虚ろの輪音

オープニングⅠ「回想-新しい道-」

プレイヤーキャラクター紹介①~②

エリカ・ケイ

人間/女/17(オープニング時16歳)

フェアリーテイマーセージ

 ダーレスブルグ公都に住むごく一般的な少女です。
 茶色がかった黒髪をポニーテールにした緑色の双眸を持ち、そのほかの身体部位や服装にもこれといった特徴の無い“普通”や“地味”という言葉がぴったりな容姿をしています。
 性格も、人付き合いにおいては当たり障りなく振る舞っていますが、つい我慢しがちで、本音を心の奥底に押し込めてしまう事も多々あります。

 現在は、妹のモニカと共に公都で暮らしています。
 父は《蒼き北伐》にて戦死し、遺体も見つかっていない状況で、母はその後子供を養う為の激務の心労から帰らぬ人となりました。
 モニカは生まれつき身体が弱く、エリカは日々その薬の費用を稼ぐ為に必死に働いていますが、物語の冒頭において、危険だが実入りの良い、冒険者の道を選ぶことになります。

ソルティア

ナイトメア/男/24(オープニング時23歳)

ファイターソーサラー

 ダーレスブルグ公都にて冒険者活動を続けている青年です。
 癖のある茶色の髪を首筋辺りまで伸ばしており、優しげな鳶色の瞳をしています。なかなかの童顔で、16,7歳程度に見える顔を持っていますが、実年齢は24歳です。
 そんな容姿とは裏腹に、戦いにおいては重い金属製の鎧に身を包み、大きな剣を手にして敵に挑みます。

 8年程前に保護することとなった義妹アカシャを一人で養う為、しばらくはダーレスブルグ公国軍に所属していましたが、第一話が始まる1年程前にとある人物を追いかける為に冒険者へと転向しました。
 追いかけている人物は、かつてソルティアが長い時間を共に過ごした人物だと言いますが、詳しい事が本人の口から語られる事は滅多にありません。


オープニングⅠ 「回想-新しい道-」

GM
大陸新暦307年、ダーレスブルグ公国
GM
その首都である公都ダーレスブルグの旧市街にある“始祖神”ライフォスの神殿
GM
ルキスラ帝国の神殿と同様、その威容を大きく主張する白亜の神殿の中で、二人の若者が大きな変化を迎えようとしていた
#アカシャ
「……それでね、今度、義兄さんが冒険者を始めるって言ってるんです」
#アカシャ
長い黒髪の大人しそうな少女が、隣に座るもう一人の少女に、少しだけ嬉しそうに、同時に少しだけ不安そうに言った

#モニカ
「でも、冒険者って危ないんでしょ……? アカシャのお義兄さんが強いのは知ってるけど」
#モニカ
それに対して答えるもう一人の少女は、歳の頃は同じくらいの、黒に近い茶色の髪を持った少女だ

GM
彼女たちは共に、ライフォス神殿が提供する教会学校に通う生徒たちだ
GM
ダーレスブルグ公都には複数のライフォス神殿が存在するが、ここ旧市街の神殿は主に一般市民の為の施設であり、そこでは週に3日程度の頻度で授業が行われている
GM
公都の子供たちは、ここで初等教育から中等教育を受けることが出来るのだ
GM
無料ではないが、財政に余裕のある神殿が提供することもあり、ほぼ無料といって差し支えない程度の額でまともな教育を受けることが出来る為、公民たちの評判はかなり良い
GM
二人の少女アカシャとモニカは、教会学校の授業が終わった夕刻、それぞれの兄と姉が迎えに来るのを待ちながら会話をしていた
GM
二人が話しているのは、この世界ラクシアでは広く知られた「冒険者」という稼業についてだ
GM
その仕事は多岐に渡り、傭兵のような仕事も多いことから、憧れる若者も多いが危険も多い。人々が憧れる理由に、経済的なこともある。危険があれば、実入りが良いのは当然だ
#アカシャ
「……そうなんだけど、義兄さんは今まで兵士としてもしっかりやれてきたみたいだし、意志も固いみたいだったから。私が止めても意味がなさそうで、それなら、応援してあげるのが私の役目なんじゃないかなって思うんです」
#モニカ
「そっかぁ……。それなら、わたしからも応援させてもらおうかな。そうだ、今度お義兄さんにお守りを作ってあげよう? ほら、この前シスターが言ってたアレ、お守りに丁度良さそうじゃない?」
#モニカ
ぴ、とひとつ指を立てて、名案を思いついたかのようにモニカは言う
#アカシャ
「幸せの蒼い鳥、ですか?」
#モニカ
「そうそう。材料を買って、わたしたちで作るの。で、その中に幸せの青い鳥の飾りをつければ、きっといいお守りになるよ」
#アカシャ
「……うん、いいですね。モニカは手先が器用だし、センスもありますから。今度、一緒に材料を買いに行きましょうか」
GM
そんな夕刻の穏やかな一時。君たちは、二人の少女を迎えに、この神殿を訪れることになっている
#モニカ
「……んー、いつがいいかな。教会学校の帰りでもいいんだけど」
#アカシャ
「モニカの体調が良い日なら、私はいつでも。善は急げとも言うし、明日か明後日に行きましょうか?」
#モニカ
「それじゃあ、明日でいいかな。最近は体調も安定してるから大丈夫だと思う」
#アカシャ
「はい、じゃあ明日。お昼ご飯も一緒に外で食べましょうか。私、迎えに行きますね」
エリカ
そんな二人が会話しているところに、扉を開けて入ってこよう。
GM
扉を開いて入ってきたエリカに、入り口に居たシスターの一人が頭を下げて迎える
エリカ
妹の姿を探して神殿内見回して、見つければ 「ああ、モニカ。いたいた」 と神殿の中へ踏み入る。
エリカ
あ、どうも、とかそんな感じでシスターさんには会釈返しつつ。ぱたぱたと妹の元へ。
#モニカ
「あ、姉さん」 エリカの姿を見つけると、椅子から立ち上がって小さく手を振った
#アカシャ
「こんにちは、エリカさん」 同じく席を立って、君に会釈をした
#モニカ
「ごめんね、わざわざ迎えに来てもらっちゃって」
エリカ
「気にしない気にしない。家族でしょ。こんなことで謝らない」
#モニカ
「うん、そうだね。じゃあ、代わりにありがとう」 微笑む顔は、姉妹らしく君のそれとよく似通っている
エリカ
「うんうん、それでよし」
エリカ
「アカシャちゃんも一緒だったんだ。いつもありがとねー」
#アカシャ
「ううん、仲良くしてもらってるのは私の方ですし、お礼を言うのは私の方です」 はにかんだ笑顔を見せて
エリカ
「そう? それじゃあお互い様ってことで」 アカシャに笑い返しつつ。
#アカシャ
「はい、お互い様です」
#モニカ
「あ、そういえばね、明日アカシャとお買い物に行くの」
エリカ
「うん? 買い物?」
#モニカ
「うん、そうなの。ブローチを作ろうかなって思って」
#アカシャ
「実は、私の義兄さんが冒険者を始めることにしたみたいで」
#モニカ
「お守りを作って贈ろうって二人で考えてたの」
エリカ
「ブローチ……」 はて、なんでまたブローチ。 「誰かに贈るの? ……と」 兄さんとな。
#アカシャ
「……ここ最近になって、冒険者はさらに実入りがよくなったみたいですけど、やっぱり危ない仕事には変わりないですから」
#モニカ
「言葉だけの応援じゃ、なんだか少し物足りないから、ね」
エリカ
「アカシャちゃんのお兄さんって、確か前は兵士さん……だったっけ?」 脳内で思い出し。確か、ともすればアカシャと同い年ぐらいに見えるような少年……せいぜいが私と同じぐらいだろうか。あの時は鎧姿だったなあとか。
#アカシャ
「はい、ダーレスブルグ軍に所属していたんですけど、生活も安定してきましたし、フレキシブルに動ける冒険者の方が都合がいい、って言う理由みたいです」
エリカ
「へえー……。で、それでブローチを、かあ……。うんうん、いいんじゃない」
#モニカ
「名案でしょ?」 嬉しそうに言って。 「ついでにお昼ご飯も一緒に食べて、他の買い物もしようかなって思うんだけど、姉さんも一緒にどう?」
エリカ
「あー……」 と、微妙な顔。 「ごめんね。明日も仕事だから」
#モニカ
「……ん、そっか。それじゃあ仕方ないね。みんなで出掛けるのは、また今度にしようか」
#アカシャ
「また機会は何処かで取れるでしょうし、今度はもっと早くから約束して行きましょうか」
エリカ
「うん、そうね。まあ明日は二人でいっぱい楽しんでくるといいのよ」
#モニカ
「うん。そうするね」
ソルティア
その時、神殿の外から、ガシャリと重々しい足音が近づいてくる。
#アカシャ
「ん」 聞き慣れた音だ。それだけ響けば気付く
#アカシャ
「義兄さんも来たみたいですね。……エリカさんは、義兄さんと話したことってありましたっけ?」
エリカ
「ん、お兄さん? 前に、少し挨拶したぐらいかな」
エリカ
ああどうもいつも妹がお世話に、とかそんな程度のやりとりだけだった、と思う。
#アカシャ
「そうでしたか。じゃあ、丁度いい機会かも知れませんね」
ソルティア
足音は扉の前で止まり、ギィ、と重たげな扉を軽そうに押し開いて入ってくる、鎧姿のぱっと見少年の男性。
GM
先程のエリカと同じく、お互いに見慣れたシスターがぺこりと頭を下げた
ソルティア
シスターには小さな笑みを浮かべて丁寧に頭を下げて、女性三人のところへ歩み寄る。
#アカシャ
「義兄さん」 ソルティアの方を向いて控えめに手を振った
ソルティア
「アカシャ、今日もモニカちゃんと一緒かい? いつも仲良しだね」 浮かべる笑みは見た目よりもどこか大人っぽさを感じさせるものだ。
#アカシャ
「はい、教会学校に来る楽しみのひとつでもありますから」 仲のいい友人と話すのは。
#モニカ
「こんにちは、ソルティアさん」
エリカ
軽く会釈し、「こんにちは、ソルティアくん」 うん、同い年ぐらいだと思っているからくん付けなのだ。
ソルティア
「こんにちは、モニカちゃんと……エリカさん、でしたか?」 モニカはそれなりに面識があり、エリカにはあまりない。 ゆえに口調がこうなる。
#モニカ
「はい、いつもアカシャにはお世話になっています」 敬語だが口調は柔らかく
エリカ
「うん、いつもモニカがお世話になってます」
ソルティア
「お世話になっているのはこちらの方だよ。 家ではいつも、モニカちゃんの話ばかりするんだから……」 はは
#モニカ
「あはは、それはわたしの方も一緒だったりするんですけど……」
#アカシャ
「ふふ、ここまで仲良くしてくれる友達はモニカの他に居ませんから」
エリカ
「ほんとにね」 笑いつつ。
エリカ
「まあ、モニカは身体が弱いからいつも心配なんだけど。アカシャちゃんが仲良くしてくれてるから、安心できるのよね。ほんとにいつもありがとう」
ソルティア
「いえいえ。 二人は友達なんですから、そうかしこまらずとも」 小さな笑みを浮かべたままで
#アカシャ
「私もモニカからは元気も貰ってますから、言いっこなしで」
ソルティア
「でも、女友達ばかりっていうのもねぇ……アカシャ、ボーイフレンドの一ダース位はもう出来たか?」 からかうように笑って、アカシャの頭をそっと撫でる。
#アカシャ
「もう、からかわないでください。そんな相手はひとりも居ません」
#モニカ
「でも、アカシャの事を授業中に見てる男の子って多いよね……」 指を折って何かの回数だか数を数え始めた
ソルティア
「ほほーう。 遊び半分でアカシャに近寄るような子は、ちょっとおしおきしてあげないといけないけどねぇ……」 ふふふ、とわざと怪しく笑って掌と拳をあわせる。<見てる子多いよ!
#モニカ
「相変わらずアカシャが大事なんですね」 くすくすと冗談らしく笑った
ソルティア
「少なくとも、僕の目を真正面から見れる奴じゃないと、うちのアカシャは任せられないからねぇ」 あっはっは
#アカシャ
「変な事はしないでくださいね……。私、これでも見習いのシスターなんですから、もし義兄さんが変なことをしたら神殿に居られなくなっちゃいます」
ソルティア
「手厳しいねぇ」 肩をすくめて。
エリカ
「ふふ。アカシャちゃん、お兄さんに愛されてるわねー」
#アカシャ
「いえ、エリカさんたちの仲の良さにはとてもとても」 苦笑した
エリカ
「それにしても、モニカも誰か気になる男の子とかいないのー?」 どうなのどうなの。
#モニカ
「わ、わたしは居ないよ。わたしより姉さんでしょっ」
エリカ
「うぐ」 ぐさ。 「わ、私はいいのよっ。それより色々やることがあるんだからっ」
#モニカ
「……えー、でも姉さんだってもう成人してるんだし、そろそろ相手の一人や二人見つけないと」 ちらっちらっとわざとらしくソルティアを見たり
エリカ
「い、いやあ……ま、まだいいわよー……わたしは」  「って誰を見ながら言ってるの」 ><
#モニカ
「この中で男の人って言ったら……ねぇ」
エリカ
「ばかなこと言わないの」 全く。
#アカシャ
「ああ、義兄さん。明日は私モニカとお買い物に行くので、日中は家を空けますね」
ソルティア
「そうか。 僕は明日も仕事だから、帰りはいつもと同じくらいになるけど……」<明日買い物
#アカシャ
「分かりました。夕飯を作る時間には帰ると思いますから」
#アカシャ
「義兄さん、確認しておきますけど、本当に冒険者になる……んですよね?」
ソルティア
「ん、あぁ。今月の終わりには、兵士は辞める事になってるよ。宿の目処ももう立てたしね」
#アカシャ
「そうですか。じゃあ、それまでにお守りを作っておきますね」
ソルティア
「……お守り?」
#アカシャ
「冒険者って、危ない仕事だって聞きますから。いつでも私が見守っていますよって感じられるような、お守りです」
ソルティア
「そっか。 ありがとうな、アカシャ。それがあれば、どんな魔物が相手でもぶっ飛ばして帰ってこれそうだ」 ふふ、と笑って
#アカシャ
「ううん。早く私も一人前になって、支えられるようにがんばりますね」
ソルティア
「もうアカシャは一人前みたいなものさ。だからこそ、兵士から冒険者へ職を変えようと決めれたんだからね」 撫です撫です
#アカシャ
「うーん……そうだといいんですけど、まだ始祖神の声も聞こえそうにないですし」
#モニカ
「でも、本当に心配ですよね……。冒険者って、此処1,2年で随分報酬の相場が上がったってこの前授業で聞きましたけど、やっぱりその分危険も増えてるんだとも聞きましたし」
エリカ
「……ん、そんなことになってるの?」 報酬とか。
#モニカ
「うん、最近の地方の情勢の不安定さから、冒険者の需要が跳ね上がって、それと同時に……って」
ソルティア
「そうだね。上手く依頼をこなせれば、今の俸給の数倍くらいになるみたいだし……報酬だけが目的、ってわけでもないけれど」
#アカシャ
「その分、悪徳な冒険者の店も増えて来たことが問題にもなっている、とも言っていましたね」
ソルティア
「宿も乱立してるからね。下調べにも結構苦労したなぁ……」<悪辣宿
エリカ
「ふーん……」 何か考えるような顔。
ソルティア
「報酬がいい分、遠出の仕事が多いけどね。兵士だと、有事の時以外はこうやって毎日迎えに来るくらいの余裕はあるけど……」
#アカシャ
「任せてください。義兄さんの帰る家は、私が守っておきますから」
ソルティア
「うん、うちの事は任せるよ。そうすれば、自然とお嫁にいっても困らないくらいには家事も出来るようになるだろうし……」 からかってばっかですこの義兄
#アカシャ
「私がお嫁に行ってしまって困るのは義兄さんだと思いますけど……」
ソルティア
「うっ。 それもそうか……つまりお嫁に行くのを妨害しないといけないんだね?」 違う。
#アカシャ
「それも違います……」
ソルティア
「そうか……アカシャも難しい年頃だな……」 そうか?
#アカシャ
「多分義兄さんが天然なだけかと思います」
#モニカ
「……姉さん?」
エリカ
「……へっ? あ、うん。どうしたの」 呼ばれてはっとして。
#モニカ
「何か考えてるみたいだったから」
エリカ
「あー、ううん、なんでもないのよ」
#モニカ
「何でもないならいいんだけど……」
ソルティア
「……っと、あんまり長く話してるのも神殿の人に迷惑だね。 この後寄らないといけない所もあるし、そろそろお暇しようか?」
#アカシャ
「あ、そうですね。そろそろ行きましょうか」
エリカ
「と……そうね。モニカ、私達もそろそろ帰ろっか」
#モニカ
「……ん、そうだね。そうしましょうか」
#モニカ
「うん、姉さん」
ソルティア
「確か、途中までは一緒だったね」 という事になった
#アカシャ
「はい。折角だから、そこまでは四人で行きましょう」
エリカ
「うん、そうしよっか」
GM
そうして、仲良く帰路につく君たち
GM
神殿から出て、いつもの道を行く
GM
その途中、モニカとアカシャが香ばしいパンの匂いに誘われて、君たちの了承を得た上でパン屋に吸い込まれて行き図らずも、君たちは二人きりとなった
ソルティア
「……さすがにこの格好じゃ入れないなぁ……」 鎧甲冑では営業妨害です
エリカ
「あはは……」 苦笑しつつ。 「……あ、ねえ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど……いい?」
ソルティア
「あ、はい、何でしょう?」 にこ、と穏やかな笑みを返す。
エリカ
「さっき神殿でしてた話……なんだけど。冒険者の報酬って、具体的にどれぐらいになってるものなのかなって」
ソルティア
「そうですね、受ける依頼のレベルにもよりますけど……昔の冒険者と今の冒険者の比較ですと、三倍くらいになってるみたいですね」
ソルティア
「元々、冒険者の仕事は一つの依頼の報酬が大きいですからね。 その分、危険が多いというのも、アカシャの言うとおりなんですが……」
ソルティア
「それに、依頼がなければ報酬もありませんし。 と言っても、最近は依頼もひっきりなしみたいですけどね」
エリカ
「い、いやあ……そもそも元の報酬の相場が分からなくって」  「……一回で何百ガメルぐらい貰えのかなあーって」
ソルティア
「何百なんて、とんでもない。一度二度依頼を請けた程度の駆け出しでも、一人当たり1000はいきますよ」
ソルティア
「その間の食費等も持ってくれるというのが基本ですしね。 武具などの装備にはお金をかけないといけませんけど」
エリカ
「少なくとも、あぶれることはないってことかあ……」 依頼がひっきりなし。 「……1000?え、駆け出しでそんなに?」
ソルティア
「本当に初めての依頼ですと、その半分程度になるようですけど」 「何度も依頼を重ねていけば、一人当たりの報酬が20003000と言った依頼も請けれるようになりますよ」
エリカ
「………2000や3000」 今の仕事の収入とは比べ物にならないぐらいの大金だ。
ソルティア
「その分大変は大変なんですけどね。 戦士として戦えたり、神聖魔法を使えたり、妖精と会話出来たり、とかそういう能力が必要になってきますから……」
エリカ
妖精。妖精使いでも、冒険者になれるのね?」
ソルティア
「え? えぇ、はい、そういう方もいますよ。 神聖魔法を使う神官や妖精魔法を使う方、真語魔法や操霊術を使う魔法使いは後衛として重宝されますから……」
ソルティア
「戦士や格闘家として体を張るより、危険は少ないかもしれませんね。 戦う魔物も魔法を使ってくる事があったりしますから、一概には言えませんけど」 はは、と世間話のように
エリカ
「……うん、そっか。重宝されるんだ」 なら尚更問題ない。妖精との語らい方は、昔、祖母に教えてもらったし。道具は、しまいこんだままにしてあった筈だ。
「……もうちょっと、詳しく聞かせてくれる? 冒険者のお店のこととか」
ソルティア
「は、はい。 構いませんが……」 アレ?って顔になりつつ。
エリカ
「できれば、ちゃんとしたお店でお世話になりたいし……あ、ソルティア君の行くところは何ていうの?」 とかあれこれ聞きつつ。
ソルティア
「僕が話をつけた冒険者の宿は、新市街の〈宵の明星亭〉と言うところで……」 うんぬんかんぬん
エリカ
「宵の明星……ね」 なるほどなるほどと。
ソルティア
「店主さんはおちゃらけてるように見えますけど、その実面倒見のいい方で……」 そうやって妹たちが出てくるまで、説明をし続けたのだった。
 
 
GM
そうして、エリカも密かに冒険者になる決意を決めた。あまり自信はなくとも、様々な物品がインフレーションを起こしている今、少しでも収入を増やしておきたかったのだ
GM
数日後、アカシャからソルティアに、二人のお手製のブローチが手渡される
GM
エリカがその事をモニカに話し、もうひとつ同じブローチが作られたのはそれからさらに数日後のことだった
 
 
GM
……これが、今から遡ること一年前の話
GM
新たな道を歩み始めて一年が経った二人の元に、ちょっとした変化が訪れ始めるのは、もう少し後のこと
GM
そこから先は、また後程語るとしよう
 
 

オープニングⅠ 「回想-新しい道-」 了

〈幸せの蒼い鳥〉

基本取引価格:1,000

知名度 12 形状 蒼い鳥を模した装飾の施された手造りのブローチ カテゴリ一般品
概要 所持していると幸運を呼ぶかも知れないお守り 製作時期現在○
効果
 このアイテムの所持者は、戦利品の決定に+1のボーナス修正を受けます。
由来と逸話
 アカシャとモニカによって、ソルティアとエリカの為に作られたお守りです。
 特殊な魔力はありませんが、二人の願いが込められたお守りは幸運を呼ぶ……かも知れません。