虚ろの輪音

第一部 第三話「知恵を求めて」 - 05

 後日。

GM
うむ。
GM
前回までのあらすじは大丈夫か?
シャルロット
おおむね。
ジャン
大体把握してる
エリカ
だいたいわかってる
ソルティア
大丈夫だ、問題ない
GM
ok

GM
〈ヴァニタス〉の話を聞いて深夜に無謀にも集落を飛び出していった少年たちを追い、裏山へ入った君たち
GM
少年たちを救出しつつ、山頂にて魔物と戦い、幸運にもヴァニタスを採取することに成功する。
GM
疲弊した身体に鞭を打ち、下山した頃には完全に日が昇っていた。
GM
子供の親たちは皆無事を喜び、君たちに口々にお礼を述べ、君たちはその後、報告の為にイーヴの家を訪れた。
GM
と、彼からはその前に一度休む事を提案され、君たちが身体を休めて、現在は夕方前と言った辺り。
GM
所はルヴェリエ診療所の一室である。
#イーヴ
「改めて、礼を言わせてもらう。彼らを助けてくれて、ありがとう」
シャルロット
「いえ。為すべきことを為したまでですので」 神官的にも。やや疲労の残る顔で笑って、手を振って応える
エリカ
「放っておくわけにもいかないですし、ね」
#アラン
「ま、結局なんとかなった訳だしなァ」
ソルティア
「大事に至らなくてよかったですよ」 まぁこの事件の段階で大事(おおごと)ではあったけれど
ジャン
「全くだわ。ヤンチャなガキだとは思ったが山頂まで上ってやがるとはなァ」 苦労したぜ
#イーヴ
「いや、君たちにはそうまでする義理は無かったのだし、十分礼を言うに値する行動だ」
ジャン
「馬鹿言え。放っておいた後にヴァニタスを拾ってきたとしたら」
ジャン
「お前はそのユニットについて何も話してくれなかったんじゃァねえのか?」
#イーヴ
「さぁ、な」 眼鏡のブリッジを中指で持ち上げつつ。
#イーヴ
「……まあ、本当に。子供の行動力の恐ろしさを思い知らされたよ」 笑い事で済ませられるレベルで良かったけど。
#イーヴ
「それに加えて、まさか〈ヴァニタス〉まで見つけてくるとはね」
ソルティア
「様子見に行った段階では変わった様子はありませんでしたから、油断しましたねぇ、全く……」
シャルロット
「彼らは彼らの信念を貫いたということでしょう。……ですしね」 イーヴの言葉に、頷いて苦笑する
#イーヴ
「信念……か。そういうものは、案外子供の方が持っているものなのかも知れないな」 苦笑して。
ソルティア
「その代わり、周りが見えなかったりするものですけどね。ま、その辺りのフォローが大人の仕事と言えばどの通りです」
#イーヴ
「大人になれば周囲が見える代わりに、物事をまっすぐ見られなくなってしまう。それは正しい成長なのかどうか、分からなくなってしまうこともあるがね」
シャルロット
「ところでそのヒューさんが見つけたものは、正真正銘のヴァニタスだったのですか?」
エリカ
「私が見てみた限りでは、そうだと思うけど……」
#イーヴ
「そうだ。あれは間違いなく、ヴァニタスだ」
シャルロット
「だったら、良かったですね」 助けられる子がいるのだから
エリカ
「……イーヴさんは、あるとは思ってなかったんですか?」 さっきの言い回しからして。
#イーヴ
「ああ。その点について、ひとつ君たちに謝罪もしなければならない」 エリカの言葉に。
ジャン
「あン?」 謝罪?
#アラン
謝罪、という言葉に片眉をあげて怪訝そうな顔をしつつ。
エリカ
「……どういう意味ですか?」
ソルティア
「あー」 体よく依頼を断るための口実にしたか?
シャルロット
「?」 よくわからない、という顔で首を傾げる
#イーヴ
「そちらの彼はすでに気付いているようだが」
#イーヴ
「言ってしまえば、私は君たちの申し出を断るつもりだったということだ」
シャルロット
「そうなんですか!?」 ガーン
ソルティア
「ですよねー」
ジャン
「……はァ」 そういうことか
エリカ
「……」 むっとした。
#イーヴ
「無茶な条件を出し、それで諦めれば良し。そしてその条件を飲んだとして、それが達成出来なければ約束に従って協力をしなければいい。そういう心づもりだった」
エリカ
「断るならもう少しやりようがあると思いますけど」
#アラン
「人が悪ィよなァ」
ジャン
「不器用なんだろ」
#イーヴ
「あいにくと、世渡りに長けてはいないのでね」
ジャン
「あァ、得意そうには見えねえなァ」 カッカと笑った
#イーヴ
「それに関しても謝罪しよう。私もまだまだ未熟、ということだな」
ソルティア
「まぁ、こちらも他に可能性のある条件を提示できなかったですしね……」
シャルロット
「そうでしたか……でも、結局見つけたのはヒューさんでしたね」 こまったなー、という顔で
ソルティア
「まぁ、大丈夫ですよシャルロットさん。多分、ですけど」 つもりって言ってたしな。
ジャン
「つってもまァ、こっちに断る理由は何一つとしてなかったからなァ。気にしなくて良いと思うぜ」
#イーヴ
「いや、子供たちを助けてもらったのだ。ヴァニタスの事がなくても、君たちには大きな借りが出来ている」
ジャン
「何せ、それほど重大なことが解っちまった、ってことなんだろうからなァ?」 
#イーヴ
「……大した事が分かった訳ではないがね。それでも、その装置が持つ異常とも言える力の一端は感じ取ることが出来た」
シャルロット
「う、うーん」 なんだかそれはそれで申し訳ないような気も。もごもご
#アラン
「いいんだよ、こういう時は素直に良かったですぅって言っとけ」
エリカ
「……まあ、結果的に引き受けてくれたわけですしね」
ジャン
「そうだぜェ、結果良ければなんとやら、だ」
ソルティア
「それで全て丸く収まると言うわけですし、ね」 あはは、と笑い。
シャルロット
「……」 何となしに複雑そうな顔で、言葉を飲み込んで頷く
#アラン
「納得いかなさそうだなァ」 けらけらと笑って。
ジャン
「……で、異常とも言える力と」 なんぞや
#イーヴ
「……ふむ」 どこから話そうか。
#イーヴ
「君たちがこの装置を手にいれた時、あるいは関わった時、“おかしな生き物”を見なかったかね」
ソルティア
「お腹一杯になるくらい見ましたねぇ……と言うか付いてました」
エリカ
「? ええ……見たっていうか、その生き物と戦いましたし」
シャルロット
「巨大化、加えて凶暴化……ですかね。異常な状態になった生物と戦いました」 こく
#アラン
「まずは下水道のよくわからん蛙やら巻貝やら、だったっけか」
ジャン
「蛙、巻貝、犬、だったなァ」
ジャン
「強いて言うなら、その次に……人、だ」
#イーヴ
「……ほう?」 ブリッジを持ち上げた眼鏡が光る。
ソルティア
「人、の方は、飽くまでも所持していた……と言う認識だったようですけどね」
エリカ
「あれは……取り付けられていたわけじゃないんじゃないですか?」
#アラン
「話の限りじゃ、所持していた、っつー言い回しだったしな」
ジャン
「………」 食いついたか。 「まァ、ソルティアの言う通りだ。所持していただけで効果はあったかどうかわからねえ」
ジャン
「ただ、奇怪なのはソイツらがその後『記憶がなかった』の一点張りであることだがな」
ジャン
さらっと機密事項を口にする。ここは隠し立てする必要ないという判断だ
ソルティア
「他の動物は取り付けられていた、と言う感じでしたね。少なくとも自主的に、或いは自然に付くようなものではありませんでした」
#アラン
「ま、こんなもんが自然発生したら問題だ」 どうみても人工物だし。
シャルロット
「今の技術で作れるのかっていうと、少し疑問が残りますけどね」 苦笑しながら、アランが言う人工物、というところに跡付け
#イーヴ
「……成程」
#イーヴ
「では、そうだな……。君たちは、その生物たちは、どうして異常に陥ったのだと思う?」
#イーヴ
「製作に関しては、後回しにしておこう」
エリカ
「どうしてって、それはこの装置の影響じゃあ……?」
ジャン
「……ン」 地味に答え難い質問だな  「装置によって力を手に入れたから、か?」
#イーヴ
「そこから一歩先……この装置がどのように作用していたか、さ」
シャルロット
「……装置が、どう作用したか?」
ソルティア
「……浅学なものでして。原因がこのユニットだろうと言う事は分かりますが、それがどう作用してどういう結果を生んでいるのか、と言うのは分かりません」
エリカ
「どのようにって言われても……異常に成長していたような、そんな感じではありましたけど……」
ジャン
「成長、っつーのは語弊がありそうだなァ」
#イーヴ
「装置を手に入れると力を手に入れる、の間にもう一つプロセスが無ければ、それは成立しない」
ソルティア
「気になるところと言えば、取り付けられていた部位でしょうか」
#イーヴ
「……ほう」 ソルティアを見た。
シャルロット
「というと?」 わからないことばかりだ。困った顔でソルを見る
#アラン
イーヴにつられて視線をソルティアに移し。
ジャン
「部位なんてあったっけか」 覚えてないPL
ソルティア
「確か、耳……聴覚に当たる部位に取り付けられていたような記憶があります。そこから推測すると、音を介した何かか……或いは脳に干渉する何かか、くらいですかね……」
#イーヴ
そう。“音”だ」
シャルロット
「音……?」
ソルティア
「確か、犬などは人に聞こえない音を聞くといいます。実際、その為に作られた笛などは実在しますからね。傭兵の一部には、そうやって犬を使役する部隊もあるそうです」
#イーヴ
「その他にも、人間の耳には知覚できない音を使って情報をやり取りする生物は多く存在するがそれはさておこう」
ジャン
「使役……そういやァ、あの犬どもは人の指示に従って動いてたなァ」
シャルロット
「で、でも音に干渉して、一体何がどうなるんですか?」
ジャン
「あァ、音だけじゃ肉体の巨大化だけに繋がらねえんじゃァねえか?」 そんな音があるとは普通思えない
エリカ
「つまり……呪歌みたいなものが装置から流れてるってことですか?」
#イーヴ
「そうだな。分かりやすいイメージとしては、そんなものかも知れない」
#イーヴ
「……たとえば、そうだな。子守唄、などがいい例だろうか」 シャルロットとジャンに対して。
#イーヴ
「あれは“音”を介して、人の心を安らがせ、眠りにつかせる為のものだ。それ以外の音を介した催眠術も同様だ」
シャルロット
「子守唄……子守唄?」 聞き間違えではないかと2度言った
ジャン
「確かにありゃァ眠りを誘うモンだが……」
#イーヴ
「少なからず、音には人の神経、精神、あるいは肉体に変化をもたらす力があるということだ。……当然、普通の“音”はそんな力を持ってはいない」
ジャン
「オイオイ……普通、の概念を捨てろってか」
#イーヴ
「ああ。これは間違いなく異常だ」
エリカ
「さっきも言ったけど、呪歌みたいなのがあるにはあるし……。あとは神官の人がうたう戦歌とか……」
#アラン
「ま、身近な例で言えばやっぱソレなんだろうなァ」
シャルロット
「それは……そうなのですが。ちいさいミュージックシェルみたいなものだと思えばいいのでしょうか」
#イーヴ
「おそらくは」 シャルロットに頷いた。
#イーヴ
「歴史の中には音によって人々を狂わせ、一国を滅ぼした魔剣の逸話もあれば、音による衝撃波で山を吹き飛ばした竜の逸話も存在する」
ソルティア
「確かに……竜の咆哮が人の恐怖を呼び起こすと言うのはよく語られるものですし、蛮族の巨人種も人の身を竦ませ、行動を阻害する咆哮を放つものもいるそうです」
ジャン
「歴史……そういやァ昔、“鐘”の音色が異変を起こしたって事件もあったよなァ」
シャルロット
………」 ジャンの言葉に、身を一瞬固まらせた。すぐ頭をふって気を取り直す
ソルティア
「《虚音事変》ですか? 確か、セフィリア神聖王国で起こった事件でしたか……」 とここまで言ってシャルロットが身を固まらせたのに気付いたようだ。
#アラン
「……あん?」 ソルティアの言葉に、眉根をよせて
ジャン
「あ、あァ。確かそんな事件だ」
エリカ
「虚音……? そんなことがあったんですか?」
ジャン
「俺がまだ小せえ時のことだ」
#イーヴ
「……15年程前、だったか」

大陸新暦293年 《虚音事変(うつろねじへん)

 15年前、セフィリア神聖王国にて発生した事件です。
 ある日の午後、突如としてセフィリア神聖王国の首都アーレに後に《虚音》と称される謎の音が響き渡り、それを聞いた人々が次々に体調不良を訴えました。
 すぐさま法王庁の主導で調査が行われ、虚音は同日の深夜には鳴り止みましたが、その影響は大きく、その後も心身に異常を来たし、廃人となった住民も存在しています。
 原因は魔法文明期の強力なマジックアイテムであるアーティファクトの暴走とされており、その管理を担当していた聖職者たちが罪に問われ、拘束されました。
 原因となったアーティファクトは研究の為に残されていたようですが、その危険性を鑑みてやむを得ず破壊したと説明されています。

 問題となった音が虚音と呼ばれるのは、それを耳にした人々が頭や心が空っぽになったような状態になったことからです。

エリカ
「それじゃあ私は2歳くらいですね」 知ってるわけがなかったわ。
ソルティア
「僕自身も噂でしか聞いた事がありませんが……」 9歳の頃だから、まだ生まれた集落を出たか出てないかくらいの事だろうし。
#アラン
「なんだァ? どうかしたのか?」 >一瞬固まったシャル
シャルロット
「………ン」 ぷるぷると首をふって
エリカ
「……?」 なんかシャルロットの様子がヘンな気がするけど。気のせいだろうか。
ジャン
シャルには目配せをしつつ、話の方を優先する
ソルティア
「あぁ、でも鐘の音ではなかったかもしれません。ただ、音の事件、と聞いて真っ先に思い出すのはやっぱりそれですね」
#アラン
「鐘、っつー話は聞いた事ねェな。まぁ俺もよく知らねえけど」
ソルティア
「まぁこの話は置いておきましょう」 ジェスチャー込みで。
(シャルロットさんの様子もおかしいし、あんまり口に出すべきじゃなさそうだな。) と心の中で思う。
ジャン
「だな、今はそっちじゃねえ」
ジャン
「とりあえず……呪歌だとか戦歌だとか、既にそのレベルじゃねえってこったな」
#イーヴ
「魔法的かつそれらをも超えた超常的な音……そんな所かな」
ジャン
「魔法を超えた……」 ンな馬鹿な
エリカ
「……今さらっと凄いことを言いませんでしたか?」
ジャン
「言ったなァ。馬鹿げた話だ」
#イーヴ
「言いたいのは、私の知識を軽く凌駕しているものだ、ということだけだがね」
ジャン
「アンタほどの識者の知識を超えてるっつーと相当だと思うぜェ?」
#イーヴ
「私などまだまだ浅学さ」
ジャン
馬鹿言え、とイーヴの言葉に漏らしつつ
エリカ
「流石に謙遜すぎると思いますけど……」 そのレベルで浅学て。
#イーヴ
「……まぁ、“音”の中には、そうして私たちの想像を超えた作用を持つ者が存在しこの〈HRユニット〉とやらも、それに類する力を持っている可能性がある、と私は判断した」
ソルティア
「つまり、何らかの音を発生させる装置だろう、と言う事ですか?」
#イーヴ
「ああ」 頷いた。
シャルロット
「人を操ったり、記憶を奪ったりということもあるいは可能だと……?」 気を取り直して質問を飛ばす
#イーヴ
「……話を広げれば、催眠果ては洗脳と呼べる程のことまで可能になるのだからね」
ジャン
「人を操る……既に実証されてた話じゃねえか」
ソルティア
「……どこからこのユニットが涌き出てきたのかは分かりませんが、碌な品物じゃないですね」 はぁ、とため息をついた。
#イーヴ
「だからこそ、あまり君たちのような者を深く関わらせるべきではないと思って、先の条件を出したのだが……まぁそこは置いておこう」
ソルティア
「洗脳まではともかく、暗示程度の事なら現段階でもありそうな話ではありますね」
エリカ
「……じゃあ、記憶が無いって言ってるのはそのせい……?」
#アラン
「その可能性は十分にあるんだろうな」
ジャン
「軍人があんな真似した挙句、記憶にないなんてのはその事例に当てはまるよなァ……?」 恐る恐る尋ねた
#イーヴ
生憎と、私は軍人ではないし、軍属であった事もない。それは、より詳しい者に尋ねるべきだろう」
シャルロット
「それじゃあ、あのルナティアさんが回収に来たのは……このユニット?」 ソルティアに視線をむけて
ソルティア
「……でしょうね。他人に執着するような子でもないですし」
シャルロット
「ユニットが目に付くのを嫌って、なら他でも見つかってしまっているのだから……特務兵さんの持っていたものには意味があるのでしょうか」
ソルティア
「ちょっと分かりかねますね。ぱっと思いつく理由としては、このユニットが人に干渉するまでの力がある、と言う事実を知られたくない……と言うものですけど」
エリカ
「もしかしたら、新たに作れないものなんじゃない? それなら回収する必要はあるだろうし……」
エリカ
「作れてもコストがかかるとか……」
#イーヴ
「……どうやら、私の思っている以上に事態は進行しているようだ」
ジャン
「………」 急に色々と広がりすぎて話が混雑するな
ジャン
「まァ、あの女の真意云々は確認もしようが無ぇ」 後回しだ
シャルロット
「そっか……仮説はどんなふうにも立っちゃうんですね」
#アラン
ま、その辺の話は帰ってから、バッカスのおっさんたちを交えてやった方がいいんじゃねェの?」
エリカ
「……まあ、そうですね」
ソルティア
「或いは、動物に付けていたのと人に付けていたのはまた別の種なのかもしれません。どちらにせよ、ここで推測するのは余り意味がないと思います」
ジャン
「あァ。とりあえずこのユニットがトンでもねえことに使われてるのは確かなんだ」
#イーヴ
「先ほど言った製作に関してだが」 エリカの言葉に反応して。
#イーヴ
「そちらからのアプローチは、魔動機術の専門家に任せた方が良いだろう」
ジャン
「とりあえず一旦帰って……ン? なんだァ、心当たりでもあるのか?」
ソルティア
「と言う事は、このユニットは魔動機術が使われているものなんですか?」
#イーヴ
「超常的な何かが隠されていることは確かだとは思うが、特徴としては魔動機に近いものがあるようにも思える」
エリカ
「やっぱりそうなんですか……」
#イーヴ
「その装置の真実にさらに近づこうとするのならば、そちらからの知識も不可欠だろう」
シャルロット
「それは……そうですね。確か、別方向からあたってくれているはずですし」
ソルティア
「バッカスさん達が当たってくれているはずでしたね……」
シャルロット
「そちらも、あたってみることにします」 こく
ジャン
「……とりあえず現状解ったことは」 2本指を出して
ジャン
「この装置がトンでもねえモノだってことと、俺らだけじゃァどうしようもないってこと、だな」
ソルティア
「やはり、早めにダーレスブルグに戻った方がよさそうですね。このユニットを持ってうろついてるのも危険だと思いますし」
#イーヴ
「ああ、そうするといい。……まぁ、私としてはあまり積極的に首を突っ込むなと言いたいのだが」
シャルロット
「そういうわけにも参りません。事情がありますし……気がかりも増えましたし」 いやなキーワードを拾ってしまった
ソルティア
「お気遣いは感謝しますが……ちょっと事情がありまして、首を突っ込まざるを得ないもので」 ハハ、と苦笑して。
#アラン
「その装置がもしあの死神の目的だったってんなら、やっぱり欲しいですとか言いながら突然襲いかかってくるかも知れねェしなァ」
ジャン
「一応色々としがらみがあるんでなァ。そうそう退けるコトでもなくなっちまったわ」
エリカ
「……私達には、私達の都合なりなんなりが、ありますから。……ご忠告は、気持ちだけ受け取っておきます」
#イーヴ
「……ならば止めはすまい。君たちが真実へと辿り着ける事を、賢神に祈っておくよ」
ジャン
「忠告してくれたトコ悪ィが、一応ここにいるやつらはその辺覚悟して来てるんでなァ」
#イーヴ
「そのようだな」
ジャン
「その祈りを受けながら、進ませてもらうぜェ」
シャルロット
「ありがとうございます、イーヴさん」
ソルティア
「ありがとうございます。……では、そろそろお暇させていただきたい……所なんですが……」 そういえば夕暮れでしたね。
#アラン
「え、今から帰んの……?」 嫌そうな顔した。
エリカ
「流石に今からはちょっと……」
シャルロット
「すっかり、お昼を寝て過ごしてしまいましたね」 あははー
ソルティア
「いや、その、余り長居させてもらうのもなーと思いまして……」 長く関わらせてるとこの村まで害が及びそうだし。
エリカ
「まあ、長居が気が引けるのは確かですけど……」
シャルロット
「といっても、あまり無理に出発するのも良くないかと思います。雨の影響はまだ残ってますし」
#イーヴ
「滞在が一日やそこら伸びた所で文句を言う者も居まい。私のような余所者を快く受け入れてくれているのだからな」
#イーヴ
「冒険の心得は、休める時に休んでおく、だ」
シャルロット
「まだソルティアさんもジャンさんも本調子ではないかもしれません。一晩休ませていただきましょうよ」
ソルティア
「それを言われると辛いところですね……」 PP-2になっちゃったからな。
ソルティア
「……ではすみませんが、もう一晩だけお泊め願えますか? 明日の朝になったら出発しようと思いますので……」
#イーヴ
「それは構わないが……」
ジャン
「しっかし、なァにが『大した事が分かった訳ではないがね』、だ」 同じように眼鏡のブリッジを押さえる真似しつつ
#イーヴ
「……む」 それは私のものまねか。
ジャン
「……ふ」 俺もめがねだからな。伊達だけど
エリカ
「……似てない」
ジャン
「なんだと……!!」
#アラン
「知的な雰囲気がゼロだからなァ……」
ジャン
「オイオイ、この眼鏡はあの有名店『ミキ・メガネ』で買ったヤツなんだぞ」
#アラン
「ガメルを掛けたからって知的になるとは限らないのだよ……」
ジャン
「くっ、お前の方が似てる……!!」
エリカ
「……何やってるんですか、二人とも」 はあ、とため息つきつつ。
#イーヴ
「…………」 ジャンとアランのやり取りに密かにぴきんときつつ。
エリカ
「……」 怒ってる! ほら起こってるよイーヴさん!
シャルロット
「もう、ジャンさん」
ソルティア
「あ、この二人はしばいてくれていいですので」
エリカ
「もう存分にどうぞ」
ジャン
「この辺にしとかないと俺ら寝る家がなくなっちまいそうだなァ」
#アラン
「俺はさっきの流れで緊張した皆の心をほぐそうと……そうだな……」
ジャン
「い、いやほら、そういうことだ、な?」 シャルたちに誤解を解きつつ
ソルティア
「違う意味で緊張し始めてきましたよ!」 イーヴの怒りとかその辺で
#アラン
「その緊張を解すのがお前。チームワークってやつだ」
ソルティア
「緊張を解す前に怒りを解す努力が必要な件について」
シャルロット
「あんまり遊ばないで下さい! まじめにしろって、いつも怒られてるじゃないですか!」 ふぇりしあさんに!
#アラン
・3・)~♪
ジャン
「い、いや。怒られてるけどだなァ」 誰とは言わないけどさぁ
ソルティア
「と言うかこの二人はテントを貸して外に放り出せばいいんじゃないですかね」
ジャン
「村にいるのに野宿とかマジ勘弁だわ……」
エリカ
「イーヴさんに失礼な言動をした、って報告しておきましょうか……」
ジャン
「やめてくださいホント……」 見えないところでビシバシ怒られるんでホント
#アラン
「すんませんでした……」
エリカ
「そう言うなら馬鹿な言動は自重してください、全くもう……。あと謝る相手が違います」
ソルティア
「とりあえずうちのヒエラルキーの頂点は間違いなくエリカちゃん……」 gkr
#アラン
「おっぱいヒエラルキーでは最下層なのにな……」
ソルティア
「そのヒエラルキー二人しかいないじゃないですかー」
エリカ
はい、じゃあフェリシアさんにはきっちり報告しておきますから」
#アラン
「すいませんっした……!」
ジャン
「俺何も言ってねえぞ!」
ソルティア
「魂の兄弟のツケですね、分かります」
エリカ
「連帯責任です」
ジャン
「理不尽極まりない……」
シャルロット
「エリカさんがいると、ジャンさんにあれこれ言わなくていいですね」 普段はなんだかんだで何かいってる気がするけれど
ジャン
「お前は言われる側だろうが」
シャルロット
「私は最近減ってるはずですよ!?」 しつれいな!
エリカ
「あんまり私に任せっきりにされても困るんだけど……」
エリカ
(ていうか、言われてる自覚はあるんだ……)
#アラン
「……減ってんの?」
ジャン
「えェ~?」 あんまり嘘言うものじゃありませんよ
シャルロット
「私も日々進歩しているのです」 えへん。胸を張って威張る
#アラン
「そうだなァ……」 胸とかな。エリカちゃんとシャルを見比べつつ。
ソルティア
シャルロットの胸は更に成長してるのにエリカちゃんの胸は、、 うっ
エリカ
「ど こ み て るんですか!」
#アラン
「くわばらくわばら」
ジャン
「おー怖」
#イーヴ
「……ふ、君たちを見ていると、冒険者時代を思い出すよ」
シャルロット
「冒険者時代、ですか?」
ジャン
「あァ、元同業者だったなァ」
#イーヴ
「ああ、《黄金戦役》の少し後までは、ね」
ジャン
「あの時の、か……」 親父が死んだ翌年だったか
ソルティア
「イーヴさんもこんな売れない漫才チームみたいなパーティーだったんですか……」
シャルロット
「自分の仲間を売れない漫才と評価するのもどうなんでしょう、ソルティアさん……」
#イーヴ
「個性的な友人が多く居たのは確かだ」
シャルロット
「折角一晩お邪魔するのですし、その辺の昔話を聞かせてもらってもいいですか? 後学に」
#イーヴ
「……ふむ、いいだろう。偶にであれば口頭で歴史を伝えるのも悪くはあるまい」
ソルティア
「古くは歴史も、語り部が口頭で受け継いできたものですしね。僕も聞かせていただいても?」
#イーヴ
「ああ、断る理由もない。興味があれば君も聞いていき給え」
ジャン
「俺はとっとと部屋で寝るかねェ」 と言いつつこっそり部屋で報告書でも書きます
シャルロット
「私は勉強が足りません。一杯、知らなければ」 ずっと負けてばかりで、役に立てない。
#アラン
「いーい意気込みだ。地味子も負けじと一緒に聞いてったらいんじゃね?」 胸のサイズも大きくなるかも知れませんよ。
エリカ
「はあ……私は遠慮しておきます。ゆっくり休んでおきたいですし」
ソルティア
「折角だし、子供達も連れてきましょうか。そろそろお説教も終わった頃でしょうしねぇ……」
#イーヴ
「彼らには、まだ退屈な話になってしまうかも知れないが、ね」
ジャン
「いやァ、少なくともヒューってガキには良い刺激になると思うぜェ?」
ソルティア
「はは、少なくともデール君は聞きたがると思いますよ? 柄にも無く説教臭い事を言ってしまいましたしねぇ」
#イーヴ
「ふむ。ではとりあえず彼らにも聞かせて反応を伺うとしよう」
シャルロット
「はい。宜しくお願いします、イーヴさん」
ジャン
「あのガキ共は冒険の話聴いたらウズウズして飛び出していくかもなァ」 ハッハッハと笑いつつ
ソルティア
「まさか、昨日の今日ですよ? もし飛び出していくようなら、お説教パート2といきましょう」
#イーヴ
「……神の顔は二度もない事を教えておかねばな」
ジャン
「そりゃァおっかねえなァ」
シャルロット
「あはは……」 私はあんまり言いつけは破らない子だったので、怒られることにはあんまり縁がありません
ジャン
「まァ、俺も先に休むわ」 立ち上がり。
#イーヴ
「そうか。ではゆっくりと英気を養うといい」
ジャン
「ンじゃァ、部屋借りてくぜ。また後でなァ」 ひらひらと手を振って去ってった
#アラン
「んじゃ、俺は折角だしぶらついてくっかねェ」
エリカ
「あ、はい。おやすみなさい」
シャルロット
「はい、おやすみなさい」
ソルティア
「えぇ、また後ほど」

GM
こうして、君たちは話の後それぞれの行動に映った。
GM
しばらくして、村のおばちゃんたちが「ご飯を作ったから食べておいき!」としつこく誘って来る為、ありえない程の量の食事をとらされることになる。
GM
その後、部屋で休む者、子供たちと共にイーヴから彼の冒険者時代の話などを聞く者、思い思いに過ごし診療所にて夜を明かし、翌日にダーレスブルグ公都への帰路についた。
GM
イーヴから得た〈HRユニット〉の情報……それが何処まで真実であるかはまだ確かめようがないが、君たちの心の中には、確かな波乱の予感が湧き始めていた。


GM
お疲れ様でした。
シャルロット
おつかれにゃんにゃん
ソルティア
お疲れ様でした
エリカ
お疲れ様でした。
ジャン
お疲れ様ん
GM
テロップを入れてないのは仕様です。
エリカ
Cパートがあるのか
GM
はい。
シャルロット
マジか……
ソルティア
なん、、だと
GM
ということで、プレイヤーは解散していいよ!
エリカ
じゃあ撤収します
ソルティア
はぁい
エリカ
ありがとうございました!
ジャン
うむ
シャルロット
おつかれさまでしたー


GM
公国、某所。
GM
とある部屋の扉が、こんこんと小気味いい音を立ててノックされる。
#?
「入れ」 部屋の内より、男の低い声が響く。
#兵士
「はっ、失礼致します」
#兵士
公国軍の軍服を纏った男が、扉を開けて室内へと立ち入る。
GM
部屋の中には、華美な調度品などはなく、部屋の主の質実剛健な性格が表されているようだ。
#兵士
兵士は、執務机の前まできびきびと歩いていき、机の向こう側に座る男と向き合う。
#兵士
「例の件についてのご報告に参上致しました」
#?
「……申してみよ」
#兵士
「件の装置は、もう間もなく完成を迎えます。実験の結果にも問題は見られず、あの機構をそのまま転用して問題ない、とのことです」
#兵士
「詳細につきましては、こちらの報告書にまとめてございます」
#?
「どれ」 兵士が差し出した書類の束を受け取り、男はじっくりとそれらに目を通し始める。
#?
「……」 鋭い目付きで、一語一語を確認しながら読み進め、しばらくの時が経つ。
#?
「……ふむ」 報告書を読み終えて、男が一息つく。
#兵士
「……如何なさいましょうか?」
#?
「良かろう。例の装置が完成次第、計画を次の段階へと移す」
#兵士
「通達はどのようにいたしますか?」
#?
「必要な者たちこちら側の者たちには、私から下達しておく」
#?
「遺跡の者たちには、伝えずにおけ。あれらを使うにも、丁度良い頃合いだろう」
#兵士
「はっ、畏まりました!」
#?
「ご苦労だった。下がって良いぞ」
#兵士
「はい、では失礼致します」 背筋を伸ばして敬礼をし、踵を返して退室していく。
#?
「……じきに、夜明けだ」 兵士が去り、一人となった部屋で、男は窓の外の陽が燦々と輝く青空を見上げながら、小さく呟いた。
GM
そんな部屋に、ひとつの音が響く。
GM
どこからともなく現れた少女は、ふわりと軽やかに着地し、その音をもって男へ自身の来訪を報せた。
#ルナティア
「こんにちは。……丁度いいタイミングだったみたい、ね?」 微かに残っていた兵士の気配を察して、少女が呟く。
#?
「相も変わらず、貴様は礼を失しているな、“死神”」
#ルナティア
「……ふふ、あんな事を考えているあなたには、決して言われたくない台詞だけど」 と少女は男の前の執務机に置かれた書類の束を手に取り、ぱらぱらとめくる。
#ルナティア
「……もう、こんな段階まで来たのね。そろそろ、次に行ってもいいんじゃない?」
#?
「ああ。例の小型版の動作も完璧に近く、想定通りの結果を残している。それをそのまま大型化させ、転用させて問題ないようだ」
#ルナティア
そう。たくさん、人を使った成果が出たわね」
#?
「……」 男は首を横に振る。 「まだ、何も成果など出ていないに等しい。すべてはこれからだ」
#ルナティア
「計画の完遂までは油断しない。……ふふ、立派な心意気だわ」
#?
「……ふん」 自身を褒める少女に対して、男は鼻を鳴らす。
#?
「今は貴様にも協力を要請してはいるが、事が済めば、貴様は我らにとって危険因子以外の何者でもなくなる」
#ルナティア
「……そんなに恐い顔をしないで? 大丈夫よ、契約もしたでしょう? ……あなたの計画が完遂されれば、私はこの国からは離れる」
#ルナティア
「……だって、あなたの描いている通りになれば、この国の中では、争いが小さくなってしまうもの。……それじゃ、面白くもないし、みんなが思っている“死神”の流儀からも外れてしまうわ」
#ルナティア
「私は、混乱している場所に現れる。……単純に、そういう所ばかりから依頼が来る、というだけだけど」
#ルナティア
「あなたの思い通りになれば、戦いの舞台はレーゼルドーンに移る。人が力を合わせて、蛮族に立ち向かうようになる」
#ルナティア
「……ふふっ、憂国の士は考える事が格好いいわね?」
#?
「……貴様などに、私の思想を語られるとはな」
#ルナティア
「ごめんなさい。怒らせてしまった?」
#?
「……まぁよい」 眉を顰め、険しい表情になるが、すぐに戻し。 「して、何用だ。伝えるべきことがあって来たのではないのか」
#ルナティア
「進捗状況の確認よ。もう済んだけれど。……それと、次に移るのなら、私も手伝ってあげようと思って」
#?
「……ふん、どの口が言う。予定外に奴らの身柄を確保されおって」
#ルナティア
「……ふふ、それについては、謝るわ。私にも、少し驕りがあったみたい」
#ルナティア
「……でも、結果的には、これからの、丁度いいスパイスになるんじゃないかしら」
#ルナティア
「……遺跡の“彼ら”を摘発させた所に、お姫様たちが先の一件を隠蔽していたという事実が広まれば、国内は一気に浮き足立つ」
#ルナティア
「あなたが事を起こすには、これ以上ない機会になるはずだわ」
#?
「そのような事は言われずとも分かっている」
#?
「……次の件にも、貴様にいくつか協力してもらう。今度は決して、しくじるなよ」
#ルナティア
「ありがとう。大丈夫よ、次は、ある程度好きにしても問題なさそうだし」
#?
「……ふん」 話してもいないのに、依頼内容が察された事を不快に思ったのか、鼻を鳴らす。 「用が済んだのなら、さっさと出ていくがいい。まもなく、別の者が報告に来る時間だ」
#ルナティア
「そう、それはいけないわね。それじゃあ、そろそろ失礼するわ」
#ルナティア
そう言うと、少女はその姿を一瞬で消してしまう。
 
 
#ルナティア
哀れな人ね」
#ルナティア
「思想も、能力も、強いられた役割も」 公都内、上流階級区の静けさに包まれた路地裏に降り立った少女は、先ほどまで居た場所を振り返り、そう呟いた。
 
 

第三話 「知恵を求めて」 了