝った。“何事もなかった”かのように、だろ?」
#ラーエル
「あはは……僕が話す必要があんまりないかも」  「その通り。ドゥラージュは、物凄く強い人だった。あらゆる意味で、ね」
#アイゼル
「ま、心の方は強かったとは言い難いし、ラーエルの過大評価も入ってる気はするけどね」
#ザガート
「それでも、私が道を共にすると誓うに足る人物であったのは、“ドゥラージュの11人”の生き残りとして保証しよう」
シャルロット
「……」 良く判らない話の運びになってきた
ソルティア
「……生き残り……そうか、貴方が行方不明だった“蒼の蜘蛛”……」
#ザガート
「ああ、そうだ。通報はしてくれずにおいてくれると助かるよ」
ソルティア
「命の恩人を売るような事は出来ませんよ……家族に顔向けできなくなります」 小さく微笑んで。
#ラーエル
で、ね。その戦いの最後に……それまでにも何度か、だけど、僕はドゥラージュと直接対峙したんだ」
#ラーエル
「……あの時、ドゥラージュの軍勢は結構な力を持っていたし、ゆっくり準備を進めれば、多分、ルキスラに打ち勝つだけの戦力を用意して、戦術や戦略も練れたと思う」
ヤンファ
「………」 この辺は聞いていた通りだな
#ラーエル
「なのに、ドゥラージュは時期尚早とも言うべきタイミングで仕掛けて、そして、ルキスラ帝国に敗北した」
シャルロット
「それには理由があった、と?」
#ラーエル
「……うん。それが読めない人じゃあないんだ」
#ラーエル
「だから、ドゥラージュには理由があった。“あのタイミングで事を起こさなければ、もっと状況が悪くなる”理由が」
シャルロット
「それは、“蛮族”が? それとも
#ラーエル
僕は、蛮族側の状況じゃないと思う」
エリカ
「……時間が経てば、ルキスラがもっと強い力を持つから、っていうことですか?」
#ラーエル
「……そうなるね」
ヤンファ
だろうなァ」
#アイゼル
「現にルキスラは、あの時より大きな力を付けている。……ま、そんな単純な表面上の話ではないんでしょうけど」
エリカ
「……」 頭の中にあの男の顔が浮かぶ。
#ラーエル
「戦いの後、僕は生き残りであるザガートさんに出会って、もう一度《黄金戦役》について自分なりに整理してみたんだ」
シャルロット
「……蛮族と人族の垣根を越えて、ですか。成程、故にこの“剣”を担う私にも関わりがあると」
#ラーエル
「だから、僕はアイゼルさんとザガートさんに協力をお願いして、あれからずっと戦役の裏に隠れた真実を探していた」
#アイゼル
「……ま、らしい真実なんてものはまだ見つかってはいないんだけど」
ヤンファ
「解ってたらこんな場所でくすぶってねえだろうしな」
エリカ
「……」 ようは皇帝(あのおとこ)が何を企んでるかを探っている、ということだろうか。
#ザガート
「それでも、まったく進展がないとも言えなくてね」
シャルロット
「何が、つかめたのですか?」
#ザガート
「ドゥラージュ様が警戒していたモノかも知れない事の手掛かりは、ないではない」
#アイゼル
「ザルツ地方に眠る“力”の話を、ね」
ヤンファ
「眠る……遺跡かァ?」
シャルロット
「遺跡……?」
ソルティア
「力……?」
#アイゼル
「そうね。ルキスラとダーレスブルグに眠る地下の遺跡も多少関係してくるんだと思うわ」
#アイゼル
「まず“救世の聖女”の御伽話は聞いたことはある?」
シャルロット
「それはええ。少しばかりは(そら)んじていますが」
ヤンファ
「あァ……ルキスラの話だったか」 だったっけ?
#フェリシア
「《大破局》の時に、身を捧げてザルツ地方を救った聖人……ですね」
ソルティア
「ルキスラの聖女、〈救世の胡弓〉の使い手……でしたか?」
エリカ
「……一応、あります」 聞いたことは。

ザルツ地方の《大破局》と“救世の聖女”

 300年前の《大破局》以前、ルキスラは単なる地方都市でした。
 ルキスラはザルツ地方一帯を治めていたアウリカーナ共和国に属する都市であり、残されている文献によれば、さほど注目を集める都市ではなかったようです。
 一方で、ダーレスブルグは王国として存在しており、レーゼルドーン大陸の南部を国土として有していました。ルキスラと距離が近かったこともあり、両者の親交はそれなりに深いものだったと伝えられています。アウリカーナ共和国に属する都市でありながら、他国であるダーレスブルグとの関係が深かったのは、大国故の欠陥とも言えるべき点かも知れません。
 やがて、《大破局》の時がやってきました。
《大破局》の第一波である天変地異により、アウリカーナ共和国の主要都市は甚大な被害を被り、政治、軍事の中枢は崩壊。ルキスラとその周辺は、奇跡的に最小限の被害で済んだため、ルキスラはザルツの重要な拠点の一つとなりました。
 その後、凄まじい勢いで北のレーゼルドーン大陸を平らげた蛮族軍は、ダーレスブルグ王国へ掛かる“大橋”を通って、テラスティア大陸北部にも雪崩込んできました。長らく地底に潜んでいた蛮族たちは、地上軍を主力とした白兵戦の得意な軍隊でした。対して人族は、船や飛空船といった乗り物を扱う戦法を得意としましたが、先の天変地異で多くの軍備を喪失していたため、十分な防衛ができませんでした。
 結果、地上戦で押し切られ、ダーレスブルグ王国は勇戦虚しく陥落。またザルツ地方の中央を貫くオッド山脈の地下からも突如蛮族が溢れ出し、東のルキスラや西のフェンディル王国へも襲かかりました。一気に、ザルツ地方も血を血で洗う戦場と化したのです。
《大破局》の最中や直後の詳細な歴史は残されておらず、口伝や噂が入り混じった不確かな情報だけが伝わっています。
 それによれば、ルキスラ周辺を《大破局》から守り抜いたのは、ルキスラ帝国の建国王アレウス・クラウゼ一世とその妹であるアレクサンドリア・クラウゼという二人の人物の功績だとされています。
 建国王アレウスは剣術と射撃に長けた魔法戦士であり、優秀な魔動機師でもありました。またアレクサンドリアはその彼を支える優秀な神官であったと伝えられています。
 アレウス一世は、元々ルキスラの治安を守る方面軍の指揮官であり、僅かな直属の兵力に市民たちの力を加え、果敢に蛮族軍に対抗しました。そこへ亡命してきたダーレスブルグの王族や敗残兵も加え、ひたすら防戦に努めたと言われています。
 アレクサンドリアは、そのルキスラ軍を支える役目を果たしていました。始祖神の神官であった彼女を中心とした複数宗派の神官が入り交じって形成された神官団は、防戦を続けるルキスラ軍の傷を癒し続け、また甲斐甲斐しく世話をし、長期戦に耐えうるだけの力を与えたのです。
 防戦を続けると同時にアレウス一世は都市の要塞化を進め、一大拠点を作り上げました。魔動機師でもあったアレウス一世は、魔動機械の無人兵器も集中的に運用し、少しずつ戦力を増加させていきます。
 しかし、それでも勢いに乗った蛮族を止めるのは酷く困難なことでした。単純な力押しばかりとはいえ、それが彼らの本領でもあり、数で押してくる蛮族を押し返すには“決め手”が欠けていたのです。
 その決め手というのは、人々の結束でした。
 残存戦力を掻き集め、ダーレスブルグの王家とルキスラ軍が集っても、彼らの心は統一されておらず、戦いが長引けば長引く程亀裂が生じていったのです。
 そこで立ち上がったのが、アレクサンドリア・クラウゼでした。
 彼女は人々の結束を強め、彼らに苦境に負けぬ力を与えるためにルキスラに安置されていたとある《神器》に目をつけたのです。
 神器の名は、〈ライフォス胡弓〉。すべての争いを無くす為に、始祖神ライフォスが神紀文明時代の末期に創り出したものでした。その胡弓の音が響けば、世界のあらゆるものから戦意や害意が奪われると言われています。
 ライフォスがそれを運用した際、弦の1本が突然切れてしまったことで魔力が切れ、その隙に戦神ダルクレムが戦いの幕を開いたと神話は語っています。
 事実、胡弓は不完全な状態であり、同時に管理者たちは洗脳とも呼べる胡弓の力を危険視し、使用を禁じていました。
 しかし、それだけの神器の力の一端でも操ることが出来ればこの苦境を脱することが出来るそう信じたアレクサンドリアは、自らの身を贄と捧げ、神器とひとつとなったのです。
 結果、後に〈救世の胡弓〉と呼ばれるひとつの神器が誕生し、その調べはザルツ地方北部に響き渡り、そこに住まうすべての人々に力を与えました。
 それはまさに洗脳ではなく、明確な人の意志の統一。惜しげも無く自身を捧げ、人々の為に自らを捨てたアレクサンドリアに敬意を表し、人々は力を合わせて戦うことを決めたのです。
 その後アレウス一世に率いられたルキスラ軍は次々に蛮族たちを各個撃破、人族の大反撃が始まります。
 救世の音色に祝福された人族は瞬く間にザルツ地方全土を席巻し、隣国であるフェンディル王国を包囲していた蛮族軍を撃退。オッド山脈の地底に掘られた大トンネルへも攻撃を繰り返し、そのほとんどを爆破、埋没させました。地下に潜んでいた将軍級の蛮族も、そのほとんどが倒されています。
 勢いに乗ったルキスラ軍は、一度陥落したダーレスブルグの首都も奪還し、ついにはザルツ地方から蛮族軍の本体を完全に追い出しました。
 こうして、ザルツ地方における《大破局》は終焉を迎えたのです。
 役目を終え、力を失った〈救世の胡弓〉とその中に存在するアレクサンドリアは、《大破局》の終焉と共に砕け散ったとされています。神ならざる身で神器を扱った代償は、到底人の身で負いきれるものではなかったのです。
 しかし、人々の心の中に彼女の存在は刻みつけられ、“救世の聖女”アレクサンドリアの名は、今でもルキスラ帝国を中心に伝わっています。

#アイゼル
「“救世の聖女”アレクサンドリア・クラウゼ。
 今のルキスラ皇家の血筋の者だとされているけれど
#アイゼル
「〈胡弓〉と同一化した後、どうなったかの話は?」
ヤンファ
「どうなったか……?」
シャルロット
「い、いえ? 御伽噺ですし、そんなに深く考えたことは」
ソルティア
「……その後の話は存じません。何かルキスラに伝わっている話があるんですか?」
エリカ
「……神器ごと、砕け散ってしまった、っていう顛末だったと思いますけど」
#アイゼル
「ルキスラに伝わっているのは、そこのコが言った通りの話よ」 エリカを示して。
ソルティア
「砕け散った……ですか」
#アイゼル
「でも、その顛末がただの作り話だったのなら?」
エリカ
「……?」 “顛末が”つくり話、ということは。
シャルロット
「作り話? まだ砕けずに残っているとか、そういうことですか?」
#アイゼル
「ええ」 砕け散った訳ではない、と。
エリカ
「……まさか、皇帝……陛下は、それを手に入れるつもりだとか、そういう……」 話なんだろうか。
#アイゼル
「その可能性も否定は出来ない」
シャルロット
「……それがどこかの遺跡に眠っていると?」
#アイゼル
「どうなったか、までの細かい話は分からないわ」
ヤンファ
「まァ、狙ってるモンがソレじゃないかってトコにようやく辿り着いたって話だったモンな」
エリカ
「……」 どうにも突拍子もない話だ。あの男がその手の与太話っぽいものを当てにするだろうか。
#アイゼル
「けれど、私たちはある歴史の生き証人から話を聞いて、ね」
ソルティア
「生き証人? 当時から生き残ってる人と言えば、エルフかナイトメアか……」
シャルロット
「……」 長生きしてそうなノスフェラトゥに目をやる
#ザガート
「残念ながら私ではない」 肩を竦めて。
#アイゼル
「……ま、人族や蛮族だけが長生きする訳じゃないわ」
ソルティア
「人や蛮族以外というと……」
ヤンファ
「竜、か」
#ラーエル
「……お兄さん、ホントに鋭いね?」
ヤンファ
「調子が良い時だけなァ」
シャルロット
そうか」
シャルロット
「蒼き、観測者」
#アイゼル
「知ってるのね」
ヤンファ
「あン?」 シャルに顔顰め
シャルロット
「出元はヤンファさんとなんら差がありませんがね。私も、聞きたいことがあって問いかけたところイーヴさんから、彼に聞けとご助言いただきました」
#アイゼル
「成程ね。あの人らしいわ」 なんだかんだ地味なヒントを出すのは。
#ザガート
「非常に気難しい性格で、私たちも少し話を聞くだけで非常に苦労したよ」
ヤンファ
「なんだァ、お前もイーヴに……って」 何を訊いたんだ、と言おうと思ったが言葉をそこで止めた
#フェリシア
「……それで、その竜が何と?」
#アイゼル
「『魔が人を喰らい、英雄が魔を討ち、人が英雄を殺す』と」
エリカ
「……?」 なんのこっちゃ、という顔。
ヤンファ
「……三竦みか?」
ソルティア
「……魔と、人と、英雄……」
#アイゼル
「“救世の聖女”の話をしたら、そんな返答が返って来たのよ」
#ラーエル
「……で、これを《大破局》に当てはめると、どうなると思う?」
エリカ
「どう、って……」
ソルティア
「魔は蛮族、人は人族、そして英雄は……」
#ザガート
「“救世の聖女”だろう」
シャルロット
「………つまり。聖女アレクサンドリアは、人の手によって葬られ、その神器は深く遺跡に閉じ込められたと……?」
#アイゼル
「私たちは、そんな感じなのではないかと思っているわ」
ソルティア
「………」 小さく頷き。
ヤンファ
「オイオイ、まるで“英雄が人じゃない”みたいなカテゴリ分けだなァ」
エリカ
「……」 ヤンファの言葉に。ちらりと、シャルロットと、その足元の剣を見て。
ヤンファ
「……」 エリカのシャルへの視線にも気付き、同様のことを思う
シャルロット
「人ではないでしょう。そう在るように移り変わるにつれて、英雄は世界から切り離されていく」
ソルティア
「人の統治する世界に、英雄は次第に邪魔となる……」
#ザガート
「実際、大きな力を持った人間は、周囲からは普通とは少し変わった扱いを受けるものだ」
ヤンファ
「……俺が言ってるのはそういう意味じゃァないんだが、な」
シャルロット
「それこそ、神にでもなればあがめられもしたのでしょうが……神様が目の前に鎮座していてはおちつかないでしょうしね」
#アイゼル
「……ただ、それを葬ったのは聖女に近しい人物たちだったでしょうけど。それこそ、建国王とかね」
ソルティア
「今の僕らも、ある意味似たようなものかもしれません。特殊な肩書きを与えられて……」
#フェリシア
「私たちは、まだそこまでではないとは思いますが……」 
シャルロット
「それに……今の私が、どこまで“人”なのか。少し疑問も抱くところです」 僅か、皮肉をこめた笑みを浮かべて言う
ヤンファ
「……それをその何とかの観測者に訊きたいんだろ?」
シャルロット
「私が聞きたいのは、私自身の事ぐらいですよ」
ヤンファ
「それも大事なことだろ」
#ラーエル
「……」 少し困ったような表情でシャルロットを見て。
ソルティア
「……そんな事を言わないでください。困ってしまいますから……」 困ったような笑みで。
シャルロット
「いえ。まるで悲観しているわけではないんですが……少しばかりは思うところがあっても良い事案かと」
ソルティア
「……そう、ですね。何を以って人を“人”と為すのか、僕には答えられませんが……」 僅かに俯き。
#ザガート
「……さらに、そうだな。この話もしておくべきか」
ヤンファ
「あン? まだあんのか」
#ザガート
「恐らく、これはマグダレーナ殿下も知っている事かも知れないが」
#ザガート
「《大破局》の前、一地方都市だったルキスラとダーレスブルグ王国の親交が深かったのは、耳にしたことはあるだろう」
シャルロット
「ええ……それは」 でもなんで?
ヤンファ
「あァ、それぐらいはな」 自国のことだし
ソルティア
「その規模は、現在とは真逆だったようですが……」
#ザガート
「さて……ね。私は当時のアウリカーナ共和国とダーレスブルグ王国の様子を見た訳ではないから、理由までは分からない」
#ザガート
「が、アウリカーナ共和国の一都市であったルキスラの中心人物たちと、ダーレスブルグの王族は非常に親交が深かった」
エリカ
「……?」 それがこれまでの話と何か関係があるんだろうか
#ザガート
「それこそ、互いの血を交わらせる程にね」
シャルロット
「……いや。まさか」
シャルロット
「そんな馬鹿な話があっていいわけがないでしょう。そんな……」 繋がってくる全ての糸が、やけにわずらわしい
エリカ
「……」 別にそういった政略結婚は珍しい話ではないように思うけれど。それが何か…… 「……あ」 また、シャルロットと足元の剣見て。
ヤンファ
「………」 イエイツの、血
ソルティア
「……? シャルロットさん、何か気付いたんですか?」
#ザガート
「そして、その血を持つ一族は《管理者》の一族と呼ばれ、《大破局》の折に、二つの国へと分かれた」
#ザガート
「一体彼らが、何を管理していたのかまでは知らないがね」
#ラーエル
「……多分、《大破局》の時に使われた〈神器〉のことだとは思ってるけど」
ヤンファ
「………」 待てよ。これはシャルだけの話に限ってこないんじゃないか……
#フェリシア
……」 顎に手を当てて、考える。
シャルロット
「まさか……ユリウス陛下は。いや」 ふるふると首を横に振る
#フェリシア
「……確かに、そのような話がないではありません」
#フェリシア
「王家を中心に、ごく一部の間にのみ伝わっている……文献も何もない、信憑性の薄い話ではありますが」
エリカ
「まさか……、あい」 つ、と言いかけ。 「……皇帝陛下、も……あの剣を、扱えるかもしれない……?」
#アイゼル
「同じ血を引いているのなら、その可能性もあるかもね」
シャルロット
「ですが、彼自身は別に剣を剣として扱いたいわけではないでしょう」
エリカ
「まあ、確かに……。リスクは強いし、わざわざ積極的に自分で使いたがりはしなさそうだけど……」
シャルロット
「荒唐無稽にも程が在る。ユリウス陛下の狙いは……あの意思統合の力とでも言うのですか?」
#アイゼル
「さぁね。あの男が何処まで知っているのかも分からないわ」
ソルティア
「……確かに、陛下は人族の力を結集するのを目標としていた節はありますが……」
ヤンファ
「……よく出来た話じゃァねえか。これこそ御伽話であって欲しいモンだわ」
エリカ
「……少なくとも、もっとまともな確証がないと、それをあてにしようだなんて思わないと思うけど」
#ザガート
「まぁ、この段階ではまだ与太話に過ぎないね」
シャルロット
「ルキスラの、ひいてはクラウゼの血筋であれば知らない方がおかしいですよ。それに、彼には明確な確信がある」
#ラーエル
「明確な確信?」
シャルロット
「これは単なる勘です。ですが、ユリウス陛下は何かが掴めない状態では一手を打たないはず」
#アイゼル
「計算高い男であるのは確かね」
ヤンファ
「恐ろしいくらいにはなァ」
#ラーエル
「……そうだとして、問題はどうやればその目的のモノを得られるか、だよね」
ソルティア
「……救世の聖女を害したのは、建国王の家系だろう、と言う事でしたね……」
ソルティア
「もし建国王が文献なりを残していたのなら、〈救世の胡弓〉に関する情報を陛下が得ていても不思議はありませんが……」
シャルロット
「……待降の為の、贄? 私とファランダレスを用いて、聖女を再び光臨でもさせるつもりなのでしょうか」
#フェリシア
「聖女の降臨……?」
ヤンファ
……」 シャルとファランダレスから出でたようなあの瓜二つな女を思い出して表情が渋くなる
シャルロット
「ルキスラに安置されていたとされるアーティファクトが、救世の胡弓の一部だとすると……?」 だめだ。いつものように頭がおかしなほうに傾いている
ヤンファ
「……駄目だなァ。流石にそこまで来ると相変わらずさっぱりだわ」
エリカ
「……聖女がどうのまではともかく、英雄として利用したがってはいそうだけど」 シャルロットに関してはね。
ソルティア
「クラウゼの家系とイエイツの家系、その二つが交わる事に陛下の望む事が関わっているんでしょうが……それ以上はなんとも」 首を横に振り
シャルロット
「いや……違う、かな。まだ何か足りてない気がする……なんだろう、違和感が……」
ヤンファ
「足りてない、というより……俺らに考え付くようなものを大きく超えた超常現象があるのかもなァ」
#ラーエル
「……ま、陛下が何かをしようとしてるのは、間違いなさそうだけど」
ソルティア
「交わった血と、“救世の聖女”、それに〈救世の胡弓〉……ですか」
シャルロット
「……ダメです。私にはちょっと及びもつきません」 どか、と壁に背中を押し付けて動かない腕を放り投げる
#フェリシア
「ルキスラとダーレスブルグ……両国に共通することと言えば
#フェリシア
「遺跡……ではないでしょうか」
エリカ
「遺跡……地下のですか?」
ヤンファ
「……国の下にある?」
#フェリシア
「ええ。両国共に、地下に広大な遺跡を持っています」
ソルティア
「《調の神殿》 と《響の楽園》、でしたっけ?」
#フェリシア
「はい、そう呼ばれていますね」
シャルロット
「……」 なんというか、おあつらえ向きの名前のような気がしてならない
ヤンファ
「………」 今更だけど警戒はほぼほぼ解けてるな
ソルティア
「その二つが、何らかの関係を持っている……或いは、同じ目的で作られたとか、そういう事でしょうか……」
#ザガート
付け加えておけば、遺跡は2つだけではない」
シャルロット
「……な」 まだあんの!
ソルティア
「……まだ、他に遺跡が……?」
#ザガート
「ザルツ地方には、それに関連した遺跡があと二つある」
シャルロット
「二つも……」 なんだかげんなりしてきてしまった。
シャルロット
「もしかしてこことかじゃないですよね」
#ザガート
「いや、霧の街はただのアル・メナス期の街に過ぎないはずだ」
#ザガート
「何処にあるのかは二つとも知らないが、一つは名前ならば聞いた事はある」
#ザガート
《奏の城》。そう呼ばれる遺跡があったそうだ」
ソルティア
「奏……」 また音関係か
エリカ
「お城……」
ヤンファ
「………」 ソルティアが同じことに気付いたようだな、と視線を一瞬だけ向けた
ソルティア
「………」 ヤンファに向かって頷く
ヤンファ
「……で、それ以上の情報はあんのか?」 お城について
#ザガート
「先程ザルツ地方とは言ったが、どれだけ探しても、その遺跡は見つかっていない」
#ザガート
「……故に、ザルツ地方には存在していないのかも知れない」
ヤンファ
「地上にも、地中にも無いってか」
エリカ
「もう残ってないか、他の地方ってこと、ですか?」
#ザガート
「そうなるな。して、可能性があるとしたらその地方は何処だと思う?」
#ザガート
「ルキスラ、ダーレスブルグにある遺跡と関係しているのならば、一時でもその勢力圏内にあった場所にある可能性が非常に高いだろう」
エリカ
「………」 勢力圏内。
ヤンファ
「……あァー、待てよ」
ソルティア
「……ダーレスブルグ王国は、どこまで勢力を伸ばしていましたっけか」
エリカ
「……ここ、ですよね。エイギア地方」
#フェリシア
「……エイギア地方、レーゼルドーンの南部は大体」
ソルティア
「……と言うとこは、この辺りまでは可能性があるという事ですね」
ヤンファ
「そうなるよなァ」
エリカ
「お城、だったら……ヴァルクレア城、とか」
ヤンファ
「……そうか」
ヤンファ
「俺らが今から攻め取る場所……」
#アイゼル
「……ふぅん」
ヤンファ
「……いよいよ本格的にキナ臭くなってきたなァオイ」
シャルロット
「なんというか……そろそろ火を噴きそうなんですが」
ソルティア
「僕はそろそろほんとに意識がなくなりそうですよ……」 がっくり
#ラーエル
「……あはは、ごめんね。こんなに一気に色々話しちゃったら大変だよね」
ソルティア
「メ、メモを準備しましょうメモを」
ヤンファ
「こんな内容忘れられっかよ……」
#ラーエル
「ただ、僕らは表に顔を出す訳にはいかないから、今くらいしか誰にも見られずに君たちとゆっくり話を出来るタイミングはないんだ」
ヤンファ
「……ま、文字通り日陰者ってか」 ザガート見て
#ザガート
「ああ。そのおかげでドゥラージュ様の最後の戦いにも参加出来なかったのでね」 日中やったでな。
ヤンファ
「その悔やみも兼ねて、こうして非公式に協力してるワケか」
#ザガート
「ドゥラージュ様の正しいお姿を後世に伝えていく事を、ラーエルたちと約したのでね」
ヤンファ
「成る程なァ。人族が慕ってたって話も聞いてたぐらいだ、割と俺も興味を持ったぜ」
エリカ
「……どうしてですか? そっちのひと……」 ……ひと? まあいい。 「その、ザガートさんがまずいのは解りますけど、他の二人は表でも……」
#ラーエル
「何処までユリウス陛下が把握してるのか分からないけど……バレたらあの人はありとあらゆる手を使って妨害して来そうだからさ」 見られる可能性は減らしたいのだ。
シャルロット
「そういうこと、ですか……色々知っていそうな人間は邪魔というところでしょうか」
エリカ
「ああ……」 まあ、そうだろうな、と。納得。
シャルロット
「私やお姉様あたりであれば、承知で腹に一杯抱えそうなものですが……まあ、ご事情は判りました」
#ラーエル
「少なくとも、僕らはシャルロットさんの言う通り色々ルキスラについても知っちゃってる訳だし」
シャルロット
「イーヴさん、その辺りを承知の上で来たのかも……しれないですね」
#アイゼル
「……ま、あの人も真実というものは知りたいでしょうからね」
ソルティア
「……そういえばお二方は、帝国の宿から離れてここにいるわけですしね……」
ヤンファ
「でもそれ、姫さんに伝えたら顔色だけでもユリウスの野郎にどことなく悟られそうだなァ」 対談したときとか
#フェリシア
「マグダレーナ様もそれを隠す事は出来るでしょうが……相手が相手となるとね」
エリカ
「…………」 顔色が云々と言われると、私は全く自信がないのだが。
シャルロット
「黙っておきますよ。このことは私が飲み込んでおくべきでしょう」
#フェリシア
「……それでよろしいのですか?」
シャルロット
「話せない事が出来た。お姉さまにそう伝えれば、きっと伝わるでしょう」
#フェリシア
「……マグダレーナ様に隠し事をするのは、私としては心苦しいですが、シャルロット様のご命令とあれば仕方ありませんね」
シャルロット
「少なくとも、今は少々他が忙しすぎる。表ではどうなっているか、正直想像もしたくない事態です」
#アイゼル
貴女たちが思っているよりは、被害は少ないんじゃないかしらね」
シャルロット
「……?」
ヤンファ
っつーと」
エリカ
「……どういうことですか?」
ソルティア
「上で何か変化が……?」
#ザガート
「理由は知らない。が、確認した限りでは、逃げ遂せた人数は多かったようだ」
#ザガート
「蛮族軍が手を抜いたのか、それとも別の理由があるのか」
エリカ
「……」 腑に落ちないことだ。
ヤンファ
「……そりゃまた邪推の材料が増えたモンで」
シャルロット
「……全く、不自然なことが多すぎますね」
ソルティア
「そうですが……今はそれを幸いと思っておくべきですね」 息をついて。
#アイゼル
「……ま、造られた舞台だと言うのなら、不自然なのがある意味自然じゃないかしら」
#ラーエル
「僕たちが今伝えられるのは、そのくらい……かな」
シャルロット
「……気重ですが、これから帰らないといけないですね」
ソルティア
「……僕らも、戻るなら早く戻るべきですね。皆も心配してるでしょうし……いつつ」
#ラーエル
「途中までなら援護は出来るけど……ね」
ソルティア
「出来れば、一晩くらいは休んでいきたいものですけどね……」 はは、と血の気のうせた顔で。
エリカ
「……もう少し休んでからの方がいいと思います」 ソルティアの様子見つつ。ちら、とシャルロットも見て。
ヤンファ
「……」 ふう、と息をつき 「……そういやァ、今更なことを一つ訊きてえんだが」 アイゼルを見て
シャルロット
「ああ、私もいくつか……」
#アイゼル
「何かしら。可能な範囲でなら答えてあげるわ」
ヤンファ
「二回目会った時だ。アレはルナティアを追ってきたのか、俺らの人質解放に手を貸しに来たのか」
#アイゼル
「半分は“死神”を追って、もう半分は、そこのお姫様を見に、よ」
シャルロット
「……はい?」 何で私?
ヤンファ
「なら、あの女を追う理由もあるワケだ……が、それは答えられない範囲ってか」
#アイゼル
「あの子が事件の深い所に関係していると思っているのは、貴方たちも一緒なんでしょう」
ヤンファ
「………」 ソレに関してはシャルが気にかけてる部分だな
ヤンファ
「で、“担い手”を見に来たってトコか」 半分は。
シャルロット
「当事者としては、なんというか、笑うしかありませんね……」
#アイゼル
「そっちはその通り。もし、私たちの追っている真実に関係しているのならば、私たちが協力するに足る者なのかを見極める為にね」
シャルロット
「お眼鏡には適った、というところですか。……割と、今回の件は今の事態を察知してました?」
#アイゼル
「まだまだ、信用するには程遠いけれど」 ユリウスよりはマシと。 「ザガートが、〈クルルラガン〉が失われていない事を知っていたから、ね」
ソルティア
「クル……?」
ヤンファ
「クルル……あン?」
#ザガート
「〈クルルラガン〉というのは、あの霧の根源」
#ザガート
「霧の街の主、ヤーハッカゼッシュの持つ魔剣だ」
#ザガート
「その性質は、〈穢れの剣〉とでも呼べばわかりやすいだろう」 さっき体験したばっかりだしね。
エリカ
「魔剣……の、力だったんですか」
ソルティア
「ヤーハッカゼッシュ……あの霧を作り出す魔剣、と言う事ですか」
ヤンファ
「差し詰め竜の言葉を借りるなら、“魔”の魔剣だなァ」
#ザガート
「恐らく、連合軍が持ち込んだ〈守りの剣〉では、その〈クルルラガン〉の格に勝つ事が出来ずに、その効力を失ってしまったのだろう」
ソルティア
「そう強い魔剣を持ち出す事も出来なかったのでしょうね……」
シャルロット
「……あの霧。ファランダレスが正しく扱えていれば、打ち勝てたのに」 歯軋りをして悔しそうに剣を睨む
#フェリシア
「……ですが、ヤンファの協力無しに〈ファランダレス〉を解放しては、シャルロット様の身が危険です」
ヤンファ
「その俺も〈ヴァイケリオン〉を手にしたことも無ぇがな」
ソルティア
「今回、ファランダレスが完全な能力を使えなかったのは、逆に幸運だったかもしれませんね……」
シャルロット
「ですが……一振りでしたが、この程度で片付いていますよ?」 そこんとこ、私自信が不思議なんだけど
#ザガート
「それは、《担い手》故と言った所ではないかな」
シャルロット
体感として、だが。正しく使えてたら命はなかったのだろうか……
GM
ヴァイケリオンなしで使ってたらぶっ飛んでた可能性はあるな、色々と。
#アイゼル
「……ふふ、それが分かっているのなら、次にユリウスが持ち出す提案が見えて来るかもね?」
ソルティア
「……ファランダレスを使って、霧を……と言う事ですか?」
#アイゼル
「そういう事。もっと言えば、その前に」 ソルティアの言葉に、ヤンファを見て。
ソルティア
「もう一つの魔剣……」 こっちもヤンファを見て。
ヤンファ
「あン?」
ヤンファ
「俺か? 俺はあんな出し方できねえぞ?」 ぺかーっと
エリカ
「……誰も出来ると思ってないと思いますけど」
#アイゼル
「出せと言ってるんじゃないわ。貴方が、〈ヴァイケリオン〉の使い手として覚醒する事が期待されるでしょう、って言ってるの」
ヤンファ
「………」 エリカちゃんの突っ込みには視線だけやって何も言わず  「期待するつってもいきなりだしなァ」
シャルロット
「そっちも、なんていうか、ぴかーってかくせいするものなんですかね」
ヤンファ
「知らねえよ。そこまで教えてもらったことはねえし」 親父死んだし
#ラーエル
「……シャルロットさんはぴかーって覚醒したの?」
シャルロット
「いえ……でもぴかーっと呼び出せましたし……」
エリカ
「……」 それはあんたがぶっとんでるだけじゃないの、とは思っても言わない。
ソルティア
「そんな感覚的に覚醒出来るのはシャルロットさんだけな気がします……」
ソルティア
「……まぁ、その為の何かを仕掛けてくるのはありそうですね……」
ヤンファ
「オイオイ俺あの野郎と絡みたくねえっつーのに……」
シャルロット
「それは帰ってからのお楽しみと言うところですか……」
ヤンファ
「全然楽しくねえよ……」
#フェリシア
「……まぁ、どのような形式を要求してくるにせよ」
#フェリシア
「もし、次にそのようなご提案をユリウス陛下がなされれば、我々の予想が的中している可能性が少し上がりますね」
ヤンファ
「まァ、それはそうだな」
シャルロット
「……おあつらえ向きに呼び出したの、失敗でしたねぇ……」
シャルロット
今頃あっちは大騒ぎだろうか。大丈夫かしら
ソルティア
「……それを陛下が見逃すとは思えないですしね……」
エリカ
「……どうにか出来る手段があるのに、使わないわけ、ないわ」
ヤンファ
「………」 一瞬だけエリカをちらりと見、目を伏せる
ヤンファ
「……が、だからといってこの侵攻を中止させるコトもできねえ、か」
#ラーエル
「……まぁ、呼びだしちゃったものは仕方ないし、これからの行動でどうにか」
#フェリシア
「そうね。この状況で、引く事も出来ないでしょう」
シャルロット
「そうですね……」
ソルティア
「……まぁ、一度霧の街に手を出したんです。このまま帰るわけにも行かないでしょう。この状況を打開出来るなら、それはいい事……なのかもしれませんが……」 気遣わしげに眉を顰めて
#ザガート
「……さて、他に聞きたい事がなければ、そろそろ行くとしようか」
シャルロット
「このぐらいでしょうかね……」
ヤンファ
「で、シャルは何か訊きたいことがあるっつってたがいいのかァ?」 そろそろ時間がアレだが
シャルロット
「いえ。……大体利けましたし、問題ないでしょう」
ヤンファ
「オーケィ。なら行くとすっか。長すぎると怪しまれる」
#ラーエル
「僕たちは、これからもこっちで探ってみるよ」
#ラーエル
「そう頻繁に連絡は取れないだろうけど、もしこういう機会があれば、またその時に」
ヤンファ
「あァ。連絡手段も会う機会も中々無いしなァ」
ソルティア
「はい、また会う機会を作りたいものです」 ちょっと疲れたような笑顔で。
シャルロット
「ええ、また情報を交換し合いましょう」
ヤンファ
「ま、次もどっかで会うだろうよ。その時にまた、な」
#ラーエル
「出来れば、ゆっくりとご飯でも食べられる状況がいいねぇ……」 苦笑いで。
ソルティア
「そうですね、その時はダーレスブルグのいい店でも紹介したいものです」
#アイゼル
それと、“死神”だけど」
ヤンファ
「ン?」
#アイゼル
「もう、私たちが追うのは止めるわ」
#アイゼル
「そっちは、貴方たちでどうにかして頂戴。あまりこちらから、手を出されたくないでしょう」
ソルティア
「え……? え、えぇ、それはそうですが……」
ヤンファ
「ま、俺はどっちでもいいが」 二人ほどそうじゃないだろうからな
エリカ
「……」 私は正直、構わないのだが。
シャルロット
「……助かります。ですが、それゆえに任せてください。なんとしてもお会いして、お話を聞きだしますので」 
#アイゼル
「それじゃ、そちらは貴方たちに一任するわ」
ヤンファ
「へいへい」
シャルロット
「はい」
ソルティア
「えぇ、分かりました」
#ラーエル
「……僕らは、霧の街の方から出ようか。あっちなら、今は連合軍は居ないだろうし」 抜けられる自信もある。
ソルティア
「ご迷惑おかけします。僕らがそちらから出るのは不可能ですからね……」
#ザガート
「まぁ、私は霧の中でも自由に動ける。心配は無用さ」
ソルティア
「はい、お願いします……」 ぺこり 
#フェリシア
「情報提供には感謝しますが、まだ貴方方を完全に信用した訳ではありません」
#フェリシア
「もし、シャルロット様やマグダレーナ様たちに害を成すような結果になれば、その時は容赦しませんから」
シャルロット
「フェ、フェリシアさん……もう、そういうこと言わないでいいですって」
#フェリシア
「いえ、彼らにも目的はあるように、私にも譲れないものはありますから」
ヤンファ
「次会う時は敵かもしれない、ってお前も言ってたしなァ」 カッカと笑う。アイゼルの台詞だ
#アイゼル
「そうね。この分だと、そんな時が来るのはまだまだ先でしょうけど」 来ない可能性の方が圧倒的に高いくらいだ。
エリカ
「……」 正直戦って勝てる気が全くしないので遠慮したい。
ヤンファ
「ま、そうならねえことを引き続き祈っておくぜェ」
シャルロット
「もう……それでは、またお会いしましょう。ザガートさんなんか、今度ゆっくりお話が聞きたいぐらいですし」
#ラーエル
「それじゃあ、元気で」
ソルティア
「はい、お互いに……」
#ザガート
シャルロットに答える代わりに、マントをばさっと翻して歩き去っていく。
#アイゼル
アイゼルもその横をすたすたと通り過ぎていって。
#ラーエル
一方唯一三人組でぱたぱたと手を振り返してから走っていった。
ソルティア
こちらもお辞儀&手振りで返事して
エリカ
「……」 黙って見送ります。微妙に会釈くらいはした。
#フェリシア
「それでは、我々も此処を抜けて、連合軍の駐屯地へと戻りましょう。……あちらの状況も確認しなければなりません」
ソルティア
「えぇ、そうですね……もう一頑張りといきましょうか」 あづづ、とぎこちなく立ち上がった。鎧は多分もう着ただろう。
ヤンファ
「かァ~!戻りたくねェなァ!」
シャルロット
「ええ。いそい、で……はむりですか。あの、ファランダレスを私の背中にくくりつけてください……」 もううでもちあがんないっす
ヤンファ
「へいへい」 布でも巻いて鞘代わりにしてやりますよ
エリカ
「……ソルティアさん、大丈夫……ですか?」
ソルティア
「うん、とりあえず駐屯地に戻るくらいはね」 いつもの笑顔だが、疲労が色濃い。
エリカ
「……ごめんなさい」 なんとなく謝ってしまった。
ソルティア
「謝る事なんて無いよ。それより、エリカちゃんが無事でよかった」
ヤンファ
(無事で、ねェ) 横目で見つつ
シャルロット
「……謝るのであれば、ヤンファさんにもしてあげてください。怒らせると機嫌、直らないんですから」
ヤンファ
「……オイオイ、余計なこと言うなよシャル」
エリカ
「……」 ばつの悪そうにヤンファの方見た。
シャルロット
「余計なことではありません。四六時中護衛で一緒に居るのに、むすっとされたままでは私も気が気でありません」
ヤンファ
「………」 そんなエリカの表情見てため息一つ  「ま、この作戦中ぐらいは我慢してやるよ」
エリカ
「……。ごめんなさい」
ヤンファ
「………」 頭ぼりぼり掻いて、背を向けながらエリカにひらひらと手を振った。

第二話 後編 「紅き霧に煙る街」 了



戦利品の獲得
グランギガース エリカ:5 + 3 + (2) = 10 ⇒ 金の腕輪(2,500G)
エリカ:6 + 6 + (2) = 14 ⇒ 巨人の秘宝(10000G)
エリカ:4 + 4 + (2) = 10 ⇒ 金の腕輪(2,500G)
オーガベルセルクルA エリカ:5 + 2 + (2) = 9 ⇒ 宝石(500G)× 1d6 → 2
オーガベルセルクルB エリカ:3 + 4 + (2) = 9 ⇒ 宝石(500G)× 1d6 → 2
オーガベルセルクルB エリカ:4 + 3 + (2) = 9 ⇒ 宝石(500G)× 1d6 → 2
名誉点23D6 → 5 + 1 + 1 + 4 + 4 + 1 + 2 + 3 + 1 + 1 + 6 + 4 + 4 + 6 + 6 + 4 + 4 + 1 + 5 + 6 + 2 + 2 + 3 = 76
リザルト
2012/06/02 第二話後編「紅き霧に煙る街」経験:3,740 報酬:17,575G 名誉:76

▼能力値成長結果

シャルロットヤンファエリカソルティア
器用度 29 > 30
敏捷度 27 > 28
筋力  20 > 20
生命力 22 > 22
知力  26 > 26
精神力 20 > 22
器用度 32 > 32
敏捷度 33 > 36
筋力  25 > 26
生命力 21 > 21
知力  12 > 12
精神力 13 > 13
器用度 13 > 13
敏捷度 16 > 16
筋力  14 > 14
生命力 21 > 22
知力  25 > 26
精神力 35 > 36
器用度 28 > 29
敏捷度 15 > 16
筋力  28 > 28
生命力 21 > 22
知力  30 > 30
精神力 25 > 26