舞台設定

主要な国・街

“橋の国”ダーレスブルグ公国

 今回のキャンペーンのPCたちが所属する国家であり、物語の中心となります。
 基本的な設定はルールブックに準拠しますが、変更点もいくつかありますので、こちらも参照してください。以下はルールブックからの抜粋とキャンペーンオリジナル設定を加えたダーレスブルグ公国の紹介です。

 後述のルキスラ帝国から北へ徒歩7日の距離にある、テラスティア大陸最北の都市国家です。
 人口は約4万人で、アルフレートⅢ世によって治められています。
 北の大陸レーゼルドーンへと繋がる巨大で頑丈な橋を塞ぐように広がる城塞都市であり、北へ向かう冒険者の拠点となっています。

 もともとは2大陸にまたがる大国でしたが、《大破局》の折に蛮族によって国土の大半を占めるレーゼルドーン大陸部分を奪われてしまいました。また、それ以上蛮族に侵略されないためにルキスラの力を借りたことをきっかけに、ルキスラに併呑されていた時期もありましたが、100年前に独立を果たし、現在に至ります。

 現在、橋を封じていた門は開放されています。約20年前、国の安全が確保されるに連れて増えてきた人口を収める広い国土を得る為に開放されました。また、レーゼルドーンに眠る過去の遺産も魅力的で、橋が開放された後は多くの開拓者や冒険者が出入りし、活気づいたのは確かです。
 けれども北にはまだまだ蛮族の脅威があるのは事実であり、橋の開放以来、積極的に北へ開拓に出ようという「開放派」と、あくまで門を閉ざして蛮族に備えるべきと唱える「保守派」に国家は分かれています。意見の合致は一向に見られていませんが、最近では「開放派」勢力が主流となってきており、民意もそちらに流れ始めています。
 王城には国家の象徴とも言われている“守りの剣”ファランダレスが安置されています。

“ザルツの要塞”ルキスラ帝国

 今回のキャンペーンで重要な鍵を握る国家のひとつです。
 こちらも基本的な情報はルールブックに準拠しています。ルキスラ帝国についてはルールブックⅠの292頁なども参考にしてください。
 ここでは今回のキャンペーンにおいて重要になる要素、あるいはオリジナル設定について記述します。

 皇帝であるユリウス・クラウゼはダーレスブルグの北への征伐に協力的で、彼が皇帝位についてからはルキスラ帝国は積極的にダーレスブルグ公国に対して支援を行い、蛮族との戦いに大きく貢献しています。
 その中でもユリウスの主導によって行われたルキスラ・ダーレスブルグ共同でのレーゼルドーン侵攻作戦《蒼き北伐》では目覚しい成果があげられており、ダーレスブルグの「開放派」が勢い付いた大きな要因にもなっています。
 しかし、その代償も大きく、勢いに乗じてヴァルクレア城方面へと向けて進行した部隊の行方の詳細は一切知らされておらず、歴史の影に葬られている事などの問題を重く見る者も少なからず存在します。

 また、ユリウスはダーレスブルグ公王の姪にあたる“姫将軍”マグダレーナ・イエイツとの交友を重要視しており、2国間の会談を積極的に開催し、その席には必ずマグダレーナを招待しています。
 そのような事情から、両国内ではユリウスとマグダレーナの政略結婚の噂がまことしやかに囁かれています。

“開放の狼煙(のろし)”インミスティ

 カシュカーンと霧の街の丁度中間地点あたりに築かれた街です。
 魔動機文明時代の都市の廃墟を改修して急速に発展を遂げ、現在のレーゼルドーン奪還の拠点となっています。
 この街は蛮族の領域であった地域を《蒼き北伐》によって解放し、人族の新たな拠点として拓くことで成立しました。

 人口は1500人程で、カシュカーンから流入してきた開拓者や冒険者たちが多く存在しています。成立から間もないに関わらず、冒険者の店も複数存在しており、また街の住民たちも蛮族からの独立に歓喜し、精力的に生産活動に取り組んでいる為人口からは想像も出来ない程の活気に溢れています。
 しかし、当然周囲は蛮族の領域。シェス湖にも近く、暗闇の森などの脅威もあり、不安の種が尽きる事はありません。

 守りの剣はひとつですが、人族の勢いを示威するかのように街の中央に備えられており、常に厳重な警備体制が敷かれています。街の住民たちの中には、まるで神殿に礼拝に行くかのように街の中央広場を訪れ、守りの剣を拝んでいく者も存在します。
 その守りの剣をはじめとして、現在ではインミスティは霧の街開放に向けたシンボルとなり、ダーレスブルグ国民や軍の士気に大きく貢献しています。

 その街を成立させる切欠となった《蒼き北伐》は蛮族から解放された人々を始め、ダーレスブルグの「開放派」から高く評価され、ユリウス・クラウゼへの信頼に繋がっています。これだけの功績がある為に、「保守派」としてもいくつかの問題を認識していながらも強く批判することは出来ず、《蒼き北伐》以降ダーレスブルグでは「開放派」がその勢いを増してきています。

その他ルールブックで確認しておいて欲しい地域

「“拓かれた街”カシュカーン(『Ⅱ』173頁)」
「“朽ちたる都”ハーゼ(『Ⅱ』174頁)」
「霧の街(同上、同頁)」
「竜槍山脈(『Ⅱ』176頁)」
「ヴァルクレア城(『Ⅱ』176頁)」
「シェス湖畔(『Ⅱ』177頁)」