虚ろの輪音

オープニングⅡ「不精の騎士」

プレイヤーキャラクター紹介③

ヤンファ・シャンリーク

人間/男/21

フェンサースカウトプリースト

 ダーレスブルグの名家シャンリーク家に生まれ、剣術を学びながら育ってきた青年です。
 暗い赤色の髪をウルフカットにし、狼を思わせるような鋭さを持つ黒い瞳を持ちます。体格は細く見えますが、無駄な筋肉が付いていない引き締まった身体をしています。
 現在は騎士(とはいっても叙任を受けた正式な騎士ではありませんが)として、ダーレスブルグ公国軍内の騎士団に所属しています。
 “剣神”ヒューレの使徒でもあり、騎士団内では一見真面目な青年を装っていますが、本当の性格はずぼらで、事あるごとに理由を付けて訓練などをサボっています。

 シャンリーク家は代々、ダーレスブルグの王家に連なる一族であるイエイツ家の者を守護する重要な役目を担っており、ヤンファはシャルロットを護衛する立場にあります。
 ただし、ヤンファはそれをまったく重要視しておらず、護衛をサボるどころか、騎士団の活動を抜けだしては姿を偽り、“ジャン”という名前で冒険者活動を行なっています。


オープニングⅡ 「不精の騎士」

GM
そんな二人の若者が新たな道を歩き出した時から1年
GM
場面はダーレスブルグ公都防衛区にある、軍事訓練施設の一つに移る
GM
人目につかぬ場所で、必要外の訓練をサボり、今日も惰眠を貪る青年が一人。それが君、ヤンファ・シャンリークだ
GM
普段は善良な騎士を演じている君は、実際はこうもずぼらな人間であり、知恵が回るだけにこうして人目を盗んで仕事をサボタージュするのはお手の物だ
GM
周囲に人気は恐らく無く、君は一人だけの空間で好きに過ごしている
ヤンファ
「ふあぁ~」 大きな欠伸をしながら、手ごろな場所で横になっている
ヤンファ
「ったく……毎日ああも堅苦しいのをやってられるもんだなァ、皆」 ぼーっと空に輝く太陽を眺めつつ
ヤンファ
「悪いが、俺はこの昼寝タイムを満喫させてもらうがな、と」
GM
遠くからは、僅かに兵士たちの気合の入った掛け声が聞こえて来る
GM
……いや、聞こえる音はそれだけではなかった
GM
確実に、君の方へと近付いてくる声がひとつある
ヤンファ
「……ン?」
ヤンファ
「ぁ、やべ」 がばっと身体を起こす
#女性の声
「……ファ! ヤンファ!」
#女性の声
「ヤンファ・シャンリークッ! 何処に居るの! 返事をしなさい!」
GM
その声は、君にとって非常に聞き慣れた女性の声だ
GM
声がして、すぐに姿を現したのは、薄い青髪を靡かせた公国軍服に身を包む女性

ヤンファ
あいつならさっき厠にいったぞ!」 鼻をつまんでそこから叫ぶ
#女性の声
「嘘をつくんじゃありません! 訓練中にこんな所に居る人間は貴方しかいないでしょう、まったく……」
GM
女性の名はフェリシア・エアハート。君の騎士学校時代の同期であり、真面目で優秀な魔動機師である彼女は、24歳という若さにしてダーレスブルグ第四将軍の補佐官にまで上り詰めている
GM
そして同時に君の本当の性格を知る一人でもある
#フェリシア
「はぁ……本当、どうして貴方はこうなの」
#フェリシア
これ見よがしにため息をつきながら、君の眼前までやってきて両手を腰に当ててご立腹だ
ヤンファ
「くそ、面倒くせェ…」 しゃーねえなぁ、と頭を掻きながら
ヤンファ
よっこいせ、と立ち上がった
ヤンファ
「うるせえなァ……ガキのお守で拘束される身にもなれよ」
#フェリシア
「ガキのお守りって……貴方ねぇ。貴方に任されている仕事がどれだけ大事なものかわかっていないの?」
ヤンファ
「あァーはいはいはい」 耳に小指つっこんでぼりぼり掻きつつ
#フェリシア
「“はい”は一回ッ!」
ヤンファ
「アイツ、俺とタメ張るぐらいには強いんだから別に良いじゃねえか」 ふっ、とその小指に息をふきかける
#フェリシア
「良くありません。そういう個人の強さだけを問題にしているんじゃないんだから」
#フェリシア
「何で怒る為に来たんじゃないのにこんなに怒らなきゃいけないのかしら……。皺が増えるわ……」
ヤンファ
「国の重鎮に関わるってか……ったく」 はぁ~と溜息
#フェリシア
「栄誉と誇りのある役割なんだから、それをもうちょっと自覚して欲しいものね」
#フェリシア
「……で、私がわざわざ貴方を探しに来た理由だけど」
ヤンファ
「栄誉、ねェ……ン?」 
ヤンファ
「なんだよ、連れ戻しに来ただけじゃねえのか」
#フェリシア
「そのシャルロット様に関わること、よ」 どん、と乱暴にその胸にいくつかの書類を叩きつけた
#フェリシア
「あ、ちなみにその書類はそれとは別の仕事だから。明日までに目を通しておくこと」
ヤンファ
「チェンジで」 間髪いれずに。ノーセンキュー、のポーズ
#フェリシア
「却下」 同じく間髪入れずに答えた。
ヤンファ
「マジかよ……」 
#フェリシア
「当たり前でしょう」
#フェリシア
「……本題に移るわよ」 こほんとひとつ咳払い
ヤンファ
「はいはい」 なんじゃい
#フェリシア
「そのシャルロット様が、本格的に冒険者活動を始められるそうよ」
#フェリシア
「後は、言わなくても分かるわね?」
ヤンファ
「い゛っ……!?」
ヤンファ
「あれ本気だったのかよ……」
#フェリシア
「い゛っ、じゃありません。これはもう決定事項です。お二方の承認も取られたようです」
ヤンファ
額に手を当て、トホホ顔
#フェリシア
「シャルロット様は貴方と違って根っから真面目な方だから、当然本気です」
ヤンファ
「ホント面倒くせェ性格してんなアイツ……それじゃあ俺が自由気ままに冒険者やってる意味がなくなるじゃねえか」
#フェリシア
「まずそれがおかしいのよ」 何で騎士のくせに冒険者自由にやってるのよ
ヤンファ
「……で、護衛しろと」 恐る恐る訊いてみる。一応確認な
#フェリシア
「そういうこと」
ヤンファ
「やっぱりそうだよなァ……」
ヤンファ
「で、冒険者の店もあそこだろォ?」
#フェリシア
「そう。〈宵の明星亭〉」
ヤンファ
「一緒に居る理由も作らなきゃいけねえなァ。周囲から不自然がられねえように」 そこは真面目に考える
#フェリシア
「普段何かとサボる理由とか、抜け出す方法とか考えている貴方にとっては簡単でしょう」
#フェリシア
「異論は認めないけどある?」
ヤンファ
「認めてくれよ」 なっ?
#フェリシア
「お断りします」
ヤンファ
「認めてくれないと新しく発見した皺の位置教えんぞ」
ヤンファ
まじまじとフェリシアの額を覗き
#フェリシア
「……」 びきびき。顔は笑っているが笑っていない
ヤンファ
「ぁ、やめとこ」 これはシャレにならん
ヤンファ
「畏まりました」 へなへなと敬礼した
#フェリシア
「敬礼は誠意を込めてしゃきっとする」
#フェリシア
「はぁ……貴方を相手にしてると本当に皺が増えそうで嫌だわ」
#フェリシア
「……それで、貴方には今度、シャルロット様と共にジェラルド騎士神(ザイア)神殿長の元への出頭命令が出ているわ」
ヤンファ
「あァ、話通してるとはいえ挨拶すんのか」
#フェリシア
「勿論。詳しい話もそこでされるはずだから、さっき言った理由なんかもそこで話すことになるんじゃないかしら」
#フェリシア
「流石に何の餞別もなしでシャルロット様を送り出す訳にもいかないし、その辺りの事情説明も含めて、ね」
ヤンファ
「あのオッサン何か苦手なんだよなァ……」
#フェリシア
「それは貴方が不真面目だからです」
ヤンファ
「へいへい解ったって」 耳が痛いわ
#フェリシア
「はいは一回。さっきも言ったわよ」
ヤンファ
「解ったっての」 そしてその場にごろん、と再び横になる
#フェリシア
「何で横になっているの」
ヤンファ
「書類分厚いなァこれ……」 ぱらぱら
ヤンファ
「いや、これ読まなきゃいけねェし」
#フェリシア
「寝て読む必要があるの?」
ヤンファ
「快適だしな」 それだけだ
#フェリシア
「書類仕事をするならやっぱり事務室よねー。はい、起立」
ヤンファ
「また出頭かよ……」 今週何回目だ
ヤンファ
やれやれ、と立ち上がる
#フェリシア
「連れていかれたくないのなら、自分から仕事を終わらせに来ることね」
#フェリシア
「溜め込むから余計後が辛くなるのよ。ほら、今来るなら私も手伝ってあげるから、さっさと付いて来なさい」
ヤンファ
「ン、おう。悪ィな」
ヤンファ
「いやァ、なんだかんだ言って面倒見てくれるよな」 ありがたや
#フェリシア
「……普段から貴方がちゃんとしてればこんなことにはならないんだから、悪いと思うのなら今度からちゃんとしなさい」 ぷいっと踵を返して、兵舎へと歩いていく
ヤンファ
「はいはい、と」 がしがし頭掻きつつついていった
#フェリシア
「そうしなければ回らないからですッ」 振り向いて、怒ったように告げて、再び歩いていく
ヤンファ
「………また来月にゃ皺増えるなアレは」 ぼそっと呟いた
#フェリシア
「何か言った!?」
ヤンファ
「空耳空耳」
#フェリシア
「もう……」
GM
そうして君はフェリシアに連れられ、数時間の書類仕事に追われることとなる……
 
 
#金髪の青年
「……ひゅー、危ねェ危ねェ……」
#金髪の青年
「俺以外にもこのスポットに目を付けてるとは、侮れない奴だぜまったく……」
GM
近くに置いてあった木箱の中から、金髪蒼眼の青年がひょっこりと顔を出した
#金髪の青年
「こないだ何気ない振りして此処に木箱を設置しといて正解だったなこりゃァ。これは使える。いい手を得たもんだ」
#金髪の青年
木箱から転がり出て、先程ヤンファが寝そべっていた近くに仰向けに転がった
#金髪の青年
「っかし、こりゃ面白いことになりそうだ。今まで以上に張り切ってみんのもアリかもなァ」
#金髪の青年
「ま、とりあえずその前に一眠り一眠り……」 くぁ、とだらしなく欠伸をして、両手を枕にしてそのまま眠りに入った
 
 
GM
こうして、不精の騎士ヤンファ・シャンリークはひとつの転機を迎えることになる
GM
今の彼にとっては然程気にする程のものではないが、それが後々、彼の意志にどう関わっていくのか
GM
それはまだ、彼自身にも分からない

オープニングⅡ 「不精の騎士」 了