虚ろの輪音

第一部 第六話「紫の月の誘い」 - 03

エリカ
「……って」 はっとして。驚いてる場合じゃない。 「シャルロット、今すぐ治すから……!」
シャルロット
「平気です、エリカさん。今は、痛みもなんだかふわふわしてて気分がいいんです」 勝てたからかな、なんて危うい発言をしながら笑って
エリカ
「限界超えて感覚がおかしくなってるだけよ! 全然平気じゃない!」
ヤンファ
「なァにが平気だ馬鹿タレがァ」 シャルの膝の裏を鞘でゴッと突く。もう立ってるのも限界だろう
シャルロット
「うぎゃ……っ」 がこん。膝が落ちて、がっくりと膝立ちになる
ヤンファ
「ほれ見てみろ。紙一重じゃァねえか」
エリカ
「ああもう……!」 一先ず【プライマリィヒーリング】をシャルへ。16点なおっておきなさい。 2D6 → 3 + 2 + (11) = 16
シャルロット
「……ええと、なんでしたっけ? もう一度戦うことばかりが頭に入ってしまって、他の事を忘れてしまいました」
#ルナティア
「……勝負は、あなたたちの勝ち。……十分よ、思っていたよりも、ずっと強い」
シャルロット
「いえ。ルナティアさんこそ……やっぱり、まだ一対一では手も足も出そうに無いです」
#ルナティア
「一対一……ね」
#ルナティア
その才能に、この能天気さ……どちらが、本当なのかしら」
ヤンファ
「残念ながらどっちもだぜ」 肩を竦め
#ルナティア
「そう……」
ソルティア
「……ルナ……シャルロットさん……」 かける言葉も無く、立つ二人に小さく手を伸ばすが、唇を噛み締めて拳を握って腕の位置を戻す。
ソルティア
「……無茶しすぎですよ、シャルロットさん」 呆然としていた顔に苦笑を浮かべて、集まった皆へと近づいた。
ヤンファ
「………」 ソルティアをちらりと見る。本当はあの場所に自分が立ちたかったのだろうな、と思い
エリカ
「……」 流石に相手は負けを認めたようだし。ちょっと警戒しつつも近づき。
#ルナティア
「約束。あなたたちに今必要な事を、教えてあげるわ」
シャルロット
「……ねえ、ルナティアさん」
シャルロット
「……ぉお」 そういえば話を聞くんだった。あ、先にどうぞ
#ルナティア
「……何?」 いおうとしたら呼ばれた。 「……先に言って」
シャルロット
「今、またどこかに行こうというのなら……私は止めない事にします」
エリカ
「……!?」 はあ!?って顔で。 「ちょっ、何言ってるの!?」
#ルナティア
「……それで?」
ヤンファ
「また勝手なコト言ってやがるなァ」 考えなしってワケじゃないだろうが、他にも配慮しろよとか考えつつ
シャルロット
「出来れば、殺傷とか、やめて欲しいとはおもいますが……それはこちらへ連れ込んでもきっと同じことだと思いますし」
シャルロット
「何より私は、貴方の戦いが何であるかを見極めたい」 何がなんだか、今はわからないから
エリカ
「……」 何言ってるのかわからない、という顔でシャルロットを見る。
ヤンファ
「ま、それは今から話すことに含まれてるんだろォよ」
#ルナティア
そう」
#ルナティア
「それなら、あなたはシャルロット・イエイツとしての役割を果たしていけばいいわ」
シャルロット
「シャルロット・イエイツとしての……役割?」 不思議そうに首を傾げて
ヤンファ
「役割……ねェ」
#ルナティア
「ソル」
ソルティア
「あ……何、ルナ?」 一瞬遅れて呼びかけに反応する。
#ルナティア
「決着は、また今度、付けましょう。シャルロットが、彼女の役割を果たした後に、アカシャも交えてね」
ソルティア
「……そうか。うん、分かった」 少し俯きがちに、嬉しいのか困っているのか曖昧な笑顔で答える。
シャルロット
「アカシャさんが交わるなら、剣はぬきにお願いしますよ、ルナティアさん……あ、でもまた勝負しましょう」
#ルナティア
「保証はしないわ」
ソルティア
「……いや、いいんですシャルロットさん。アカシャにも、もう伝えないといけませんから」 彼女を追いかけているという事を。
シャルロット
「……ソルティアさん」 申し訳ないのと、自分のしでかしたことにはっとして。すごすごと頭を下げる
ソルティア
「いえ……」 困ったような笑顔で小さく手を振り、ルナティアを示して話を聞こうと促す。
エリカ
「……」 呆れているのか怒っているのか自分でもよくわからなくなってきた。
#ルナティア
「……さて」
ヤンファ
「話してもらうかァ」
#ルナティア
「そうね……まずは、私が予告状を出した本当の目的」
#ルナティア
「さっき、気付いた人も居るみたいだけど、私は此処にマグダレーナ姫やその兵士たち、そしてあなたたちを引き付ける為だけに、こうしているわ」
ヤンファ
「ま、そこまでは俺らも予測は立てたぜ。だが、その先だ」 解らんのは
#ルナティア
開放派(かれら)が、公都でゆっくりと準備する為の、時間稼ぎをね」
エリカ
「っ……」 公都で、という言葉に歯噛み。
ソルティア
「……マグダレーナ様は保守派の筆頭と言っても過言ではない人物です。この間に開放派が公都に根を張り巡らせるのなら、公都から追われてしまった形になりますね……」
#ルナティア
「……神殿襲撃事件の時に、公都には、帝国との連絡馬車がかなりの数増えていたわね」
#ルナティア
「必要なモノは、あの時には既に、完成して、公都に運ばれていたのよ」
ヤンファ
「完、成……オイオイ」
#ルナティア
「……だって、拉致するだけなら、馬車の3,4台も用意すれば十分じゃない? あそこまで、無理に数を用意しなくてもいいわ」
シャルロット
「……かんせい、していた? あの、それは……」 私たちが破壊したやつではないのか
ソルティア
「あの段階で? と言う事は……神殿を襲撃した事件は、連絡馬車が増えた事実を隠す為に起こった、と言う事?」
ソルティア
「隠す、と言うより、正確には他に目的があると気付かれないような、目的の偽装……」 顎に手を当てて考え込む。
#ルナティア
「ええ、そう」
シャルロット
「それに、運び込んだ……? 帝国、から?」 疲れているからか、ぼんやりした思考で
#ルナティア
「……ううん、それは、帝国じゃない。ただ、《響の楽園》から運んだだけ」
シャルロット
「楽園から……」 あそこにそんなもんがあったのか
エリカ
「……一体、何する気なの!」
ヤンファ
「まさか、公都そのものを乗っ取るつもりじゃァねえだろうなァ」
ソルティア
「そして、それだけの馬車が必要と言う事は、それだけ大規模な装置……まさか!」
#ルナティア
「……〈虚啓示録〉。それが、その時公都に運ばれた装置の名前」 ソルティアに。
シャルロット
「……虚啓示録」 響きが最悪だ。失った血のせいばかりではない青い顔になっている
#ルナティア
「〈HRユニット〉や呪素発生装置の改良版……いえ、あなたたちにとっては改悪版、かしら。そんなようなものね」
ソルティア
「やっぱりか……」
エリカ
「……」 やっぱり出来てたのか。
ヤンファ
「……が、それなら疑問があるぜ」
#ルナティア
「……何?」
ヤンファ
「そんだけのモンがあるんだ。別に俺らをこっちにおびき出すなんて煩わしいことしなくて良いんじゃァねえか?」
#ルナティア
「鋭いのね」
シャルロット
「……何か理由が?」
#ルナティア
「でも、それはマグダレーナ姫やシャルロットには効かないしそれに、あれだって、完全なものじゃないわ」
ヤンファ
「はァ……?」 効かない?
シャルロット
「きか、ない……? マグダレーナ様も?」
ソルティア
「……? 二人には効かない、とは?」 そこの姉妹を振り返って。
エリカ
「どういうこと、それ」
ソルティア
「お二人の名前が上がるという事は、血族的な何らかの理由があるのでしょうか……いや」 うーんと考え込み。
#ルナティア
「そうよ、あなたたちの中に流れている血が、それを防ぐの」
シャルロット
「イエイツ家の……血筋? でも、どうして……」
#ルナティア
「……さて、ね。これ以上は、言えないの。今の私にはね」
#ルナティア
感覚を取り戻しつつある手で、左目を撫でるように。
シャルロット
「……そうですか。その“枷”、早く壊さねばなりません」
ヤンファ
「………」 頭をぼりぼりと掻き
ソルティア
「……英雄、オトフリート・イエイツの血、と言う事ですか……?」
#ルナティア
「……半分正解、半分間違い」
ソルティア
「半分正解、か……残り半分は、自分で見つけろって言うんだね?」
#ルナティア
「そう、ね。それがいいわ」
シャルロット
回復も貰ったのだ。青い顔のままゆらりと立ち上がる
エリカ
「……よくわかんないけど、血だとか、その辺は一先ずどうでもいい。それで結局、あなた達はそのなんとかっていう装置で何する心算なの!」
#ルナティア
「私じゃないわ。仕組んだのは、開放派」
エリカ
「唯の雇われなのかもしれないけど、加担してる時点で同じようなものよ」
#ルナティア
「前にも言ったわ。雇っている側が常に上位だとは限らない、とね」
#ルナティア
「……まぁ、そうね。あなたたちなら、〈虚啓示録〉の影響下でも、どうにか動く事は出来るでしょう」
#ルナティア
「彼らが何を狙っているのかは、自分たちの眼で確かめた方がいいわ」
ヤンファ
「公都に戻れ、ってか」
エリカ
「自分の眼でって、貴女、今の自分の状況解って
ソルティア
「……分かった」 ルナにこくりと頷き。 「……それなら、早く戻った方がいい。既に準備は終わってると見て間違いないけど、遅くなって得をする事もないだろうしね」
ソルティア
「……彼女が語らないって事は、実際に行って見た方がいいんだと思う。実際、何が起こってるにしても、公都に戻らないといけないのは同じだしね」
エリカ
「……それは、そうですけど」
シャルロット
「判ってきました。いろいろと……」 ルナティアの言動を汲み取れば、もう、自ずと判ることだった
#ルナティア
「ええ、そういう」 こと、と答えようとしたところで。
GM
ピピピピピピピピ。
GM
ヤンファの懐で、通信機が鳴る。
ソルティア
「ん……?」
ヤンファ
」 咄嗟にポケットからそれを取り出す
シャルロット
「……ルナティアさ……ん?」 呼びかけようとしたら、何か横でなってるわ
エリカ
「……」 着信音に遮られたのに微妙な顔しつつ。
ヤンファ
「誰だ」 画面も確認せずに、装飾がじゃらりとついたソレに応答する
GM
ッガガ……ザー……と、通信機からは激しいノイズ音。
GM
その、数秒後。
ヤンファ
「ノイズ……?」
#
「…………ファ……! 大……、……都……音が……」 通信機からは、ノイズに紛れて聞こえる微かな声。
#
雑音に遮られ、非常に分かりにくいが、女性の声だ
#
その声色には、一切の余裕がない。
ソルティア
「ノイズ……? ジャンさん、通信先は分かりますか? シャルロットさんの通信機でかけなおすほうがいいかもしれません」 ジャミング対策してあるし。
シャルロット
「……いや、私の通信機にジャミングがかかっているわけではないですから……繋がりますかね」
ソルティア
「分かりませんが……少しはマシになるかもしれません」 とシャルロットに答えつつ。
ヤンファ
「………聴こえ……いや、これは」   「フェリシア、フェリシアか!」
#ルナティア
「もう、始まっているみたいね」
エリカ
「……? なん、ですって……?」
ヤンファ
「聴こえねえ。何があった!」
#フェリシア(通信)
「……みん……しく……って…………! 私も…………あた……痛……」
#フェリシア(通信)
相変わらずノイズは酷いままで、声を聞き取る事もままならない。
ソルティア
「……とにかくまずは公都に戻りましょう。馬を手配してきます……マグダレーナ様、構いませんか?」
#マグダレーナ
「……ああ、勿論だ。すぐに準備させる」
シャルロット
15年前の、再現ですか……ルナティアさん」 声は、酷く悲壮感が溢れている
#ルナティア
「……さぁ、ね」
ソルティア
15年前ってシャルロットさん、一体何……15年前?」
ヤンファ
「………」 15年前。そうか、それとイエイツの血に何かあるのか
シャルロット
「……それとも、更なる地獄でしょうか。……なるほど、根は深い、ですか」 
ヤンファ
「ちィ、聴きとれねえ。シャルが掛け直しても無駄そうか」
エリカ
「……?」 シャルロットのいうことはちっとも分からない。 「……ええと、ジャンさんはとりあえずそのまま繋いでて下さい。シャルロットの通信機を使うならアランさんにかけた方がいいかも」
ヤンファ
「……フェリシア、聴こえるか!すぐ戻る!耐えろ!」
#フェリシア(通信)
「……った……、……早……!」
#フェリシア(通信)
次の瞬間、通信機からゴッという強烈な打撃音。
#フェリシア(通信)
その後、通信機からはただ雑音が響くのみだった。
ヤンファ
フェリシア!おい!フェリシアッ!」
ソルティア
15年前……虚啓示録……」 少し考え込むが、首を振って。 「いえ、まずは帰還ですね。馬を手配してきます!」
ヤンファ
「………ちィ……!」 ぐっと通信機を握って電源を切る
#ルナティア
「急いだ方がいいわ。大切なものを、守りたいのならね。間に合うかどうかは、分からないけれど」
シャルロット
「いそぎ、ましょう……ジャンさ……じゃない、ヤンファさんでした」 ぜいぜいと肩で呼吸しながら、剣を収め盾を背負う
エリカ
「~~」 ああもう、何一人で解った顔してんのよこの子(シャルロット)は。 「いいから通信機貸して!」 >シャル
シャルロット
えりかにつうしんきちょっぱられるわ
#ルナティア
ちょっぱられたわ。
ソルティア
こちらはさっさとマグダレーナ様の許可を得て馬を用意してくるのだ。
エリカ
ちょっぱったのでとりあえずアランにかける。
シャルロット
一番高いやつ買ったんだよ!
エリカ
このクソアマァ!<一番高いやつ
ヤンファ
ワロタ<クソアマ
GM
では、シャルロットの通信機から、エリカがアランへと向けて発信
GM
ピピピピピピ……
ソルティア
そして皆の荷物をさくっとまとめておく。今のシャルロットじゃ馬には乗れないだろうからタンデム想定で、重い荷物は纏めて一匹の馬に乗せて引いていく感じで。
#アラン(通信)
おい! 今何処に居る!」 ノイズはありはするが、はっきりと声は分かる。
エリカ
「……」 アンネリースによくわからない手を加えられたこの通信機なら通じるかも……と。 「あ、アランさん!? 良かった、普通に通じてる……!」
#アラン(通信)
「……そりゃこっちの台詞だ。他のどの通信機にもまともに繋がりやしねえんだ」
エリカ
やってみるもんね、と思いつつ。 「今まだカシュカーンです。さっきフェリシアさんからジャンさんに連絡があったんですけど雑音だらけで」
ヤンファ
(一体どうなってやがる……) 通信機を見つめる
#アラン(通信)
「……悪いが、生の公都は雑音じゃ済まねェぞ」
ヤンファ
「……あァ、おそらくフェリシアもやられた。鈍器で殴られた音だけは聴こえたぜ」
エリカ
「一体どうなってるんですか、そっちは!?」
エリカ
「……ていうか」 ええと、モード切り替えた方がよさそうだ。ぽちぽち。全体に聞こえるアレにした。

シャルロット
「すみません、ルナティアさん……急ぎ向かいますので、これで」 おぼつかない手つきながら、ぱっぱと出立の準備をする
#ルナティア
ええ、頑張って。世界のために、ね」
シャルロット
「……そんなたいそれたこと、私にはとても。……私は、私の手の届く守れる人を力の限り守るだけです」
#ルナティア
「……そう」
シャルロット
「……その中には、貴方もいるんですから……そんな“枷”、ぱっぱとぶっちぎっちゃってください」
#ルナティア
「ッ……」 微かに、顔を痛みに顰めて、小さく首を横に振った。
シャルロット
「……」 哀しげにルナティアへ微笑んだところで……スピーカーから声が聞こえてきた

#アラン(通信)
「……音だ」
#アラン(通信)
「公都中に、音が流れてやがる」
エリカ
「……音?」
エリカ
「……まさか、それって呪素の!?」
ヤンファ
「………薄々感づいてはいたが……そうか、音か」
ソルティア
「どうしました?」 とりあえず馬の手配を終えて置いてあった皆の荷物を抱えて戻ってこよう。
#アラン(通信)
「呪素より……ずっとやべェもんじゃねェのかこりゃ」
#アラン(通信)
「俺は平気みたいだが軍の奴らは、尽く駄目になっちまってる」
エリカ
「呪素より、って……」
シャルロット
「……」 それは、きっと懐かしい音色なのかな
ソルティア
「……軍の人達が……だからフェリシアさん、ですか」
#アラン(通信)
「ジェラルドのおっさんやギルのとっつぁんとどうにか話して……市民の安全の確保に奔走してるが、それだけじゃ、事態はとても好転させられそうにねえ」
エリカ
「……軍人でも耐え切れないようなものが。公都中に……?」
#アラン(通信)
「……正確には、公国軍人だから耐えられねェんだ」
エリカ
「ど、どういうことですか?」
#アラン(通信)
「軍で支給されてる通信機にゃ、ちょっとした共通特性があるらしくてな。……俺ァ専門家じゃねェから、詳しい事は省くがよ」
エリカ
「……もしかして、それが〈ユニット〉と同じ効果を、っていうことですか?」
#アラン(通信)
「そうだ……よく分かったな」
エリカ
「……昨晩同じようなことの可能性が話に上がったところでしたから」
#アラン(通信)
「しかも、〈虚啓示録〉から発された呪素は、大気中に放出されてもあんまり摩耗されないらしい」
エリカ
しかし、それなら一般人であるモニカたちは大丈夫なのだろうか、と、思った矢先に。 「……」 安心は、出来ない、ようだ。
ソルティア
「……そうだ! アランさっ……」 アカシャの事を聞こうとして、今はそんな場合じゃないと口を噤む。
#アラン(通信)
「……悪ィ、まだあの子たちの事は分かってねえ」
ソルティア
「……そうですか、分かりました」 ぐっと言葉を飲み込んで。 「とにかく、僕らはそっちに行っても大丈夫そうですか?」
#アラン(通信)
「……ギルのとっつぁんやエルシオーネは大丈夫みたいだし、お前らが無事だっつー可能性は十分にあるだろ」
#アラン(通信)
「基本的にゃ、市民の中に侵された奴は居ないみてェだしな」
エリカ
「……そ、そうなんですか」 ほっとしていいのだろうか。良くない情報ばかりであまり安心できない。
ヤンファ
「俺がこの前ある事変の名前を出した時、シャル」 シャルロットを見 「ちょいと様子がおかしかったなァ」
シャルロット
「……そう、ですね……」
ヤンファ
「あの事変……なんつったか」 わざとはぐらかし  「……お前、何か知ってるな?」
シャルロット
「………えぇ、知っています。きっと、どこか懐かしいとさえ思えるのかもしれません」
ヤンファ
「……そうかァ」 通信の会話を余所にシャルを見つめ 「異変があったらすぐに言えよ。お前すぐ無茶するんだからなァ」
エリカ
「……ていうか、軍が駄目になってるって言いましたけど、一体どうなっちゃってるんですか?」
#アラン(通信)
「あっちこっちで兵士が虚ろな目して襲って来て、その対応で手一杯なんだよ……!」
エリカ
「……操られて、るんですね」 今までのように、と言っていいのか。
シャルロット
「……虚、人」
ソルティア
「分かりました。急いでそちらに向かいます」 とアランに答えて。 「マグダレーナ様はいかがなされます?」
#マグダレーナ
私も、駆けつけなければならないのだが」
#マグダレーナ
ふと、街の北側へと、目を向けた。
#マグダレーナ
そちらからは、無数の大群が押し寄せるような、大地を揺らす足音がする。
#マグダレーナ
「どうやら、それすらも許されないらしい」
エリカ
「……え?」
ヤンファ
「………」 ぽりぽりと頭を掻き  「やってらんねえなァ、こりゃ」
エリカ
「そんな、こんな時に……、じゃない……今、だから……!?」
ソルティア
「……開放派と蛮族が繋がっているなら当然のタイミングですが……!」
ヤンファ
「完全に連中のシナリオ通りらしいぜェ」 肩竦めて
#マグダレーナ
シャルロット」
シャルロット
「……ええ。お姉様」 力ない声で答え。無論、周囲に気を使いながらではあるけれど
#マグダレーナ
「後ろめたい思いは、あるかも知れない」
#マグダレーナ
「……だが、今この状況を打開出来る人物は、君たちをおいて他に居ない」
シャルロット
「判っています……」 よろり、とふらつきながらマグダレーナと向かい合う
#マグダレーナ
「……これは、《虚音事変》の時の音と、同じものである可能性は非常に高いだろう」
#マグダレーナ
「何故、それが今公都に流れているのか、それは分からないが」
ソルティア
「……15年前と聞いて思い出したのが、その話ですが……」
シャルロット
「………」 言いたくはなかった言葉だ。マグダレーナが口にした瞬間、傷みをこらえるような表情を浮かべる
#マグダレーナ
「どうか、仲間と共に、その過去に立ち向かって欲しい」
エリカ
「《虚音事変》……?」 以前にも話題に上がったし知っている。けど、そんな昔の、しかも遠方でのことが関係あるのか。
ソルティア
「ですが、それはセフィリア王国での話。それがダーレスブルグで突然とは……?」
ヤンファ
「俺らの思うより更に前から、このシナリオは組み立てられてたってかァ……」
エリカ
「……?」 事情が汲めない様子で、マグダレーナとシャルロットを交互に見る。
#ルナティア
「これは、《虚音》なんかじゃないわ」
#ルナティア
「似ているものであるのは、否定しないけれど」
シャルロット
「……恐らく」 指向性を持たせた、悪意のあるものだ
ソルティア
「確かに、《虚音》と呼ばれた理由はソレを耳にした人の心や頭が空っぽになるようだから、とつけられたものだから、今回の音とは違うものだろうけど……」
#アラン(通信)
「……とりあえず、お前らはこっちに向かってくれるってことでいいのか……!」
シャルロット
「行きます。1日です……それまで耐えてください」
ヤンファ
「当然だろォが」
エリカ
「え、ええと、兎に角すぐ向かいます!」
ソルティア
「えぇ、すぐに向かいます」
#アラン(通信)
「マッハで頼むぜ……、正直、朝までは持たねぇぞ」 馬で全速力で飛ばして夜中の内に付きやがれ。
シャルロット
「……」 あ、朝かあ。体が回復するかなぁ
ヤンファ
「ったく、そうやって考えなしに無茶するから馬鹿タレはよォ」 身体が思うように動かないシャルの頭を小突いた
ソルティア
「街へは入れそうですか?」
シャルロット
「大丈夫ですよ。保障済みです」 ルナティアさんのね
#アラン(通信)
「そりゃ多分問題ねェとは思う、音以外は……な」
ソルティア
「音と、襲ってくるであろう操られた人々ですか……」
#ルナティア
「……」
ソルティア
「……ルナ? どうかした?」
#ルナティア
「……いいえ、なんでも」
ソルティア
「少なくとも門が閉まっていたり、警備がきつかったりと言う事は無さそうですね……街へ入ってからは大変でしょうけど」
エリカ
「……軍の人が皆そんなになってるなら、確かにその辺は気にしなくても、よさそうですけど」
シャルロット
「もう行きましょう。概ね状況はつかめました。後は時間だけが敵です」
ヤンファ
「とりあえず準備が出来次第だ」
GM
「姫様……!」 と、北側から兵士がマグダレーナを呼びに来ましょう。
#マグダレーナ
「ああ、分かっている。私もすぐに行く」 と兵士に応えて。
シャルロット
「……おね……マグダレーナ様」
#マグダレーナ
「……ああ」 シャルロットに頷いた。
シャルロット
「過去を、倒してまいります」 疲労の際、そして精神的なダメージから力ない拳となってはいたが……確かな意思で、立ち向かう決意を見せる
#マグダレーナ
「今のシャルロットならば、過去に打ち勝てると信じている」
ソルティア
「ルナ……これは、君が望んだ事なのか?」 少し悲しげな顔でルナを見る。
#ルナティア
「私が望んでるのは普通の生活よ。今も昔も、ね」
ソルティア
「……そっか……それを聞いて、安心したよ」 ほっと息をついて。
エリカ
ッ」 どの口がそんなことを言うのかと、ルナティアを睨み。
#ルナティア
「その内、分かるわ」 エリカに冷ややかな目を向けて。
エリカ
「……分かりたくもない」 顔を背け。
シャルロット
「ソルティアさん……あまり、ルナティアさんを困らせないであげてください」
ソルティア
「御免、困らせるつもりはなかったんだ。ただ……少し不安になってただけさ」
シャルロット
「……いえ」 その質問自体が、きっと残酷な問いかけだ
#アラン(通信)
「……そろそろ、こっちは切るぞ。また別の奴らが来そうだ」
エリカ
「……あ、は、はい。解りました」
ヤンファ
「……あァ。頼むから無事でいろよ」
#アラン(通信)
「到着したら、まずは〈宵の明星亭〉に来い! ……いいな!」
ソルティア
「分かりました。こちらもすぐに出ます」
シャルロット
マグダレーナには頷き返して、アランの声に応えた。
ヤンファ
「………」 フェリシアの方が気になるが、先に合流しなければ
#ルナティア
「それじゃあ、私も行くわ」
#ルナティア
「これから、私は少しの間、表立って活動する事はないでしょうけど」
#ルナティア
「また、会いましょう」
シャルロット
「……また、会いましょう」
シャルロット
「……どうか、折れることがないよう」 私も、頑張るから、と言って
エリカ
「……って、行かせると思ってるの!?」
#ルナティア
「止められると思ってるの?」
ヤンファ
「俺らにはやることがあるだろォが」
ソルティア
「……御免、エリカちゃん。今は、行かせてあげてくれ」 エリカの肩を叩いて。 「ルナ。……今度は、三人で会えるといい」 アカシャと、僕ら二人で。
エリカ
「瀕死の癖に何言って……っ」 と、肩叩かれた。 「ソルティアさんまで……!」
ソルティア
「……御免」 エリカには謝る事しか出来ない。
シャルロット
「……その気になったら、多分殺されちゃいますしね」 あはは、と空笑いで
#ルナティア
「……残念。もう平気なの」 と言うと、一瞬でその傷が癒えて行き
#ルナティア
「それじゃあ、頑張って」 す、とその姿が闇へ溶け込むように消えていった。
エリカ
「な……」 嘘。
ヤンファ
「………」 やれやれ。中々纏まるのは先が長そうだ
#マグダレーナ
……」 止められぬ事は、理解していたようだ。
シャルロット
「あれは、どちらかというと“見逃してもらった”になるとおもいますよ、私は……」 苦笑いだ
エリカ
「~~っ」
ヤンファ
「とりあえず、あの女よりも先にやることがあるだろ」
シャルロット
「勝負には“勝ち”ましたけどね……殺し合いならもう首と体が泣き別れでしょうか」
#マグダレーナ
「エリカさん、今は、彼女の事は置いておこう。彼女には、もうこれ以上公都の一件に関わるつもりはないようだ」
シャルロット
「そうですね……急ぎましょう。守るべき人たちが、待っています」
#マグダレーナ
「君たちには、私に代わって公都へ戻り、公民たちを守る任を任せなければならない」
エリカ
「……そう、ですね。すいません」 解ってはいるけど。
エリカ
「……」 あんな奴、放っておいたら何をしでかすか解らないと。そう思う私は、間違っているんだろうか。
#マグダレーナ
「兵士には必要と思われるものを提供するように通達しておく。出発前に、確認は怠らないようにしてくれ」
ソルティア
「はい。マグダレーナ様も、どうかお気をつけて」
#マグダレーナ
「ああ、ありがとう」
ヤンファ
「任せとけ」 姫に頷き  「…………しっかし、最後まで現れなかったか。人目につくから、か」 小さくぼそりと呟いた
#マグダレーナ
「……ヤンファ?」
ヤンファ
「……いや、ちょっと気になることがあっただけだ。大したことじゃァねえ」
シャルロット
「……」 こないだのゴスっ子だろうか。
#マグダレーナ
「……そうか」 そう言うのならば、いいのだろう。
#マグダレーナ
では」
シャルロット
「ええ。それでは」 
ヤンファ
「あァ」
ソルティア
「失礼します」
エリカ
「……はい」
#マグダレーナ
「武運を」 騎士神式の印を切って、マグダレーナは蛮族との戦闘へと赴いた。
シャルロット
「貴方の背中は、私が」 
シャルロット
届かないであろう言葉を、その背中に投げかけて
シャルロット
新たな戦場へと、脚を踏み出した……

第六話 「紫の月の誘い」 了


GM
お疲れ様でした!
GM
ちょっと色々駆け足でごめんね!
ソルティア
お疲れ様でした!
エリカ
お疲れ様でした!
ヤンファ
お疲れ様っした!
シャルロット
おつかれさまっした!
ヤンファ
落ち着いたらエリカちゃんにどういうことか説明しろよ!って言われそう
エリカ
ジャンファに何なの説明しろタコって言いたいのは山々だけど状況的に第一部終わってからになりそう。
ヤンファ
だから落ち着いたらだ
シャルロット
あばれすぎだいじょうぶ……? >そる
ソルティア
□憧憬 ☑劣等感 になったくらいで大丈夫だ >しゃる
シャルロット
大丈夫じゃあねぇええええwww
GM
18D6 → 3 + 4 + 5 + 4 + 6 + 3 + 4 + 6 + 5 + 3 + 1 + 3 + 4 + 5 + 5 + 6 + 3 + 4 = 74
エリカ
!?
GM
4と7が逆になったwwwwwwwww
ソルティア
たけー
シャルロット
たっけー
リザルト
2012/04/21 第六話「紫の月の誘い」 経験:3,120 報酬:12,000G 名誉:74
GM
GMは今日は先に落ちる。
GM
成長とかは頼む!
GM
ではな!
ソルティア
とりあえず成長は四回だな!
ソルティア
とりあえずさくっと成長を振ってしまおう。一回目! 2D6 → 1 + 3 = 4
ソルティア
筋力。二回目! 2D6 → 1 + 6 = 7
ソルティア
器用。三回目! 2D6 → 1 + 5 = 6
ソルティア
器用。四回目! 2D6 → 2 + 5 = 7
ソルティア
、、 ち、知力。
シャルロット
成長4回・・・ファンブル差か!
ソルティア
俺は450点ほど経験点が上乗せされてるからな
シャルロット
私は3回です。1回目ー 2D6 → 3 + 5 = 8
シャルロット
筋力。2回目ー 2D6 → 4 + 1 = 5
シャルロット
器用度。3回目ー 2D6 → 2 + 5 = 7
シャルロット
敏捷度。
ヤンファ
成長4回
ヤンファ
1 2D6 → 1 + 4 = 5
ヤンファ
器用。2 2D6 → 2 + 1 = 3
ヤンファ
んーむむ。器用。3 2D6 → 2 + 4 = 6
ヤンファ
敏捷。4 2D6 → 2 + 2 = 4
ヤンファ
敏捷。いつになったら筋力伸びるの
エリカ
成長1回目。 2D6 → 4 + 6 = 10
エリカ
精神。
エリカ
2回目 2D6 → 1 + 4 = 5
エリカ
せ、生命……
エリカ
3回目 2D6 → 3 + 2 = 5
エリカ
ぐえー 敏捷。

▼能力値成長結果

シャルロットヤンファエリカソルティア
器用度 25 > 26
敏捷度 25 > 26
筋力  16 > 17
生命力 20 > 20
知力  24 > 24
精神力 20 > 20
器用度 27 > 29
敏捷度 28 > 30
筋力  23 > 23
生命力 20 > 20
知力  12 > 12
精神力 12 > 12
器用度 12 > 12
敏捷度 13 > 14
筋力  14 > 14
生命力 18 > 19
知力  25 > 25
精神力 28 > 29
器用度 26 > 28
敏捷度 15 > 15
筋力  22 > 23
生命力 21 > 21
知力  27 > 28
精神力 22 > 22