登場人物

“姫将軍”マグダレーナ・イエイツ Magdalena Yeats

「多くの戦いに立ち向かう為、君たちの力を私に貸して欲しい」

[人間/女/19歳]

 ダーレスブルグ第四軍を束ねる将軍です。
 5年前の《蒼き北伐》の際に戦死した伝説の英雄オトフリート・イエイツの娘であり、また現公王アルフレートⅢ世の姪にあたり、第五位の王位継承権を持ちます。
 また彼女自身非常に優秀なザイアの神官戦士であり、人々を守る盾として蛮族に対抗する盾となることに誇りを持つ武人でもあります。《蒼き北伐》以降勢いを増す「開放派」とは対立する立場にありますが、後戻りをするにも非常に難しい状況であり、少しでも国民たちの安全を確保する為に積極的に冒険者を雇い調査などを行っています。

アラン・ディーリアス Alan Delius

「生きる為に一番必要な事? そりゃァ運だろ運」

[人間/男/23歳]

 ダーレスブルグ公国各地を股にかけて活動する冒険者です。
 飄々として捉えどころのない性格で神出鬼没、何処かに現れては一騒動を起こしていつの間にか消えているという人物です。
 しかし腕は確かであり、各地の冒険者の宿からの評判はそこそこです。
 また冒険者と共に情報屋としても活動しており、一体何処から仕入れて来るのか、対価を払えば国家機密レベルの情報まで買う事も出来ると言われています。

フェリシア・エアハート Felicia Earhart

「そこ、サボらずにキリキリと働きなさい」

[人間/女/24歳]

 マグダレーナの補佐官を務める凛とした印象の女性です。
 バルクマンと並んでマグダレーナを守る立場にあり、彼女は主に政治的な面でマグダレーナをサポートしています。しかしながら、彼女自身も優秀な魔動機師でもあり、あまり人に見せる機会は無いものの体術もかなりのものだと言われます。
 真面目な人物でありながらもユーモアに富んだ一面もあり、マグダレーナ、バルクマンと比べて柔軟な発想が出来る人物でもあります。また、彼女の凛とした立ち居振る舞いは第四軍に所属する隊員たちから高い人気を得ており、はからずも第四軍の結束を強める事に対しても貢献しています。
 騎士団に所属するヤンファと同期であり、彼の素行不良な一面を知っている為、彼に向ける目は厳しいものとなってしまっています。

“揺らがぬ白壁”ジェラルド・ヘリオドール Gerard Heliodor

「人々を護る壁である事、それが我等の誇りだ」

[人間/男/42歳]

 ダーレスブルグ公都のザイア神殿を束ねる高司祭です。
 優秀な神官であるとともに類稀な実力を持った戦士でもあり、また信義に厚い性格で神官たちを始め多くの者に信頼されています。
 開放派と保守派の対立については中立的な姿勢を見せ、いかなる時も公民の安全を第一に考え、その信念に基いて行動します。
 ザイア神殿で育ったシャルロットとは浅からぬ関係にあり、彼女の親代わりのような存在でもあります。

トバイアス・ギルモア Tobias Gilmour

「この国に今必要なものは、勢いなのだ!」

[人間/男/46歳]

 ダーレスブルグ公国の伯爵位に立つ男性です。
 典型的な「開放派」の人物であり、常にレーゼルドーン大陸のより深部へと軍を進める事を主張しています。
 その強気な姿勢に魅力を感じて付き従う者も多く、現在ではギルモア伯爵を中心に開放派が成り立っているといっても過言ではありません。
 途半にして剣を握る力を失ったアルフレートⅢ世に対して憎悪にも近い感情を抱いているようで、彼を糾弾する代わりにマグダレーナへ不平をぶつける事も多いようです。

“剣の折れた剣豪”アルフレートⅢ世 Alfred Ⅲ

「……儂にはもう国を導く力はない」

[人間/男/66歳]

 ダーレスブルグ公国の現公王です。
 武門として知られ、また稀代の戦術家として名を馳せた英雄ですが、《ネベール会戦》を境にやせ細り、驚くほど無気力になってしまいました。
 現在では政治にほとんど興味を持たず、記憶や思考もあいまいで、口を開く事すら稀です。戦いでの怪我や老衰が原因と言われていますが、その真偽は定かではありません。
 彼がこのような状況に陥ってから、ダーレスブルグでの「開放派」と「保守派」の争いは激化し続けています。

ハウル・バルクマン Haur Barkmann

「皆、俺に続け。公国軍の力、蛮族共に見せてやるぞ」

[人間/男/25歳]

 インミスティの守備を任せられるマグダレーナの騎士です。
 元はカシュカーンの守備隊の隊長でしたが、インミスティ成立後も最前線に立ち続ける為、自ら志願しそちらに異動して蛮族への警戒に当たっています。
 実直かつ責任感が強く、マグダレーナや部下からの信頼も厚い人物ですが、同時に誰よりも堅物で融通の利かない事でも有名であり、それに対して不満を覚える者も少なからず存在します。
 根は非常に優しい人物なのですが、職務に傾倒するあまり常に寝不足で目の下に隈を作っている為、怒りっぽい人物なのではないかと周囲の人々に誤解を与えることもしばしばです。

ギル・ケンドール Gil Kendall

「んー、いいんじゃない? 若者は若者の好きなようにするもんさ」

[人間/男/38歳]

 ダーレスブルグにある〈宵の明星亭〉の店主です。
 おちゃらけた雰囲気の漂う放蕩中年のように見えますが、面倒見がよく、新人たちのサポートも的確にしている為、冒険者の間の評判は上々です。
 元軍人で、《ネベール会戦》で負った傷が原因で退役し、冒険者の店を開いたとされていますが、本人に軍人らしさは感じられません。
〈宵の明星亭〉はかなり新しい宿でありながら、店主の人柄と給仕のルーンフォークについた妙な人気によって繁盛しており、これからが期待されている宿です。

エルシオーネ Elsione

「マスター、今日も加齢臭がすごいですね」

[ルーンフォーク/女/10歳]

〈宵の明星亭〉唯一にして最大の給仕です。
 ルーンフォークらしく小柄で、表情の変化の薄い少女ですが、その口から放たれる言葉は間違った方向に感情豊かです。
 ギルを罵る事が最近のマイブームと語りますが、〈宵の明星亭〉が開店して以降、彼女がギルを罵倒しなかった日はないと言われており、とても“最近”で済んではいません。
 しばしば妙な料理や飲み物を作り出す事はありますが、基本的には料理の腕も上々で、給仕として常連客からは一定の信頼を置かれています。

モニカ・ケイ Monika Kay

「わたしには、姉さんを応援することしか出来ないけど……」

[人間/女/14歳]

 エリカの実の妹です。生まれつき身体が弱く、重病を患っており、定期的に高価な薬の投与が必要です。
 明るく素直な性格ですが、姉に似て気丈なところがあり、周囲に心配を掛けぬようにと無理をすることがしばしばあります。
 現在はライフォス神殿の提供する教会学校に通っています。
 下記のアカシャとは、歳が近い事もあり、非常に仲の良い友人です。

アカシャ Acacia

「……義兄さんの帰る家は、私が守っておきますから」

[ナイトメア/女/14歳]

 ソルティアが数年前に引取り、養育することになったナイトメアの少女です。
 両親に虐待されていた過去を持ちますが、今ではその影も見せぬ程純朴で心優しい性格です。
 両親はルキスラに身を置く貴族でしたが、ソルティアに引き取られた際、とある人物の便宜によってダーレスブルグ首都のライフォス神殿に預けられることとなりました。
 現在はソルティアの家に住みながら、ライフォス神殿の教会学校に通い、同時にシスターの見習いとしての修業を積んでいる最中です。